コミックス累計発行部数が1億2000万部を超える漫画が『BLEACH(以下ブリーチ)』。2001年から少年ジャンプで連載されていたもののの、2016年に惜しまれながらブリーチは最終回を迎えました。
ただ『ブリーチ』は依然として人気作品ということもあって、2022年10月から最終シリーズである『千年血戦編』のアニメ版が放送されます。 護廷十三隊やエスパーダといったグループごとにキャラがカテゴライズされることが多い漫画でした。
そこで今回ドル漫では「零番隊(ゼロばんたい)」の全5名のメンバーをフルカラー画像付きで徹底考察したいと思います。名前の漢字や読み方が難しいキャラクターも多いので、いろいろ参考にしてみてください。基本的に苗字読みします。
零番隊とは「霊王」を守る王属特務部隊
まず零番隊とはそもそも一体何者なのか?
零番隊とは「霊王」を守護する特務部隊のこと。霊王とは、尸魂界(ソウルソサエティ)を統べる王のこと。霊王が存在するから魂の循環が円滑に行える。霊王は霊王宮の大内裏に鎮座しているため、零番隊とはすなわち霊王宮そのものを守る存在でもある。
ちなみに、名前の読み方は【ゼロばんたい】になります。例えば「レイばんたい」とは読みません。また「0番隊」といった具合に算用数字も使いません。
零番隊のメンバー構成は【全5名】になります。護廷十三隊と違って隊長格などは存在せず、それぞれ5名全員が隊長格という位置付け。それでも第○官といった具合に番号付けはされているため、今記事ではメンバーの並び順もそれにならっています。
また零番隊5名の強さは、山本元柳斎重國を含めた護廷十三隊の全軍よりも別格に強いとされます。実際には正直微妙な戦闘結果に終わっていますが…。
○王鍵を体内に持つ5名の最強の死神
一方、霊王宮に入ることは護廷十三隊のメンバーですら不可能でした。
ただ零番隊には霊王宮に入るための「王鍵(おうけん)」が授けられています。ただ持ち運びできる普通の鍵ではなく、この王鍵は零番隊の各々メンバーの「骨そのもの」になります。霊王が零番隊に選別した際に、元々の骨を変質化させたそう。
まさに特別な死神5人衆。
また零番隊は実力だけではなく、尸魂界において「何かしらを創り出す役割」を担っているのも特徴。改めて後述しますが、斬魄刀や死覇装の原型を作った人物が今回の零番隊のメンバーになります。霊王曰く、「零番隊は尸魂界の歴史そのもの」とのこと。
また霊王宮から出る際には「天中輦(てんちゅうれん)」と呼ばれる巨大な筒型の乗り物に入って移動しています。正確には尸魂界上空に位置している霊王宮から「降ってくる(落ちてくる)」と表現した方が正しそうですが、意外と中は窮屈そう。
麒麟寺天示郎(きりんじ・てんじろう)…零番隊【泉湯鬼】
ということで零番隊の全5名のキャラクターをそれぞれ解説していきます。『ブリーチ』が再びアニメ化されるということで、各々の声優CVや必殺技、尸魂界における役割なども考察します。死神だけあって、どのキャラも詳細な年齢は不明です。
まず零番隊第一官は【麒麟寺天示郎】。名前の読み方は「きりんじ・てんじろう」。東方神将という位置付け。それぞれの零番隊は霊王宮の東西南北を守護させられている模様。異名は「泉湯鬼(せんとうき)」。声優CVは「志村知幸」。
麒麟寺は見た目は完全なヤンキー親父。リーゼントヘアと勇ましいモミアゲと長い煙管が特徴。外見に負けず劣らずに、中身や性格も非常にガラが悪い。初代剣八時代に因縁があるであろう、護廷十三隊・四番隊隊長の卯ノ花烈に対して悪質に絡む場面なども描かれる。
一方、麒麟寺のスピードの速さは、死神の中でもトップクラス。護廷十三隊・二番隊隊長の砕蜂にいともたやすく背後を取るほど卓抜した歩法を誇る。そのためかつての異名(おそらく護廷十三隊時代)は「雷迅の天示郎」でした。
瞬神という異名を持つ四楓院夜一と良い勝負か。
○尸魂界に「回道」をもたらした零番隊
麒麟寺天示郎の普段は霊王宮では「麒麟殿」と呼ばれる温泉宿(湯殿)で湯治を行っています。ちなみに湯治とは、温泉地でさまざまな病気の療養や治癒を行う行為のこと。浦原喜助の浸かるだけで回復する温泉も麒麟寺を参考にしていました。
麒麟寺の斬魄刀は「金毘迦(きんぴか)」。温泉地で使われる湯かき棒を模しており、先端部分が鞘になっている。卍解時は刀身が光り輝く。
麒麟寺の必殺技は「白骨地獄」という白い温泉水を操ること。体内から傷んだ血液や霊圧を絞り出すことが可能。ただ回復力が凄まじいため超霊子で編んだ防護服も燃え盛るなど、常人であれば過回復によって肉体がかえって損傷してしまうほど。
続いては「血の池地獄」という赤い温泉水を操る必殺技。失われた血液や霊圧をそっくりそのまま新しいモノに入れ替えて補充することが可能。先程の白骨地獄と同時に行うことで、卯ノ花ですら根治できないダメージも治すことが可能。
そのため麒麟寺天示郎は尸魂界に【回道(かいどう)】と呼ばれる回復用鬼道を創り出した零番隊になります。つまり、卯ノ花の師匠的な存在。
曳舟桐生(ひきふね・きりお)…零番隊【穀王】
続いて零番隊第二官は【曳舟桐生】。名前の読み方は「きりふね・きりお」。南方神将という位置付け。かつて110年以上前は護廷十三隊の十二番隊隊長(浦原喜助の先代)も務めていました。異名は「穀王(こくおう)」。声優CVは「恒松あゆみ」。
曳舟桐生の見た目は「ふくよか」という表現が、まさにぴったり。さながら肝っ玉母さんを地で行くように、霊王宮では「臥豚殿(がとんでん)」という食の宮殿でさまざまな料理を提供している。ユーハバッハ戦の前には黒崎一護や阿散井恋次などにフルコース料理を提供していた。
曳舟桐生は【義魂丸(ぎこんがん)】を創り出した零番隊になります。それ以前から仮の魂は存在していたものの、それを概念として最初に定義付けて体内に取り込む技術を確立させた。だから意外と理系脳っぽい気もしますが、これらの食材は全て自らの霊圧から生み出している。
○尸魂界に「義魂丸」をもたらした零番隊
そのため全霊圧を使い切ってしまうフルコース料理を作る際は体力の消耗が激しく、普段の曳舟桐生の姿は「グラマラス美人」だったりします。110年以上前は5番隊隊長だった平子真子と再会した際には、ひと目で曳舟桐生と気付かれなかったのも納得。
だからいつ料理を作ってもいいように、普段から太った状態でエネルギーを貯めている模様です。
曳舟桐生の必殺技は「命の檻」。周囲に巨大な枝を張り巡らせて、敵をその中に閉じ込める技。この枝も曳舟桐生の霊圧から生み出されており、あらゆる霊子を吸収する性質を持っている。破壊されてもすぐ再生し、隙間から出ようとしても枝が瞬時に伸びて逃亡不可避。
この生命の檻はさながら「産褥(さんじょく)」と例えられており、まさに命を操る零番隊。ちなみに、産褥とは「出産後の母体が妊娠前の状態に戻るまでの期間」を指します。
二枚屋王悦(にまいや・おうえつ)…零番隊【刀神】
続いて零番隊第三官は【二枚屋王悦】。名前の読み方は「にまいや・おうえつ」。西方神将に位置付けられています。異名は「刀神(とうしん)」。声優CVは「上田燿司」。見た目は完全なチャラチャラしたラッパー風。喋り方も90年代のテレビプロデューサー風。
二枚屋は斬魄刀の原型となる「浅打(あさうち)」を創っている零番隊。つまり、尸魂界が誕生した当時からいるため、まさに「尸魂界の歴史そのもの」を地で行く死神。そのため全ての死神が持つ浅打(斬魄刀)の位置を把握している。
だからそのまま二枚屋王悦は尸魂界に斬魄刀の原型となる【浅打】を創り出した零番隊になります。この浅打は斬魄刀を解放するために必ず必要なアイテムですが、主人公の黒崎一護だけはそれなしに斬魄刀を解放しています。
ちなみに、普段は「鳳凰殿」で斬魄刀を打つ際には、炎の色を確認できるようにグラサンを外しています。
○尸魂界に「浅打」をもたらした零番隊
また零番隊でも珍しく、二枚屋は5名の「親衛隊(部下)」を従えています。二枚屋のことをお館様などと呼んでおり、逆に二枚屋は下の名前でちゃん付けしているっぽい。
リーダー的な「燧ヶ島メラ(ひうちがしま)」は、火打ち石を使って炎を吐いて浅打を熱する役割を担う。他にも二枚屋の命を受けて黒崎一護を呼び出したり、二枚屋にツッコミという名の蹴りをかますなど、どこか女房役的な役割も担っている感じ。
「砥乃川時江(とのかわ・ときえ)」は熱された浅打を冷やすための水を創り出し、「鑿野のの美(のみの)」はその水を貯める箱を出す役割をそれぞれ担っている。前者の性格は悲観的な泣き虫、後者は意外としっかり物って感じか。
「箸原ハス香(はしはら)」はツインテールを動かして浅打を髪の毛で運ぶ役割を担い、「槌宮罪子(つちみや・つみこ)」は二枚屋が浅打の刀身を叩くための鎚を自らの歯を引きちぎって創り出す。キャラ名通りの役割をそれぞれ担っている模様です。
二枚屋王悦自身の斬魄刀は「鞘伏(さやふし)」。
鞘伏は刃こぼれが一切せず、刃先に血も一滴も付着しない。あまりの切れ味の良さから収めておく鞘が創れないため、普段は専用の液体の中で浸けておかなければいけないほど。また刀身を研ぐ必要性もないため、刀鍛冶である二枚屋王悦は「失敗作」と敢えて位置付けています。
修多羅千手丸(しゅたら・せんじゅまる)…零番隊【大織守】
続いて零番隊第四官は【修多羅千手丸】。名前の読み方は「しゅたら・せんじゅまる」。北方神将に位置付けられています。異名は「大織守(おおおりがみ)」。声優CVは「佐藤利奈」。
修多羅の外見は、大きな金の髪飾りと濃い紫色のアイシャドウなどが特徴。またいわゆる姫カットの髪型が目を引きます。一人称も「妾(わらわ)」なのでいかにも女性的な匂いを漂わせるものの、修多羅の性別は「不明」とされます。
修多羅の背中には「6本の強力な義手」を装着しているのが特徴。画像は朽木白哉などを持ち運んでいる場面ですが、涅マユリの研究室に不法侵入する際にはロック解除するなど、機械的な義手だけあっていろいろ機能が備わっていそう。
そのため修多羅はかつて涅マユリと同じ研究室で働いていた過去があります。「修多羅等級(シュタラスケール)」という用語が残っている点から、おそらく技術開発局に在籍か。修多羅の女性的な見た目も「何かしらの改造」によって手に入れたものなのかも知れない。
だから修多羅の性格も至って高飛車で高慢ちき。
○尸魂界に「死覇装」をもたらした零番隊
修多羅の武器は「裁縫」。
6本の義手で敵の衣装(反物)を一瞬で仕立てることができる。敵は衣装が変わったことにすら気付かず、その反物からは巨大な針が飛び出す。まさに絶対不可避の攻撃を繰り出せる。星十字騎士団のニャンゾル戦での決めゼリフは「死ぬ迄脱げると思うなよ」でした。
また修多羅の反物は「風景と同化させる」ことも可能でした。そのため周囲に本物そっくりの空間や建物を擬似的に作ることができるため、その背後に味方を隠すといった戦法が得意の零番隊でした。どちらかというとサポート主体の零番隊だったか。
そのため修多羅は尸魂界には死神たちの正装【死覇装(しはくしょう)】を創り出した零番隊になります。
兵主部一兵衛(ひょうすべ・いちべえ)…零番隊【まなこ和尚】
最後の零番隊は【兵主部一兵衛】。名前の読み方は「ひょうすべ・いちべえ」。声優CVは「楠見尚己」。異名は「真名呼和尚(まなこおしょう)」。冒頭で隊長格は存在しないと言いましたが、兵主部が【零番隊を率いる実質的なリーダー】になります。
番号は割り振られておらず、神将の位置付けはありませんが、それゆえ兵主部は霊王宮の「中心部」を守っているという位置付けか。麒麟寺天示郎にゲンコツを食らわせるなど、兵主部を中心に零番隊がまとまっている感じです。
実際、尸魂界が生まれる前の原初の世界からどうやら存在しており、霊王ともマブダチの関係性だったそう。まさに零 of 零とも呼べるキャラクターか。ここらへんの過去はアニメ版だともしかすると掘り下げられる可能性もワンチャンあるか。
ユーハバッハは兵主部のことを黒崎一護や藍染惣右介と並んで【特記戦力】の一人と評価しています。
○殺意ムンムンのダルマ和尚
兵主部の見た目の特徴は、首から大きな数珠をぶら下げているスキンヘッド頭。まさに異名通り、「和尚(お坊さんや僧侶)」のような出で立ち。京楽春水からは「和尚」とそのまま呼ばれており、どこか愛嬌のある風貌をしている。
さながらダルマ顔というか、逆さ絵のような柔和な顔立ち。ただこれまで圧倒的実力者として振る舞ってきたが故に、兵主部の性格は至って傲岸不遜。そのため兵主部の「本当の顔」はしっかり不気味に怖い。
『ブリーチ』のラスボス・ユーハバッハと対峙した際には、ちょっと抵抗された程度で「仕方がないのう…言うこときかんなら…殺すか」と強烈な殺気を嬉しそうに放つ。「私を殺すと決めたら、こうも凄惨な顔になるのだな」とはユーハバッハの評。
○尸魂界に「あらゆる名前」をもたらした零番隊
兵主部一兵衛は尸魂界に存在する【あらゆる万物の名前】を創り出している零番隊になります。
そのため各々の斬魄刀が持っている真の名前を全て知っているキャラクターでもある。かつて霊王が授けた異名の「真名呼」の意味も、「真の名を呼ぶ」から来ています。それ故、自らの名前を軽々しく呼ばれることを嫌う傾向がある。
だから、兵主部一兵衛の斬魄刀「一文字」も筆のような形状をしています。普段は実際に巨大な筆として持ち歩いているんですが、卍解時に鞘代わりの筆先が取れて、小刀のような刃先が剥き出しになる。
卍解という名前も兵主部が命名しているため、この一文字が「最初に進化した斬魄刀」になります。
○一文字に塗り潰されると名前を失う
ただ一文字が斬るのは「名前」だけ。卍解時に刃先がむき出しになってもそれは同じ。一文字で敵を切りつけたとしても、刃先から出るのは墨(すみ)だけ。
それ故に斬魄刀の軌跡も筆のような跡が付くんですが、その墨で塗り潰された部分の「名前を消滅させる」のが特徴。名前を失った物体は、あらゆる機能や能力が失われてしまう。まさに問答無用で敵を無力化、攻撃を無効化してしまう能力でした。
そのため兵主部一兵衛は、あらゆる世界に存在する「あらゆる黒」を支配しているキャラクターと言われます。
ちなみに、一文字の本当の名前は「真打・しら筆一文字」。卍解時は白い墨が放出されて、今度は「名前を新しく付ける」ことが可能になる。ユーハバッハに対しては「黒蟻(くろあり)」と命名しており、さも虫けら同然まで能力が劣化したかのような口ぶりでした。
○兵主部一兵衛の必殺技は?
そこで最後は兵主部一兵衛の「必殺技」を解説して終わります。
最初の必殺技は【千里通天掌】。読み方は「せんりつうてんしょう」。巨大な手を実体化させて、そのまま敵を千里(3900km)先まで問答無用で突き飛ばす必殺技。また両の手で敵を挟んだり、手の平だけではなく、巨大な足を実体化させて踏み潰すことも可能。
続いての必殺技は【鉄風殺】。読み方は「てっぷうさつ」。鬼道の一種である「裏破道」の一つ(三の道)。手刀を振り下ろすことで、龍の顔のような霊圧から強烈な風をぶおーっと放出する。その威力はユーハバッハの防御壁すら破壊するほど。
続いての必殺技は【百歩欄干】。読み方は「ひゃっぽらんかん」。光輝く柵のような霊圧を発現させて、それを敵に向けて次々と放出させる必殺技。ただユーハバッハの防御壁を貫く威力はないため、先程の鉄風殺よりは見劣りする模様。
続いての必殺技は【不転太殺陵】。読み方は「ふてんたいさつりょう」。兵主部一兵衛曰く、百年後の尸魂界から百の夜を奪い取ってこしらえた墓標の群れが、敵対象のあらゆる全てを黒く塗りつぶして無に帰す必殺技。その威力は転生すらも許さないほど。
「宵闇ィよ…常闇ィよ…」といった独特の口上と舞いと共に、周囲に墨で独特の模様を描きつつ、最後に合唱することで背後に厨子のような建物が発現する。だから拝むというモーション含めて、『呪術廻戦』の両面宿儺の伏魔御厨子のそれ。
零番隊の最後はユーハバッハに倒されて「死亡」している?
一方、零番隊の現在はどうなっているのか?具体的にはユーハバッハとの一戦で死亡したのか、はたまた現在生存しているのか簡単に考察して終わります。
まず兵主部一兵衛は不転太殺陵を発動させた直後、覚醒したユーハバッハに返り討ちにあって瞬殺されます。ただその後、黒崎一護に「自身の名前」を呼んでもらうことで復活を遂げます。名前に関する能力を持っていたが故に、その発語者のパワーを拝借することもできたそう。
それでも本来のフルパワーの状態にすぐ戻ることはなかったため、黒崎一護にユーハバッハ打倒を一任する。この際に「ユーハバッハには勝てない」と突き放す発言を残しているものの、これは黒崎一護を【次期霊王】に据える狙いがあったそう。
だから兵主部一兵衛の当該発言は底意地の悪さから来たものではなく、「純粋な打算」だった模様。
他の零番隊のメンバーもユーハバッハが率いる星十字騎士団(シュテルンリッター)にことごとく殺されているものの、後に兵主部一兵衛が名前を呼んで復活させています。ただし、『ブリーチ』本編ではどれも描写されていないことから、もしかするとアニメ版では多少触れられるのかも。
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