『ONE PIECE』で最も謎多きキャラクターが「イム様」。天竜人の頂点である五老星ですらひざまずく相手。つまり『ワンピース』の世界における最も位が高い権力者。現状、イム様の姿はシルエット姿のみ。男性か女性か性別すら不明です。
そこで今回ドル漫では「イム様≒不老不死説」を徹底的にフルカラー画像付きで考察します。つまり、現在トラファルガー・D・ローが所有するオペオペの実の【不老不術】によってイム様は不死の肉体を得ている可能性を考察しようと思います。
現実世界を見ても古代中国の始皇帝が不老不死の薬を求めるなど、世界中の独裁者や為政者の念願が不老不死の肉体。ワンピースの世界を牛耳っているイム様もご多分に漏れずのはず。他にも竹取物語といった他作品からもアプローチしつつ不老不死説に迫ります。
ちなみに革命軍のエンポリオ・イワンコフの発言によって、イム様の不老不死説がほぼ確定しています。
イム様の赤い目はドラキュラを象徴?
果たして何故イム様が不老不死だと言えるのか?
結論から言うと、ドラキュラの特徴が「赤い目玉」だから。ドラキュラは吸血鬼とも呼ばれますが、不老不死を象徴するバケモノ。『鬼滅の刃』だと鬼舞辻無惨なども吸血鬼がモデルだったりしますが、イム様も同様の体質なのではないか?
事実、イム様の目玉の色も「赤色」でした。
アニメ版ワンピースの記憶はないので変更されてる可能性もありますが、少なくとも漫画版ワンピースだとイム様の目の色は赤。もちろんこれだけでは根拠として弱い。そこで同じく赤い目玉の色をしたキャラクターを探すと、王下七武海に一人いました。
それがジュラキュール・ミホークその人。ただし、アニメ版だと目の色は黄色だったりするんですが、このミホークのモデルがまさにドラキュラ伯爵でした。現代では漫画やゲームの世界において、ドラキュラとは一般的に吸血鬼全般を指します。
○同じ赤い目のミホークのモデルがドラキュラ公
ちなみに、ドラキュラ伯爵のモデルとなった貴族がヴラド・ツェペシュ。ヴラド三世とも呼ばれていますが、串刺し公という異名を持つなど血生臭い貴族。
父親のヴラド2世はハンガリー王国のドラゴン騎士団に在籍していたため、ドラクルという名前で呼ばれていました。ドラクルとは日本語で竜公などと訳されます。だからヴラド三世は「ドラクルの息子」という意味で【ドラキュラ】と自称していたそう。
そのためドラキュラはルーマニア語で「竜の息子」と訳される。
またドラゴンと悪魔は同一視されることも多く、父親のドラクルは「悪魔公」と解釈されることもしばしばでした。そのため息子のドラキュラ公は「悪魔の子」とも呼ばれてる。『悪魔城ドラキュラ』というゲームもありますが、日本では悪魔の意味合いが強いかも。
だからドラキュラは不老不死でありながら、同時にドラゴンや悪魔を指し示す存在でもあった。そのため『ワンピース』に翻って考えると、イム様のモデルがドラキュラだと仮定したらDの一族の血を引く可能性も考えられます。
不老不術のリスクは「太陽」か?
つまりまとめると、800年前にジョイボーイと対峙したイム様は不老不術を受け、未だに世界に君臨し続けているのではないかと予想できます。世界の安定的な統治を考えると、一人の為政者が君臨し続けたほうが良い。
一方、ドラキュラや吸血鬼の弱点は「太陽光」でした。
例えば吸血鬼の「ディオ・ブランドー(DIO)」も太陽光が弱点でした。ディオを倒すことができた理由も、波紋エネルギーが太陽エネルギーと同じ波長だったからでした。前述の鬼舞辻無惨も同様、いくら最強の吸血鬼であっても太陽光だけはどうしても勝てなかった。
事実、ディオは月明かりの下でしか活発に動くことができなかった。
つまり、イム様も不老不死と引き換えに「太陽を浴びることができない体質(弱点)」になったと予想してみる。例えば聖地マリージョアの地下に隠されている麦わら帽子も「太陽を遮るための帽子」として大事に保管している可能性も考えられそう。
○イム様は太陽光に当たると死亡するからマリージョアを出られない?
だから、イム様は聖地マリージョアに「ずっと幽閉されているような状態」を半ば強いられている。太陽の下では日常生活を送れないから隠遁生活を送る。イム様がマントのようなもので重装備している理由も、太陽光を浴びないためだった?
やはり「不老不術を行う側」のオペオペの実の能力者が死ぬリスクがある以上、「不老不術される側」にもリスクがあると考えるのが自然。無条件で不老不死になれたとしたらチート。もし何らのリスクもないのであれば、イム様がこそこそ隠れた生活を送る必要はない。
やはりイム様は五老星に直接命令できる、まさに天竜人の頂点。だったら何故イム様自らが指揮を取らないのか?これは表舞台に出て太陽光に当たると死亡するリスクがあるからではないか。
月はイム様を暗喩していた?
そして、太陽と相反する存在が「月」になります。太陽は朝に昇って、月は夜に昇る。太陽が昇ると月は消えるし、月が昇ると太陽が消える。太陽と月は表裏一体。まさに【朝と夜】を最も象徴する存在でもありましょう。
一方、Dの一族は世界に「夜明け」をもたらす存在でした。夜明けとは、まさに朝のこと。またDの一族はイム様たちにあだなす「神の天敵」としても知られていました。太陽をもたらすDの一族の復活がイム様の死に直結するなら、まさにイム様の弱点が太陽を意味する。
つまり、月とは「イム様の存在を暗示するアイテム」だったことが分かります。『ワンピース』では麦わらの一味などの背景に月が描写されることが多かったため、これまでは月はDの一族との関連性を疑う考察が多かったようにも思えます。
ただ【味方】であるDの一族の象徴ではなく、月は実は【敵】であるイム様の象徴だった。
そう考えると、月は「麦わらの一味たちがイム様にずっと監視していた」ことを意味しているようにも思える。裏切り者説も根強い赤髪のシャンクスがコミックス冒頭のキャラクター紹介に常に登場していた状況ともなんとなく符合します。
竹取物語にも不死の薬が登場する
また『竹取物語』という日本最古のおとぎ話がありますが、これは竹から生まれたかぐや姫が天の羽衣を使って月に帰るという物語でした。そのため『竹取物語』がモチーフだったとしたら、イム様の性別は女性である可能性も高まったとも言えるはず
ただ天の羽衣以外にも、実は月の国に由来するという「不老不死の秘薬」が物語終盤に登場する。竹取物語をモチーフとした畑健二郎の『トニカクカワイイ』にもやはり不死の薬が登場するなど、かぐや姫は不老不死をモチーフにした題材でもあった。
だから月という視点で考察を広げていくと、やはりイム様の不老不死説(オペオペの実の不老不術を受けた説)に行き着く。ドフラミンゴが画策したように、非人道的なオペオペの実の不老不術を実行できるとしたら、やはり今も昔も世界を統べるイム様しかいない。
ドラクエの「りゅうおう」から考える不死説
そこで「世界の王」という視点で、今度は有名RPGゲーム『ドラゴンクエスト』と絡めてイム様の不死説を考察しようと思います。例えば王下七武海のモデルは『ロマンシングサガ』に登場する七英雄なんですが、そんな尾田さんがドラクエをプレイしていないはずがない。
この『ドラゴンクエスト』シリーズで一番最初に登場したラスボスが【りゅうおう】でした。頭(帽子?)のカタチがクワガタのように伸びて、紫のオーブを羽織った一見すると魔法使いの外見ですが、あくまで仮初の姿。いわば第一形態。
りゅうおうの本当の正体は「紫の鱗を持つドラゴン」になります。そのため平仮名の「りゅうおう」は人の姿を表し、漢字の「竜王」はドラゴンの状態を表すと言われてる。竜と聞くとDの一族も彷彿とさせますが、これはイム様でも通用する話なのではないか。
カタカナのイムが人の姿と仮定したら、漢字のイムが「本当の姿」ということ。
カタカナのイムを漢字に置き換えると仏教用語の「仏(ほとけ)」になる。ここからイム様の正体は仏説も根強いですが、ホトケとは仏教で仏陀(ブッダ)を指します。ブッダはインドで目覚めた人を意味するそうですが、中国に伝わる中で仏陀という漢字があてがわれたそうです。
○ホトケは隠語で死者
でも日本でホトケはブッダ以外にも意味があります。警察ドラマなどでもひんぱんに耳にする隠語ですが、ホトケとは「死者」や「死体」を意味します。だからイムという名前は、まさに死者を象徴する言葉だった。でもイム様は今も生きている。
つまり、これこそが「不死説」を裏付ける仕掛けだった。
『ドラクエ8』の裏ボスを戦ったプレイヤーなら分かりますが、この竜王は輪廻するように姿かたちを変貌させる。輪廻とは命あるものが何度でも生まれ変わることをさす。イム様も同様に輪廻を繰り返すほど長生きしている裏返しだった。
これこそが不老不死説を裏付ける、まさにまさにの仕掛け。
また『ドラクエ』のりゅうおうは主人公と戦う直前に「世界の半分をほしくはないのか?」と二者択一を迫ったボスでも有名。これを『ワンピース』に置き換えて考えると、イム様も20の世界貴族に対して「世界の半分をほしくはないのか?」とかつて迫ったのではないか?
結果的に現在の天竜人は快諾し、現在に至ったと考えると、イム様と五老星以下の天竜人との間に主従関係ができあがっていることにも合点がいきます。
ヒトヒトの実モデル・ニカは太陽を克服するために必要?
一方、五老星はヒトヒトの実モデル・ニカを800年前から世界政府が追い求めていたことを語っています。おそらくイム様が直接命令を下しているはず。この800年以上前からという時間軸を考えると、既にイム様の不死説を裏付けている印象も受けます。
ヒトヒトの実モデル・ニカの前任者だったジョイボーイはかつて800年以上前に、ニカと呼ばれる太陽の神の能力を覚醒させてイム様たちと戦ったとされます。この悪魔の実の素性がバレないようにゴムゴムの実という別称を与えていました。
でもイム様は何故ヒトヒトの実モデル・ニカを必死に集めようとしていたのか?もちろんイム様たちにとってニカの実の能力が再び脅威となるからと考えるのが最も自然ですが、果たしてそれだけなのか?世界の戦力バランスが崩れる以外の可能性はないのか?
○イム様は太陽を克服したいはず
結論から言うと、イム様が太陽を弱点とする不死の体質と考えた場合、ヒトヒトの実モデル・ニカは「太陽を克服できるアイテム」だからではないか?もし不老不死のイム様が太陽を克服できれば、凡庸な表現を使うと完全な究極生命体となる。
例えば『ジョジョの奇妙な冒険』でも、究極生命体のカーズといった柱の男たちは石仮面を作って、自ら太陽を克服しようと画策し続けていた。『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨も青い彼岸花を用いて太陽光を克服しようと数百年も探し回っていた。
これを『ワンピース』に置き換えて考えると、イム様も同様にヒトヒトの実モデル・ニカを用いて太陽光を克服しようと考えていからずっと探し求めたい?やはり太陽を克服するには「太陽神の体質」を取り込めばいいということ。まさに免疫療法。
もしくはルフィに継承された【謎の麦わら帽子(おそらく特殊な能力を持つ?)】が鍵を握る可能性もあるか?麦わら帽子は、太陽を遮る帽子。太陽光を克服するアイテムとしては最適のようにも思えます。
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