【新連載漫画】フルドライブ ネタバレ感想レビュー【卓球マンガ】

『フルドライブ』のネタバレ感想。作者は小野玄暉。掲載誌は少年ジャンプ。出版社は集英社。ジャンルは少年コミックの卓球漫画。おすすめスポーツ漫画ランキングもレビュー済み。AmazonのKindleや楽天koboなどでも試し読み・立ち読みができます。

この『フルドライブ』は少年ジャンプ47号から連載が始まったスポーツ漫画。そこで今回ドル漫では1話目のネタバレ感想をさっそくレビュー。長期連載漫画として人気が出るのか出ないのかなど考察してみた。

筆者ドルジ露瓶尊は割りと漫画を見る目はあるので大体当たるはず。

少年ジャンプ「フルドライブ」のあらすじ内容

主人公のキャラクターは玉城弾。ドイツ人と日本人のクォーター。背が小さく、日本でもドイツでもいじめられっ子だった。そこで人生を変えてくれたのが祖父であるハーゲン・ウルフ。卓球の世界王者。玉城弾は祖父・ウルフにみっちりドイツでしごかれ育てられる。

そして玉城弾が日本に帰国してきた所からストーリーが始まります。白石真凛など黄金時代と呼ばれる将来の日本代表選手たちと出会い、玉城弾は卓球選手として一人の人間として成長していく…というのが『フルドライブ』の簡単なあらすじ内容になります。

やや「ドイツ」というワードに違和感を持つ読者も多そうですが、オリンピックなどを観てると分かりますが実はドイツは卓球の強豪国。背が高い白人が小さいラケットを使って戦うさまは、ややもすると滑稽感もなくはないですが、それゆえに迫力満点。

この『フルドライブ』で将来的にドイツ人選手なども登場させたいという作者の意図が読み取れます。

派手な卓球描写がおすすめ

まだ1話目しか読んでない段階ですが、『フルドライブ』の売りはまさに卓球描写。

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(フルドライブ1話 少年ジャンプ 集英社)

例えば相手のボールを打ち返す瞬間は、こんな感じで迫力があります。

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(フルドライブ1話 少年ジャンプ 集英社)

他にも主人公・玉城弾がラケットを振り抜く瞬間はこんな感じ。ピンポン玉を打ち抜いたインパクト感が表現されているなど、割りと色んなスポーツ漫画を読んで研究されているように見受けられます。最初の1話目ということもあって、しっかり入念に描き込まれているのも好印象。

確かに「超本格卓球物語」という煽り文句も分からなくはない。『フルドライブ』が面白くなるかつまらなくなるかは、こういった描写が鍵を握っていそう。今後もアクション風味の描写を増やしていければ、もしかすると人気が出るかも知れません。

卓球描写以外の伝える力は弱い

ただ卓球描写以外に関しては気になる部分が多い。「漫画を描く基礎体力」みたいなんはちょっと…うーん。

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(フルドライブ1話 少年ジャンプ 集英社)

例えば『フルドライブ』1話目の最初の見開きページ。「フルドライブ」というタイトル名に被ってしまって、肝心の主人公が持つ卓球のラケットが見えない。

少年ジャンプのサッカー漫画がつまらない理由」で触れた気がしますが、スポーツ漫画が一番特徴的なのは装備品やアイテム類。そこを隠すとどんな内容の漫画が伝わりづらくなってしまう。

打ち切りスポーツ漫画の多くは、こういった意識が足りてない。もちろん意識的に卓球のラケットを隠したとは思いませんが、他にも同じ見開きページではヒロインのキャラクターが中心部ギリギリに立ってる。電子版だと読めますが、紙雑誌版だとかなり見えにくかったはず。

○キャラクター名はしっかり連呼すべき

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(フルドライブ1話 少年ジャンプ 集英社)

あとキャラクターの名前を「お前」などで代用してることが多い。

画像は主人公と祖父が話してる場面ですが、なおさら孫の名前は「下の名前(弾)」で呼べよって話。ベテランの漫画家でも意外と徹底されてない部分ではあるものの、読者の100%が初見の新連載漫画である以上、キャラ名の連呼は必須。覚えられない。

リアルの人間関係でも考えてみてよ。どんなに親しい間柄でも「お前」と呼んだりすることってないはず。

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(フルドライブ1話 少年ジャンプ 集英社)

その延長線上で白石真凛というヒロインも1話目で登場させるのは早かった印象がします。

【漫画制作】2人主人公の始め方という記事も作りましたが、やっぱりまずは主人公の一人目を覚えてもらってナンボ。主人公・玉城弾の名前よりも真っ先にデカデカと名前が紹介されるなど、何故玉城弾が置いてけぼりなのか。本当にあり得ない。白石真凛のキャラにあまり意味を感じず、行き当たりばったり感だけが臭う。

小野玄暉「フルドライブ」の評価・評判・口コミレビュー

だから『フルドライブ』の内容は全体的に頭に入って来づらい。確かに卓球のアクション描写そのものは悪くないんですが、漫画全体で評価すると不安要素が実は多い。

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(フルドライブ1話 少年ジャンプ 集英社)

例えば『フルドライブ』1話目ラストの2コマ。

「じぃちゃん…俺…最高に燃えてきたよ」というセリフがあるんですが、「最高に燃えてきたよ」のセリフは右側に持ってきた方が読みやすい。漫画の読み方は「逆Z型」である以上、「早く行こうよ」などのセリフを続けて読んでしまう。

でも「早く行こうよ」などのセリフはメインではないのだから、もっと吹き出しなども小さくして左側に寄せておいて、吹き出しの角も下に生えさせた方が無難。新連載漫画の1話目はかなり時間を掛けて制作できるのにコレ。時間的な制約が強い2話目以降の展開で、こういった「絶妙な読みにくさ」が到底カバーできるとは思えない。

もちろん些細な部分。

揚げ足取りに思われても仕方ないと思いますが、そういった些細な部分にこそ才能が現れる。他にも才能がない人にありがちなのが、自分で取捨選択する力が弱い。色々と設定てんこ盛りで伝えたい事が多いんでしょうが、一気に読者に伝えることは無理。もう少し情報を削りましょう。

○フルドライブの長期連載はしんどいか

面白い点もあるにはありますが、やはり『フルドライブ』の長期連載は厳しい気がします。新キャラ登場させまくりで更にゴチャゴチャして打ち切りフェードアウトという絵が浮かびます。もって5巻ぐらいかな。

あとおすすめと評価した卓球描写に関しても、「ラケット」が見えないのも気がかり。

確かに派手にキャラを動かすことも重要ですが、卓球漫画であることを忘れちゃダメ。編集者以上にパラパラとしか読まない読者にパッと訴求するには「ラケットというアイテム」をどう使っていくかの視点を忘れてはいけません。

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