『ONE PIECE』は現在ワノ国編の真っ最中。ここで重要な鍵を握る存在が「赤鞘九人男」。かつてワノ国九里大名だった光月おでんに従えていた精鋭9名の侍。
（ONE PIECE76巻 尾田栄一郎／集英社）
そこで今回ドル漫では「カン十郎（かんじゅうろう）の正体と能力強さ」をフルカラー画像付きでいつものように徹底的に考察したいと思います。
画像はカン十郎の初登場シーンですが、どうやら想像以上に正体がヤバかった件。現在はCP0のロブ・ルッチが裏切り者だったと発覚して以来の衝撃。まさか20巻以上も前からカン十郎が「裏切り者だった伏線」が多数隠されておりました。
カン十郎とは赤鞘九人男
まずはカン十郎の過去から現在までの情報をおさらい。
カン十郎とは赤鞘九人男の一人。20年前に光月トキのトキトキの実でタイムスリップしたため、カン十郎の現在の年齢は39歳のまま。赤髪のシャンクスやバギーなどと同じ年齢。カン十郎は59年前に生まれているため、光月おでんと年齢差はあまりなさそう。
カン十郎の声優CVは山崎たくみ。歌舞伎役者風の出で立ちですが、モデルは不明。
カン十郎の出身はワノ国の「九里」とされますが、何故か41年前（当時の年齢は18歳）は「希美」で生きている人間から死体まで、とにかく髪を奪って日銭を稼いでいた落伍者だった。当時は「希美の妖怪」と周囲を震え上げさせる。
カン十郎の過去から現在までまとめ
（ONE PIECE95巻 尾田栄一郎／集英社）
そこで光月おでんの髪の毛を盗もうとするも返り討ちにあってしまい、カン十郎はおでんの後を無理やり付いていく。そのままイゾウやお菊たちとほぼ同時期におでんの家臣となり、おでんがカイドウに敗北して黒炭オロチに処刑されるまで忠義を尽くす。
そして、20年前のワノ国から現在にタイムスリップして以降は、ズニーシャに逃げ延びる際にドレスローザに置いていかれる。その後、錦えもんや麦わらの一味のルフィと合流してからは旅を同行するようになります。
ズニーシャに到着後は、カン十郎はゾロやロビンたちと共にひと足早くワノ国に戻ってきて現在に至ります。
カン十郎の悪魔の実は「絵の実体化」
続いては「悪魔の実」を考察。カン十郎は一体どんな能力があるのか？
（ONE PIECE76巻 尾田栄一郎／集英社）
結論から書くと、カン十郎の能力は「絵の実体化」。残念ながら悪魔の実の名前は不明ですが、おそらく超人パラミシア系悪魔の実に該当するはず。カン十郎の悪魔の実を使って龍を具現化させ、ズニーシャの背中まで這い上がってきたのは良い思い出。
（ONE PIECE76巻 尾田栄一郎／集英社）
またカン十郎の悪魔の実は生物だけではなく、人形といった「物体」も自由自在に実体化させることも可能。絵が下手だった場合は残念な結果に終わるため画力に応じて能力にも差が出そうですが、あらゆる生き物や武器を具現化できる能力と考えて良さそう。
さながら幻影旅団のコルトピの上位互換版。コルトピはコピーした物体を自発的に動かすことはできませんからね。例えば、現在ワノ国では忍者海賊ミンク侍同盟が結成されてますが、カン十郎の能力を使えばいくらでも兵士を量産させることができそう。
そう考えたら、カン十郎の悪魔の実はチート級のチート級に化ける可能性もありそう。
（ONE PIECE97巻 尾田栄一郎／集英社）
他にもカン十郎は「墨雲（すみぐも）」といった墨を矢のように大量に降らせる技も持っています。
カン十郎の本名は「黒炭カン十郎」だった
続いては「カン十郎のヤバすぎる正体」を考察しようと思います。
（ONE PIECE974話 尾田栄一郎／集英社）
結論から書くと、カン十郎の本名は「黒炭カン十郎」でした。
つまり、黒炭オロチに内通していたスパイの正体こそがカン十郎でした。カン十郎は現代にタイムスリップする以前から赤鞘九人男たちの情報を流してた。裏切り者だったからこそカン十郎に具体的なモデルがいなかったのかも知れない。
例えば、オロチがおでんに金を無心しにいった際、カン十郎が金庫から出す役割を担っていた。そこでカン十郎は必要以上のお金を金庫から出してオロチに手渡していた。確かにオロチが無心するだけで、九里の財政が破綻するわけない。
しかも、これがカイドウと手を結ぶ資金源にもなっていた。逆に言うと、カイドウとオロチの関係性は「あくまで金だけの繋がり」とも読み取れますが、光月おでんにあれだけ仕えておきながら、これぞ裏切り。カン十郎という最強のクズキャラここに爆誕！
そして、味方だったはずのカン十郎が実は敵だと発覚したタイミングは、ずっと敵と思っていた狂死郎が傳ジローだったとネタバレした直後でした。まさに絶妙すぎる流れにして怒涛の展開。この衝撃の高低差に思わず耳がキーンなったワンピース読者は多いはず。
カン十郎の過去とは？性格がヤバタニエン
そこで改めてカン十郎の生まれや過去を改めて考察。
カン十郎は59年前にワノ国・九里の「とある大衆演劇の一座」に生まれたとされます。しかしながら、オロチと同様にカン十郎も黒炭一族というだけで差別される。しかも、カン十郎は両親が演劇の最中におそわれて死亡する。オロチ以上に悲惨な過去。
（ONE PIECE96巻 尾田栄一郎／集英社）
その後、心にポッカリと穴が空いたカン十郎は空疎な日々を送るんですが、カン十郎は大衆演劇出身だけあって「誰かを演じる」ことで生きるモチベーションを保った。その矢先、カン十郎は黒炭ひぐらしと手を組んでいたオロチに声をかけられる。
そのためカン十郎のコミックス単行本のプロフィール画像はコロコロと変わっていました。左から92巻93巻94巻。これはカン十郎の「心の闇」が表現されていた伏線でした。
そして、「死に場所」を探していたカン十郎は黒炭家の復讐劇に参加する。その後、光月おでんの部下となったカン十郎は、オロチに光月家の内情をリークし続ける。オロチは黒炭家の本家だったんですが、カン十郎は黒炭家の分家なのかも。
○心がないカン十郎は死に場所を求める
ただカン十郎はオロチにすら「心がない」と言わしめるほど性格がヤバい。常に死に場所を求めるカン十郎にとって、最終的に光月おでんの処刑シーンで共に処刑されることを覚悟していたほど。おでんが最後まで頑張った結果、たまたまカン十郎は生き延びたに過ぎない。
10年以上もカン十郎の裏切り行為に何故錦えもんは気付けなかったんだとイライラしますが、それでも生まれた時から「黒炭家の汚名」を背負ったカン十郎の「深すぎる心の闇」や「黒炭家が目論む壮大な計略」は見抜けなかったということか。
カン十郎の初登場シーンで何故か「レタス」を頬張ってますが、レタスの花言葉は「冷たい人」や「冷酷」を意味する。ジャックがズニーシャ（ゾウ）にビブルカードも持たずにたどり着けたのも、カン十郎が裏で手引き（スマシを使った？）していたからだった。
だからカン十郎がスパイ or 黒炭家側だった伏線は初登場シーンから描かれていた。
カン十郎が裏切り者の伏線まとめ
そこで続いては「カン十郎の裏切り者の伏線」を考察していこうと思います。
（ONE PIECE95巻 尾田栄一郎／集英社）
まずはカン十郎が初めて光月おでんと遭遇したシーン。ここでカン十郎は変態や妖怪とおでんから表現されてるものの、注目したいのは「過去迫害を受けていた」とする描写。一方、黒炭家はオロチの祖父がクーデターを働いた罪で一族郎党まとめて迫害にあった過去がありました。
つまり、おでんが言っていたカン十郎の迫害の過去とは「黒炭家の負の歴史」を指していた。カン十郎の正体を「黒炭家の一員」と考察していた漫画サイトもありましたが、二人の出会いもおそらく必然のもの。黒炭ひぐらしなどが演出していたのか。
（ONE PIECE91巻 尾田栄一郎／集英社）
他にも錦えもんが決起を促した場面。このバックには忍者海賊ミンク侍同盟の面々がもれなく描写されてるんですが、よく確認するとここには「カン十郎の姿だけ」が描かれてない。逆に当時まだ未登場だった河松の姿が地味に確認できる。
ただコメント欄でも指摘してもらいましたが、「ん！！」の下にカン十郎の姿はチラッとは確認できます。それでもカン十郎の顔だけ見せないのは不自然。作者・尾田栄一郎が暗に「カン十郎は敵だった」と一部の分かる読者だけに伝える伏線だったと考えるのが自然か。
○何故カン十郎は仇敵の「昇り龍」を具現化したのか？
（ONE PIECE80巻 尾田栄一郎／集英社）
また前述のように、ドレスローザ編後にズニーシャに向かうシーンでカン十郎は「昇り龍」を具現化させてる。でも光月家を討ち滅ぼした張本人は龍の悪魔の実を持つカイドウ。実際、錦えもんもパンクハザード島のドラゴンに「親の仇」と憤怒してました。
もしカン十郎が錦えもんと同様に、カイドウに恨みを抱いていたとしたら「仇敵の龍」など具現化するはずがない。
（ONE PIECE80巻 尾田栄一郎／集英社）
だったら錦えもんがカン十郎に激怒しても良さそうですが、そこは「目には目を」とするカン十郎の言い訳で補っていた模様。やや無理くりさは残るものの、あくまで「カン十郎≒敵スパイ説」の伏線を優先させた結果だと思われます。
そもそもカン十郎がドレスローザに残った理由も、カイドウと繋がりが深いドフラミンゴが支配していた国だったからでしょう。まさに「カン十郎≒裏切り者スパイ」とする状況証拠と伏線だらけ。百獣海賊団のスクラッチメン・アプーも含めて、どんどんクズキャラ増えすぎぃぃぃ。
【利き手】カン十郎の「絵の下手さ」も伏線だった
そして、最大級の伏線が「カン十郎の悪魔の実」。
（ONE PIECE76巻 尾田栄一郎／集英社）
当初カン十郎は「左手」で筆を持ってることが確認できます。じゃあ、カン十郎の利き手は左手なのか？
（ONE PIECE92巻 尾田栄一郎／集英社）
ただカン十郎は「右手（右肩）」で何かを担いでるシーンなどが確認できます。ワノ国過去編でおでんに最初に遭遇した場面でも、若かりし頃のカン十郎は右手に刀を持っていた。重い荷物を持つ場合は利き腕になるはずですから、カン十郎の「利き手が右手」だった。
でも何故カン十郎は絵を書くときだけは左手で筆を持っていたのか？
○カン十郎は「右手」で絵を書くとめっちゃ上手い
結論から書くと、カン十郎の「絵が下手だった理由」は意図的に不慣れな左手で書いていたから。何故、同じ仲間の赤鞘九人男たちに絵が上手いことを隠す必要があったのか？まさにカン十郎が「裏切り者のスパイ」と悟られたくなかったからだった。
カン十郎の「絵が下手」な設定は当初から描写されていたことから、おだっち恐るべしやでぇ。またオロチが能力を得た経緯と同じように、カン十郎もマネマネの実の黒炭ひぐらしやバリバリの実の黒炭せみ丸から悪魔の実を調達していた模様。
（ONE PIECE974話 尾田栄一郎／集英社）
だから、実はカン十郎の「右手の画力」は天下一品の腕を持つ。例えば、「自らの分身」を作ることも可能。錦えもんですら見抜けなかったほど精細。表情、声、見た目がまるで人間そのもの。カン十郎の能力は「大量の兵士」を量産することも可能。
マネマネの実や黒ひげ海賊団のカタリーナ・デボンの能力は実在する人物にしか真似できないものの、カン十郎の能力は「0から1の物体を生み出せる」ことが強み。スパイ活動にも長けるため、カン十郎の悪魔の実はそれらの完全なる上位互換。
（ONE PIECE91巻 尾田栄一郎／集英社）
事実、カン十郎が20年後のワノ国にタイムスリップした直後、即座にスズメを具現化してオロチに情報を流してたことが判明してます。
○異名の「夕立ち」が裏切り者の伏線？
またカン十郎の「異名」も伏線だった可能性が高そう。
カン十郎の異名は「夕立ち カン十郎」。
夕立ちとは「午後から夕方にかけて見られる激しいにわか雨」のこと。一方、光月家はDの一族との関連性が深い一族でした。Dの意味は「夜明け（Dawn）」を意味してる可能性が高い。夜明けとは「夜中から朝にかけての時間帯」のこと。
「朝→味方」「夜→敵」と仮定すると、夕方は「味方と敵の中間」という位置付けになる。また夜が明けると太陽がさんさんと輝いてますが、雨はその状態とは真逆。それぞれの時間帯と天候を比較すると、カン十郎の異名も「裏切り者のスパイ」を意味した伏線だった。
初期設定の「濡れガラス」も伏線？
そして、カン十郎の初期キャラ設定では「濡烏（ぬれがらす）」という異名でした。詳細はカン十郎のビブルカードを参照してもらうとして、濡烏とは「女性の髪色」を形容する言葉の一つだそう。一方、カン十郎がいたのは赤鞘九人男でした。
つまり、男しかいないメンバーの中で女性を形容する言葉を用いることで、カン十郎の存在だけが「仲間ハズレ（敵）」ということを表してた可能性が高い。お菊も結果的に性別は男でしたが、おそらく裏切り者を疑わせるミスリードだったのでしょう。
当初のカン十郎は見た目もイケメンの浪人風だったんですが、最終的には「おとぼけギャグ風の見た目」に変わってる。これもカン十郎が裏切り者と発覚した際に、読者に与えるギャップ感と驚きを意識した上でのキャラ変更だったに違いない。
カン十郎は結局死亡？生存していた？
続いては「黒炭カン十郎の現在」を考察します。
（ONE PIECE98巻 尾田栄一郎／集英社）
黒炭カン十郎は鬼ヶ島での戦いで元仲間だったお菊（菊之丞）によって倒されます。バトル描写が省略されてたのでお菊がどれだけ強いか判然としませんが、カン十郎は単純に力負けした模様。誰視点か不明ですが、走馬灯のようにカン十郎と楽しく暮した日々が蘇る。
シャーロット・カタクリの例はありますが、普通は顔に帽子を被せるときは死亡した時だけ。
（ONE PIECE1008話 尾田栄一郎／集英社）
ただ黒炭カン十郎は結局生存していたことが判明します。
（ONE PIECE1008話 尾田栄一郎／集英社）
カン十郎は自身の悪魔の実の能力で光月おでんになりすまして、アシュラ童子などを攻撃。「光月になりすまして光月を滅ぼす！おれの人生は美しい舞台」と語るなど、カン十郎はしぶとく光月への復讐を誓う。お菊とのダメージも残るため瀕死の状態ではある？
ただ錦えもんを筆頭に、何故赤鞘九人男はカン十郎が死亡してるかどうか誰も確認してなかったのか？お菊はお面からあふれるほど涙を流し、雷ぞうも同調して号泣してた。でもカン十郎が死亡していないのであれば、あの涙は何だったのか？
コメント
ワンピース伏線について聞きたいです。
トキが死んだらトキトキの実の能力は消えますかね？飛んだままということは光月トキは生きてますかね？
細かいですが、錦えもんが決起を促した場面の「べべん！！」の「ん！！」に隠れているのは、着物の柄からしてカン十郎だと思います。あえて顔を隠したのは伏線だと思いますが。また最新話にはカン十郎が悪魔の実をオロチから受け取る描写がありますね。
右腰に筆をさしているなら左利きではないですか？
コメントありがとうございます。
「変化の状態が続く」ようなホビホビの実やアトアトの実とは違って、
トキトキの実は「移動する能力」と考えると分かりやすいかも。
だから、能力者が死亡しても過去に戻るようなことはなく、
光月トキは素直に死んだと考えて良さそうです。
またトキトキの実に限らずですが、
悪魔の実は所有者が死亡した場合、
近くの果物に悪魔の魂がひょういすると言われてます。
【ワンピース考察】悪魔の実の正体まとめも参考にしてください。
光月トキは博羅町で死んでるためその周辺のどこかに、
新たなトキトキの実が生まれてる可能性が高そう。
一方、オロチはトキトキの実を入手してないことは
カン十郎の正体が発覚した回などで確定してるため、
傳ジローや日和あたりが実は入手してる可能性もありそう。
https://d-manga.net/onepiece-Tokitoki
また再登場するかは分かりませんが新たな事実が判明すれば、
トキトキの実の記事を再考察したいと思います。
確かにカン十郎そのものはチラッと確認できますね。さすがです。
>最新話にはカン十郎が悪魔の実をオロチから受け取る描写がありますね。
なんJでチラッと早バレ画像を見ただけだったので予想の範疇に留まりました。
修正しときました。
修正しときました^^;
でもズニーシャでは「右肩に筆を背負ってるカン十郎」が確認できるため、
割と当初から「利き腕の伏線」は描かれていた模様です。
錦えもんが決起を促した場面、モモの助の右隣がカン十郎では？
ありがとうございます。修正しときました。
夜を敵とするならネコマムシが敵側になっちゃう気がします、、