漫画には数々のジジイキャラクターがいます。
例えば、コミックス累計発行部数が5億部を超える『ワンピース』にもシルバーズ・レイリーやモンキー・D・ガープやゼフなどがいます。高齢のジジイでありながら、どいつもこいつも戦闘力が半端ないキャラばかりでした。
（ONE PIECE57巻 ©尾田栄一郎／集英社）
その中でもワンピース最強のジジイキャラクターと言えば、やはり「白ひげ（エドワード・ニューゲート）」でありましょう。
そこで今回ドル漫では「白ひげ（エドワード・ニューゲート）」についてフルカラー画像付きで徹底考察したいと思います。白ひげが弱体化した理由はドフラミンゴの差し金だったのか？白ひげの名言とは？何故グラグラの実は自然ロギア系ではなかったのか？
白ひげは白ひげ海賊団・船長
まずは白ひげの情報を簡単にまとめたいと思います。
（ONE PIECEマガジン11巻 ©尾田栄一郎・Boichi／集英社）
白ひげは白ひげ海賊団の船長。本名は「エドワード・ニューゲート」。白ひげは単なる異名ですが、本名で呼ばれる機会は少ないです。
白ひげと呼ばれている理由は、そのまま鼻の下に伸ばした三日月状の「白い口ひげ」が由来です。Boichi作でも立派な口ひげがしっかり生えています。白ひげのキャラデザインのモデルはアメリカのプロレスラー「ハルク・ホーガン」とも言われています。
若かりし頃の白ひげはロックス海賊団の一員でもありましたが、その詳細は判明していません。かつて10代だったカイドウに対して、「ロックスが会いたがってた…どうする？」と仲立ちしたエピソードぐらい。
白ひげの身長は666cmとのこと。ほぼカイドウの710cmと変わらないため、白ひげの体格は思ってるよりデカいです。実際、ルフィの身長の約4倍。身長509cmのシャーロット・カタクリよりも全然デカい。
白ひげの声優CVは有本欽隆→大友龍三郎。好物は「酒」と「安い食べ物」とのこと。白ひげは生い立ちが生い立ちだけに、高価な料理は口に受け付けないのか。ただ白ひげは大の酒豪だけあって、高級酒は好きだったに違いない。
○白ひげが四皇と呼ばれた時期は？
白ひげはジジイだけあって、意外と博学でした。
例えば、レッドライン（赤い土の大陸）にかつて発火するルナーリア族が住む【神の国】が存在していた歴史を知るなど、まさに年の功を地で行く博識な一面ものぞかせます。百獣海賊団のキングと遭遇した際、白ひげだけは気付いていた可能性も高いか。
ただ白ひげの真骨頂は、やはり腕っぷしの強さ。
（ONE PIECE25巻 ©尾田栄一郎／集英社）
バギーも認めるように、白ひげは「世界最強の海賊」として名高かった。かつては海賊王のロジャーと唯一互角に戦ったとされ、白ひげはひとつなぎの大秘宝（ONE PIECE）に最も近い海賊だった。でも何故か白ひげは入手しようと動かなかったんですが、その理由は後述します。
ちなみに、画像の場面が白ひげの初登場シーンだと思われます。
また白ひげは四皇の一人でした。
四皇と呼ばれ出した時期は不明ですが、大海賊時代が始まる前はロジャー、白ひげ、金獅子のシキの三つ巴の状態だったとされます。そのため四皇という呼び名が生まれたのが25年前以降と予想されるため、おそらくビッグマムと同じく四皇の初期メンバーだったか。
○マリンフォード頂上戦争で白ひげが死亡するまで
白ひげの出身地は「スフィンクス」。グランドラインのどこかに存在したそう。
（ONE PIECE90巻 ©尾田栄一郎／集英社）
ただし、スフィンクスは天竜人に天上金を支払うことができない貧困国だった。そのため日常的に治安が悪化しており、程なくして滅んだそう。その後、「孤児」だった白ひげはそのまま海賊として海に出る。詳細な時期は不明ですが、。
それでも力（ちから）というTシャツを着ているように、白ひげは生まれ持って強かったに違いない。
白ひげの年齢は享年72歳でした。2年前のマリンフォード頂上戦争で死亡しています。かつて白ひげ海賊団に在籍していた黒ひげたちに、最後はとどめを刺されます。
ちなみに赤犬サカズキの攻撃で漫画版ワンピースだと顔の左半分が欠損していますが、アニメ版ではヒゲが燃えただけでした。グロ描写への配慮もあったのかも知れませんが、確かに脳が欠損しててどうやって生きてんねん、とツッコまれても仕方ないか。
その後、白ひげの遺体は赤髪のシャンクスによって、ポートガス・D・エースの墓と隣合わせで故郷スフィンクス近くの島に埋葬されています。
（ONE PIECE58巻 ©尾田栄一郎／集英社）
白ひげ海賊団の海賊船は「モビー・ディック号」。見た目は白ひげのイメージ動物の「白鯨」から来ているっぽい。マリンフォード頂上戦争では赤犬のマグマ攻撃で大きく損傷するものの、白ひげ海賊団1番隊隊長だったマルコが現在どこかで保管しているそう。
グラグラの実は超人パラミシア系最強の悪魔の実
続いては白ひげの「悪魔の実」について考察します。
（ONE PIECE58巻 ©尾田栄一郎／集英社）
白ひげの悪魔の実は【グラグラの実】。これは超人パラミシア系悪魔の実に該当し、「振動」をグラグラと起こすことができる。いわゆる地震を起こすことできる能力になります。まさに海軍本部のマリンフォードも島ごと海ごと傾かせるほどの威力でした。
だから白ひげの「グララララ」という特徴的な笑い方も、このグラグラの実から来ています。
グラグラの実は海軍元帥だったセンゴクは「世界を滅ぼす力」と畏怖するほどでした。超人パラミシア系最強とも言われていますが、自然ロギア系を含めても最強クラスの悪魔の実に違いない。そのため覚醒してる可能性が高そう。
事実、白ひげの身長は666cmのゾロ目でしたが、666は悪魔の数字として有名です。この設定も「グラグラの実≒悪魔の実の中の悪魔の実≒最強の悪魔の実」という含みが持たされている予感がします。
○グラグラの実は近接戦闘もできる高い汎用性
アニメ版『ワンピース』でグラグラの実を発動させるシーンの「効果音」が個人的にカッコ良くて好きです。
（ONE PIECE57巻 ©尾田栄一郎／集英社）
グラグラの実はオーラをまとった拳を大気にめがけて殴りつけると、空間がバキバキとひび割れることで衝撃波が発生する。地震だけではなく、巨大な津波も発生させられるため、グラグラの実の攻撃範囲は非常に広範囲であることが分かります。
（ONE PIECE57巻 ©尾田栄一郎／集英社）
一方、グラグラの実はそのままオーラをまとった拳で敵を直接殴りつけることも可能。画像は海軍の巨人部隊・ロンズ中将に対する攻撃ですが、巨人族であってもまさに一撃粉砕の威力を放ちます。だからグラグラの実は近接戦闘でも強みを発揮します。
（ONE PIECE59巻 ©尾田栄一郎／集英社）
例えば海軍大将だった赤犬サカズキとの戦いでも、白ひげは思い切り腹部にめがけてグラグラの実を発動させています。大気のひび割れが、そのまま赤犬に直接メキメキ。逆に赤犬がよく生き残ったなと言いたくなるレベルですが、白ひげが大きく負傷していたことも影響か。
拳だけではなく武器にもオーラをまとわせることができるため、グラグラの実は「超近距離の近接戦」から「超広範囲の遠距離戦」まで幅広く対応している点が大きな強み。まさに【世界を滅ぼす力】とは言い得て妙でしょう。
○グラグラの実の現在の所有者は黒ひげ
ただし、グラグラの実の現在の所有者は黒ひげ（マーシャル・D・ティーチ）になります。
（ONE PIECE96巻 ©尾田栄一郎／集英社）
黒ひげはかつて白ひげ海賊団に在籍し、孤児だった幼少期に白ひげに拾って育ててもらった過去があります。それにも関わらず、黒ひげはマリンフォード頂上戦争で白ひげにとどめを刺して、その際にグラグラの実を奪取しています。THE薄情者。
だから、現在の黒ひげはヤミヤミの実という「最も凶悪」と名高い自然ロギア系悪魔の実も同時に複数所有していることになるため、まさに【最強の超人パラミシア系】と【最凶の自然ロギア系】の能力を同時に使える計算。
一方、黒ひげは残る【動物ゾオン系の悪魔の実】もいずれ体得する or 既に体得していると言われています。黒ひげが複数の悪魔の実を所有できる理由も、元々所有していた動物ゾオン系（幻獣種のケルベロス？）の能力がベースにあるから、という説も根強い。
そのためグラグラの実が自然ロギア系ではなく、超人パラミシア系に該当していた理由も「黒ひげに最終的に継承させるためだったから」ではないか？この考察が正しいのであれば、黒ひげ・ティーチが動物ゾオン系の悪魔の実も所有している公算大。
白ひげの懸賞金額は？強さは？
続いては白ひげの懸賞金額や強さを考察します。
（ONE PIECE95巻 ©尾田栄一郎／集英社）
白ひげの懸賞金額は50億4600万ベリーになります。『ワンピース』の中でも50億ベリーを超えるキャラクターは白ひげ以外にロジャーだけ。2人の関係性は改めて後述しますが、白ひげは海賊王に並ぶ強者だったことが懸賞金額の大きさからも読み取れます。
ちなみに端数の46は「白（しろ）」から来ています。尾田さんの遊び心。
（ONE PIECE96巻 ©尾田栄一郎／集英社）
実際、最強の覇王色の覇気の持ち主だった海賊王ロジャーと白ひげは互角だった描写はワノ国過去編で描かれています。2人の覇気がぶつかり合った結果、天が真っ二つに割れるほど。
シャンクスも海軍大将・緑牛アラマキ相手にヤバすぎる覇王色の覇気を見せつけましたが、白ひげが晩年にやり合った際も天空が割れていました。それ故、白ひげは覇気の強さでも最強クラスだったに違いない。まさにスキなし。
○晩年にして白ひげのフィジカルも最強
ロジャーは悪魔の実の非能力者だったため、グラグラの実という最強の悪魔の実を持ち合わせる白ひげの方がアドバンテージがあるように思えます。
（ONE PIECE59巻 ©尾田栄一郎／集英社）
また齢72にして片手で巨大な海賊船を食い止めるなど、白ひげのフィジカルも最強レベルでした。いくら身長が666cmあると言っても、晩年は点滴を毎日打たないといけないほど弱体化していただけに、白ひげの全盛期の強さはもはや言うまでもないでしょう。
まさに世界最強の海賊と噂されるのも伊達ではない。
（ONE PIECE59巻 ©尾田栄一郎／集英社）
ちなみに、白ひげが愛用する巨大な薙刀の名前は「むら雲切（むらくもぎり）」になります。世界に12しかない最上大業物12工の一つ。ジュラキュール・ミホークの「夜」を筆頭に、キャラクターの強さを推し測る上で武器の強さやレア度も重要になってきそう。
ロジャーとはマブダチ？ライバル？
続いては海賊王のゴールド・ロジャーとの関係性を考察します。
（ONE PIECE61巻 ©尾田栄一郎／集英社）
白ひげとロジャーはいわゆるライバル（好敵手）関係にありました。2人は壮絶な戦いを何度も繰り返す過程で、ちょっとした友情が芽生えていた模様です。白ひげは「ロジャー」と呼び、ロジャーは「ニューゲート」と呼び合う仲でした。
ロジャーは24年前に処刑されているものの、実際に生まれたのは77年前。一方、白ひげは74年前に生まれていることから、ロジャーの方が3歳ほど年上だった模様です。とはいえ、実質的には同じ時代を同世代と表現して支障はないでしょう。
白ひげはロジャーが駆逐したロックス海賊団に加入させられていた過去も合わせると、2人の立ち位置や実力差が薄っすらと読み取れます。
○あの野郎とはロジャーの事？
（ONE PIECE45巻 ©尾田栄一郎／集英社）
また白ひげはシャンクスと邂逅した際、【あの野郎】から受けた傷が疼きやがると語っていました。シャンクスはロジャー海賊団のメンバーだったことから、あの野郎とはまさに「ロジャー」を指していると予想できそう。
この詳細が実際に語られたわけではないものの、白ひげの胸に4つほど傷が確認できます。逆に言うと、全盛期の白ひげを傷付けることができたのはロジャーだけだった裏返し。まさに2人は好敵手だった。
でも映画『STRONG WORLD』で配布されたコミックス零巻を読む限り、金獅子のシキと22年前（ロジャーの死から2年後）に再会した当時、白ひげの胸に傷は確認できていないので別人の可能性も高いです。単なる作画ミスなのか。
○白ひげはロジャーから世界の全てを教わる
（ONE PIECE59巻 ©尾田栄一郎／集英社）
また白ひげはロジャーと二人きりで花見する仲でした。これはロジャー海賊団を解散してから謎の失踪期間が一年ほどありましたが、この空白期間の出来事っぽい。この際、白ひげはロジャーからDの一族やひとつなぎの大秘宝の謎を詳細に教えてもらっている。
だから白ひげがマリンフォード頂上戦争で死を間際に「ひとつなぎの大秘宝は実在する！」と叫んでいましたが、何故ラフテルに到達したことがないのに断言できたのかというと、ロジャーの口から直接すべての謎を伝えられていたから。
白ひげが一番欲しいものは「家族」
ただ白ひげは空白の100年など全ての真実を知っておきながら、何故ラフテルを目指さなかったのか？実は白ひげの趣味は貯金なんですが、金銀財宝そのものにも興味がなかった。これは白ひげが「海賊を続ける理由」が関係しています。
（ONE PIECE59巻 ©尾田栄一郎／集英社）
何故なら、白ひげが一番欲しいものは「家族」だから。ただ実際に血の繋がりが欲しいわけではなく、ルフィ的な表現を使うのであれば「仲間」に近いニュアンス。天涯孤独の身で育った孤児だけあって、白ひげは家族愛を最も大事にしていた。
そのためエースを筆頭とした白ひげ海賊団のメンバーは白ひげのことを「オヤジ」と呼び、白ひげは逆に「息子」と呼び合う関係性だった。不良ほど家族関係が悲惨だったりしますが、白ひげ海賊団では特に家族（仲間）同士の殺しはご法度だった。
（ONE PIECE96巻 ©尾田栄一郎／集英社）
だから白ひげ海賊団だった光月おでんがロジャーから引き抜かれようとした際、白ひげは「おれから家族を奪おうってのか！？」と激怒したほど。白ひげにとって仲間が引き抜かれることは、まさに自分の体の一部が失われるに等しい感覚だった。
○海賊を続ける目的は「仲間」を守るため
そのため白ひげが海賊を続ける理由も「仲間を守る」ことだった模様。
（ONE PIECE65巻 ©尾田栄一郎／集英社）
例えば、魚人島を敢えて自分の縄張りと宣言し、さまざまな海賊の侵略から防いでいた。「おれのダチの国を荒らしてんじゃねェよ！ハナッタレ共がァ！」とは白ひげ。ちなみに、ネプチューン王とは友情の盃を交わしたマブダチでした。
（ONE PIECE56巻 ©尾田栄一郎／集英社）
他にもエースを白ひげ海賊団に迎え入れた理由も「海軍から身を守るため」でした。エースはロジャーの息子だったが故に、特に海軍から標的にされていた。本人は白ひげを海賊王にするためと意気込んでいたものの、まさに親の心子知らず。
逆に、かつてライバルだったロジャーの息子である「エースを海賊王にしよう」と白ひげは考えていたほど。ロジャーは「ONE PIECEはおれの息子が見つける」と豪語していましたが、例の花見の際に白ひげにいろいろ語っていたことも影響か。
だから、ラフテルに到達して海賊王を目指すわけでもない、また市民から財産を簒奪・略奪するわけでもない、もはや海賊とは対局に位置する漢が白ひげ（エドワード・ニューゲート）と言えます。
ちなみに、白ひげにはエドワード・ウィーブルという実の息子がいるとされますが、実際に血が繋がっているかは不明です。
実際、ウィーブルは白ひげ並みに強いものの、見た目も中身も似ても似つかぬほど雲泥の差でした。またウィーブルの肉体はツギハギであることから、ヴィンスモークファミリーのような改造人間っぽい雰囲気も漂います。
○弟の光月おでんが殺されても復讐しなかった理由は？
一方、白ひげは船員を「息子」と呼んでいたんですが、中には「弟」と表現する仲間もいました。
（ONE PIECE95巻 ©尾田栄一郎／集英社）
それが光月おでん。おでんが生まれたのが59年前、白ひげが生まれたのが74年前だったので、二人の年齢差は15歳。だからおでんは息子と呼んでても良さそうですが、白ひげにとってはどこか「特別感」も感じていた家族だったのかも。
光月おでんは白ひげ海賊団からロジャー海賊団に移籍後、そのままラフテルに到達し、白ひげ海賊団に一度も戻ることはなくワノ国に帰還します。ただ既にワノ国は黒炭オロチたちの支配下にあり、最終的におでんはカイドウに敗北して処刑される。
だから引き抜き程度で激怒していた白ひげですから、実際に家族の命を奪われれば復讐に行っても良さそうですが、ついぞカイドウがいるワノ国に復讐に行くことはなかった。この白ひげの行動原理にはやや違和感が残るワンピース読者も多かったか。
（ONE PIECE999話 ©尾田栄一郎／集英社）
ただワノ国は鎖国国家だけあって、「光月おでんの処刑を知ったのは数年後の話」とはおでんの臣下でもあったイゾウ。また白ひげは「おでんが倒せなかった男をお前に討てるか」と、逆に復讐に動くエースを諌めようと激怒する始末。
家族の死を知ったのがいつであろうと、家族の死は家族の死。やはり違和感は残るものの、四皇同士が全面衝突するとマリンフォード頂上戦争並の激戦は必至。それだけ多くの犠牲が強いられる。あくまで白ひげは「現在の家族の安寧」を優先させた結果か。
確かにサッチを殺した黒ひげも放置していたことから、白ひげは家族愛を重視するものの見境なくリベンジするタイプではなかったのかも知れない。
白ひげの名言・名シーンまとめ
こんな家族愛に満ち溢れた白ひげですから、登場シーンは主にマリンフォード頂上戦争のみと限られるものの、それなりに名言・名シーンも多いです。
○バカな息子をそれでも愛そう
（ONE PIECE58巻 ©尾田栄一郎／集英社）
おそらく白ひげで一番有名な名言が「バカな息子をそれでも愛そう」。
これはマリンフォード頂上戦争でスクアードという傘下の仲間が、海軍大将だった赤犬サカズキにたぶらかされて白ひげを攻撃してしまう。スクアードはロジャー海賊団に仲間を殲滅させられた過去がある。一方、スクアードも仲良くしていたエースはロジャーの息子。
でも白ひげはそれでもスクアードの裏切りに理解を示し、「親の罪を子に晴らすなんて滑稽。エースがお前に何をした？仲良くやんな。エースだけが特別じゃねェ…みんなおれの家族だぜ」とスクアードを無条件の愛で再び包み込む。
○海賊なら信じるものはてめェで決めろ！
（ONE PIECE58巻 ©尾田栄一郎／集英社）
続いての名言が「海賊なら信じるものはてめェで決めろ！」。
先程のスクアードにつられて、白ひげの言動に疑心暗鬼になる傘下の海賊団たち。これに対して、白ひげが「何が正しいかは自分で決めろ」と一括する。他人の意見に左右されすぎると、どうしても判断を誤ることは現実世界でも多々ある。周りに流れないことが重要。
（ONE PIECE58巻 ©尾田栄一郎／集英社）
そして立て続けに「おれと共に来る者は命を捨ててついて来い！」と鼓舞する言葉を吐き、自らが先頭に立つことで仲間たちの疑念を払拭させる。まさにTHEリーダー。また仲間に撤退する余地を敢えて残すことで、親としての愛情も感じさせる名言でした。
他にも最後の船長命令なんかも名言の一つかなと思います。
○誕生ケーキにでも灯してやがれ、マグマ小僧
（ONE PIECE57巻 ©尾田栄一郎／集英社）
一方、赤犬サカズキとの戦いで見せた名言が「誕生ケーキにでも灯してやがれ、マグマ小僧」。
これは赤犬のマグマ攻撃を薙刀・むら雲切で突き刺して、白ひげが自らの息で吹き消した後に出た名言。赤犬のマグマは、さながら誕生日ケーキにささったロウソクの火の如きと揶揄している。マグマ小僧という表現からも、赤犬を子供扱いしている点も白ひげの風格を感じさせる。
一方、赤犬も赤犬で「派手な葬式はキライか？」と白ひげを煽る。このバチバチ感がたまらない。言うまでもなく、誕生日（生）と葬式（死）が見事に対比されている名言。ちなみに、白ひげと赤犬の年齢差は15歳です。
白ひげの持病は心臓病だった？
ただ世界最強の白ひげもマリンフォード頂上戦争で最後は死亡しています。理由は肉体の老いにあります。マリンフォードでは壮絶な戦いを見せましたが、晩年の白ひげは常に【点滴】を打たなければいけないほど弱体化していました。
白ひげの没年が72歳だったためそれなりに高齢であるものの、ワンピースには100歳超えのキャラクターも少なくない。同じく四皇だった68歳のビッグマムが現役バリバリだった点も踏まえると、白ひげの敗北は老いだけでは説明しにくいはず。
（ONE PIECE58巻 ©尾田栄一郎／集英社）
事実、クロコダイルも「みっともねェじゃねェか！おれはそんな弱い男に敗けたつもりねェぞ」と苛立ちを隠せませんでしたが、白ひげが心の中で弱音を吐いている場面で「心臓」を左手で抑えている描写が確認できます。
そのため白ひげは【心臓病】だった可能性も考えられます。現実世界では心臓に流れる血液が乏しい場合、血管を広げる薬を点滴することも多い。
もちろん白ひげが一体どういう持病を抱えていたのか、そもそも持病があったのか不明ですが、それでも高齢者になったからといって普通は点滴までしません。
○【点滴】白ひげ弱体化の原因はドフラミンゴ？カイドウ？
そこでカギを握るのが「点滴に描かれていた謎のマーク」にあります。
（ONE PIECE25巻 ©尾田栄一郎／集英社）
その【点滴のマーク】がこちら。一見すると、ドクロマークを反転させたデザインですが、白ひげ海賊団の海賊旗とは明らかに異なります。ただ実は、とある海賊団の海賊旗に似たデザインだったことが判明しています。
（ONE PIECE77巻 ©尾田栄一郎／集英社）
それが【ドフラミンゴファミリー】の海賊旗。斜めの斜線こそないものの、これをそのまま逆さに反転したら、先程の白ひげの点滴に描かれたデザインと酷似します。色味も同じ赤。
つまり、白ひげの心臓が弱った理由はドフラミンゴの謀略によるものだったのではないか？
○若かりし頃の白ひげに持病の描写はないため…
実際、白ひげ海賊団には女性船員が一人も乗っていなかった。確かに点滴するシーンでは美人ナースをはべらせているものの、出航時は全員船から降ろしていた。逆に言うと、ナースの立場であれば白ひげに外部から近づき、さながら毒を盛ることも可能なのではないか？
ワノ国編の回想シーンなどを見ても、若かりし頃の白ひげに心臓病だった気配がないため、意図的に心臓の機能を悪化させたとは考えられる。ドフラミンゴは四皇カイドウの手下だったことから、正確には背後でカイドウが暗躍していたのかも知れない。
マリンフォード頂上戦争でカイドウは白ひげ打倒に動いていましたが、これは白ひげが毒で弱っていたことを知っていたから？白ひげは既に死亡し、カイドウもギア5状態のルフィに敗北していることから、今後この謎が明らかにされる可能性は低そうですが…。
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