『ONE PIECE（以下ワンピース）』には悲しい過去を持つキャラクターが多いです。
（ONE PIECE25巻 ©尾田栄一郎／集英社）
そこで今回ドル漫では【バーソロミュー・くま】のヤバい正体についてフルカラー画像付きで徹底的に考察しようと思います。ワンピース屈指の肩書を持つくまは、なぜ天竜人に憎まれるのか？くまの「特殊な種族」とは？国王時代から現在に至るまでをざっくり解説します。
くまは従順な王下七武海
まずはバーソロミュー・くまの「経歴」を解説します。
バーソロミュー・くまは元【王下七武海】の一人でした。現在でこそ制度は撤廃されていますが、ジュラキュール・ミホークやボア・ハンコック、ドフラミンゴといった唯我独尊の海賊が多い中、くまだけは唯一と言っていいほど世界政府や海軍に従順な存在でした。
くまの異名は「暴君」。年齢は「47歳」。誕生日は「2月9日（肉）」。出身地は南の海の「ソルベ王国」。身長は「689cm」。声優CVは「堀秀行」。
（ONE PIECEマガジン2巻 ©尾田栄一郎／集英社）
くまのモデルはかつて実在した海賊【バーソロミュー・ロバーツ】になります。300年以上前にヨーロッパで400隻以上の船を襲ったと悪名高い海賊でした。くまのソバージュヘアも、この海賊・ロバーツの髪型を参考にしている感じか。
くまは「ソルベ王国」の元国王だが…
ただし、くまは最初から凶悪な海賊だったわけではありません。
（ONE PIECE105巻 ©尾田栄一郎／集英社）
くまは元々は【ソルベ王国】の国王でした。
世間での評価は「悪い国王」として知られていたとはジンベエ談。異名の暴君もこの国王時代の名残から来ているか。しかし、くまと間近で懇意にしていたサボやボニーによると、本当の性格は真反対の「優しい人物像」だったことが判明しています。
それでもその後、ソルベ王国を追い出されたくまは「海賊」としての道を歩み始めます。悪い国王という評判を素直に信じるなら、国民がクーデターを起こした可能性が真っ先に思い浮かびますが、実際にどういった経緯でくまが国を追い出されたかは未だに判明していません。
それでも「世界政府とのイザコザ」がどうやら関係していることが予想されます。くまの過去や幼少期については後述します。
くまは22年前に「革命軍」を旗揚げするが…
一方、海賊の道を歩んだくまは更に波乱の人生を歩みます。
（ONE PIECE1066話 ©尾田栄一郎／集英社）
「22年前」に、くまはモンキー・D・ドラゴンと共に【革命軍】を旗揚げしていたことが、世界一の天才科学者・ベガパンクの証言から判明しています。他にもエンポリオ・イワンコフを含めた3名の創設メンバーの一人。まさに大幹部。
ドラゴンがそれより以前に結成していた自勇軍にも在籍していたかまでは不明ですが、くまとベガパンクも旧知の仲ではあったか。
しかし、いつぞやのタイミングで革命軍に在籍している最中、くまは海軍に捕縛されて終身刑の判決を受けます。サボとの接点を考えると、ドラゴンに拾われた12年前以降の話ではあるか。どこに収容されたのかも不明ですが、くまはしばらく長らく投獄されていたそう。
七武海に選ばれた当初から人体実験されていた
ただ当時から既にSSG（海軍科学特殊班）の班長を務めていたベガパンクが、バーソロミュー・くまの「潜在能力」を利用したいがために釈放させる手筈を取る。
（ONE PIECE105巻 ©尾田栄一郎／集英社）
そして、世界政府に忠実に従うことを条件に王下七武海として解放する一方、くまは「身体改造」と「クローン開発」の人体実験も同時に施されます。各々の詳細な時期は不明ですが、くまの肉体のサイボーグ化は王下七武海に入った時点でどうやら始まっていたことが読み取れます。
その後、くまの血統因子を活用した人間兵器・パシフィスタが量産されていったのは周知の事実でしょう。
ただこれらの過去はベガパンク目線で語られているに過ぎず、その際のくまの心境は一切語られていないのが現状です。結果的に嫌悪する世界政府に協力するわけですから、くまに「どういったメリットや目的」があったかは正直不明です。
これはくまの過去や種族が関係してくるとは思いますが、こういった経緯からバーソロミュー・くまが最も従順な王下七武海として活動していた理由も納得です。
現在は「無敵奴隷くま」として天竜人にこき使われる日々
続いては「バーソロミュー・くまの現在」について考察します。
（ONE PIECE90巻 ©尾田栄一郎／集英社）
現在くまは通称【無敵奴隷くま】と呼ばれる「天竜人のペット」として聖地マリージョアで日々こき使われています。七武海に選ばれた当初からサイボーグ化が始まっていましたが、マリンフォード頂上戦争後は完全にあらゆる意志が奪われ済み。
バーソロミュー・くまは革命軍を旗揚げするぐらいなので、世界政府や天竜人のことを心の底から憎んでいるはず。逆に、天竜人側もサイボーグ奴隷として徹底的にこき使うぐらいなので、くまのことを何故か心底憎んでいたりします。
まさに「相思相憎」の間柄ですが、この謎については後述。
○一度はサボに救出されるが再びマリージョアに戻る
あまりに酷い扱いを受けていることから、サボが世界会議（レヴェリー）に乗じて一度は聖地マリージョアから奴隷くまを救い出しました。
その後、奴隷くまの身柄は革命軍の本拠地が置かれるカマバッカ王国まで連れ出されるものの、くまはそこから逃げ出して再び現在は聖地マリージョアに戻っています。
当初は娘のボニーの身を案じて自我を取り戻したと見られていましたが、どうやらいかなる状況でも聖地マリージョアに戻るように「自動プログラム」が組み込まれていただけでした。自我が戻ったわけではなく、むしろ完全に意志を奪われたロボットである何よりの裏返しだった模様。
ちなみに、聖地マリージョアに戻るためレッドラインによじ登る姿に海兵や市民たちが驚いていた理由は、くまの肉体的構造を知らされていなかっただけでしょう。
くまの娘がジュエリー・ボニー
続いてはバーソロミュー・くまの「血縁関係」を考察します。
（ONE PIECE105巻 ©尾田栄一郎／集英社）
くまの「実娘」は最悪の世代の【ジュエリー・ボニー】になります。かねてからワンピース考察界隈で予想されていた通りの関係性でしたが、逆に言うと、ボニーの「実父」がバーソロミュー・くまにあたります。
つまり、ジュエリー・ボニーは「ソルベ王国のお姫様」ということになりそう。
マリンフォード頂上戦争でボニーが涙していた理由も、ワンピース考察界隈では話題でしたが、これは父親のくまを模したパシフィスタが大量に製造されている光景を目の当たりにしたからでした。まさに「父親・くまが人体改造された事実」にショックを受けたから。
ただし、ボニーの年齢は推定24歳とされるため、くまが22年前に革命軍を結成していることから二人は2歳の頃に生き別れた計算か。だから、ボニーは父親がソルベ王国を追い出された理由や経緯、くまの生い立ちもほとんど把握していない様子でした。
（ONE PIECE90巻 ©尾田栄一郎／集英社）
実際、世界会議（レヴェリー）に参加したソルベ王国の関係者として「王太后のコニー」が参加していました。詳細は判明していませんが、ボニーの祖母にあたるキャラと仮定したら本名は【ジュエリー・コニー】と考えるのが自然でしょう。
ここからもくまが元国王だった事実が読み取れます。
くまの「隠された過去」とは？
ただし、王太后（皇太后）という肩書は「先代国王の皇后」「現国王の母親」を意味します。くまとは苗字が違うことから、コニーは【くまの奥さんの母親】【先代国王の奥さん】と予想できます。ボニーが苗字にバーソロミューを名乗らない理由もここから推察できます。
だからソルベ王国の現国王は誰が即位しているかは不明ですが、くまの出自は「王族ではない可能性」が高そうです。でも何故国王になれたのかというと、これはジュエリー王家の娘と恋仲に陥って結婚したから。いわゆる玉の輿に乗ったカタチで国王に即位できたはず。
（ONE PIECE63巻 ©尾田栄一郎／集英社）
実際、くまの幼少期は「みすぼらしい丸坊主姿」でした。二宮尊徳のような出で立ちは、いかにも苦労人を思わせます。
○くまの悲惨な幼少期は「種族」が関係？
（ONE PIECE1074話 ©尾田栄一郎／集英社）
また幼少期のくまは「両親から悲惨な扱い」を受けていました。正確には両親も天竜人たちから命令されていたのか、「お前が逃げたら！おれ達全員殺されちまうんだよ！」と切羽詰まった様子で詰め寄り、くまの身柄を世界政府に差し出そうとしていました。
だからこそ、くまは容易にソルベ王国を追い出されたと予想できそう。
天竜人にここまで忌み嫌われるくまの祖国であるにも関わらず、ソルベ王国が世界会議に他の加盟国と変わりなく参加できている点も不可解に映りますが、あくまで天竜人の敵意は「くま個人」に向けられたものだったからでしょう。
革命軍のモーリー曰く、「くまちゃんの人生こそ【世界政府の犠牲】そのもの」と意味深に語っていました。何故、くまの人生と世界政府が絡むのか？くまは後に【特殊な種族】だったことが判明しているんですが、まさに虐げられる運命の元で生まれてしまった？
ちなみに、くまの種族については後述します。
ニキュニキュの実の必殺技まとめ
続いてはバーソロミュー・くまの「悪魔の実」を考察します。
（ONE PIECE50巻 ©尾田栄一郎／集英社）
くまの悪魔の実は【ニキュニキュの実】になります。超人パラミシア系悪魔の実に該当し、「肉球人間」と自称しているように、くまの手の平は肉球状に変化しています。この「肉球」であらゆるものを弾き飛ばすことができる。
（ONE PIECE50巻 ©尾田栄一郎／集英社）
例えば、手の平の「肉球」で斬撃といった攻撃を弾くことができます。ゾロの必殺技などは余裕しゃくしゃくで肉球で弾き返していました。
○ニキュニキュの実は「概念的な情報」も弾き飛ばせる
（ONE PIECE50巻 ©尾田栄一郎／集英社）
また「肉球」は【人間の疲れや痛み】といった概念的なモノも弾き飛ばせます。「人間の記憶」といった情報ですら、どうやら外に弾き飛ばすこともできるようです。弾ける対象の範囲は不明ですが、どの場合でも肉球状の塊として飛び出てくるのが特徴です。
画像は同じ七武海だったゲッコーモリアに勝利したルフィの疲れを弾き飛ばしている場面。この疲れを受け取った後に、ゾロが「なにもな”かった」と何事もなく語ったシーンはあまりにも有名でしょう。
他にも数千キロ離れた場所に人間（自分含む）を弾き飛ばせたり、ニキュニキュの実はワンピースでも随一の汎用性が高い悪魔の実と言えそう。
○圧力砲（パッドほう）…ニキュニキュの実
続いてはニキュニキュの実の必殺技を簡単に紹介します。
（ONE PIECE50巻 ©尾田栄一郎／集英社）
まずは【圧力砲】。読み方は「パッド砲」。
ニキュニキュの実は大気を弾き飛ばすことも可能。この大気を光速で弾くことで、物体を突き抜ける衝撃波が発生する。例えば、ルフィやフランキーのように打撃攻撃に強い敵でもダメージが簡単に通ります。かなり有用な遠距離技。
他にも派生技に「つっぱり圧力砲」などがあります。
○熊の衝撃（ウルスショック）…ニキュニキュの実
（ONE PIECE50巻 ©尾田栄一郎／集英社）
続いては【熊の衝撃】。読み方は「ウルスショック」。
やはり大気を弾き飛ばす技の一種ですが、ウルスショックは最初は大気をギューギューに圧縮する。そして、ギリギリまで圧縮した後にドーンと爆発させることで、周囲数百メートルに渡って肉球状の爆発を起こすことが可能です。
くまの「特殊な種族」とは？
続いてはバーソロミュー・くまの「種族」について考察します。
（ONE PIECE105巻 ©尾田栄一郎／集英社）
どうやら娘のボニー曰く、バーソロミュー・くまは【特殊な種族】とのこと。幼い頃に生き別れたため具体的な種族は聞かされていないものお、後に国王となったくまが世界政府から嫌われていた理由も「自身の種族」が関係していることは言うまでもないでしょう。
今後『ワンピース』のストーリーや歴史にも強く絡んでくる種族に違いない。
（ONE PIECE105巻 ©尾田栄一郎／集英社）
ベガパンクが「筋力や潜在能力」に惚れ込んでいましたが、この高い潜在能力も特殊な種族が引き出していたものなのでしょう。だから、くまの手の平の肉球もニキュニキュの実の影響ではなかった可能性もあるか。
○ビッグマムが狙っていた「歴史に消えた種族」だった？
（ONE PIECE94巻 ©尾田栄一郎／集英社）
かつて世界の全種族を集めていたビッグマム（シャーロット・リンリン）が、巨人族やルナーリア族といった未収集の3種族の中に「歴史の彼方に消えた種族」をほのめかしていました。
この謎の種族は未だに判明していませんが、これこそが「くまの種族」だったのではないか？確かに考えてみると、本名の「くま」は変な名前。普通であれば子供に命名するような名前とは思えませんが、ここも特殊な種族だったことが関係しているのか。
一応、海軍の女性キャラには「鳥の名前（たしぎ、つるetc）」が命名されたものが多いので一概には言えませんが、特殊な種族という観点で考えると何か伏線めいた名前にも思えます。
○くまもDの一族か？
だから、バーソロミュー・くまは新種族だとは思うんですが、あえて既存の種族の可能性を考察しようと思います。
（ONE PIECE77巻 ©尾田栄一郎／集英社）
例えば、【Dの一族】の可能性が最初に考えられます。
Dの一族は主人公のルフィを筆頭に、Dのミドルネームを持つ者たち。神の天敵と表現されるなど、天竜人たちにとっては最も忌むべき存在。種族という観点で捕らえている読者は少ない気もしますが、コラソンなどは「運命の種族」とDの一族を表現しています。
Dの意味は、まさにDestinyのDだった？
Dの一族には巨人族もいるため、見た目では判別が付きにくい。それ故に、くまがDの一族であったとしても違和感はないでしょう。さしずめ本名は「バーソロミュー・D・くま」といったところか。Dの一族以上に嫌われている種族が存在するとも考えにくい。
ただ仮にDの一族だとしても、何故くまだけがここまで徹底的に迫害されたのかの説明が付きません。そもそも娘のボニーも同じ種族の血を引いているはずですから、どういった種族であっても同じく迫害されているはず。赤犬・サカズキがボニーを狙っていた理由も種族が関係か。
○くまは「ニカの子孫」か？
続いては【太陽の神・ニカ】の子孫説を考察します。
既に判明しているルナーリア族は身体的特徴からヒトヒトの実モデル・ニカとの関連性が取り沙汰されているように、太陽の神ニカがルナーリア族という説も有力です。でも、冷静に考えるとモデル名は「ルナーリア族」でいいはず。
だからルナーリア族とは似て非なる種族であり、太陽の神・ニカの直接的な子孫が別でいるのではないか？つまり、バーソロミュー・くまの種族とは「ニカ族」だった？実際、Lunaは「月」を意味する単語であって、太陽とはむしろ真逆の言葉に思えます。
（ONE PIECE25巻 ©尾田栄一郎／集英社）
また、くまは「太陽の表紙」が描かれた聖書を常に持ち歩いていました。実はソルベという名前も「太陽（Sol）」と「熊（Bear）」の造語とされます。そう考えると、くまの種族とは太陽の神ニカ以外に存在しないのではないか？
まさに的を射ている？
くまの懸賞金は2億9600万ベリーだが…
最後は「懸賞金」を解説します。
（ONE PIECE25巻 ©尾田栄一郎／集英社）
バーソロミュー・くまの懸賞金額は「2億9600万ベリー」。
ただし、これは王下七武海に入る前の数字のため、あくまで革命軍時代に設定された懸賞金額だと思われます。『ワンピース』の世界でもインフレが進んでいるため、15年20年前の金額と仮定したらまずまず高いレベルではあるか。
現時点で王下七武海制度が撤廃されているため、くまも新しい金額は更新されていると思います。同じ七武海だったキャラの新懸賞金額を見ると、クロコダイルが約19億、ミホークが約35億、ハンコックが16億でした。それぞれ大幅に金額を更新していたカタチ。
そのため、くまも同様に現在の懸賞金は10億ベリー程度には迫っている気がしますが、無敵奴隷のペット化しているため、世界政府への悪影響度が低いことも考慮すると大幅に金額が伸びている可能性は低い気はします。
それでもくまの種族や血筋を嫌悪している天竜人からすると、あえて「極悪人」に仕立て上げるために不必要に懸賞金を上げている可能性もワンチャンあるか。
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