おすすめ漫画の『ワンピース』はワノ国編の最中。
このワノ国を現在統治している将軍が「黒炭オロチ」。錦えもんや光月モモの助の口振りから考えると、ワノ国はカイドウが植民地支配してるイメージがどうしても強かったですが、表向きワノ国を実効支配していたのは黒炭オロチ。
そこで今回ドル漫では「黒炭オロチ(くろずみおろち)の正体と能力」について徹底的に考察していこうと思います。
黒炭オロチはワノ国の将軍
まずは「黒炭オロチの正体」をおさらい。
黒炭オロチは現在のワノ国の将軍。一般的に軍隊のトップ(階級)が想起されますが、将軍という階級は「総理大臣(国家元首)」という位置付けで使われてる。例えば、北朝鮮のカリアゲロケットマンも将軍様と呼称されてます。
黒炭オロチの読み方は「くろずみ・おろち」。黒炭を人名に使う場合は「くろすみ」が正しいと思うんですが、オロチの嫌なキャラクター性を考えると「敢えての読み方」と考察されます。
黒炭オロチの根城は花の都の「オロチ城」。ここはワノ国の先代将軍・光月スキヤキのお城がかつてあった場所。まさに乗っ取り。そこでオロチは小紫(光月日和)などの芸者を集めて日夜どんちゃん騒ぎ。まさに典型的な悪代官さま。
黒炭オロチの直属の部下には狂死郎やお庭番衆がいるんですが、後者のお庭番衆は光月家時代から存在した忍者集団。これぞ居抜き。カイドウの百獣海賊団を率いてるわけではないものの、オロチは狂死郎などを通じて命令することも可能な立場。
オロチとカイドウは表裏一体といったところですが、狂死郎の正体は後に傳ジローと判明します。
黒炭オロチはワノ国の鎖国政策を進める
続いては「黒炭オロチのクソ野郎っぷり」を考察。
オロチは将軍としてワノ国の「鎖国政策」を取り仕切る。開国を目論む光月家は敵と教える一方、黒炭オロチは上月家と戦ったヒーローとして自らを英雄視させる。またカイドウを「ワノ国を守る明王さま」として奉るなど、これぞ偏向教育。
白ひげの言葉を借りるのであれば、黒炭オロチが支配する前のワノ国は「自由」だったとのこと。画像の時点で光月スキヤキがまだ支配していたため、厳密にはオロチと絡めた発言ではないものの、オロチ政権以前以降との違いがよく分かる発言。
ただし、オロチ支配以前からワノ国は空白の100年以降から鎖国政策を敷いてる。この鎖国政策に光月おでんも窮屈さを感じて、最終的にロジャー海賊団にも入団して、後の海賊王であるゴール・D・ロジャーと共にラフテルに足を運んでる。
正直ツッコミどころが結構多いんですが、黒炭オロチの存在はワノ国編を混乱させてる要因だったりします。
オロチは兵器密売で荒稼ぎするクソ野郎
そして、黒炭オロチは現在CP0(サイファーポールイージスゼロ)と裏で武器取引して暴利を貪ってる。
例えば海軍が使ってる海楼石も、実はワノ国産。ポーネグリフを製造できる光月家の技術力を武器製造に流用してる。カイドウはワノ国産の武器をドフラミンゴを仲介して政府に売りさばいてましたが、黒炭オロチこそが兵器密売の主犯。
だから国民にワノ国LOVEの鎖国政策を強いておきながら、自らは開国による恩恵(外国と経済的な交流)を謳歌してる。黒炭オロチの頭には「西洋風の王冠」らしき物体を被ってるんですが、これは自らの既得権益のために鎖国している象徴だったりしそう。
ちなみに、カイドウは黒炭オロチの「お金」を目当てに手を組んでる。黒炭オロチが「日本の総理大臣」と仮定すると、カイドウ様は日本の税金を使って駐留して頂いてる「在日米軍」といったところ。いつぞやからオロチはカイドウを用心棒として金で雇ってる。
黒炭オロチのモデルは豊臣秀吉?
続いては「黒炭オロチの過去」を考察していこうと思います。
まず黒炭オロチの正体はかつて「霜月康イエの家来」でした。鼻水を垂らすなど非常に悪意ある描写ですが、特徴的な2本の前歯が現在のオロチのそれと変わらず。
そこで見えてくるのは、やはり有名な「3人の日本の歴史上の人物」の関係性でしょう。キャラ名からも明白ですが光月おでんのモデルは織田信長、霜月康イエのモデルは徳川家康と言われてる。つまり消去法的に考えると、黒炭オロチのモデルは「豊臣秀吉」。
例えば、黒炭オロチの初登場シーンのおでんに対する献身的な振る舞いも、豊臣秀吉が雪遊ぶ日に織田信長のワラジを懐で温めていたエピソードと重なります。
実は豊臣秀吉は漫画やドラマでひょうきんなキャラクターとして描かれることも多いですが、晩年はヤバいエピソードが多い。かつて朝鮮出兵(文禄・慶長の役)で侵略行為を行ったのも豊臣秀吉でした。他にも鬼畜エピソードや蛮行が多数あったりします。
黒炭オロチのモデルは豊臣秀吉と考えて良さそう。
黒炭家は元ワノ国大名家だった
続いては「黒炭オロチの血筋」について考察。
黒炭オロチの招待は「黒炭家」と呼ばれるかつて光月家に仕えたワノ国の大名家の一つでした。
かつて光月家には「黒炭家」「霜月家」「雨月家」「天月家」「風月家」という5大名が仕えていたんですが、黒炭オロチの祖父は光月家の乗っ取りを目論む。その過程で霜月家以外は大方滅ぶ。ただオロチの祖父の計略は失敗に終わって処刑。
それだけならいいんですが、領土を全て取り上げられた黒炭家も没落する。その後、オロチを筆頭に黒炭家の末裔は迫害にあう。幼少期から人の目を気にしながら極貧生活を送る羽目になる。オロチの権力に対する執念は「元大名家」という血筋がなせるわざ。
他のワノ国大名の苗字には「月」という文字がもれなく入ってるのに対して、黒炭家にはなし。もちろん月といえばDの一族。当然ここにも光月家とDの一族に関わる大きな伏線が隠されているに違いない。
オロチの遠縁・ひぐらしは元ロックス海賊団?
一方、黒炭オロチに強い影響を与えた存在が「黒炭ひぐらし」。
黒炭ひぐらしはマネマネの実の能力者。光月おでんや光月スキヤキなどになりすまして、オロチを裏でサポートし続けた。後述するオロチの悪魔の実も、この黒炭ひぐらしから貰ったもの。
他にも黒炭家にはバリバリの実の能力者の黒炭せみ丸もいるんですが、黒炭ひぐらしはオロチに対して「いかに自分たちが悲惨な存在だったのか」を徹底的に教え込む。オロチに被害者意識を一方的に植え付けて、黒炭家が再びワノ国を乗っ取るために誘導。
だからオロチ単体でのし上がったと言うよりも、ワノ国の背景には「光月家 vs 黒炭家」という構図も見えてきます。
最終的に黒炭ひぐらしはカイドウにあっさり殺されてしまうものの、かつてマネマネの実で金獅子のシキの顔をトレースしてる。シキと言えば、元ロックス海賊団。黒炭ひぐらしも同様にロックス海賊団だとしたら、カイドウとオロチを引き合わせた張本人とも考えられそう。
黒炭オロチと光月おでんが初めて遭遇したのは39年前。ロックス海賊団がゴッドバレー島でガープに敗走したのが38年前。タイミング的に見事に符合します。黒炭ひぐらしが悪魔の実をゲットしたのも、このロックス海賊団時代だったに違いない。
黒炭オロチは約30年前からワノ国を実質支配
続いて「ワノ国の歴史と黒炭オロチが歩んできた過去」を考察したいと思います。
黒炭オロチはいつからか百獣のカイドウと手を組み出して、20年前に光月おでんを処刑する。そこから黒炭オロチの恐怖政治は始まる。この処刑時に赤鞘九人男の一部は光月トキのトキトキの実で逃亡したため、オロチの不安の日々は現在まで続くこととなる。
これが当初言われていたワノ国の歴史ですが、更に以前から黒炭オロチはワノ国を実質的に支配していたことが判明してます。
光月おでんは約30年前に白ひげ海賊団に加入したため、ワノ国では「次期将軍候補」が空き状態だったため、その隙きを狙って黒炭オロチは当時の将軍・光月スキヤキ(おでんの父)を毒殺。そして、黒炭オロチは28年前に「おでんの代理」として権力の座に座る。
だから、黒炭オロチはワノ国で20年前に急に軍事クーデターを起こしたわけではありません。むしろ黒炭オロチは着々と「政治的な実権」を握っており、光月おでんを「合法的」に処刑して正式にワノ国将軍に成り上がった。光月おでん自身は一度もワノ国将軍になったことはない。
おでんがラフテルからワノ国に帰還した25年前の時点で、既にオロチにワノ国の政治は支配されて手遅れ状態だった。処刑される4年もの間、おでんはオロチ相手に為す術もなかったのがいい証拠。「カン十郎」をスパイとして赤鞘九人男に送り込むなど、黒炭オロチは策士も策士でした。
黒炭オロチの目的はワノ国を滅ぼすため?
その後、我慢に耐えかねた光月おでんが赤鞘九人男と共にカイドウに反旗を翻すものの、見事に撃沈。その狼藉の罪でオロチはおでんを釜茹での刑に処す。一方、黒炭オロチの「目的」は何なのか?祖父の果たせなかった夢を叶えるということではありません。
黒炭オロチの目的は「ワノ国に復讐する」ため。一体何を言ってるか分からねぇと思うが…という名ゼリフも飛び出ますが、前述のようにオロチは幼少期に「黒炭家という汚名」のせいで迫害された悲惨な過去がある。オロチの親族もリンチにあって死亡。
そこでオロチは自分のような「無能な為政者」がトップに就けば、ワノ国の政治や経済をジワジワと腐敗していくだろうと考えた。その結果として、ワノ国の市民たちが貧困化して不幸になればウマウマという算段。まさに壮大かつ陰湿な計画。
オロチはあえて「道化を演じてる」ようなんですが、オロチが建てた武器工場のせいで40年以上前まで豊かだったワノ国の自然は荒廃。市民は飢えるものの、教育の効果か子どもたちはワノ国が素晴らしい国と誇る。まさに醜悪とも呼べる政治状況に陥ったのが、現在の日本…もといワノ国。
とはいえ計画としてあまりに回りくどい上、オロチは実際問題としてワノ国で暴利を貪ってる。しのぶはかつて「オロチは将軍でも独裁者でもない」と表現したものの、やはり独裁者は独裁者。ワノ国が滅んで一番困るのはオロチ自身でもあるはず。
そこまでオロチがワノ国に復讐心を抱いてるなら、ワノ国の国民に直接危害を加えてしまえばいいだけの話。何故そんな遠回りの復讐劇を行うのか解せない。
○オロチは途中で考案されたキャラクター?
だから、おそらくオロチは「途中から考案されたキャラクター」だったと個人的には考えてます。例えばカン十郎の正体も当初はスクラッチメン・アプーと同様にカイドウ直属の部下という設定だったのではないか?
実際、ズニーシャ編でオロチの名前は一切登場してない。一応、「将軍」という表記は確認できるものの、ここまでワノ国を蹂躙しておきながら、オロチの名前がワノ国編まで出てなかったのは不自然な話。
しかも先にネタバレしておくと、オロチは最終的にあっさり死亡します。ワノ国過去編では入念にオロチの過去も描かれますが、そこまでストーリー上重要なキャラクターだったとは思えない。それにも関わらず、何故ここまでオロチというキャラクターを無理やり作ったのか?
ズニーシャ編が始まったのは2015年前後。ワノ国編が本格的に始まったのが2018年前後。その間に、作者・尾田栄一郎の中で「なにか思うこと」があったと推察してみる。ワノ国はもちろん日本がモデル。そして、無能な為政者と言えば?
2020年8月に難病が案の定再発して退陣しましたが、安倍政権の歴史(2012年12月~2020年8月)と重なる部分が多い。安倍政権は不祥事もいろいろ多かったため何か思うことがあったんだろう…と個人的には推察してます。
でも黒炭オロチという悪役を急場しのぎに作った結果、カイドウという悪役がいつの間にか「裏方」に回ってしまった。そのことでワノ国編全体の分かりづらさなどに繋がって、今のONE PIECEがつまらないと言われる原因だったりするんだと思います。
【強さ】黒炭オロチの能力は「ヤマタノオロチ」
続いては「悪魔の実」について考察。果たして黒炭オロチは一体どんな能力を持っているのか?
黒炭オロチの悪魔の実は「ヘビヘビの実(モデル:ヤマタノオロチ)」。動物ゾオン系の悪魔の実に該当する幻獣種。オロチという自身の名前がそのまま悪魔の実にも反映されてる珍しい例。他だと光月トキなど一部キャラに限られます。
目の色が真っ赤、トサカが紫色、肌は蛇と同じ。見るからにおどろおどろしい。
だからカイドウの軍事力をバックにイキリ倒す黒炭オロチですが、自身もそれなりに強いっぽい。
事実、諜報機関CP0との交渉シーンにおいて、黒炭オロチはズズズと三本の龍と思しき首を背中から生やして恫喝してる。もし黒炭オロチ自身が強くなければ、CP0もここまでオドオドしないはず。
世界会議(レヴェリー)にもしぶとく参加してるワポルもクソ国王でしたが、バクバクの実の能力者だけあってそれなりに強くてルフィも苦戦しました。もちろん黒炭オロチも侍の血を引くため、それ以上の覚醒っぷりはやはり期待できそう。
ただし先にネタバレしておくと、黒炭オロチのヤマタノオロチの悪魔の実は結局どう強いのかは分からず仕舞いです。アニメ版ONE PIECEだとヤマタノオロチの特殊能力が披露される可能性もありますが、幻獣種だった割にウンコでした。
黒炭オロチがついに死亡?
このようにとことんクソ野郎の黒炭オロチですが、ワノ国終盤において最終的に死亡してしまいます。
これまでオロチに対して従順ですらあったカイドウによって、黒炭オロチは首をチョンパされて死亡します。ワノ国の歴史に深い爪痕を残していた悪党だっただけに、あっさり of あっさりな結末に驚愕したワンピース読者も多そう。
本来はトゲトゲ付きのこん棒を武器にしてるはずのカイドウが、何故かオロチを殺す場面では「刀という武器」で首を切り落としてる。まさに「例の政治家(日本の元総理大臣)の首を切る」という意味合いが込められていたに違いない。
ただ黒炭オロチは武器売買の交渉過程でベガパンクの引き渡しをCP0に要求していたため、ベガパンクが大量の「本物の悪魔の実」をカイドウに提供し、百獣海賊団を「本物の悪魔の実の能力者ばかりにする」と考察した時期もあります。
でも、結果的に「ストーリー上は何の重要もないキャラクター」でした。海軍機密特殊部隊のディエス・ドレークがワノ国に飛び六胞として潜伏していた理由と絡むとも考えましたが一切関係なし。だから、やはり黒炭オロチは「後から考えついたキャラクター」の可能性が高そう。
黒炭オロチは「8度復活」できた?
一方、カイドウの首チョンパ事件から約20話先にまさかの事態が発生します。
実は黒炭オロチは死亡してなかったことが判明します。「ぐふふバカ共!よくもわしを裏切ったな!カイドウ!焼き尽くしてやる!」とドクロドーム内を燃やす。カン十郎の悪魔の実が真っ先に思い浮かびますが、先程の画像ではオロチの出血が確認できます。
そのため黒炭オロチの能力はヤマタノオロチと同じ合計8つの首分だけ復活できた模様。正確には首を何度かはねられても死亡しない。黒炭オロチ本人の首とヤマタノオロチの首をそれぞれ別個と仮定したら、黒炭オロチは合計9回ほど復活できた可能性も考えられそう。
個人的に能力発動前のヒト型状態で死ねばそのまま死ぬと思うんですが、これは黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)の悪魔の実に繋がるのかも知れない。ケルベロスは3つの首がありましたから、黒ひげも3度ぐらい復活する伏線が張られていた?
ただし、翌週には傳ジローや河松にヤマタノオロチの首を全てはねられているため、もう黒炭オロチが再登場することはないはず。つまり完全にオロチは死亡したはず。
正直こんなすぐ死なすんなら、何故オロチを復活させたんやって話ですが、黒炭家と光月家の因縁を考えるとオロチの最後は赤鞘九人男に殺させたかったのか。あとは黒ひげの悪魔の実の能力に関する伏線。
コメント
ドルジくんの考察は面白いし合ってることも多いので最高です
オロチ=安倍晋三 納得
大変参考になりましたありがとうございます
オロチの生首がその後も何度か登場してるので
さすがに生存説はなさそうですね
政治と結びつけるのはナンセンス
と思ったらまだしぶとく生きてますねー
しょうもない考察だな。ナミがロジャーの子供ってのと同レベル
政治思想が邪魔で邪魔でしゃあなかった
最初は面白い考察だと思ったのに「マジカルわるい政治家♪わるい政治家と言えばあーべって♪」って個人の思想を漫画に繋げ始めたあたりからつまらなかった
マジカルバナナじゃなくて根拠上げようよ