海賊の一般的な見た目の特徴が、パイレーツハットや毛むくじゃらなどが思い浮かびます。
海賊と言えば「眼帯」のイメージを特に上げる人も少なくないはず。『パイレーツ・オブ・カリビアン』でも眼帯の海賊などがいました。それだけ眼帯を着用させるだけで、「海賊というイメージ」がグッと上がるアイテムだと言えます。もはや世界的な共通認識。
ただコミックス発行部数が日本一を誇る海賊漫画であるにも関わらず、『ONE PIECE』ではこれまで一度も眼帯を着用した海賊は登場していません。一応、眼帯を着用したキャラ(真ん中)は一度だけ扉絵に登場しているんですが、この魚は海賊ではないため数には含めません。
そこで今回ドル漫では「今後ワンピースで一度だけ登場する眼帯の海賊の正体」をフルカラー画像付きで徹底的に考察しようと思います。
眼帯の海賊は物語終盤に一度だけ登場する?
まずは『ワンピース』における眼帯の海賊の正体について判明している情報をおさらいします。
眼帯の海賊とは「物語の終盤に【一度】だけ登場します。はやくそいつを描きたくてウズウズしてます」と尾田さんが公言している謎の海賊のこと。これは『ワンパラ』と呼ばれる連載10周年を記念した情報誌に、2007年6月に掲載されたコラムの一節になります。
ちなみに、今回引用している画像は『ワンピースグリーン』と呼ばれる公式ガイドブックからになります。
ここでは尾田栄一郎の裏ポリシーとして、「眼帯≒海賊という分かりやすいイメージがある。何も海賊がみんな眼帯をしているわけじゃないんだぞ。眼帯を使わなくても海賊は描けるんだぞ」という考えを連載当初から抱いていたそうです。
そして、「みんなの頭に固まった海賊のイメージがあるのなら、僕は少年がそこに行きつくプロセスを描いてやろうと思ったわけです」と語っている。ただ眼帯の海賊を描かないというわけではなく、『ワンピース』のストーリーの終盤で描くために出し惜しみしているということ。
既に『ワンピース』は最終章に突入している中、まさに眼帯の海賊の登場も間近ということ。果たして眼帯の海賊のヤバすぎる正体とは?
宇宙海賊キャプテンハーロックがモチーフ?
結論からさっそく言ってしまうと、眼帯の海賊とは『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』をモチーフに考えられているのではないかと考察します。
宇宙海賊キャプテン・ハーロックとは同名漫画の主人公になります。右目に眼帯を着用し、左目下には傷。黒いマントを羽織るイケメン海賊。作者は『銀河鉄道999』なども執筆した松本零士。
つまり、ワンピースにおける眼帯の海賊も【宇宙海賊】の一種とドル漫では考察してみます。
事実、ワンパラで描かれたルフィの「襟の立った服装」がキャプテン・ハーロックのそれと同じ。
特にルフィの【左目の下】には傷があるように、キャプテン・ハーロックの【左目の下】にも傷があることが大きな特徴でしょう。何故ルフィが左目に眼帯を着用したかというと、キャプテン・ハーロックを読者に彷彿とさせないためだったのではないか。
他にもワノ国編後半でルフィは唐突に「黒いマント」を羽織っていました。これも宇宙海賊キャプテン・ハーロックの服装に寄せる狙いがあったのではないか。
ただし、現時点ではルフィの黒マントは「ジョイボーイ」の伏線だった可能性は高いです。ワノ国編終盤でルフィはヒトヒトの実モデル・ニカが覚醒したわけですが、ジョイボーイは「絶望という名の黒いマントを振り落とすインドの笑いの神」とされている。
だから現時点だと、この黒マントの伏線はギア5に覚醒する仕掛けだったと考えるのが自然でしょう。
○宇宙海賊ルフィが爆誕する?
もし眼帯の海賊が宇宙海賊キャプテンハーロックと仮定すると、ワノ国で唐突に登場したカイドウの子供・ヤマトの存在もキーポイントになることが分かるはず。何故なら、ヤマトのモデルは『宇宙戦艦ヤマト』と考えられるからです。
だからルフィは『宇宙海賊キャプテンハーロック』、ヤマトは『宇宙戦艦ヤマト』という位置関係で考えられるため、どちらもSF要素の強い作品であることから、眼帯の海賊とは「ルフィが最終回で宇宙海賊になる」という伏線だったのではないか。
さながら【隻腕のシャンクス】【隻眼のルフィ】という構図で考えることができます。
つまりワンパラで描かれたルフィの姿が、まさに答えそのものだった。ルフィたちが暮らす地球上に存在しない(登場してない)ということは、逆に考えると「地球外の宇宙には存在する」という裏返し。事実、既に宇宙編を匂わせる伏線や描写が少なくない。
例えば、ミンク族のネコマムシは左腕に銃を仕込んでいました。これは寺沢武一作『コブラ』の主人公である宇宙海賊・コブラをモチーフにしているはず。コブラも同様、左腕に「サイコガン」と呼ばれる光線銃を仕込んでいました。
○宇宙編を匂わす伏線のモデルはSF漫画が多い
ワノ国編以降は特に「宇宙海賊」を匂わす描写が多かったものの、それ以前にも決定的な扉絵も描写されていました。
それが月を背景に「列車が夜空を駆けている扉絵」。これは松本零士作の『銀河鉄道999』を彷彿とさせます。やはり有名なSF漫画ですが、裕福な人間は機械の体を手に入れて、宇宙空間を走る列車に乗って自由に旅ができる未来が舞台でした。
『ワンピース』に翻って考えると、月の古代都市に何故多くの機械の体(サイボーグ)がいたのか?これも『銀河鉄道999』をモデルにしていたからなのかも知れない。個人的に古代兵器プルトンの正体は飛空艇と考えているので、これを使ってルフィは宇宙を旅する?
そして、この999という数字を上下に裏返すと「666」。まさに悪魔の数字。『ワンピース』における悪魔と言えば、悪魔の実。つまり、眼帯の海賊は始祖の悪魔の実を所有している可能性も考えられそう。
また宇宙空間は広大。光の速度で動いても数千万年、数億年はかかる距離。宇宙海賊が漫画の世界にいたとしても、人間の寿命ではどうやっても足りない。イム様≒不老不死説も考察済みですが、眼帯の海賊こそが不老不術を受けて永遠の命を授かっている?
ルフィの「左目だけ隠す」という不自然な描写
そのため眼帯の海賊は「宇宙編」を予感させるわけですが、何故モンキー・D・ルフィが眼帯の海賊になると言えるのか?その鍵となる最大の伏線が「ルフィの左目を不自然に隠す」という描写があまりにも増えていること。
ビッグマムが支配するトットランド編でも、これまでルフィは片目だけ隠すという不自然な演出はほとんど見られませんでした。
こういう縦型のコマ割りを見ても、ルフィの左目が全て露骨に隠れていることはなかった。
ただし、ワノ国編以降は何故か「ルフィの左目を露骨に隠す描写」が顕著に増えています。
例えばルフィがワノ国でゾロと再会したシーンを見ると、「吹き出し」が左目にまるで眼帯のように被っていることが分かります。
他にも光月モモの助と再会したシーンでも、やはりルフィの左目に「吹き出し」がやはり露骨に被っています。こういう演出や表現は他の漫画を見渡してもあまり見かけない。正直、アマチュアにありがちなミス。漫画編集者であれば間違いなく指摘するでしょう。
○左目を閉じてシーのポーズを取るルフィ
またジンベエが麦わらの一味に正式に加入した際も、ルフィの左目がコマ割りを使ってしっかり隠されていることが分かります。一度や二度であればまだしも、ここまで連続して何度も左目を隠されると【何らかの意図】を感じさせます。
ワンパラの眼帯は左目に装着されていましたが、これは【眼帯】の代わりに「吹き出し」などを代用して伏線を大胆に張っていたのではないか?既にドル漫では「目の傷に関する伏線」も考察していますが、この描写にもおそらく意図が隠されているはず。
事実、ワノ国編が開始したばかりのコミックス92巻(929話)の扉絵では、人差し指を使って「左目を閉じてシーのポーズ」を取るルフィの姿が意味深に描かれています。このルフィは【左目の秘密を黙っておいて】と言っていると解釈すると、その秘密とは何なのか?
まさに、それこそが「眼帯の海賊」のこと。ルフィがいずれ眼帯の海賊として宇宙を旅するという未来を大胆不敵に予言した扉絵だった。
眼帯の海賊は少年ジャンプのロゴマーク(ジャーニー)か?
ただ問題点もあります。
それが「眼帯の海賊が登場するのは一度だけ」という尾田さんの言葉を改めて思い出したいです。もし本当に一度だけしか登場しないのであれば、作中に登場するような主要キャラクター(敵味方含む)ではない可能性の方が高いのではないか。
例えば、ワンピース最終回のどこかにチラッと登場させるなど、眼帯の海賊は「物語以外の部分」でチラッと描写されるパターンも考えられます。事実、少年ジャンプを象徴する海賊は『ワンピース』以外にも実は存在しました。
それが少年ジャンプの「ロゴマーク」。少年ジャンプの表紙に常に写っている海賊。このロゴマークの名前は「ジャーニー」と呼ばれます。ちなみに、反時計回りに回転させて見える少女の名前はジェイミーになっています。
『ワンピース』は少年ジャンプの歴史上、いや日本の漫画史上もっとも売れた人気漫画になります。今後もこの歴史を打ち破る漫画はそうそう出てこないでしょう。だから、ルフィが最後に眼帯の海賊ジャーニーをぶっ倒して終わるのではないか。
そうすると、まさに名実ともに少年ジャンプ最強を誇る海賊に君臨することができる。どこに掲載されるかは不明ですが、例えば少年ジャンプの表紙にいつも描かれているジャーニーの代わりに【ルフィを模した眼帯の海賊】が代わりに描かれるのかも。
○ジャーニーは「宇宙旅行」の暗喩?
ちなみに、ジャーニー(Journey)は日本語に訳すと「旅」を意味します。
だから、眼帯の海賊は「完結後の新たな旅路」を象徴する仕掛けでもあるのかも。「ただの少年の海洋冒険は始まりました」と尾田さんがワンパラのコラムで語っていたように、少年ジャンプのロゴマーク・ジャーニーは【さらなる旅】の始まりを予感させます。
例えば、『トリコ』の最終回も宇宙編の始まりを予感させる終わり方でしたが、『ONE PIECE』でも同様の結末が待っている?そのため前述の考察も踏まえると、眼帯の海賊は【宇宙編】をやはり匂わす存在だったのかも知れない。
パンダマンの正体は「眼帯の宇宙海賊」か?
ただルフィは【自由】を追い求める海賊でした。最後の最後で「どちらが上とか下とか」「誰かを打ち負かして終わる」という展開は描かれない気もします。
そこで鍵を握る新たなキャラクターが【パンダマン】。
パンダマンとは尾田さんが『キン肉マン』の超人コンテストに描いた悪魔超人。ワンピースのコミックスの裏表紙には必ず登場しているキャラクター。本編でも野次馬の中に確認できるなど、尾田さんにとってルフィ並に愛着を持つキャラクターがパンダマン。
事実、パンダマンの顔の模様も線を一つ引くだけで、あっという間に眼帯の海賊が出来上がってしまうキャラデザでした。だから、ワンピースのコミックス最終巻の裏表紙に【パンダマン風の眼帯の海賊】がお遊び感覚で最後に描かれるのかも知れない。
例えば、パンダマンはシャンクスやバギーと楽しげに肩を組む姿などが描かれていますが、コミックス最終巻ではルフィと眼帯のパンダが楽しげに肩を組む姿などが描かれるのか。
○眼帯のパンダマンとルフィが最後に地球を飛び立つ?
そして、パンダマンもまた実は【宇宙編】を匂わすキャラクターだったりします。
何故なら、パンダマンは「かぐや姫を見たことがある」から。かぐや姫はイム様≒不老不死説でも考察しましたが、『竹取物語』に登場する月人。
ワノ国編を振り返ると、光月日和が得意とする歌の名前が「つきひめ」でした。まさにかぐや姫を彷彿とさせる名前でした。何故、パンダマンはかぐや姫を見たことがあるのか?まさにパンダマンの正体は【月から来た宇宙海賊】だったからではないか?
パンダマンは竹やぶに捨てられてパンダに育てられた過去を持っているため、正確には月の宇宙海賊の子孫として地球に捨てられた存在だった?だから、ルフィは最後に「パンダマンと共に宇宙海賊として地球を飛び立つ」のかも知れない。
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