2019年のアニメ化以降、『鬼滅の刃』の人気が止まりません。
『鬼滅の刃』のコミック累計発行部数も2021年には1億5000万部を突破し、最終的には3億部に迫りそう。煉獄杏寿郎が準主役の劇場版映画の興行収入は400億円を突破。少年ジャンプが誇るバトル漫画に成長したものの、2020年5月に惜しまれながら完結しました。
そこで今回ドル漫では「鬼滅の刃の最終回・最終話」のネタバレ感想をフルカラー画像付きでレビューしたいと思います。最後は主人公・炭治郎が鬼化する衝撃的結末が?最終話でようやく青い彼岸花の秘密が判明する?第二部の話はどうなったのか?
おそらく『鬼滅の刃』の最終回はきっと劇場版映画で描かれるに違いない。涙必至。
最終回は鬼舞辻無惨の撃破
果たして鬼滅の刃の結末は一体どんな終わり方だったのか?
鬼滅の刃の最終回は「鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)の撃破」で完結しました。やはり鬼舞辻無惨こそが『鬼滅の刃』のラスボスでしたから、こいつを倒してストーリーを終えるのが一番スッキリする終わり方。とはいえ、鬼舞辻無惨はとにかく圧倒的に強かった。
ただ珠世や蟲柱の胡蝶しのぶたちが開発した薬の影響で、鬼舞辻無惨は「老化 and 弱体化」してしまう。規模感がすごくて笑っちゃうんですが、さすがの無惨も「9000年分」も老化してしまうと疲労知らずの肉体もダメージが着実に蓄積。
そして主人公の竈門炭治郎と柱は根治不能なダメージを負いながらも、終盤では総力戦を展開。鬼舞辻無惨も追い詰められて、最後は太陽光に焼かれて死亡する。この過程で悲鳴嶼行冥や甘露寺蜜璃といった柱の大半も死亡し、不死川実弥と冨岡義勇だけが生き残る。
鬼殺隊は相当な犠牲を払ったものの、晴れ晴れしい勝利に最後は大団円を迎えようとしていた。
鬼舞辻無惨は竈門炭治郎に想いを託す
でもここで『鬼滅の刃』は完結しませんでした。
鬼舞辻無惨は最も恐れいてた「死」を前にして「ひとの思いこそ不滅」という産屋敷輝哉の言葉を思い出す。肉体は消滅すれば終わりですが、「人の思い」は仲間を通じて未来に受け継がれていく。この真理とも呼べる真実を目の当たりにして、無残はまさかの感涙。
そこで無残が最後に取った手段が「竈門炭治郎に【自身の細胞】を継承させる」こと。炭治郎も無残戦で致命的なダメージを負って瀕死の状態だった。まさに絶好のタイミング。
その結果、無残の細胞を取り込んだ炭治郎は半強制的に「鬼」と化してしまう。そして無残の読み通り、日の呼吸を体得した竈門炭治郎は「太陽光」も克服する最強の鬼に進化した。ストーリー終盤も終盤に来て、まさかの大どんでん返し。
○無残の想いは最後まで届かず
しかしながら、鬼舞辻無惨の場当たり的な想いが届くことはなかった。
炭治郎は「無残の命なんか少しも欲しくない」と強く抵抗して、鬼であることを拒絶する。それに対して、無残は「お前だけ生き残るのか?大勢のものが死んだというのに。お前だけが何も失わずにのうのうと生き残るのか?」と必死に洗脳しようと試みる。
お前がいろいろ殺しておいて何言うてんねんって話ですが、最後に炭治郎の背中を支えたのが無残に殺された柱の面々。顔は見えませんが、隊服のデザインで誰が誰かは一目瞭然。そして、最後は妹の禰豆子が兄・炭治郎の手をすくい上げる。
この炭治郎の決意の固さと仲間の繋がりに対して、為す術もない無残は「炭治郎待て!待ってくれ頼む!私の意志を!思いを繋いでくれ!」と無様にも懇願する。これまで傲岸不遜に振る舞ってきた無残の最後としては、これぞ痛快な終わり方でした。
やはり人の思いは「一朝一夕ではどうにもならない」ことを証明してくれてる。これまで築いてきた人間関係や信頼が土台にあってこそ、人の思いは受け継がれていく。誰かに命令されて受け継ぐ思いなど、所詮はすぐに途切れてしまう。
「恐怖」のみで人の心を支配し続けた鬼舞辻無惨は、最後の最後でまさに「完膚なき敗北」を喫してこの世から消え去る。
生き残った柱や炭治郎たちの最後は?
一方、生き残った鬼殺隊や柱の生活は最後どうなったのか?
一度は鬼化してしまった竈門炭治郎ですが、結果的に無残の細胞で修復されて生き残ることに成功。たd右目も視力を失うなど、まさに満身創痍。お手々はヨボヨボの状態で動かすことも困難ですが、さながら『ハンターハンター』のゴンさん後のゴン状態。
それでも人間に戻った妹・竈門禰豆子がピンピンと元気なことが救い。
愈史郎いわく、「炭治郎は最初に妹・禰豆子を噛んだ」ことが不幸中の幸いだったとのこと。何故なら、人間に戻った禰豆子は無残の細胞に免疫を持っていたから。炭治郎はその細胞を取り込んだことに加えて、栗花落カナヲに人間化する薬も注入されたことも奏功した。
だから禰豆子の存在は「最終回で炭治郎を元に戻す」ために生かされていた模様。個人的にはもっと鬼バージョンの禰豆子はバトル面で活躍してほしかったですが、『鬼滅の刃』の最終回の結末は最初から構想されていたことも読み取れます。
○不死川実弥の笑顔にニンマリ
その後、鬼舞辻無惨がいなくなったため、産屋敷輝利哉が鬼殺隊を解散する。冨岡義勇と不死川実弥に感謝の念を述べて頭を下げるものの、二人は「礼など必要ございません」と制止。逆に「鬼殺隊が鬼殺隊であればのは産屋敷家の尽力が第一」と輝利哉に感謝を述べる。
その一言を聞いた輝利哉はそれまでの緊張の糸がぷつっと切れたかのように「ありがとうございます」と涙する。やはり子供には荷が重かった。
一方、不死川実弥と竈門禰豆子。初対面時でいきなり禰豆子をぶっ刺すなど冷静に考えるとヤバかったですが、最後は禰豆子と弟・玄弥を重ね合わせた不死川実弥は「元気でなァ」と頭をポンポン。思わずドギマギする禰豆子にニンマリ。
不死川実弥って良いキャラに仕上がったなぁとつくづく。
他にも嘴平伊之助と神崎アオイのほっこりエピソードも最後に描写されます。恋愛などアウトオブ眼中だった伊之助も恋心が芽生えてる様子。アオイも身体能力が高かったですが、いかにもパワー系子孫が生まれそうですが、伊之助の子孫は学者となってます。
そこらへんの現代編の子孫については後述します。
鬼滅の刃はジョジョやNARUTOをオマージュ?パクリ?
ちなみに、『鬼滅の刃』の設定はジョジョのパクリと言われてる。実際、鬼滅の刃の作者・吾峠呼世晴は好きな漫画にジョジョとNARUTOとBLEACHなどを挙げてる。
例えば、鬼滅の刃の基本の呼吸はジョジョシリーズの「波紋」という技と酷似してる。この波紋も独特の呼吸法によって、血中内の生命エネルギーを高める技。ジョジョでは「波紋の呼吸」と呼ばれることもしばしば。
また鬼滅の刃のラスボス・鬼舞辻無惨は吸血鬼でしたが、ジョジョシリーズのボスであるDIO(ディオ)も吸血鬼でした。どっちも「太陽に弱い」という欠点は同じ。柱の面々も改めて振り返ると、『BLEACH』の護廷十三隊を意識して描かれておりました。
鬼化した炭治郎が敵意を剥き出しにする最終23巻では、『NARUTO』の九尾(九喇嘛)をいかにも彷彿とさせます。触手を尻尾のようにしならせ、謎のエネルギー弾は尾獣玉のそれ。もしかすると伊黒小芭内の飼い蛇・鏑丸も大蛇丸に対するオマージュも?
ジョジョではシリーズを追うに連れて時間軸が現代に遡っていったことから、『鬼滅の刃』も同様に第二部以降の展開も期待する読者も大勢いたのも納得。ここまで露骨に酷似してると、パクリというよりも「オマージュ」と表現したほうが正しいはず。
これを逆手に取って堂々と『銀魂』は鬼滅の刃をパクって話題になりましたが、作者の吾峠呼世晴はバトル漫画が好きなんだろうなと思わせます。
鬼滅の刃はしっかり完結!第二部はなし!
だから鬼滅の刃ファンの誰もが期待した「第二部」はありませんでした。無惨に代わる「次のラスボス」も登場してません。個人的に期待した月イチのジャンプスクエアなどへの引っ越し説もなし。『鬼滅の刃』はガチで完結してます。205話が最終回。
『鬼滅の刃』がここまで売れてしまうと、集英社や少年ジャンプの「あくどい大人の事情」が優先されそうなイメージもありますが時代が時代。少年ジャンプもかつてのようにビシバシと漫画家さんを酷使する時代は過ぎ去って最終的には「作者の意志」が優先されたカタチ。
下手に先延ばしにしても、内容がつまらなかったら作者さんが叩かれるだけですからね。食戟のソーマの最終回や東京喰種の最終回を思い返しても、序盤の勢いと比べると第二部や続編はそこまで盛り上がらなかった気もします。
完結後もコミックスがぶっちぎりで売れてる現状を考えると、確かに「最後の読後感」を無視してまで『鬼滅の刃』を無理に連載を続けるメリットはなかったのかも知れない。
ただ週刊文春が「作者の家庭の都合で連載は完結する」と報じていたように、その審議は不明。事実、『鬼滅の刃』が最終回を迎えた後に、作者・吾峠呼世晴は公式ファンブックなどで描き下ろしの漫画を多く執筆してる。まだ行けたやろっていう。
ちなみに『鬼滅の刃』が少年ジャンプ本誌で完結後、煉獄杏寿郎と冨岡義勇を扱った読み切りが数話ほど掲載されてます。その『鬼滅の刃』外伝のネタバレ感想は既にレビュー済みです。今後も吾峠以外の漫画家が「鬼滅の刃スピンオフ」を描く可能性はありそう。
【現代編】竈門炭治郎の子孫たちの物語が最後につむがれる
一方、第二部で期待された「現代編」は最終回で少し描写されます。「青い彼岸花」の秘密も最終回で判明します。
まず現代編に登場したのは竈門炭治郎の子孫たち。
下が「竈門炭彦」、上が「竈門カナタ」。名前から察するに炭治郎とカナヲの子孫なのは明らかですが、竈門カナタの目の色は栗花落カナヲのそれ。
竈門炭彦は炭治郎の赤い髪色を継承してる模様。性格はのほほんとしてるものの、身体能力は抜群。町中でパルクール全開のパフォーマンスを見せるなど、どちらかというと継国縁壱の要素(日の呼吸の使い手)も色濃く残すか。
そして、我妻善逸の子孫が「我妻善照」と「我妻燈子」の姉弟。どうやら最終的には我妻善逸と竈門禰豆子がケコーンした模様。
姉の燈子は特別勝ち気な性格っぽいですが、それ以外は割と穏やかな性格の女性が多かったことから禰豆子の血筋が読み取れます。我妻善逸はその後、鬼舞辻無惨戦の顛末を伝記として残し、それを子孫の弟・善照は貪るように愛読してる。
ただし、我妻善逸は我妻善逸。内容が無茶苦茶すぎて、もはやファンタジー(転生モノのラノベ)に近い。この詳細はコミックス最終23巻ではなく、公式ファンブック『鬼滅の刃見聞録・弐』に収録されてるのでチェックしてみてください。
○現代編の最後は「古ぼけた写真」で終わる
また嘴平伊之助の子孫として「嘴平青葉」が最終回で登場してます。やはり絶世のルックスを誇るものの、嘴平青葉は「研究者」。性格は割とドジっ子で田舎暮らしに憧れるなど伊之助感は残すものの、最終的に青い彼岸花の研究を行う。
実は青い彼岸花が見つからなかった理由は年に数日昼間だけに咲く花だったからそうな。確かに夜間しか動けない鬼舞辻無惨では発見できなかった。人間を輩下に収めてたら発見できてそうですが、恐怖で支配することしか頭がない無残には土台無理でした。
そして最終回のラストページを見ると、竈門家の家の壁には「あの頃の古ぼけた写真」が飾られていた。残念ながら無惨戦で生き残ったメンバーしかいませんが、みんな朗らかに笑顔。炭治郎や善逸たちは平穏無事な人生を送ったことが容易に読み取れます。
『鬼滅の刃』のスピンオフで現代風の学園漫画がコメディ風に描かれていたし、作者・吾峠呼世晴の読み切り作品には『肋骨さん』など現代モノの漫画も多かったことから大正時代から時間軸を移っても違和感はなし。だからこそ『鬼滅の刃』現代編が読みたかったところ。
○柱の子孫たちの未来はどうなった?
一方、他の柱の子孫たちはどうなったのかも最終話では描写されてます。あまりネタバレしすぎても怒られそうなので何名かだけ紹介したいと思います。
炎柱の煉獄杏寿郎の子孫は「煉獄桃寿郎」。まさかの炭彦と同級生。あえて同級生という設定にしたのは、それだけ二人の性格や相性が合っていたからか。実際、杏は桃のような果物。もし煉獄杏寿郎が生存していたら…などいろいろ考えさせます。
音柱の宇髄天元の子孫は「宇髄天満」。体操日本代表として活躍。相変わらず、我妻善逸の子孫からは嫉妬されるほどモテモテ。
また恋柱の甘露寺蜜璃と蛇柱の伊黒小芭内の生まれ変わりは「定食屋の夫婦」として働いてるっぽい。どっちも無残戦で死亡してるので子孫ではないですが、しっかり転生後は結ばれた模様。名前までは不明ですが、子供は5人いるそう。
風柱の不死川実弥の子孫「実弘」は、まさかの警察官。正確には弟・玄弥は死亡してるので子孫ではないんですが、実弘の後輩として働いてる模様。相変わらず見た目が傷だらけで好戦的。絶対、警察官やっちゃ駄目だろ。
他にも岩柱の悲鳴嶼行冥は幼稚園の先生、蟲柱の胡蝶しのぶ姉妹は鶺鴒女学園の生徒として転生してます。冨岡義勇の子孫は錆兎や真菰の生まれ変わりと共に仲良く小学生生活を送ってる模様。
○愈史郎は画家に転身し…
柱の子孫や転生後の詳細は『鬼滅の刃』最終23巻では全て詳細に解説されてます。細かい部分だと鋼鐵塚の子孫もしれっと登場。自分は最初見落としてましたが、天下最強の継国縁壱の生まれ変わりも子煩悩なパパとして登場してます。
まさに輪廻転生が体現されたオチでした。
そして愈史郎はまさかの「山本愈史郎という画家」として活動中。
愈史郎は唯一不死身の鬼として生き延びてるんですが、愈史郎は炭治郎との別れ際に「珠世さんのことをずっと覚えていられるのは愈史郎さんだけです」と励まされてる。この言葉を体現するように、愈史郎は絵というカタチで珠世の存在を残し続けていた。
愈史郎の姿は作者・吾峠呼世晴も「自身の姿」と重ね合わせてる部分もありそう。何故なら漫画家が死亡したとしても、漫画という作品は未来永劫に生き続ける。そこらへんの考えもあって、鬼滅の刃の第二部は無理して描かなかったのかも。
一方、産屋敷輝利哉も同様に現代編まで生き延び続けて、まさかの日本最高齢記録を樹立してる。あれだけおぼこい少年がツルッパケの亀仙人と化してて草。
ただ無残の呪いが解けただけで、産屋敷輝利哉が日本一の長寿命となるとは思えない。そのため実は産屋敷家はもともと生命力に溢れていた一族だったに違いない。だからこそ無残も最強クラスの鬼に進化した可能性が考えられそう。
鬼滅最終23巻は「無残戦後のエピソード」が新たに追加
一方、鬼滅の刃コミックス最終23巻には予告通り、新たに「描き下ろしページ」が追加されてます。連載版『鬼滅の刃』の最終回の内容は意外と評判が悪かったようですが、コミックス最終23巻を読んで納得できた読者が多かった模様。
連載版『鬼滅の刃』では炭治郎と禰豆子たちは再び故郷に戻った後にすぐに現代編が始まったんですが、コミックス版では「その場面」が念入りに追加されてます。ただし、コミックスはモノクロページなので現時点でその描き下ろしのフルカラー版はありません。
例えば、炭治郎たちはすぐに両親と家族の墓参りに行くんですが、コミックス最終23巻では「みんなで繋いでもらった命で俺たちは一生懸命生きていきます」と拝むシーンなどが加筆されてます。そして、亡き家族の魂が「おかえり」と二人を出迎える。
再び家族と再会できた炭治郎と禰豆子は、思わずお互いを見合って涙をボロボロとこぼす。我妻善逸たちは「その姿」は見えないので驚くばかり。他にも竈門家の生家での伊之助や善逸との「笑えるドタバタ劇」なども最終巻では加筆されてます。
○冨岡義勇や不死川の「その後」も描かれる
一方、コミックス最終23巻の描き下ろしは他のキャラクターにも及びます。
例えば、冨岡義勇は「桜並木を歩く姿」が描かれてます。鬼殺隊の隊服ではなく、服装はさながら書生。他にも都会の町中を歩く不死川実弥や複数の嫁と朗らかに寝転ぶ宇髄天元の姿などが最終23巻では加筆されてます。
ちなみにコミックス最終23巻では描かれてないんですが、『鬼殺隊見聞録・弐』という公式ファンブックで義勇と不死川の「その後」が更に詳細に描写されてます。例えば炭治郎との文通で冨岡義勇は徐々に性格が明るくなって、その後は宇髄と一緒に温泉旅行してたりするそう。
他にも現代編に移る描写では「ただひたすら平和な何の変哲もない日々が、いつまでいつまでも続きますように」といったナレーションが新たに追加されてます。新たな心理描写や言葉の補足も通して「現代編の繋がり」までが丁寧に新たに描かれてます。
だから鬼滅の刃最終回(正確には直前の204話)の評判が悪かった理由は、あまりにアッサリ現代編に舞台が移ったことにありそう。
○人の数だけ物語がある
そして、鬼滅最終回では竈門炭彦といった子孫が新たに登場しましたが、そこでもコミックス最終巻では新たに加筆されてます。子孫・炭彦が幼少期に「お婆ちゃんのお話」を通して炭治郎や柱の仲間たちに想いを馳せるエピソードが描かれる。
そこでは「人の人生は物語だから。僕の人生は僕が主人公の僕だけの物語。百年前も二百年前も千年前だって人の数だけ物語があったんだ」といった言葉が新たに追加されてます。まさに漫画のストーリーは「キャラクターの物語・生き様」の積み重ねで成立する。
「何百年も前の出来事も、その時は今でした。今の出来事もまた何十年何百年経つと昔話です」と語っていた作者・吾峠呼世晴のあとがきとも重なる。【思いや絆を繋げていく】という作中の世界観も作者の心の底から来るものなのでしょう。
作者・吾峠呼世晴の「最後のメッセージ」も胸を打つ
これらはあくまで本編の内容を補足する加筆でしたが、鬼滅の刃最終23巻では「完全な描き下ろしページ」も追加されてます。
ただ最後の書き下ろしはキャラクターの「その後」というよりも、どちらかというと作者・吾峠呼世晴のメッセージ性が強い内容だった気がします。でもそこに政治性や思想性はなくて、普遍的な愛や幸せや人生観が語られていたからこそ色んな人の胸に刺さったのかも知れない。
その描き下ろしは「生まれてくることができて幸福でした」という書き出しから始まるんですが、各々のキャラクターにナレーションを付け加えてる。
そして、「どうか笑顔を忘れないでください。あなたが泣いてると悲しくてたまらなくなる(胡蝶しのぶ)。後ろめたいなんてそんなこと思わないで(冨岡義勇)。私たちがいたということを覚えていてくれるだけでいい。共に戦い共に笑った兄弟のように親子のように(悲鳴嶼行冥)」。
他だと「胸を張ってください。あなたと出会えたことが何よりの幸運。そして幸福だった(伊黒小芭内)。あなたの存在が私を救い、孤独も全て蹴散らした(甘露寺蜜璃)。あなたを想うとき燃えるような力が体の奥から湧いてくるのです(煉獄杏寿郎)」といった具合。
全部はネタバレしませんが、各々のキャラクターの過去や設定と絶妙にリンクしてるのが見事ですが、作者・吾峠呼世晴の「今の日本や社会に対する励ましの言葉」が紡がれてる。キャラクターが喋ってるというよりも、作者の思いが全面的に出てる。
「もうだめだ、と思った瞬間こそが道を踏み外さないように踏ん張る時です。困難な状況や苦しい境遇に負けないで欲しいです」というコミックス最終23巻のあとがきとも重なります。
だから、コロナがなかったら炭治郎はもしかすると鬼化してなかったのかも知れない。鬼滅の刃最終23巻を読む限り、コロナが鬼滅最終局面に影響を与えた可能性は高そうです。結果的に、漫画の内容(特に終盤)に功を奏した部分も大きいか。
コミックス最終23巻表紙が他の巻と違った部分とは?
だから『鬼滅の刃』最終23巻はボリューミーに仕上がってると思います。自分は電子コミックス派なので厚みは体感的に分からないんですが、それ以前の巻と比べると40ページぐらい増量されているはずです。
実はコミックス最終23巻の表紙には「ささやかな演出(伏線とまでは言えない?)」が最後に隠されていたりします。
そこでこれまでの鬼滅の刃のコミックス表紙を改めて確認したいと思います。左からコミックス1巻、15巻、20巻という順番。他の単行本コミックスでも同じく、鬼滅の刃の表紙は全体的に「黒を基調とした陰鬱なイメージ」であることが分かります。
ただ鬼滅の刃最終23巻の表紙だけは「白を基調としたデザイン」になってる。これは暗黒時代を象徴する鬼舞辻無惨を撃破して、平和な世界(黒とは反対の白)が訪れたことを意味してる演出だった可能性が高そうです。最初から考えてたアイデアかは不明ですが。
【巻末コメント】最終話の作者コメントは?
続いては『鬼滅の刃』の最終回の少年ジャンプ本誌の「巻末コメント」はどうなっていたのか?
まず作者・吾峠呼世晴のコメントを見てみると、「ありがとうございました!応援してくださった皆様の幸せを心から願います」とのこと。
まさかの最後は読者の安否や今後の人生をおもんぱかるコメントでした。ここまで聖人君子っぷりが極まると厭味ったらしい感じもしますが、作者の優しい性格が『鬼滅の刃』の作品性に影響を与えたことは言うまでもないでしょう。
続いては『約束のネバーランド』の作者・出水ぽすかは「吾峠先生!堂々たる完結!今日は凄い日だ。また会える日を待っています!」とのこと。『鬼滅の刃』とほぼ同時期に約ネバの連載が始まってるはずなのでお互いは戦友のような感じか。
ちなみに『鬼滅の刃』が完結した2ヶ月後に『約束のネバーランド』も最終回を迎えております。
『僕のヒーローアカデミア』の作者・堀越耕平は「吾峠先生お疲れ様でした!超面白い漫画をありがとうございます!伝説だ!」とのこと。『呪術廻戦』の作者・芥見下々は「完結おめでとうございます!鬼滅で漫画好きの子が増えたと思います!本当に凄い!」とのこと。
割と中堅どころの有名漫画家さんも絶賛のコメント。
翌週号では『ブラッククローバー』の田畠裕基が「吾峠先生連載お疲れ様でした!色々落ち着いたら、娘と犬に遊びに来てね」とコメント。どうやら両者は公私ともに交流がある模様。ちなみに最終回の号では義父が亡くなったことをコメントしてました。
そして鬼滅の刃が完結した翌々週で『ぼくたちは勉強ができない』の筒井大志が「遅ればせながら吾峠先生連載お疲れ様でした!目次コメいつもずれちゃう」とコメント。ただ約ネバの最終回では即座にコメントしてたので何故2週も遅れたかは不明。
だから『鬼滅の刃』の最終回に反応を示した漫画家は合計5名だけ。作品の勢いと人気度を考えると寂しいところ。吾峠呼世晴が女性だったことで嫉妬されてる?『ONE PIECE』がちょうど休載だったのはなんだか意味深。
血みどろの戦闘との「ギャップ感」を狙った最終回
最後は『鬼滅の刃』最終回・最終話の個人的な感想を総括して終わりたいと思います。
『鬼滅の刃』では一部の保護者からは毛嫌いされたほど血みどろの戦いが続きました。まさに陰鬱な世界観がとことん追求されていたバトル漫画でした。でもだからこそ、この最後の腑抜けたような最終回が「ギャップ感」として生きたのではないか。
何故、柱や鬼殺隊は血なまぐさい戦いを終始展開していたのか?その目的の原点でありゴールこそが「誰も傷つかない平和な世界」。『ワンピース』でいうラフテル。あの壮絶な戦いの「価値」を高めるためには、今後も未来永劫に続く平和を平凡に描写するのが一番効果的。
もちろん商業的なことを考えたら続編や第二部を描くこと以外にはありえませんが、本当に『鬼滅の刃』は後腐れなくスッキリ最終回を迎えてくれました。結果的に鬼滅の刃は「完成度が高いバトル漫画」として完結してた気がします。
少年ジャンプに限らず、長編漫画が生まれがちな昨今、ライトな漫画ユーザーが手に取りやすい作品として今後も親しまれるはず。例えば吾峠呼世晴が尊敬する『BLEACH』も面白いバトル漫画でしたが、完結したのがコミックス全74巻ですからね。
「鬼滅ロス」なる言葉も生まれたようですが、今後は「アニメ版鬼滅の刃」がしっかり穴埋めしてくれるはずです。また作者の家庭の事情も落ち着けば第二部や別の世界線の続編の可能性もゼロではないと思うので、気長に期待しておきましょう。
コメント
それはないでしょう、それにワンピースの場合はコロナの影響で休みが増える。鬼滅の刃と関連はありません。
鬼滅の刃が完成度高いとかありえないでしょ(笑)
恋と蛇の子孫、というより生まれ変わり等の類いでは?出産してないですし。
他の死亡キャラもそうですが、兄や姉など家族の子孫が似てるってことならなんとか・・・(それでも無理くりすぎかと)
北九州市漫画ミュージアムに週刊少年ジャンプ応募者全員サービス「鬼滅の刃最終話まるごと複製原稿セットmini」を寄贈しました。すごいだろう?
『鬼滅の刃』が最終回の後にブラッククローバーの作者、田畠裕基先生もコメントしてた。親交が深く(この2人だけではないが冨樫を尊敬しているのが共通)。田畠先生の実家に御中元を送ったり、田畠先生の家族や周りの人も吾峠先生をある程度知ってしたり、心底応援していたとか。
ありがとうございます。巻末コメントの部分を追記しておきました。
他作品を下げないでください。
いよいよ鬼滅の刃最終23巻が発売されますね
紙の単行本はAmazon楽天のどこにも売ってませんでした(;_;)
内容を既に知ってるとはいえ辛い
そういえば吾峠先生はジョジョやNARUTO好きを公言してますが
最終回あたりは笑えるぐらいパク…寄せてましたよね
単行本ではどうなってるか楽しみです
褒めたいのか貶したいのか分からん記事だな…
何にせよキツいタイトルで人集めはあんましない方がいいんじゃない
そうか連載中の漫画はカラーだったんだ。
コミックスはモノクロのみ。
ちょっと残念。
北九州市漫画ミュージアムに映画「鬼滅の刃」一番最初の入場者特典「煉獄零巻」と入場者特典第3弾来場御礼スペシャルブックを寄贈しました。すごいだろう?
やばかったです。
また登録してください。
よろしくお願いします。
少年ジャンプで読んだときは呆気ない最終回に見えましたけど
単行本ではいろいろ加筆されてて感動がひとしおでした
鬼滅の刃ってまだまだ売れるんだろうなぁ
最後は、ホノボノした終わり方で良かったです。
勉強しろやー!!
ドル漫さん、文才ありますねー。
最終回は個人的にかなりガッカリした記憶があるんですが、
こうやって作者の意図とかを考察しながら纏められると、
なるほど、アレはアレで良い結末だったのかなと。
最初からもう一度読み返したくなりました。
嫌な記事タイトルと、ところどころ他作品を下げるイヤミで深読みしすぎなとこをのぞけば良かったです!
ワンピースは先の方も言ってる通り尾田先生が一度大病されてたり体があれでコロナリスクあるから昨年はいつにもまして休載が多かったのだし、そういった休載タイミングは編集部と決めるので鬼滅の刃に嫉妬して〜とか女性だから〜とかは関係ないです。
それならいちご100%の作者への差別も酷くないとおかしい。
変な勘繰り部分は修正してくださいね^ ^
あっ鬼滅の刃アニメ2期楽しみです
遊郭編がピークなんでこっから上がり目ないよねぇ
漫画に興味がなくて、未だに読んだことは無いのですが、最近のアニメとこちらを読んで漫画版も購入しようと思いました。
映画 無限列車 泣けました!
ありがとうございます。
無限列車泣きすぎて鼻水もでて鼻詰まりしてしまった!
最後ドキドキした
このサイトにアンチコメントしたヤツ、ブッ(゜д゜)コロ
鬼滅の刃にアンチコメントとか(‘ω’)
もっと鬼滅を愛せ