【完結】外道の歌 最終回 ネタバレ感想まとめ!ラスト結末は?打ち切り?面白い?おすすめ?【最終15巻画像レビュー】

『外道の歌』の作者は「渡邊ダイスケ」。掲載誌は「ヤングキング」。出版社は「少年画報社」。連載期間は2016年から2023年。いわゆる『善悪の屑』の続編。それも含めて、コミックス累計発行部数は2023年2月時点で580万部を突破。

そこで今回ドル漫では『善悪の屑』の最終回・最終話のネタバレ感想をレビューしたいと思います。果たしてラスト衝撃の結末とは?また作品として面白かったのかつまらなかったのか?おすすめ漫画なのかどうかも合わせて考察します。

内容あらすじ・ストーリーまとめ

まずは『外道の歌』の内容あらすじを解説します。

主人公は【鴨ノ目・武(通称カモ)】

普段は自らの名前を模した「カモメ古書店」を経営する男だったが、裏の顔は罰を免れる犯罪者や加害者たちに制裁を下す「復讐屋」だった。かつて妻と娘が犯罪者に殺された過去を持つ。カモの額のキズも、その犯人に復讐した際にできたものだった。

そして、同じく母親を殺された元地下格闘技チャンピオンの【島田虎信(通称トラ)】と共に、カモは依頼者の代わりに「他の誰にもできない凄惨な復讐行為」を日夜繰り返していた。これは『善悪の屑』から続く設定ですが、『外道の歌』ではラスボスのようなキャラが登場します。

○外道の歌のラスボスは國松

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(外道の歌11巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

それが【國松義忠(くにまつ・よしただ)】。國松は元々はIT企業をいくつも経営する敏腕実業家だった。頭がキレる上、ヒトの懐にすぐ入れるコミュニケーション能力やカリスマ性があり、誰もが國松を慕った。しかし何らかの罪を犯し、長期間服役していた外道だった。

『外道の歌』終盤の展開は、この國松が出所後に「社会的弱者から搾取する反社会的勢力を一掃して街を浄化する」という美名のもと、指定暴力団の【桜内】や【梅沢】、半グレの【五月女】たちと手を組んで壮大な計画を立てるところから始まります。

朝食会も絡む三者三様

ということで『外道の歌』の最終回までのストーリーを解説します。ネタバレ注意。

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(外道の歌12巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

まず梅沢も所属する日本最大級の指定暴力団「興劉会」の崩壊を目論む國松は、低コストでハイクオリティな合成薬物を蔓延させて収益源の根絶させようと動き出す。この目論見は成功し、興劉会の勢力は徐々に弱体化していく。

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(外道の歌12巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

國松の計画が本格的に始動した裏では、10万人規模の会員を誇る復讐組織「朝食会」の会長選挙も同時に行われていた。結果的にカモとも因縁が深い【榎加世子(えのき かよこ)】が次期会長に選ばれるものの、会長としての条件が「3人の殺人鬼」の抹殺だった。

そのターゲット3人に含まれていた一人が、実は【國松】だった。

國松の正体は大瀧鳳仙と名乗る外道

國松は「同一人格者」と呼ばれる殺人鬼として、朝食会は長らく消息を掴めないでいた。國松の本名は厚木考臣だったが、その後、「大瀧鳳仙」という名で一世風靡した「ギーザ」という会社の社長だった。しかし、実態はマルチ商法まがいの企業だった。

それでも國松のカリスマ性に惹かれた若者たちは、次第にカルト宗教の信者のように心酔していく。國松は洗脳のプロだった。信者たちによる違法な取引で莫大な利益を上げる一方、次第に警察に目を付けられた捜査の網が広がっていく。

しかし國松は自身が摘発される直前、幹部信者75名を集団自殺させて証拠隠滅を図った。大瀧鳳仙として結果的に別の罪で逮捕されているようですが、大規模なマルチ商法まがいの詐欺事件での立件は免れるのであった。

相手が人間であれば負けることはない

この國松を慕う信者は多岐に渡っていた。そのため役所の戸籍課で働く信者を使って、國松はそれまでに自らの戸籍を偽装して別人に何回もなり変わっていた。本名とされた厚木考臣という名前も実は偽名だった。朝食会ですら國松の「最初の本名」を調べ上げることができなかった。

國松の一挙手一投足の全てが敵を欺くものであり、敵を排除するためには平然と仲間を自殺に追い込むことができる悪魔だった。仲間の早乙女も母親が自殺に追い込まれるものの、結果的にその國松に心酔している。まさに朝食会が最も唾棄すべき外道だった。

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(外道の歌15巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

それ故に、國松は「相手が人間である限り、負けることはない」と自信満々に微笑むのも、まさに過去の凶行の数々が裏打ちしていた。

トラは母親の復讐を諦める

一方、トラは母親を殺害した加害者の出所も決まる。しかし、この加害者は國松の仲間だった桜内の腹違いの弟だった。この桜内はカモとは中学時代からの幼馴染でもあった。トラは母親の仇を取ろうと桜内の義弟を襲うものの、桜内に土下座されると心が思わず揺らいだ。

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(外道の歌14巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

そして何より「亡くなった母親に止められた」ような気がして、トラは自身の復讐を諦めるのであった。ちなみに、トラの後を追ってきたカモが「シンだ人間はやり直しは許されない。だからお前もやり直しは許されない」として直後に処刑しています。

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(外道の歌13巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

ただトラは直後に、朝食会がターゲットにしていた「人体破壊愛好家」こと【逆口拓】に不運にも遭遇してしまう。この逆口は、既に國松とも繋がっていた。まさに最凶のタッグ。しかし朝食会の鶴巻たちと手を組んで逆口を追い返すものの、トラは瀕死の重傷を追ってしまう。

そこで逆口の身柄を回収しに来た桜内に遭遇するが、義弟を見逃してもらった恩からトラをカモの元に送り返そうと試みる。ただ、そこで運悪く國松とバッタリと出会ってしまう。「誰?そいつ?」と訊いてくる國松の表情には警戒心が満ちていた。

國松の魔の手にかかるトラ

桜内は知らぬ存ぜぬを貫くしかなかった。そのまま國松の根城に連れ込まれるトラは応急措置を受けるが、國松は逆口と揉めていた理由を追及する。桜内は「元々は指名手配されていた殺人鬼だ。方方で恨みでも買っていたんでしょう」と苦し紛れに擁護する。

一方、トラは五月女の存在に気付く。五月女はかつて処刑した半グレの一人だったが、依頼者が擁護していたことからトラとカモは逃していた。その時の五月女は目隠しをされていたが、トラとカモの「声」だけは聞いていた。つまり、点と点が線で全て繋がってしまった。

桜内もそこで五月女を襲った復讐屋が幼馴染のカモだったと気付くが、「新たな手駒」が増えると確信した國松はトラを餌にカモをおびき寄せようと動く。まずトラの背中の入れ墨をはぎ取って、別人の死体に張り付けて人目の付きやすい場所に遺棄させた。

好みのタイプだ

逆に言うと、トラは死亡していない裏返しではあったが、全身の4分の1の皮膚が剥がされたトラの状態が無事と言えるはずがなかった。カモに動揺の跡は見えなかったが、それを見計らったかのように直後に國松はトラの携帯からカモに電話をかけてくる。

「今の所は無事だよ。うちに来てもらいたい。相方と生きて会いたかったらうちと手を組んだほうがイイ。専属になってくれれば君らの身の安全と生活は一生保証するから」と國松が不敵に誘うと、カモは「オレ達が自分の身の安全を考えていると思うか?」と一蹴する。

それでも「どんな人間だろうと自分の安全を考えない人間はいない」と食い下がる國松だったが、「おまえにオレ達の心は理解できないだろう」とカモは電話を切る。しかし國松は「好みのタイプだ」と闘争心がかえって焚き付けられていた。

カモ vs 國松

ただ國松の脅威度を考慮すると、思想や理念にこだわっている猶予がないと判断したカモは、朝食会の会長となったばかりの【榎 加世子】の助けを求めていた。これまでの経緯から加世子が協力する義理はなかったが、トラが國松に連れ去られた責任感から協力を惜しまなかった。

一方、國松は「人材の新陳代謝が必要」として、桜内、梅沢、五月女のトカゲの尻尾切りを図っていた。それぞれに内ゲバを起こさせて興劉会に致命的なダメージを与える間に、全ての証拠を隠滅していた國松は悠々自適にブレックファスト(朝食)をホテルで満喫していた。

しかし、そこは朝食会の加世子が経営するホテルだった。既に朝食会のメンバーに包囲されていた國松は呆気に取られるが、ひたすら平静を装って打開策を思案している様子だった。加世子が朝食会のメンバーを全員裏に引っ込めさせると、國松は更に解せない表情を浮かべるが…

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(外道の歌15巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

そこに現れたのがカモだった。

得意の権謀術数も虚しく國松の最期は…

図らずもカモと遭遇した國松だったが、普段の権謀術数は全く意味をなさなかった。國松が「逢いたかったよ。君とオレとは多くの共通t…」とお得意の雄弁さを披露するや否や、カモはスプリングバーで國松の鼻をガンと折る。痛みを感じる間もなく、カモは続けざまにトンカチで國松の膝を砕く。

國松が「ちょ…ちょっと…話し…しようじゃ…ないか」と声を振り絞るものの、カモの追撃が止まることはなかった。國松が在りし日の両親や姉が走馬灯のように蘇るが、「オレに話し合いは通用しない」とカモの決意はひたすら固かった。

その後、いつもの倉庫でカモは「もし次に一度でもオレの家族に危害を加えることがあったら、お前自身が身をもって命の尊さを知ることになる」と説教かますが、既に國松の顔面はくり抜かれて事切れていた。しかしこれで一件落着とはいかなかった。

人間ではなくなったカモの最期

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(外道の歌15巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

國松を信奉していた梅沢がカモに復讐を果たす。カモの幼馴染だった桜内は自首することで興劉会との抗争を回避したが、梅沢からするとカモが桜内をそそのかしたと勘違いしていた。その上、愛しの國松が殺されたとなれば、こういう結末を迎えるのも宜なるかな。

致命傷を負ったカモは「猫の最期」のように、誰もいない場所にひっそり隠れると静かに死亡する。その後、カモメ古書店にはトラに受け継がれていた。カモの奥さんと娘の写真が飾られていた仏壇には、カモのグラサンもひっそりと仲良く置かれていた…という結末で完結します。

カモは最終的に梅沢に殺されてしまうものの、これはカモが「既に人間ではなくなっていたから」でしょう。「屑は生きるな」とはカモもかねがね言っていましたが、人道を踏み外した復讐屋はが終的に殺されるのも当然の帰結。主人公のカモこそ最大の外道だった。

逆にトラは母親の仇を取らなかった(人間としての理性を残していた)からこそ最後まで生き残った。このオチは漫画『闇金ウシジマくん』、往年のドラマ『振り返れば奴がいる』の結末に近いものがありますが、オチとしてはすごくキレイな終わり方だったか。

外道の歌 最終15巻 総合評価・評判まとめ

以上、『外道の歌』全15巻のネタバレ感想でした。

結論をまとめると、まあまあ面白い漫画でした。『善悪の屑』はもちろん面白かったんですが、『外道の歌』は特にストーリー終盤は少し方向性が変わってしまった。日常にいるレベルの小物のクズではなく、あり得ないレベルの外道が増えてしまった印象です。

人体破壊愛好家の逆口拓が最たる例ですが、さすがに「リアリティー」がないキャラすぎる。ここまでムチャクチャに好戦的なシリアルキラーが、何故ずっと捕まらなかったのかは解せない。ややもするとチープ感が強くなってしまった。

ギリギリ許容できるのは、眼帯の近野智夏(こんの・ちか)程度。

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(外道の歌15巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

ちなみに、最終的に逆口は近野智夏に殺されてしまうんですが、悪い意味で展開が浮世離れしすぎていたというのか、もはやネタに走っていた感は否めない。『外道の歌』の中盤以降は、もはや格闘漫画やバトル漫画に近い内容になっていた。

確かに作者の画力は高いため格闘描写は様になっているんですが、読者が本来求めていた内容とは違っていたというか、コレジャナイ感は強かったかも知れない。

○結末としてはキレイに完結しているが…

だから当初ラスボスと思っていた園田夢二も、意外とキャラとして跳ねなかった印象です。やはり園田の外伝も展開が浮世離れしててリアリティーがなくつまらなかった。

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(外道の歌10巻 ©渡邊ダイスケ/少年画報社)

園田もカモたちにあっさり殺されてしまうものの、最期はキレイなまま死亡する。勧善懲悪という点では、爽快感がなかった。結局、國松も敵意を向けたのはヤクザだけ。本格的に市民に敵意が向く前に殺しているのでモヤッと感しか残らなかった。

オチとしてはわりとキレイな終わり方だったと思いますが、國松というラスボスをここまで引っ張っておいいてこういう終わり方か…という残念感があります。もっとカモたちとスリルあるバチバチ感も描けた気もしますが、それらをすっ飛ばして殺しちゃってるのがもったいない。

また登場人物が増えて相関関係も複雑になったので、ストーリー終盤は読むのが特に面倒くさい。「悪い人間を倒す」という勧善懲悪モノだったからこそもっとシンプルで良かったか。別々の展開を同時進行しようとしたり、そもそも小難しい演出に挑戦していた印象。

だから『外道の歌』はそれなりに面白い漫画だったと思いますが、『善悪の屑』で感じたような突き抜けた面白さを維持できないまま失速した印象です。実際に打ち切りだったかどうかは不明ですが、それに近い匂いも感じさせる最終回でもあります。

登場人物がやっぱ増えすぎたかな。

コメント

  1. 匿名 より:

    何故、善悪の屑1巻や外道の歌の1巻に登場為る完全に誰彼構わずぜーんぶを毎日毎日、急遽、非常に長々と理由付けて完全に逆怨みかつ理不尽極まり無い理由で虐め殺したりとかもしといて凡ての責任転嫁とかもしてる癖に都合の悪い時だけいきなり完全に掌返しして復讐否定した故、制裁されると尚更、突然、彼是(あれこれ)理由付けて完全に逆憾みかつ理不尽極まり無い理由で復讐し、剰え=あまつさえ其之後も大罪者に仕立て上げといて聖人君子振ってる胸糞偽善者共には最大の外道等と言わ無いのですか?

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