人気バトル漫画『鬼滅の刃』は惜しまれながら2020年に完結しました。作者・吾峠呼世晴の絵柄こそ独特でしたが、2019年にアニメ化されてから爆発的にヒット。わずか一年間で鬼滅の刃のコミックス発行部数は1億部を突破したそう。
鬼滅の刃のアニメ2期も2022年以降に放映されていくはず。
そこで今回ドル漫では『鬼滅の刃』で最強を誇る「柱(はしら)」のメンバー一覧を徹底的に考察してみた。例えばハンターハンターの幻影旅団メンバー一覧記事のように、最終的に死亡したかどうかも記述してるのでネタバレ注意です。
鬼滅の刃は読みづらいキャラ名も多いですが読み方も記載してるので、鬼滅の刃ファンのお暇つぶしにでもなればいいなと思っております。
柱とは?
まずは「柱(はしら)」について解説。
柱とは「鬼殺隊(きさつたい)」の中でも最高位の階級を指します。柱のメンバー数は合計9名。この理由は「【柱】という漢字の画数が9画」だから。まさに柱とは鬼殺隊という組織の根幹を支える「大黒柱的な役割」を担うツワモノ揃いの剣士たち。
柱が初めて登場した当時は「炎柱」「水柱」「岩柱」「風柱」「蛇柱」「恋柱」「霞柱」「音柱」がいました。文字頭の漢字はそれぞれの呼吸法が付いてる。炎の呼吸であれば炎柱、水の呼吸であれば水柱といった具合。
ただし、柱の構成は常に固定というわけではありません。柱は入れ替わりも激しく、空席が続くこともしばしば。基本の呼吸にも色んな呼吸があるため、例えば過去を遡ると「花柱」などもいました。でも、どの時代でも常にいた柱が「炎柱」と「水柱」。
鬼殺隊とは?
そもそも鬼殺隊(きさつたい)とは一体何なのか?
鬼殺隊とは「鬼を狩る政府非公認」の組織のこと。別名は「鬼狩り」。政府非公認のため鬼殺隊の存在は一般社会ではほぼ知られていません。
鬼殺隊の目的は鬼の始祖である「鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)」を倒すこと。鬼殺隊のメンバーは「隊士」などと呼ばれ、およそ数百名ほど在籍。この鬼殺隊の隊士は手の甲に階級が現れる。柱の場合は「水」や「炎」といった個別の漢字が現れる。
鬼殺隊の「階級」は全部で10段階存在します。具体的には「①甲(きのえ)②乙(きのと)③丙(ひのえ)④丁(ひのと)⑤戊(つちのえ)⑥己(つちのと)⑦庚(かのえ)⑧辛(かのと)⑨壬(みずのえ)⑩癸(みずのと)」という順番で強い。
○鬼殺隊の階級のモデルは「十干」
鬼殺隊の組織図は改めて後述しますが、鬼殺隊の階級のモデルは「十干(じっかん)」。
十干とは、古代中国で考案された概念。【五行思想(木火土金水)】と【陰陽】と組み合わせた10種類の集合体。木が「甲乙」、火が「丙丁」といった対をなすグループとして考えられてるそう。一方、陰陽は兄弟に置き換えられてる。
そのため甲は「木の兄(きのえ)」、乙は「木の弟(きのと)」といった日本独特の読み方がされています。「~のえ」「~のと」とパターン化されてるのはそれが原因。『鬼滅の刃』の鬼殺隊の階級の読み方が独特だった理由もモデルが十干だったからでした。
だから、鬼殺隊の階級は『鬼滅の刃』のオリジナルの読み方などではありません。
柱のリーダーが産屋敷輝哉(死亡)
この鬼殺隊を率いるリーダーが「産屋敷輝哉(うぶやしき・かがや)」。通称は「お館様」。鬼のボス・鬼舞辻無惨を長年追っている産屋敷一族の現当主。1/fのゆらぎを発する心地よい声とカリスマ性で鬼殺隊を統率。柱のリーダーと言い換えてもいい。
事実、柱のメンバーは半年に一度だけ産屋敷輝哉に呼ばれて、「柱合会議(ちゅうごうかいぎ)」と呼ばれる集まりを産屋敷邸で行うのが慣例化してる。産屋敷は柱に直接命令を下したり、アドバイスを与えるなど次の作戦を決めていた模様。
ちなみに実は鬼舞辻無惨も元々は1000年前の産屋敷家の人間。両者の顔が似てるのも血筋が同じだから。でも鬼舞辻無惨を生み出してしまった罪から、産屋敷家の人間は30歳までには死ぬ呪いをかけられる。だから鬼殺隊の発足は約1000年ほど前の話に遡るのか。
一方、産屋敷輝哉は死を間際に鬼舞辻無惨と相見えるカタチで自爆。産屋敷輝哉が死亡した後は息子の輝利哉(きりや)が柱のリーダーとなります。
鬼殺隊の組織図は?
続いて鬼殺隊の「組織図」を解説。
鬼殺隊の組織図がこちら。産屋敷輝哉を頂点に最高位の柱9名が続き、更にその下に数百名にもおよぶ隊士たちが並ぶという構図になります。
一方、隊士の中には柱直属の「継子(つぐこ)」と呼ばれる隊士も存在します。例えば、蟲柱の胡蝶しのぶの継子には栗花落カナヲがいました。柱直属だけあって継子の戦闘力は隊士の中でもトップクラス。継子は「次期柱」と表現しても良さそう。
他にも柱や鬼殺隊が倒した鬼の処理を行うメンバーは「隠(かくし)」と呼ばれてます。背中に「隠」と書かれた隊服をまとい、見た目は完全に黒子。戦闘能力は皆無のためバトルに参加することはないですが、要所要所では気になる存在として描かれます。
また組織図には載ってませんが、鬼殺隊への入隊希望者を育てるのが「育手(そだて)」。元鬼殺隊の剣士が多く、中には元柱もいます。全集中の呼吸や体術、剣術などあらゆる戦闘の基礎を受験者に伝授して鍛える。主人公・竈門炭治郎の育手は鱗滝左近次でした。
蟲柱…胡蝶しのぶ【死亡キャラクター】
まず最初の柱メンバーは蟲柱(むしばしら)の「胡蝶しのぶ(こちょう・しのぶ)」。蟲の呼吸の使い手。声優CVは早見沙織。
蟲柱というネーミングからてっきり大量の虫でも操るのかと思いきや、胡蝶しのぶの武器は「毒」。胡蝶しのぶは見た目通りに非力な剣士。柱の中では唯一鬼の首を斬って倒すことはできない。そこで「毒」という武器で補って柱まで上り詰める。
この「毒」は至って強力。普通の鬼であれば少しでも触れれば即死。そのため刀の切っ先に毒さえ塗っておけば簡単に鬼を殺せる。また胡蝶しのぶは「突き」は柱でも最速クラスに速いため、実は鬼側の立場で考えたら一番厄介だった柱なのかも知れない。
また鬼滅の刃終盤の展開を読む限り、どうやら毒は胡蝶しのぶ自身が開発していた模様。胡蝶しのぶが住む屋敷は「蝶屋敷」と呼ばれ、鬼殺隊のメンバーを保護する病院的な役割も担ってる。そのため胡蝶しのぶは柱でも博識なメンバーだったと思われます。
○毒が武器だけに毒舌キャラクター
蟲柱・胡蝶しのぶは口調は穏やか。一見すると性格は優しそうに見えるものの、水柱・冨岡義勇に「あなた嫌われてますよ」と面と向かって指摘するなど実はかなりの毒舌キャラ。常に笑顔を浮かべてるものの、胡蝶しのぶの性格はもともとドギツい。
まさに武器が毒だけに毒舌なんですが、胡蝶しのぶは常に笑顔をたたえてる理由は「鬼に殺された姉の遺志」を継ぐため。
実は胡蝶しのぶの姉・カナエも鬼殺隊の隊士で、しかも「花柱」だった。姉・カナエは柱ではあったものの、「鬼との融和」を掲げるなど優しい性格だった。この姉の意志を受け継ぐため、胡蝶しのぶはいつも無理して笑顔に努めてる。
ただ胡蝶しのぶの中では鬼に対する憎悪は膨らむ一方。この裏腹な気持ちに常に苦しみ続けるものの、主人公・竈門炭治郎の純真さに胡蝶しのぶは救われる。だから毒舌キャラからメンタルも強いかと思いきや、胡蝶しのぶの中身は至って普通の女の子でした。
しかしながら、姉・カナエを殺した上弦の2の童磨に蟲柱・胡蝶しのぶも最終的には殺される。ただ自らの肉体を全身毒化させることで、結果的に童磨とは相打ちに持ち込んだ。現代編では姉・カナエと共に女子高生に転生しております。
炎柱…煉獄杏寿郎【死亡キャラクター】
続いてのメンバーは炎柱(えんばしら)の「煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)」。炎の呼吸の使い手。声優CVは日野聡。
煉獄杏寿郎も常に爽やかな笑顔をたたえるものの、視点はどこか定まらない。嘴平伊之助には「ギョロギョロ目ン玉」というアダ名を命名されるなど、一部周囲からはキモがられていた柱でした。小さい子供が煉獄の目を見たら絶対泣きそう。
煉獄杏寿郎は「人の話」を基本的に聞いていない。性格は空気が読めない。傷心した父親・槇寿郎の代わりに柱合会議に参加した際には、炎柱に入ろうと産屋敷輝哉に直接直訴。その際には風柱・不死川実弥とイザコザも。煉獄杏寿郎外伝も参照。
○空気が読めない柱は400億の男に成長
一方、煉獄杏寿郎はとにかく天賦の才の恵まれてる。体術、技術、武術どれもが至高レベル。炎柱を代々輩出してきた家系に育つ中で、煉獄杏寿郎はとびきり強かった。亡き母の瑠火からは「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務」と強く教えられて育つ。
そのため戦闘力の高さに反比例して部下の面倒見が良い。煉獄杏寿郎は性格もポジティブで周囲からは慕われてる兄貴分キャラ。
ただ下弦の鬼・魘夢との戦いで疲弊した主人公・炭治郎たちを助けようとした結果、そのスキをつかれて上弦の鬼の猗窩座に殺されてしまう。この戦いは劇場版映画『無限列車編』で描かれ、炎柱・煉獄杏寿郎は中心的な立ち回りを展開してる。
だから当初は奇抜な柱として登場しましたが、鬼滅の刃では屈指の人気キャラに成長してます。そのため煉獄杏寿郎は「200億の男」や「300億の男」という異名で呼ばれ、最終的には「400億の男」にまで上り詰めた人気の柱でした。
音柱…宇髄天元【生存キャラクター】
続いての柱メンバーは音柱(おとばしら)の「宇髄天元(うずい・てんげん)」。音の呼吸の使い手。声優キャストは小西克幸。
宇髄天元は常に派手な宝石をジャラジャラと身に着ける。顔(左目)にも化粧を施すなど柱でもかなりの派手キャラ。口癖も「派手」。スッピン姿もただのイケメン野郎。そのため宇髄天元には3名の嫁を抱えるなど、我妻善逸に目の敵にされてるのも納得。
宇髄天元はまさに「チャラ男」といった代名詞が似合いますが、やはり他の柱と同様に鬼に対する憎しみは人一倍。産屋敷が禰豆子の入隊を提案した際にもキッパリ拒否の意思を示すなど、柱として見せる信念は「強固」そのもの。
ただ性格はプライドが高いのかと思いきや、意外と宇髄天元は身の程をわきまえてるキャラ。例えば後述する霞柱・時透無一郎などを内心では評価し、自らの実力を「柱の中では平凡」と位置付けてるなど殊勝な一面も覗かせる。
○元イケメン忍者の音柱メンバー
この宇髄天元の正体は「元忍び(忍者)」。嫁も元くノ一ばかり。隠密行動を得意とし、柱では潜入調査も積極的に行っていた模様。
そのため柱でも屈指の巨体ですが、とりわけスピードに特化してるキャラ。まさに音のごとく鬼を次々と瞬殺。それでいて宇髄天元の攻撃は二刀流。火薬玉と併用することで、太刀筋は爆破を伴う。パワー系の攻撃も得意な音柱。毒への耐性もあるとか。
宇髄天元は主人公・炭治郎たちと協力し、最終的に上弦の鬼・妓夫太郎を共に倒す。でもこの際に致命的なダメージを負って柱を引退。その後、音柱は空席となるものの、宇髄天元は指導者(育手?)として鬼殺隊に残って後進を育成する。
鬼滅の刃最終盤の無限城戦では宇髄天元はバトルに直接参戦しないものの、煉獄杏寿郎の父親でもある元炎柱・煉獄槇寿郎と共に産屋敷輝利哉の警護にあたります。
霞柱…時透無一郎【死亡キャラクター】
続いてのメンバーは霞柱(かすみばしら)の「時透無一郎(ときとう・むいちろう)」。霞の呼吸の使い手。声優CVは河西健吾。
初登場時の時透無一郎は基本的にボーっとしてることが多いキャラクターでした。誰かが話してる最中も「あの雲の形いいなぁ」など、目の前にあるものに思考が奪われがち。忘れっぽい性格含めて、あまり判断能力や思考力に長けていない様子でした。
一方、時透無一郎は産屋敷輝哉に対する忠誠心は当初から強かった。何故なら、時透無一郎はかつて大怪我を負った際に救ってくれたのが産屋敷だから。時透無一郎の性格がボーっとしてる理由も、その時に記憶の大部分を失っていたからでした。
○事故で記憶を失った悲しき双子の少年
時透無一郎はもともと双子。かつて「有一郎」という兄がいた。今でこそ感情は死んでいるものの、もともと無一郎は優しい子供だった。しかし両親は10歳で死亡。性格がキツい兄・有一郎から「無一郎の無は無能の無」とディスられるなど、二人は反りが合わなかった。
ただある日、鬼に襲われて兄・有一郎が死亡してしまう。でも瀕死の兄の口から、「無一郎の無は無限の無。バチを当てるなら自分だけにして欲しい。無一郎の無は無限の無」と今まで黙っていた本心を聞いて無一郎は涙するものの、この悲しいトラウマで兄との過去は封印される。
その後、上弦の鬼・玉壺との戦いで時透無一郎は過去を全て思い出して本来の力を取り戻す。
○時透無一郎は「日の呼吸」の血統を持つ天才児
この時透無一郎は前述の宇髄天元曰く「刀を握った二ヶ月後には柱に入った」という天才。年齢が一切違いの主人公・炭治郎は半年以上かかって鬼殺隊にようやく入隊できたレベルだったことから、時透無一郎の異様な強さが分かるはず。
時透無一郎の「霞の呼吸」は風の呼吸から派生した呼吸ですが、時透無一郎は「日の呼吸」を生み出した継国縁壱(つぎくによりいち)らの子孫でした。日の呼吸は「始まりの呼吸」と呼ばれるなど、現在の基本の呼吸のベース。
だから時透無一郎は実は血統的にも恵まれた「天才 of 天才」の柱でした。実は産屋敷輝哉も兄と暮らしていた当初から時透無一郎に目をつけていたとのこと。ただ時透無一郎は14歳という若さ故に、戦闘経験が乏しく肉体も発展途上。
そのため柱の中ではそこまで強くはなかったのか、時透無一郎は最終的に上弦の鬼・黒死牟に倒されてしまう。ちなみに、黒死牟は継国縁壱の兄・継国巌勝。本家の継国の血には勝てなかった模様。鬼に落ちぶれた呪いが時透家に降り掛かった結果だったのかも知れない。
岩柱…悲鳴嶼行冥【死亡キャラクター】
続いての柱メンバーは岩柱(いわばしら)の「悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)」。岩の呼吸の使い手。「嶼」は「島嶼(とうしょ)」と変換すると出しやすいです。声優CVは杉田智和。銀魂鬼滅のパクリ事件で最もネタにされてた男。
悲鳴嶼は常に数珠をジャラジャラと拝むなど、さながら見た目は修行僧。自分より劣る対象を見ては「哀れ」と同情して涙を流す。ただ鬼化した竈門禰豆子を見た際には「鬼に取り憑かれているのだ。早く哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」と助ける気は微塵はサラサラない。
悲鳴嶼もやはり鬼に対する憎しみは人一倍。産屋敷邸において竈門禰豆子の入隊も当初は拒否の姿勢を示すなど、「鬼の滅殺」というシンプルな行動原理で動いていることが考察されます。『鬼滅の刃』の当初はぶっちぎりでヤバいキャラでした。
○柱で最も頼りになる最強岩男
この悲鳴嶼は時透無一郎と同じく、最速で柱に入ったキャラクターでした。まさに天才肌なんですが、その一方で巨岩を使った修行を毎日欠かさないなど努力の塊。
悲鳴嶼行冥の戦闘スタイルは「パワータイプ」そのもの。巨大な鉄球を振り回して鬼を叩き潰す一方、スピードにも長けるなどまさに非の打ち所がない柱。洞察力にも長けるため、敵との心理戦も得意。
実は悲鳴嶼はもともと目が見えない盲目。「白目」は単なるキャラデザの延長ではなく、「視力を失っていた状態」を表現していた模様。それだけに悲鳴嶼は心の目でヒトを判断する能力にも長ける。盲目というハンディキャップの影響は皆無。
音柱・宇髄天元や嘴平伊之助も「悲鳴嶼行冥が最強」と公言するなど、誰もが認める最強の柱でした。
悲鳴嶼の年齢は27歳と柱でも年長者だけあって、荒くれ者である不死川の弟玄弥を部下に率いるなど、意外と人望や統率力もあふれる柱。鬼滅の刃のストーリーが進むに連れて、かなり頼りがいのある男気たっぷりのキャラに成長。
○岩柱の悲しき過去
一方、悲鳴嶼行冥は8年前に柱に入ったんですが、当時の年齢は19歳。天賦の才を持ち合わせてるものの、柱ではかなり遅咲きのメンバーと言えそう。
実は悲鳴嶼行冥は「とあるお寺で身寄りのない孤児」を育てる寺僧だった。血の繋がりはないものの、家族のように睦まじく暮らしていた。ただ、その中にいた一人の子供が夜中に外出して鬼に捕まる。そして自ら助かろうと、他の子供たちを鬼に売り飛ばす。
異変に気付いた悲鳴嶼は子供たちを守ろうと動くものの、子供たちは盲目の悲鳴嶼を置いて逃げてしまう。唯一生き残った幼児も「あの人は化け物。あの人がみんな殺した」と警官に証言したため、悲鳴嶼行冥は失意の状態で逮捕された過去がある。
ただ子供たちは「盲目の悲鳴嶼行冥を助けようと農具を取りに行こうとしただけ」ということが悲鳴嶼行冥が死ぬ際に明らかにされます。ちなみに、このときの裏切り者の子供は「獪岳(かいがく)」という後に上弦の鬼に落ちる善逸の兄貴分。
蛇柱…伊黒小芭内【死亡キャラクター】
続いてのメンバーは蛇柱(へびばしら)の「伊黒小芭内(いぐろ・おばない)」。蛇の呼吸の使い手。声優CVは鈴村健一。
伊黒小芭内は身長は162cmと柱でも小柄ですが、体術はピカイチ。握力だけで刀を赫く変化させたことも。上弦の鬼を100年ぶりに倒した宇髄天元に対しても、上から目線の態度を取るなど当初からそこそこ強そうな雰囲気を漂わせる柱でした。
蟲柱と同様に蛇を武器に使うわけではなく、伊黒小芭内の太刀筋が「蛇のようにグニャグニャと曲がる」ことが由来。太刀筋は非常にクセがあって敵は避けにくい。これは正確無比な攻撃ができるからこそ。そのため鬼殺隊隊士の太刀筋を矯正する役割も担う柱。
○恋柱に惚れる理由は過去にあり?
伊黒小芭内は蛇の呼吸だけあって、性格もヘビのようにネチネチしてる。ことあるごとに相手を詰問するのが特徴。もし上司や教師だったらトップクラスに嫌われてそう。
その一方、伊黒小芭内は恋柱の甘露寺蜜里のことが好き。伊黒小芭内は甘露寺に合わせて文通で関係を育む。甘露寺と仲良く喋ってるだけでブチ切れるほどのベタぼれ。甘露寺の天真爛漫さに惚れており、意外と単純な性格も匂わせる。
ただし、これは伊黒小芭内の「壮絶な過去」が関係。実は10歳頃まで「蛇の鬼」に育てられ虐げられており、口が裂けてる理由もそれが原因。最終的に蛇の鬼に家族を売り飛ばして逃亡を図って当時の炎柱に救出されるものの、自分だけ生き延びた過去に負い目を抱く。
でも無条件に明るい恋柱・甘露寺蜜璃の前では、伊黒小芭内は悲しい過去を全て忘れられた。
鬼舞辻無惨との戦いで負傷した伊黒小芭内は、同じく瀕死の甘露寺を抱えたまま共に死亡。「また生まれ変われたら私のことお嫁さんにしてくれる?」という甘露寺の言葉を体現するように、二人は現代に転生後に定食屋を仲良く営んでる模様。
水柱…冨岡義勇【生存キャラクター】
続いての柱メンバーは水柱(みずばしら)の「冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)」。水の呼吸の使い手。水も基本の呼吸の一つ。声優CVは櫻井孝宏。
『鬼滅の刃』の1話目から登場するなど、冨岡義勇は柱の中で最も有名な柱だと思います。竈門兄妹の重要性や存在価値をいち早く見抜くなど先見の明を持つ。冨岡義勇の「一連の行動」は鬼舞辻無惨撃破に全て繋がっており、鬼殺隊に対する功績は大きい。
ただし、他の柱からは割りと嫌われてるとのこと(胡蝶しのぶ談)。
冨岡義勇の武器は「凪」と呼ばれる技。間合いに入った敵の攻撃は全て無効化する。鬼は自分が斬られたことにすら気付かず、冨岡義勇の前では全てが穏やかに死んでいく。冨岡義勇は最もポピュラーな水の呼吸をマスターしてるだけあって、柱でも強そう。
○冨岡義勇は実は落ちこぼれ?
ただし、現在でこそ水柱として活動する冨岡義勇ですが、実は鬼殺隊の試験では何もせず合格した経緯があります。
冨岡義勇はかつて「錆兎(さびと)」という少年と共に試験を受けたんですが、山中の鬼を倒すなど錆兎は冨岡より遥かに強かった。ただ負傷した冨岡義勇を助けるなど、無駄な戦闘を仕掛けすぎたせいか錆兎は結果的に手鬼に敗北してしまう。
結果、冨岡義勇は漁夫の利を得る形で鬼殺隊に合格していた。そのため「錆兎」に対して負い目を未だに引きずる。炭治郎に「生殺与奪の権を他人に握らせるな」と豪語していたくせに、意外とメンタルに不安要素も抱える水柱でした。
それでも鬼滅の刃最終盤では主人公・竈門炭治郎と共闘し、上弦の鬼・猗窩座を倒す。鬼舞辻無惨とも壮絶な戦いに勝利するものの、最後は炭治郎が死亡(実際には後に生き返る)した際には「また俺は守られてばかりだ」と涙した優しき兄貴分。
鬼殺隊が解散後の動向は不明ですが、現代編では「冨岡義一(ぎいち)」と呼ばれる子孫が登場します。
風柱…不死川実弥【生存キャラクター】
続いてのメンバーは風柱(かぜばしら)の「不死川実弥(しなずかわ・さねみ)」。風の呼吸の使い手。声優CVは関智一。
不死川の性格は粗暴そのもの。言葉遣いも乱暴。見た目さながら非常に好戦的。いかにも問題児っぽいキャラクターですが、不死川実弥は「YDK(やればできる子)」。産屋敷の前では至って理知的に振る舞うなど、見た目と違って知能は高そう。
不死川実弥の特徴は「全身傷だらけ」の見た目。顔にも大きな傷が確認できますが、逆に言うと敵から攻撃を食らってきたという裏返し。刃牙の花山薫よろしく、個人的には柱でも意外と強くないと考察してました。
ただし、不死川実弥は「稀血(まれち)」と呼ばれる特殊体質だった。不死川実弥の血を飲んだり嗅ぐと、その鬼は酩酊状態に陥るんだそう。人間でいうアルコール。名字も象徴するように、斬られた傷も自らで縫うなど耐久力も高かった柱でした。
○最後は弟とのエピソードが泣かせる
不死川実弥も両親を鬼に殺された過去があるんですが、弟の「不死川玄弥(しなずがわげんや)」も鬼滅の刃では活躍します。
不死川玄弥は主人公・竈門炭治郎と同期の鬼殺隊メンバー。後に岩柱の悲鳴嶼の弟子となる。不死川玄弥も兄と同様に、鬼を食べることで「一時的に鬼化」できる特異体質を持つ。そのため肉体が切断されてもすぐ死亡しないなど、鬼殺隊唯一の逸材でした。
ただし、二人の仲は至って悪い。弟・玄弥は好意を寄せているものの、兄・実弥が一方的に邪険にしていた。でも、これは不死川実弥の「弟愛」が強すぎるがゆえの対応。不死川実弥からすると、唯一生き残った肉親の弟には「まっとうな道」を歩んで欲しかった。
最終的に不死川兄弟は岩柱や霞柱と協力して上弦の鬼・黒死牟を倒すものの、弟・玄弥などは死亡。そのときに見せた不死川実弥の「兄の顔」には鬼滅の刃ファンなら誰もが泣かされたことでしょう。鬼舞辻無惨戦でも活躍。現代編では警察官の子孫が登場します。
だから直前で柱から脱退してる音柱・宇髄を除くと、柱の中では「不死川実弥と水柱・冨岡義勇の2名だけ」が最終的に生き残ってることになります。
恋柱…甘露寺蜜璃【死亡キャラクター】
最後の柱メンバーは恋柱(こいばしら)の「甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)」。恋の呼吸の使い手。声優CVは花澤香菜。もともとは炎柱・煉獄杏寿郎の弟子。
甘露寺蜜璃はとにかく惚れっぽい性質。いつも何かにキュンキュンしてる乙女。心の中では「やだ、この人、カッコいい」みたいに妄想を繰り広げてる。柱のメンバーに入った理由も「理想の殿方を見つけるため」という、まさかのお見合い感覚で入隊。
一方、普段の服装も相まって初対面の鬼からも「あばずれ」と罵られるなど、柱の中ではギャグテイスト満載のメンバー。鬼を殺すことしか考えてない生真面目な男キャラが多い中、甘露寺の性格はネアカでちょくちょく笑わせてもらえるキャラ。
当初はモジモジした無口キャラクターでしたが、鬼滅の刃の展開が進むとマシンガントークで他の柱や竈門炭治郎を困らせることもしばしば。たまに甘露寺はズバッと的確な指摘を繰り出すなど、意外と物事の本質を見抜く力には長けてる柱。
○男の柱にも負けない筋肉体質?
一方、甘露寺蜜里は生まれ持っての特異なハイパー筋肉体質の持ち主。華奢な見た目と違って、甘露寺は筋肉の密度が常人の8倍以上を誇り、成人男性のそれを軽く上回る。喧嘩稼業強さランキングでも上位の金隆山康隆のそれと同じ。
恋柱と名乗るだけあって、甘露寺の「真っピンク(毛先にかけて緑がかってる)」の髪色も特殊体質の一環。『鬼滅の刃』は女性人気も高いということで、甘露寺蜜璃のヘアースタイルを真似した女性ファンも話題になりました。
甘露寺はわずか1歳2ヶ月の頃に、15kgの漬物石を軽々と持ち上げた過去もある。この圧倒的な筋肉量を維持するために、エネルギー補給は人並み以上に必須。そのため甘露寺は子供の時点で相撲取り3人分の食事を取るなど、現在の甘露寺の食欲っぷりは圧巻。
甘露寺は自らの特殊体質に悩んだこともあるが、お館様に「神さまから特別に愛された人。君を悪く言う人は皆、君の才能を恐れ羨ましがってるだけ」と褒めてくださって以降、甘露寺に迷いはなし。上弦の鬼・半天狗との戦い以降は完全に吹っ切れて覚醒。
鬼滅の刃終盤では蛇柱・伊黒小芭内とタッグを組む。鬼舞辻無惨戦では負傷し、割と早々に戦線離脱。最終的に蛇柱・伊黒小芭内に抱かれて死亡してます。鬼滅の刃現代編では、転生した伊黒小芭内と二人で定食屋を仲睦まじく経営している模様。
柱のモデルとは?
最後は「柱のモデル」を考察。
例えば、基本の呼吸は「五大元素」がベース。上弦の鬼のモデルも「感染病」や「都市伝説」が強く推認できるんですが、どうやら柱のメンバーも元ネタやモデルがありそう。別の鬼滅の刃考察記事で頂いたコメントを元に考察してみようと思います。
おそらく柱のモデルは「十二因縁」が元ネタと考察できそうです。十二因縁とは「煩悩を断つ」ための仏教の基本的な考え方。上弦の鬼のモデルは六道輪廻図とも関連してる可能性があるため、まさに柱と上弦の鬼は対比的に描写されていたに違いない。
例えば、「無明」のモデルは霞柱の時透無一郎。煩悩の根本ともされますが、迷いの中にいることなども指す。これは長らく記憶喪失状態だった時透無一郎そのもの。また有一郎という双子の兄がいましたが、十二因縁には「有」も存在する。
「愛」は恋柱の甘露寺蜜璃。「取」は蛇柱の伊黒小芭内。取は執着を意味し、執念深い性格の伊黒小芭内が的確。十二因縁の順番において愛と取は連続するため、甘露寺と伊黒の関係性を彷彿とさせます。
「行」は岩柱の悲鳴嶼行冥。行は既に名前にも入ってますが、「まとめるもの」と意味するそう。柱のリーダー的な存在の悲鳴嶼行冥と予想できます。「受」は音柱の宇髄天元。受は楽しいと感じる感情などを意味し、美女をはべらす享楽的な性格の宇髄がモデルと考察できます。
○十二因縁説は完全なモデルとは言えない?
続いて「名色」は風柱の不死川実弥。名色は心と身体を意味し、それらはお互いに依存しあって切り離せない関係性とされます。この依存関係で思い出されるのが弟・不死川玄弥との関係性。稀血という特殊体質も「身体」を彷彿。
「識」は水柱の冨岡義勇。識は差別や好き嫌いを意味するそう。何故か柱で嫌われており、どこか屈折した性格の冨岡義勇が的確。「生」と「老死」は鬼殺隊と柱のトップである産屋敷輝哉がモチーフか。
ただ蟲柱・胡蝶しのぶや炎柱・煉獄杏寿郎などのモデルはハッキリせず。おそらく十二因縁がベースにあるとは考えられますが、そこまで完全なモデルとは言えないのかも知れません。
例えば鬼滅の刃の作者・吾峠呼世晴は『BLEACH』が好きと何度も公言してるので、柱のイメージモデルは「護廷十三隊(ごていじゅうさんばんたい)」とも言われてます。確かに柱の隊服がそれと似通ってる。だから漫画では定番の組織とは言えるのか。
コメント
びっくりするほど柱の情報がもりだくさんでお腹いっぱいになりましたw
意外と死亡してるキャラが多いのか少ないのか…
アニメ版鬼滅の刃がいつ追い付くか分かりませんが今から楽しみで仕方ないですw
考察お疲れさまでしたw
悲鳴嶼さんの読み仮名が(ひめいじま)になってましたよ!!!
柱のメンバー一覧が読みたかったので助かりました!!
キャラクターの詳細もそれぞれ解説されてて勉強になりました!!
しのぶは童魔に取り込まれて殺されますよ。よって死亡キャラ(空席)です。
煉獄さんの死は精神的ダメージ大きいなぁ〜。
最高の鬼滅の刃サイトやん。
柱のキャラクターについて改めて勉強になった。
柱について詳しく知れました。
甘露寺密璃が死にそうなので、
死なないことを願います❗
柱のメンバーたちがわかりやすくまとまってて助かりました
でも私は少年ジャンプで鬼滅の刃は読んでないので
ネタバレ有りってどっかで書いててほしかったかもです
柱のメンバーの名前で、読めない漢字があったので助かりました。柱のメンバー、一人一人の詳細ものってて、すごく勉強になりました。
既出かもしれないけど、最初の柱の紹介で
蟲柱抜けてない?
甘露寺蜜璃は紅一点じゃないよね
実はしのぶって男でした?
甘露寺蜜璃も伊黒小芭内も悲鳴嶼行冥も死亡してますがな
主人公 竈門炭治郎が生きたこの時代。9人と言う柱の存在は豊作なのか?不作なのか?
おそらく不作だよね。
炭治郎も柱と同等、柱と呼んでも良い位の能力ですからね。
水柱が二人以上存在する。
逆に煉獄さんの火の呼吸のように20歳位で亡くなったら子孫繁栄出来ず。
教える事も出来なくなる。
◯◯の呼吸とは出来て数千年?数百年?数十年?数年?
それは現在たまたま生き残っていたとなると火の呼吸も柱級の人が何人かいたって事ですよね。
それとも今まで◯◯の呼吸を持った柱は強い鬼と戦わず?
鬼側も柱から逃げていた?
9人しかいない訳無い。
怪我も病気もあるだろうからね。
死ねば◯◯の呼吸持ちが絶えてしまう。
元ネタ探しをしてて最近思ったのは炭治郎は大黒天かなと
ヒンドゥー教のシヴァ神の異名でマハーカーラ
カーラは黒で炭治郎のイメージカラーにも合う
そしてネズミに助けられたのでネズミは大黒天の使いとされている
この大黒天まわりの七福神や十天・十二天の話のほうが柱の元ネタに近い話があるかもしれないです
水天・火天・日天など呼吸っぽい名前も出てくるし
鬼滅の刃
最高
動物は十二支の方ですよ
十干は木火土金水の兄と弟(陽と陰)です。
「十干十二支」で「干支」10年周期の数え方と12年収期の数え方が組み合わさるので60年で生まれた年と同じ十干十二支になるから「還暦」
ありがとうございます。
修正しておきましたm(_ _)m
とても、おもしろかったです‼️
大好きな柱の事を、もっと知りたいと思っていたので、私が知らない、ことも、たくさん知れたので、よかったです。