【漫画紹介】SAKAMOTO DAYS ネタバレ感想まとめ!面白い?おすすめ?つまらない?内容あらすじレビュー【サカモトデイズ】

『SAKAMOTO DAYS(以下サカモトデイズ)』のネタバレ感想を画像付きでレビューします。作者は鈴木裕斗。掲載誌は週刊少年ジャンプ。ジャンルはバトル漫画。

『サカモトデイズ』は2020年後半から連載が開始されましたが、早くからナントカ漫画大賞にいろいろノミネートされるなど漫画好きの中では話題でした。

そこで今回ドル漫では『サカモトデイズ』が面白い漫画かどうかを徹底的に考察しようと思います。本当におすすめなのか?本当はつまらない漫画なのではないか?

内容あらすじ・ストーリーまとめ

まずは『サカモトデイズ』の内容あらすじを解説します。

主人公は【坂本太郎】。銃撃、剣戟、肉弾戦などあらゆる戦闘において最強を誇る伝説の殺し屋だった。全ての悪党から恐れられ、全ての殺し屋の憧れの的でもあった。裏社会で「坂本」の名前を知らぬ者はいないほどだった。

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(サカモトデイズ1巻 ©鈴木裕斗/集英社)

しかし、坂本は葵(あおい)という女性に一目惚れしてしまった。その直後、坂本は殺し屋稼業からあっさり足を洗ってしまう。結婚出産といった「当たり前の日常」を手にした坂本だったが、それを手に入れた代償は大きかった。

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(サカモトデイズ1巻 ©鈴木裕斗/集英社)

その結果、坂本は「幸せ太り」してしまう。「人は殺さない」という妻との約束を守る坂本に、かつての伝説の殺し屋の面影はなかった。坂本商店という雑貨店を妻と共に経営しており、気軽に立ち寄る小学生を接客するなど平和な日常を送っていた。

○シンとの出会い

ある日、そこに【朝倉シン】という坂本の元部下だった青年が会いに来る。

エスパーの能力者だったシンの目的は、坂本に再び殺し屋に戻るように誘うことだった。シンは所属していた日本殺し屋連盟(殺連)に関する組織の命令で動いていたものの、坂本は「今の日常」を理由にキッパリ断る。

しかし組織は坂本の裏切りを許さず、結果的に任務を失敗したシンが殺されそうになる。

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(サカモトデイズ1巻 ©鈴木裕斗/集英社)

ただシンを救ってくれたのが坂本だった。坂本は肥満体型になっていたが、殺しの技術は依然として天下一品だった。坂本商店にはいつでも大量の武器を妻に内緒で隠すなど、「愛する家族を守る」ために殺し屋としてのチカラは常に温存したままだった。

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(サカモトデイズ1巻 ©鈴木裕斗/集英社)

その後、行くあてのないシンを雇った坂本は次第にコンビとして信頼関係を深め、二人は様々な困難に立ち向かっていく。

○ORDER vs スラー

しかし坂本たちに平和な生活が訪れることはなかった。

何故なら、坂本に10億円の懸賞金がかけられたから。次々と襲ってくる暗殺グループの裏で暗躍するのが【スラー(X)】と呼ばれる謎の男だった。スラーによって殺連に所属する殺し屋400名の内100名が既に惨殺されるなど、プロの殺し屋そのものが次々と消されていった。

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(サカモトデイズ2巻 ©鈴木裕斗/集英社)

スラーに対抗するために立ち上がったのが、殺連直属の特務部隊【ORDER】だった。殺し屋界の秩序(オーダー)を保つ殺し屋界の最高戦力。危険性が高い殺し屋の抹殺を任務とし、かつて坂本も所属していた精鋭部隊。

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(サカモトデイズ7巻 ©鈴木裕斗/集英社)

そして、スラーの魔の手が坂本にいよいよ迫る。スラーはかつて学生時代の旧友だった【有月(うづき)】と名乗る男だったことが判明する。学生時代は存在感がなかった男だったが、有月の狙いは一体何なのか?果たして坂本は家族を守ることができるのか?

元・最強の殺し屋 vs 現・最凶の殺し屋の戦いが今始まる。

アクション描写が秀逸

ということで『サカモトデイズ』のおすすめポイントや面白い点を考察していこうと思います。

『サカモトデイズ』のおすすめポイントは【秀逸なアクション描写】になります。

当ブログでは大卒漫画家一覧という記事も既にまとめてますが、作者の鈴木裕斗は東京藝術大学出身。だから独特の荒い絵柄は癖があるものの、実はめちゃくちゃ絵が上手い。

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(サカモトデイズ6巻 ©鈴木裕斗/集英社)

例えば、東京タワーの内部で戦うシーンは「立体的な構図感」が見事。ここでキャラクターが変なセリフを喋らせていない点もシンプルで良い。

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(サカモトデイズ1巻 ©鈴木裕斗/集英社)

坂本は武器の性能に頼るのは三流という考え方を持っているため、常に【周囲の道具】を利用しながら敵をいなしていく発想の豊かさが面白い。暴走するバスを「標識」を使って止めるシーンは、まさにハリウッド映画のそれに近い強引な派手さがあります。

○アイデアも豊富で決めゴマもカッコいい

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(サカモトデイズ7巻 ©鈴木裕斗/集英社)

他にも【楽(がく)】というスラーの一味が【篁(たかむら)】というORDERでも最強の殺し屋に腕を切られたシーンでは、自らその腕を「いらね」と蹴り飛ばして逆にカウンターを食らわせる。展開を打開していくアイデアがすごく豊富。

ダイナミックな構図やコマ割りも読者をいろいろ楽しませようとする意図を感じるのも良き。

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(サカモトデイズ7巻 ©鈴木裕斗/集英社)

篁(たかむら)がドアを向こう側から開けるシーンにしても、刀を突き刺して豆腐のようにスーッと切り裂いてノブを下げる場面も今までありそうでなかった演出。アクション描写は控えめなものから大立ち回りの派手なものまで多彩で飽きさせない。

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(サカモトデイズ2巻 ©鈴木裕斗/集英社)

こういうバトル終わり後の「決めゴマ」もカッコ良いので、読後感も素直に良かったりします。

シンのキャラクターも意外と悪くない

また【坂本】と【シン】のコンビプレーや掛け合いも意外と悪くない。

シンのことは第一印象であまり好きではありませんでした。没個性丸出しのルックスと雰囲気で、寡黙な坂本に対していかにも取って付けたような感が強かった。能力的にも強いわけでもなく弱いわけでもなく、敢えて必要なキャラクターとも思えなかった。

ただシンは徐々に存在感は増していく。坂本の指導を受けていく中、人間としてたくましく成長していく過程が意外と引き込まれる。他人の心が読めるからこそ仕掛けも多く、透明人間のような敵にも立ち向かえるなど割りと活躍のシーンが多い。

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(サカモトデイズ9巻 ©鈴木裕斗/集英社)

戦力の面でも申し分ないレベルに成長していくため、キャラデザそのものは大きく変化していないものの、徐々にカッコよく見えてくる不思議。イケメンと呼べるかは微妙ですが、それでも微妙に冴えない感じも坂本と雰囲気が合っていてコンビとして違和感がない。

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(サカモトデイズ11巻 ©鈴木裕斗/集英社)

大佛(おさらぎ)や神々廻(ししば)といった強烈な個性むき出しのキャラクターばかりの中、シンの「没個性的な常識人」性は全体を中和してくれているのもかえって存在感を高めている要素か。

つまらない要素は「女っ気がない」こと?

続いては『サカモトデイズ』のつまらない点を考察します。

結論から言うと、「可愛い女の子のキャラクター」がいないこと。

引用した画像を見ても分かるように、女っ気がそもそもありません。イケメンキャラは何名かはいるものの、男性キャラを見ても魅力的なのはオッサン系が多い漫画だったりします。絵柄的に可愛い女の子は作れないのかも。

いわゆるヒロインの立ち位置のキャラが皆無に近いです。坂本の奥さん・葵にしても可愛いかというと微妙でしょう。可愛い女の子がいるだけで誌面が華やかに写ることは確かなので、読者によっては評価が分かれるというか物足りなさは感じそうです。

女の子のキャラがいないこと自体が悪いわけではないものの、画力は必要十分に高いものの青年マンガにテイストは近いかも。だから最近だと『SPY×FAMILY』とは対局に位置しそうですが、『トリコ』のような漫画が好きならハマるかも。

サカモトデイズ 総合評価・評判レビューまとめ

以上、『サカモトデイズ』が面白いかつまらないかの考察レビューでした。

結論をまとめると、普通に面白いアクション漫画だと思います。

『サカモトデイズ』は少年ジャンプ特有の能力バトル要素はないものの、徹底した画力の高さが魅せられます。構図や展開の打開するアイデアが秀逸。カーチェイス、墜落する飛行機など戦う場所も多彩で、アクション描写は一見の価値あり。

ストーリーもシンプルで読みやすく、個性的な登場人物も多く、おそらく『サカモトデイズ』のコミックス発行部数は無難に1000万部を超えるポテンシャルを秘めています。いずれ遅かれ早かれアニメ化されることは必至でしょう。

だから流行りの「売れ線」要素はあまり取り入れられておらず、特徴的な絵柄など女子ウケの悪さは気になるところですが、万人受けはしないからこそハマる読者も多いはず。例えば『ザ・ファブル』のように実際に読めば分かる面白さだと思います。

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