『ONE PIECE』で日本をモチーフとした国家が「ワノ国」。このワノ国を代々支配していた一族が光月家。ただ光月おでんが海外に出国したことをきっかけに、20年以上前に黒炭オロチと四皇・カイドウによって完全に侵略されてしまいました。
このワノ国の次期将軍候補にして、九里大名・光月おでんの息子が「光月モモの助(こうづき・もものすけ)」。パンクハザード島で初めて遭遇して以降、麦わらの一味にずっと帯同してきました。それだけワノ国編に繋がる伏線は多く隠されていました。
そこで今回ドル漫ではワンピース終盤のキーパーソンとなりそうな「光月モモの助の正体」を徹底的に考察してみたいと思います。
光月モモの助はワノ国将軍家の末裔
まず「光月モモの助」というキャラクターの過去を簡単に解説します。
光月モモの助はワノ国の将軍家・光月家の末裔でした。つまりワノ国次期将軍候補の最右翼でした。年齢は8歳。誕生日は10月8日。声優CVは折笠愛。日本がモデルのワノ国だけあって、モモの助の一人称は「せっしゃ」。語尾は「ござる」。
モモの助という名前の由来は錦えもんとセットで、歌舞伎俳優の中村錦之助とのこと。またモモの助という名前は「天下無敵」という意味を込めて命名されていることから、そのまま『桃太郎』の主人公もモチーフなのでしょう。
ワノ国は800年以上前から光月家が支配していたものの、長らく鎖国国家だった。しかし次期将軍候補だった光月おでんは鎖国国家に嫌気がさし、30年前に遭遇した白ひげ海賊団に半ば強制的に加入し、ワノ国を衝動的に飛び出ました。
その後、後の奥さんとなる天月トキと出会って結婚。そこから更に2年後(今から28年前)、白ひげ海賊団のモビーディック号の船上で生まれたのが光月モモの助でした。だから光月モモの助の出身地は厳密には不明だったりします。
家族構成としては父親が光月おでん、母親が光月トキ。妹には同じく航海中に生まれた光月日和がおります。ちなみに祖父の光月スキヤキは天狗山飛徹と判明しています。
モモの助もロジャーと共にラフテルを目指す
ワノ国を代々支配していた光月家はポーネグリフを作った石工職人の一族でもありました。
そのため父親の光月おでんも【ポーネグリフの古代文字】も読むことができたそう。その能力が買われて、のちの海賊王となるゴールド・ロジャーにリクルートされ、26年前にロジャー海賊団に入ります。その際に光月モモの助たちもロジャー海賊団に一緒に移っています。
ただワノ国近海まで到達した頃に、母親の光月トキが発熱で倒れてしまう。これ以上の航海は無理と判断した父親おでんは、当時2歳だった息子のモモの助たちもワノ国で下ろし、自分だけロジャー海賊団に残ってラフテルを目指す。
最終的に父おでんはラフテルに到達して世界の秘密を知り、それまでの過程は「光月おでんの航海日誌」に全て書き残していた。ただし、おでんは空白の100年やDの一族や古代兵器といった真相に関わるページは破り捨てていたため、モモの助やヤマトも真相は未だに知りません。
逆に言うと、当時2歳だったモモの助は既に空島や魚人島までしっかり大冒険していたわけですが、26年ほど前にロジャー海賊団に入っていたとしたら「現在8歳」というモモの助の年齢とは大きな矛盾が生じます。
モモの助は20年前からタイムスリップしてきた!
でも、この謎は「とある悪魔の実」で解決されます。
それが「トキトキの実」の存在。
光月モモの助は「20年前の過去」から母親・光月トキのトキトキの実の能力によって【タイムスリップ】させられていました。他にも赤鞘九人男の錦えもん、カン十郎、雷ぞう、お菊といった部下も現代にタイムスリップしています。
父親のおでんはゴールド・ロジャーやシルバーズ・レイリーと共に25年前にラフテルに到達したものの、再びワノ国に帰還したときには黒炭オロチがワノ国の政治を既に牛耳っていた。カイドウを用心棒として既に雇っていたため、父おでんは為す術もなかった。
最終的に20年前におでんは赤鞘九人男と共に反旗を翻すものの、カイドウ率いる百獣海賊団を前に敗北。追い詰められた光月一派は、燃え盛るおでん城に逃げ込む。そこで母親のトキがトキトキの実を使って、息子のモモの助たちを20年後のワノ国に逃した。
だからモモの助の「肉体年齢は8歳のまま」ということ。
例えば光月モモの助がズニーシャに訪れた際、「せっしゃもロジャー達に会っておるが記おくがあいまいでござる」と語っていましたが、これも【タイムスリップ説を裏付ける伏線】だった。当時2歳だったモモの助は記憶が鮮明ではなかっただけ。
○現代のワノ国に戻ってきた後の流れ
ちなみに、現代のワノ国にタイムスリップしてきた光月モモの助たちの動向を簡単におさらいします。
まずモモの助と錦えもんたちは、光月家と仲が良かったミンク族たちが暮らすズニーシャに向かいます。
何故なら、現代のワノ国では「光月家は国民の敵」と既に教育されていたから。また海賊王のゴールド・ロジャーがかつて欲したように、ラフテルを目指すカイドウにとっても「古代文字が読める光月家の末裔」は喉から手が出るほど欲しかった。
そのため真っ先に命を狙われていた光月モモの助は、【光月一族の末裔】とバレることを防ぐために、当初は「錦えもんの息子」として登場していた。
モモの助は古代文字の解読方法が伝授される前に、父・おでんはカイドウと黒炭オロチによって処刑されたため解読する能力はありません。ただ祖父の光月スキヤキの生存が判明している今、この部分の考察を深める必要は特になさそう。
しかし一行がカイドウの魔の手から逃げる際に途中で船は難破し、光月モモの助と錦えもんは【パンクハザード島】、カン十郎は【ドレスローザ】、雷ぞうは【ズニーシャ】に各々バラバラに漂着する。お菊だけはワノ国に残ったままでした。
ちなみに、黒炭カン十郎は「裏切り者」として最初から暗躍していたことが雀やレタス、利き腕の違いなどの伏線から判明しています。恐るべし尾田栄一郎。
モモの助は「ドラゴン」に変身できる悪魔の実能力者
続いては光月モモの助の悪魔の実を考察します。
光月モモの助の悪魔の実は「龍(ドラゴン)の動物ゾオン系」になります。偶然漂着したパンクハザード島で天才科学者・ベガパンクが作った「人造悪魔の実(SMILE)」を食べてしまう。ベガパンクは失敗作と評していましたが、【偽物の失敗作≒本物】というニュアンスっぽい?
そのためSMILEの能力者は副作用として「肉体が部分的に動物化が顕現し続ける(意図的に人間の状態に戻せない)」ものの、光月モモの助は何度も自在に龍に変身することが可能でした。これは完全に本物の動物ゾオン系の特徴と一致。
そのためモモの助は「雲を生み出して、それを掴んで空を翔けること」が可能だったりします。同じく龍の悪魔の実であるカイドウの幻獣種のウオウオの実(モデル・青龍)に近い能力をモモの助も携えている。もちろん世界で同じものは二つとして存在しません。
この理由は「カイドウ」が関係しています。かつてパンクハザード島でカイドウやルナーリア族のキングが人体実験されており、この際にベガパンクは【カイドウの血統因子】を応用して「本物の悪魔の実」を作ることに成功している。
パンクハザード島には複数の竜(ドラゴン)が存在していたことから、ベガパンクは龍(竜)の血統因子の操作に執着していた事実が読み取れます。他にもナンバーズといった古代巨人族もカイドウをベースに作られているっぽい。
ジュクジュクの実で「大人」に成長するモモの助
ただし、モモの助の肉体は所詮は8歳児に過ぎません。いくら龍に変身できると言っても、所詮は子供の龍のサイズ感。本物の龍であるカイドウに勝つるはずがありません。
そこでモモの助はしのぶに懇願して、ジュクジュクの実で半強制的に大人に成長します。本来は腐らせるニュアンスの強かった能力ですが、「成熟」という側面もあった模様。先程のモモの助はルフィとほぼ変わらないサイズでしたが、大人化したモモの助はご覧の通り。
そして大人化した光月モモの助の姿がこちら。しのぶは「そのお姿…まるで」と泣くなど【おでんに近い顔】と予想されていましたが、髪型のせいもあってぶっちゃけそこまで似てはいません。モデルは日本の開国を導いた【坂本龍馬】あたりか。
○モモの助の強さはいずれ父おでん並に?
だから現時点でのモモの助の肉体年齢は28歳になります。カイドウの娘のヤマトの年齢が同じ28歳なので、いずれ恋仲に陥る可能性もゼロではなさそう。そのため光月モモの助の大人版の声優も、いずれ新たに明らかにされるはず。
当初は臆病な性格がそのまま継承されていましたが、カイドウを倒した後は「それっぽい勇姿」が描かれています。カイドウはギア5に覚醒したルフィに倒されたものの、今後「世界に広く轟くワノ国名将軍」として、光月モモの助は引き続き活躍する模様。
現時点でモモの助が使える覇気は「見聞色の覇気のみ」とされます。だから父親のおでんと違って覇王色の覇気や武装色の覇気などは使えないものの、肉体は屈強らしいので覇王色の覇気が使えるようになりそう。やはり龍のスケールメリットを活かさない手がない。
そのため光月モモの助の強さはいずれ父・おでん並に成長すると予想できます。
【伏線】ワンピース33巻のポスターはモモの助を意味してた?
そして、どうやら大人に成長するモモの助には伏線がずいぶんと以前から隠されていた模様。
それが【コミックス33巻】に掲載されていた「扉絵ポスター」になります。背後に描かれた巨大なピンクの龍が、まさに大人に成長したモモの助の姿と瓜二つ。ルフィやウソップ、ニコ・ロビンのコスチュームもいかにもワノ国を連想させる。
画像のピンク色の龍には「モモの助にある角がない」など根拠が弱い部分もありますが、まだキャラデザ案が固まっていなかっただけか。それでもモモの助の初登場時は「ピンクの龍」でしたから、コミックス69巻の時点では大人化の構想は考えられていたはず。
一方、ピンクというカラーからモモの助のモデルが寓話の『桃太郎』だった可能性も高そうです。だからモモの助に漢字をあてるとそのまま【桃の助】なのかも知れない。
【建仁寺】VSカイドウは「双龍図」がモデルだった?
その後、大人に成長したモモの助はルフィと共にカイドウの元に向かいます。
そして、ルフィを背に乗せたモモの助はカイドウとばっちり対峙します。いかにも印象的な構図で、大胆に読者の目を引いてくれます。ただ、どこか既視感を覚えたワンピース読者も多そう。
カイドウと対峙した構図は泉淳作の『双龍図』がモデルっぽい。事実、ONE PIECE1026話のタイトルがまさに「双龍図」でした。
事実、この双龍図は京都最古の寺とも言われる建仁寺の天井画として描かれたものなんですが、かつて尾田さんは取材で建仁寺に訪れていたことが判明しています。当初はカイドウのモチーフとも言われてたものの、建仁寺や双龍図に対するリスペクトから描かれたもの。
その後、モモの助はカイドウに一矢報いる攻撃をかますなど、最終的にルフィがカイドウを倒したものの、今後のモモの助のバトル面での活躍も期待させます。
モモの助は何故ズニーシャを操れるのか?
一方、モモの助の隠された能力は他にもありました。
それが「ズニーシャ(象主)」という超巨大な巨象と意思疎通を交わせること。さながら海王類に近い種族のため、ズニーシャの声はルフィやゴールド・ロジャーなども聞こえた。そのためDの一族との関連は伺えるものの、ズニーシャに直接命令は下せなかった。
例えば、モモの助はズニーシャに命じて、百獣海賊団のジャックを打ち負かしたこともあります。
ズニーシャは何らかの罰で1000年以上も海上をさまよい歩き続けるものの、この背中には光月家と親密だったミンク族が建国したモコモ王国が繁栄していました。ここらへんの過去の繋がりから、モモの助はズニーシャに命令を下せるのか?
そのため海王類に命令を下せる古代兵器ポセイドン(しらほし姫)と同じく、光月モモの助はズニーシャに命令を下せる古代兵器ウラヌスではないかとドル漫では考察してます。
モモの助はズニーシャの視界とリンクさせるなど古代兵器感がプンプン。またワノ国には古代兵器プルトンが隠されていることも判明した今、ズニーシャと光月家の関係性も強く伺えます。ワノ国の開国とズニーシャの目的はリンクしている節もあります。
ただズニーシャはモモの助に対して「タメ口」で話していることから光月家との主従関係はなさそう。ズニーシャを従えていたのはジョイボーイ説が現時点では濃厚っぽい。ここらへんはワンピース最終回が近づく中、いずれ明らかになっていくのでしょう。
コメント