そろそろ最終回も近付いていると言われる『ONE PIECE（以下ワンピース）』には手長族、足長族、小人族などさまざまな種族が登場します。その中でも最強の種族が「巨人族」でした。
この巨人族の聖地とも呼べる場所が【エルバフ】。
そこで今回ドル漫では「エルバフのヤバい正体」をフルカラー画像付きで徹底考察したいと思います。ストーリー序盤からちょくちょく登場していたエルバフの地ですが、どうやら終盤でも重要なカギを握る可能性が高そうです。
特にエルバフの王子・ロキがヤバすぎる？
エルバフは勇猛な巨人族の戦士のこと
まずはエルバフの概略を解説します。
エルバフとは「勇猛果敢な巨人族」のこと。この通称が【エルバフの戦士】。エルバフの英語表記は「Elbaph」。ちなみに、エルバフの名前の由来は「fable」。寓話を意味する英語ですが、これを逆から読んでいる（elbaf）だけとされます。
（ONE PIECE86巻 ©尾田栄一郎／集英社）
ただエルバフの戦士が暮らす「場所そのもの」も同時に指します。エルバフの地やエルバフの村、エルバフの国などさまざまに形容されますが、エルバフには険しい山々の背後に宝樹アダムを上回る巨木も確認できます。他にも回遊する魚たちも巨大だったりします。
エルバフは勇猛な戦士たちが集まる場所だけあって、世界でも特異な【掟（ルール）】がありました。
○エルバフとは「神の名前」？
それが村で揉め事が起きてお互いに退けない場合、どちらかが勝つまで決闘して白黒をハッキリさせるというもの。まさに脳筋ルールですが、エルバフの戦士たちは「エルバフの神は常に正しき者に加護を与えて正しい者を生き残らせる」と考えられていたから。
つまり、エルバフという名前は正確には【神の名前】と解釈できるのかも知れない。
（ONE PIECE13巻 ©尾田栄一郎／集英社）
このエルバフの特異なルールを実際に目の当たりにした麦わらの一味のウソップは「おれの目指す勇敢なる海の戦士はまさにこれ。おれはこういう誇り高い男になりたい」と、いつかエルバフに行ってみたいことをナミに語っていました。
ウソップの嘘が実現化している伏線は有名ですが、いずれ麦わらの一味がエルバフに足を運ぶことは想像に難くないでしょう。果たして一体どんな出来事が起きるのか？
エルバフの場所は新世界のウォーランド？
だからエルバフという言葉は「国名」「地名」「村名」などと考えても構いません。エルバフの村やエルバフの国と呼称がいろいろ変わる理由も、エルバフの地がそれだけ広大だからと解釈できそう。
改めて王子のロキについては後述しますが、エルバフは普通の国家と変わらなさそう。実際エルバフの政治体制は、いわゆる君主制が敷かれています。ヨルルやヤルルといった戦士たちが目立つものの、実際に国を治めているのは【王族や貴族】になります。
またエルバフには「軍隊（巨兵海賊団とはおそらく別）」の存在も確認でき、その実力は世界一と評されているほどでした。四皇だったビッグマムですら喉から手が出るほど欲しかった戦力だけあって、その実力は本物でしょう。
○エルバフは全巨人族の故郷だが…
エルバフの場所は「新世界（グランドラインの後半の海）」にあります。更に言うと、【ウォーランド】と呼ばれる島にあります。最悪の世代のユースタス・キッドたちがワノ国出航後に辿り着いていることから、エルバフの位置は「ワノ国よりも先（東？）」と予想できます。
他にも巨人族が暮らす集落や国々は世界中に点在しているそうですが、エルバフはさしずめ「全巨人族の故郷」と考えると分かりやすいか。例えば、黒ひげ海賊団のサンファン・ウルフは北の海のとある巨人国の出身とのこと。
ただエルバフの巨人族は血気盛んで好戦的な性格をしていたため、後述するサグワール・D・サウロ（南の海の巨人国出身）などは疎ましく思っています。巨人族の故郷と言っても、エルバフ特有のノリに合わない巨人族は外の世界に逃げていたのかも知れない。
巨兵海賊団とは？
このエルバフの地が生み出した最強の海賊団が【巨兵海賊団】でした。いつ結成されたのかは不明ですが、巨人族の寿命は平均300歳前後とされるため800年以上前から前結成されていたとしても不思議ではないか。まさに最古の海賊だった可能性も？
（ONE PIECE86巻 ©尾田栄一郎／集英社）
この巨兵海賊団の元船長が【山ひげのヤルル】と【滝ひげのヨルル】でした。「巨人族の英雄」と解説されていることからも、かつては全ての巨人族を束ねたとされます。エルバフというネームバリューが、いかに巨人族にとって重要かが改めて分かります。
ちなみに、声優CVはヤルルが佐藤正治、ヨルルが田中亮一。現役時はグレートマグニ号に乗船していた模様。
あくまで63年前時点ですが、年齢は344歳と345歳。巨人族の英雄にして、二人は世界最高齢のエルバフの戦士でもありました。一方、二人がいつ巨兵海賊団から離脱したのかは不明ですが、この海賊団の名前を聞いて思い出される2名のキャラクターがいました。
（ONE PIECE13巻 ©尾田栄一郎／集英社）
それが【ドリー】と【ブロギー】。やはり彼らもまた巨兵海賊団の元船長でしたが、いつぞやのタイミングで英雄のヤルルとヨルルから船長の座を譲られたものと推測できます。
ちなみに、左のドリーの声優CVが郷里大輔、右のブロギーの声優CVが稲田徹になります。ドリーの声優はジンベエと同じ。年齢はどちらも160歳になります。
○ドリーとブロギーの「気まぐれ」で102年前に解体されるも…
どちらも元巨兵海賊団の船長であった102年前に「ささいなキッカケ」で決闘を始めて、そのまま海賊団を離脱します。現在もなおリトルガーデンで戦っている最中。その後、巨兵海賊団は自然消滅するものの、ドリーとブロギーが決闘を始めた時点の年齢は60歳前後でした。
実際に巨兵海賊団の船長の座に座ったのは、更にそれ以前の50代40代だったと推察されます。そのため巨人族にしてはかなり若い段階で継承していることから、ドリーたちはまさに早熟の天才だった？実際、世界を震撼させたドリーとブロギーの懸賞金額は当時1億ベリーでした。
最新のワンピース懸賞金ランキングからするとかなり低額に思えますが、ワンピースの世界でもインフレの波が始まったのはゴールド・ロジャーが処刑された25年前の大海賊時代が始まってから。100年前時点で1億という懸賞金はなかなか破格だったか。
○ハイルディンが新巨兵海賊団を結成
（ONE PIECE77巻 ©尾田栄一郎／集英社）
そして、現在エルバフの地で育った「ハイルディン」や「ゲルズ」が【新巨兵海賊団】を新たに復活させます。
ハイルディンは特にヤルルたちからエルバフの英才教育を受けていたこともあって、再び巨人族で世界を震撼させようと目論んでいる。ドリー達の帰還も望んでいる様子。結成時期は麦わら大船団の傘下に入った直後の話なので割りと最近の話だったりします。
このハイルディンが現在81歳だったため、改めてドリー&ブロギーの早熟の戦士っぷりが伺えます。
63年前のセムラ事件とは？羊の家とは？
一方、エルバフの国では「63年前」に大事件が起きていました。
まず確認しておくと、【マザー・カルメル】というシスターが「羊の家」という孤児院を約100年前にエルバフの地に作っています。カルメルはさまざまな出自を持つ不憫な孤児を羊の家で引き取って育てていた。
このカルメルは前述のドリー&ブロギーが抜けた巨兵海賊団の元クルーたちが約100年前に処刑されそうになった際、「罪を許しなさい！この世のあらゆる種族が手を取り笑いあえる世界へ！」と処刑を止めさせて元巨兵海賊団たちの命を救い出した。
そのため巨人族の世界では聖母マリアのように、カルメルの存在は丁重に扱われていた。しかしカルメルの実態は「人身売買屋」だった。
カルメルはエルバフに潜り込んで優秀な人材を世界政府に売り渡しており、巨人族初の海軍兵士となったジョン・ジャイアントも裏で工作していたからだった。カルメルが巨兵海賊団の処刑を食い止められた理由も、単に海軍と一芝居を打っていただけ。
（ONE PIECE86巻 ©尾田栄一郎／集英社）
羊の家が誕生した37年後の63年前、やはり親に捨てられた当時5歳の【ビッグマム（シャーロット・リンリン）】の姿もあった。ちなみにビッグマムが追いかけている巨人族の少女が、後に新巨兵海賊団に入るゲルズです。
○5歳のビッグマムがエルバフを半壊させる
カルメルはビッグマムもまた海軍に大金で売り渡そうと丁重に愛したが、そこには「大きな誤算」があった。
ビッグマムが羊の家に引き取られた10ヶ月後、エルバフではロキ王子の誕生に祝して「冬至祭」が行われようとしていた。しかし、この祭りを始める前に12日間の断食をする必要があった。ただ食いしん坊のビッグマムに耐えられる期間ではなかった。
実母のように慕っていたカルメルのために5日6日と絶食に耐えていたが、7日目でビッグマムは理性を完全に失ってしまう。後に「食いわずらい」と呼ばれる暴走モードに突入。直前まで食べていたセムラが特別に美味しかったことも手伝って、5歳にしてまさに悪鬼と化す。
（ONE PIECE86巻 ©尾田栄一郎／集英社）
結果、大暴れしたビッグマムはエルバフの村を半壊させてしまう。
そして、「子供の姿を借りた悪神」とビッグマムの暴虐に食い止めようとした巨人族の英雄・ヨルルをさらに返り討ちにして亡き者にされてしまう。この事件がキッカケにカルメルたちはエルバフから追い出されて、ビッグマムは全ての巨人族から敵視されてしまう羽目になった。
この光景を目の当たりにしていたハイルディンは復讐を誓うものの、未だに嫌いな食べ物がセムラだったりします。この63年前のビッグマムの暴走事件は未だに命名されていないと思いますが、まさに「セムラ事件」と言えるか。
エルバフの王子ロキとは？
そのため「全種族を集めて同じ目線で食卓を囲む」という思想を持つビッグマムですが、ホールケーキアイランド（トットランド）には神の種族・ルナーリア族と並んで、巨人族を集めることができなかった。ただビッグマムが巨人族を集めることを諦めていたわけではなかった。
その後、元MADSの研究員だったシーザー・クラウンに命令して人体巨大化の研究を行わせるなど執念を燃やすビッグマムですが、「とある巨人族」が実娘・ローラに一目惚れして求婚したことから事態は一変します。
（ONE PIECE85巻 ©尾田栄一郎／集英社）
それが【ロキ】と呼ばれるエルバフの王子。
ただこの結婚が成立すれば長年の巨人族との確執が解消されると考えたビッグマムでしたが、結果的にローラが結婚を拒否して政略結婚は破談する。その後、双子の姉・シフォンをロキに差し出すものもすぐに偽物と見抜かれてしまう。
このビッグマムの大胆な裏切り行為に、かえって巨人族との確執が深まることとなった。そのためビッグマムは娘・ローラに対して逆ギレ気味に強い殺意を抱くようになり、ホールケーキアイランドでは未だにローラはお尋ね者になっているほど。
ちなみに、シャーロット・ローラとはビッグマム海賊団23女になります。初登場時はゲッコー・モリアと戦ったスリラーバーク編とかなり昔。ナミとも仲が良かったゲロブス女と言えば誰もが思い出すでしょう。
○ロキのモデルは？素顔はイケメン？年齢は63歳？
エルバフのロキ王子のモデルは「同名の北欧神話の巨人」になります。
北欧神話のロキは、容姿端麗の巨人族だったそう。そのため現時点でシルエット姿しか描かれていないものの、エルバフのロキの素顔も【イケメン】と予想。ブサイクなローラに求婚した理由も、イケメンのロキとのギャップ感を演出したかったからか。
このロキはビッグマムが羊の家に引き取られた63年前にちょうど誕生していることから、現在の年齢は「63歳」と確定しています。ただハイルディンたちより年下ということを踏まえると、ロキの見た目は若々しい【20代】程度と予想できそう。
だからロキのシルエット姿はバケモノ風に見えますが、素直にシンプルなイケメンかも。これまで振り返ると巨人族は無骨なオッサンが多くてイケメンは一人も居ませんでしたが、王族の巨人族だけはイケメンだったとしたら合点がいくか。
また北欧神話を起点に考察すると、ロキの性格はイタズラ好きだったとのこと。その一方、サタンの影響もあって狡猾な一面も覗かせます。サタンは別名ルシファーと呼ばれる堕天使でした。主人公・ルフィのモデルはルシファー説も根強いですが因果関係はないのか？
○ロキは太陽の神と関連する王子？
実際、ルフィのゴムゴムの実は神のルナーリア族の特徴を強く継承していた悪魔の実（ヒトヒトの実モデル・ニカ）でした。このルナーリア族はゴムのような伸び縮みする体質だった一方、背中には「黒い翼」が生えていました。
まさにルシファーのそれ。
そして、エルバフでは「太陽」に感謝する習わしがありました。ロキ王子誕生の際に催された冬至祭は「太陽の死と復活」をお祝いする目的で催されており、カルメルは「苦しい冬を超えれば太陽がまた暖かく照らしてくれる」と語っていました。
ワンピースにおける太陽と言えば、もちろん【太陽の神・ニカ】でした。実際、北欧神話のロキも「火を神格化した存在」とも言われています。Dの一族も夜明けを目指していましたが、エルバフのロキも同様に大いなる役割を担わされている？
また北欧神話のロキの母親が「ラフウェイ」という名前でした。この意味は日本語で「葉の島」。語感的に最終地点・ラフテルを彷彿とさせることから、ロキが最後のひとつなぎの大秘宝を得るために必要な存在だった？だから想像以上に重要キャラとして今後描かれそう。
現在はハグワール・D・サウロが根城にしている？
一方、ビッグマムに半壊させられた「エルバフの現在」はどうなっているのか？
（ONE PIECE1066話 ©尾田栄一郎／集英社）
結論から言うと、元海軍中将だった【ハグワール・D・サウロ】が「オハラに残された大量の書物」を持ち帰っています。このサウロが持ち帰ったオハラの書物をいつぞやに読破したDr.ベガパンクは空白の100年などの秘密を知ったとされます。
また北欧神話のロキは「空中を走れる靴」を履いていたという特異なエピソードがありました。ベガパンクが今後エルバフに足を運ぶ場合、同様にロキ王子にも近未来的な発明品を与えそう。
ちなみにビブルカードでは「享年105歳」としっかり解説されていたのに、サウロは普通に生き残っていました。Wikipediaでも未だに故人表記。いくら数年前に発売されたものと言っても情報がこうもコロコロと変わるのでは、ビブルカードそろそろ捨てようかな😭
○エルバフは最強の学問都市に？
（ONE PIECE1066話 ©尾田栄一郎／集英社）
ただ厳密にはサウロは青雉クザンに凍結させられていたため、実際にオハラの書物を引き上げたのは後に新巨兵海賊団を結成するハイルディンやゲルズになります。サウロを解凍し治癒したのも彼ら（おそらく船医のゲルズ？）だったと推察されそう。
そのため大量の古文書などが集積されている現在のエルバフはさながら「第2のオハラ」のような場所になっています。相変わらず政治システムは変わっていないことから、エルバフの軍事力でそれらは堅固に守られることでしょう。
ベガパンクが今後エルバフを新たな拠点にすれば、誰も学問の自由を脅かすことは不可能でしょう。だからイム様や世界政府を対峙する場面が増える中、今後エルバフの【ロキ王子】が重要な働きをするに違いない。果たして巨人族の王がどう立ち振る舞うのか注目。
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