【読み切り漫画】鬼滅の刃外伝 ネタバレ感想レビュー【冨岡義勇外伝・煉獄杏寿郎外伝・きめつのあいま】【平野稜二】

これから人気がうなぎ登りという段階で、『鬼滅の刃』が2020年に完結を迎えました。それでも完結後に公開された劇場版映画「無限列車編」が興行収入300億円に迫るなど、鬼滅の刃の人気は留まることを知らないらしい。

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

そこで今回ドル漫では『鬼滅の刃外伝』のネタバレ感想をレビューします。これは鬼滅の刃完結後に少年ジャンプで掲載された「読み切り漫画」が収録されており、いわゆる本家鬼滅の名物キャラのスピンオフ作品。

ただし、作者は「平野稜二(ひらのりょうじ)」という人。鬼滅の外伝スピンオフですが、本家の吾峠呼世晴は描いてないので注意です。

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

ちなみにコミックスは二部構成で構成されておりますが、最後に同作者が執筆した「きめつのあいま」という少年ジャンプ+で掲載されていた4コマ漫画も載ってます。ただし、このレビュー記事では割愛。

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冨岡義勇外伝の内容あらすじ

まずは「冨岡義勇外伝」の内容あらすじを考察しようと思います。

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

主人公は冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)。言わずと知れた鬼殺隊の水柱。「猟師を食う鬼が現れた」と聞きつけ、とある北の宿場に訪れていた。

そこで「八重」というマタギの又造の娘に会いに行く。何故なら、八重は父親の又造が鬼に殺されたから。鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎と境遇はまさに同じ。冨岡義勇もどこか二人を重ね合わせてる部分も描写されてます。

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

ただ鬼殺隊は「政府非公式の組織」であったため、その存在は世間的に知られてない。だから口下手すぎる冨岡義勇がいくら説明しても一向に話が進まないどころか怪しまれる一方。

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

マタギ仲間たちに冨岡義勇が危うく捕縛されそうになったところに、蟲柱の胡蝶しのぶが現れる。改めて解説しますが、当時は蟲柱に入ったばかりのタイミングとのこと。だから胡蝶しのぶの面倒くさい後輩っぷりは初期からっぽい。

胡蝶しのぶの説明でその場はなんとか収まり、何やかんやがありまして鬼化した八重の父親とバトルが勃発。八重は「もう畜生から戻れないならせめてマタギとしてあたしが撃こう」と考えるものの、指先はためらうばかり。

そこで冨岡義勇が水の呼吸の4ノ型・打ち潮で撃破。しかし、まだ人間としての意識が残っていた八重の父親は死に際に「生きろ」とつぶやいた。冨岡義勇はそれを八重に伝えると、八重はその父の言葉を胸に人生を再び歩みだす。

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

最後に冨岡義勇は胡蝶しのぶに諭す。「鬼殺隊の剣は誰の為に振るうのか、誰を護る為にあるのか、支えるものがあってこそ柱は柱足りえる」ということを。冨岡の心を変えたのは、妹を必死に護ろうとする炭治郎との出会いだった。終わり。

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煉獄杏寿郎外伝の内容あらすじ

続いては「煉獄杏寿郎外伝」の内容あらすじを考察。

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

主人公はもちろん煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)。ただ当時はまだ炎柱ではなく、鬼殺隊の階級は甲(きのえ)。そして、もうひとりの主役が甘露寺蜜璃(かんろじみつり)。やはり当時はまだ恋柱ではなく、階級は癸(みずのと)。

鬼殺隊の階級を詳しく覚えてる人は少ないかも知れませんが、十段階中で甲は1番上の階級、癸は1番下の階級になります。だから甘露寺は鬼殺隊に入って間もない頃であり、二人の師弟関係もかなり初期から始まっていた様子。

ただし、何故煉獄と甘露寺はどういった出会いだったのかなどはつぶさに描かれません。

この理由はシンプル。今回の外伝では煉獄が「柱に入るまでの過程」がメインに描かれるから。

実は、当時はまだ父親の煉獄槇寿郎が炎柱だったそう。その後、母親の瑠火が病死するなどヤル気を失う煉獄パパ。その代わりに煉獄杏寿郎が柱合会議に乗り込んで炎柱になる…というのが今回の煉獄外伝の主な内容になります。

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○下弦の鬼・佩狼との戦い

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

柱合会議ではいち早く柱になっていた不死川実弥と一悶着などが描かれます。完全に竈門炭治郎と同じパティーン。煉獄が喋ってる内容もなんだか既視感があります。実弥くんさぁ、ちょっと手当り次第に新人をいじめすぎじゃね?

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(鬼滅の刃外伝 吾峠呼世晴・平野稜二/集英社)

その後、煉獄杏寿郎は当時の「下弦の弐の佩狼(はいろう)」と遭遇。佩狼は体内から銃火器を具現化させる血鬼術を持つ。他にも影を操る血鬼術を併せ持ち、最終的に影を全身にまとって煉獄と戦うシーンが画像場面。

一方、この下弦の弐・佩狼は血が上った頭を冷やすため自分で頭を撃ち抜く癖があり、それ故に記憶力に乏しい。そのためかつて煉獄にボコボコにされた恨みの復讐を誓うものの、実際にボコボコにしたのは父親の槇寿郎だった。

そして、煉獄杏寿郎は佩狼を炎の呼吸の9ノ型・煉獄で無事撃破し、柱に入隊するための条件の「十二鬼月を倒す」を満たす。父親を乗り越えたという演出もあったか。

ただ煉獄は満身創痍。本編鬼滅の刃では十二鬼月の下弦の鬼は柱相手にことごとく瞬殺されてましたが、言っても下弦No.2の実力者。佩狼はなかなかにして強かった模様。

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どっちも柱に入隊した直後のスピンオフ

ちなみに、どちらの外伝も「約2年前の時間軸」で話が進んでる模様。炭治郎は鬼舞辻無惨に襲われた約2年後に、鱗滝左近次に修行をつけてもらった後に鬼殺隊に入ります。そのため冨岡義勇が鬼滅の刃・主人公の竈門炭治郎を救出した直後とのこと。

だから胡蝶しのぶも蟲柱に入って約2年ほどが経過していたことになりそう。栗花落カナヲもその間に継子になったか。一方、煉獄杏寿郎が柱合会議に乗り込んだ際には胡蝶しのぶの姿が確認できるため、煉獄杏寿郎外伝の時間軸は「その少し後」なのかも知れません。

そのため竈門家が鬼舞辻無惨に襲われた直後から、煉獄杏寿郎、甘露寺蜜璃、伊黒小芭内、時透無一郎が立て続けに柱に入隊していたことになります。まさに『鬼滅の刃』のストーリーは炭治郎から全て始まってると言って良さそう。

だから「無残を倒すまでの時間」はギュッと凝縮されていたことが分かります。

ただ鬼滅の刃外伝を読むと正直ツッコミどころがないと言えば嘘になりそう。

当時煉獄杏寿郎の父親・槇寿郎は40歳前後と推察できます。岩柱の悲鳴嶼行冥で20代後半でしたから、さすがに柱としてジジイすぎないか。煉獄パパはビビリで逃げ回っていたと仮定したら辻褄は合いますが、悲鳴嶼は最強だからこそずっと生き残り続けた可能性が高い。

じゃあ槇寿郎は何故炎柱であり続けられたのか?

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【感想】鬼滅の刃外伝のネタバレ評価評判まとめ

以上、『鬼滅の刃外伝』のネタバレ感想レビューでした。

内容としては「いかにも読み切り漫画」といった感じのレベルだと思います。ジャンプスクエアあたりに掲載されてそうな感じ。

確かに平野稜二は画力が高く、一コマだけ見ると絵がキレイなんですが、全体を通して読むと本家・吾峠呼世晴の方が「見せ方」は上手いって感じです。言葉で細かく表現しづらいんですが、そこが「才能の差」なのかも知れない。

例えばセリフや言葉一つ一つを取ってみても、作者の思想やイデオロギーが染み込んでおらず、本家鬼滅の刃と比べると言葉の重みが全然違う感じです。八重が自死しようとした心理描写もよく分からなかった。外伝を読んだ後に鬼滅の刃本編を改めて読み直すと「レベルの差」を感じさせます。

吾峠呼世晴のセリフからは「信念の強さ」や「覚悟」が感じ取れる。作者の「思いの本気度」が反映されてるか反映されてないかで、漫画としての面白さは変わってくるのかも知れない。やはり「明確に何を伝えたいか」が分かる漫画は少なくとも人気が出るのでしょう。

本家鬼滅の刃で描かれていた内容が「上っ面ではない」からこそ、あそこまで驚異的な売り上げと人気度を誇ったと偉そうに評価してみる。

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