【ワンピース考察】五老星まとめ！本名は？悪魔の実は？元ネタは？【ジェイガルシア・サターン,マーカス・マーズ,トップマン・ウォーキュリー,シェパード・十・ピーター,イーザンバロン・V・ナス寿郎】【五芒星・太陽系・七曜】

ワノ国編が完結して、いよいよ『ONE PIECE（以下ワンピース）』の最終回もいよいよ迫っています。まさにストーリー終盤に突入しているわけですが、正体が不明なキャラクターも依然として多いです。

その中でも代表的な敵キャラクターが【五老星】と呼ばれるお歴々。世界のすべてを牛耳ってるとされる謎の5名の老人。ワンピース序盤から登場していたものの、五老星の正体については終盤までほとんど解明されることはありませんでした。

そこで今回ドル漫では「五老星」のヤバい正体とメンバー一覧について画像付きで考察します。本名は？悪魔の実は？

五老星とは5名の最高権力者

まず「五老星」の正体について解説しようと思います。

五老星とは世界政府の頂点に君臨する5人の「最高権力者」のこと。作中では五老星とは「天竜人の最高位」と表現されています。名前の読み方は「ごろうせい」。

五老星も「天竜人」の一員。基本的に聖地マリージョアのパンゲア城内に滞在。天竜人はアホっぽい見た目と言動からお飾り権力者と思われがちですが、五老星という天竜人はしっかり頭が切れる為政者。その上、戦闘力が高い悪魔の実の能力者でもあります。

そのため五老星は下界に降りて戦うこともあります。「世界の均衡など永遠には保てぬのだ。ここらで一度大きく掃除する必要がある」と物騒なことも語っていますが、これは自身の戦闘力の高さに裏打ちされた発言でもあります。

○五老星はどうやって選ばれる？

ただし、五老星がどう選ばれているかは不明です。

天竜人は空白の100年で巨大な王国（Dの一族側）に勝利した20の王家の末裔ですが、この中でも別格扱いされる5つの王家があって、そこから800年以上に渡って五老星が選ばれているのか？はたまた19の王家から有能な天竜人が定期的に選出されているのか？

その詳細は不明。

ちなみに、五老星の英語表記は【Five Elders】。Five Starsなどではありません。Elderは一般的に英語でお年寄りを指しますが、「長老」という意味でもしばしば使われます。つまり、Five Eldersとは直訳すると「5人の長老たち」と解釈できます。

そう考えると、五老星はある程度年を取ってから選ばれる感じか。

五老星はイム様の部下

しかし、五老星は世界政府の頂点ではありません。

この五老星を支配下に置く存在が「イム様」になります。いわばワンピースのラスボスとも言えますが、イム様は五老星の上司にあたる存在。世界の誰もがひざまずく天竜人の頂点である五老星ですら、イム様の前では頭を深く垂れざるを得ない。

五老星がいつも滞在するパンゲア城内には虚の玉座がありました。「どの世界貴族も平等の地位にあり、世界に王という王はいない」という建前の元、五老星ですら座ることは許されなかった。この理由はまさに世界の王であるイム様が座るから。

ただイム様も20の王家の一つでしかありません。そのため五老星含めて、王家同士でも階級めいた格差があるのかどうかは不明。イム様の不老不死がほぼ確定しているため、五老星もまた800年前から同じメンバーが権力を保持し続けているのか。

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【武神】五老星の役割は？

続いて五老星の役割を考察します。

五老星には「武神」という称号が各々に与えられています。武神とは何とも勇ましいですが、イム様のボディーガード的な役割を担っているのでしょう。また世界の王であり、神でもあるイム様直々の勅命で動くから神と名付けられているか。

各々の具体的な役割は不明ですが、農務武神や法務武神、財務武神、科学防衛武神といった具合に、どこか官僚的なお堅いニュアンスを感じさせます。だから武神≒大臣に置き換えると分かりやすいか。そう考えると、イム様はさしずめ総理大臣や大統領といった立ち位置。

だから天竜人の上層部に限れば、かなり統制・統率された組織であることが読み取れます。五老星という肩書はあくまで職業や立場の一つと考えると、海軍大将やCP0のようにメンバーは定期的に入れ替わっているのかも知れない。

だから五老星と言っても、所詮は神の騎士団と組織の扱い的には変わらないか。少なくとも武神という物騒な表現を聞く限り、五老星はかなり武闘派メンバーが揃っていることが伝わります。

マーカス・マーズ聖…五老星（環境武神）

ここからは五老星の各々のメンバーを紹介します。

まず最初の五老星は「マーカス・マーズ聖」。声優CVは増谷康紀。出身地は聖地マリージョア。年齢などは不明ですが、身長は五老星の中で最も高そう。

マーズ聖は「環境武神」の称号が与えられている五老星。改めて後述しますが、五老星の名前には「太陽系の天体」が必ず入っています。マーズ聖の場合、そのまま火星（Mars）に該当しています。

マーズ聖の身体的特徴は、長い白髪と白髭、死んだような目。何故か椅子に座らずに、常に立っているイメージしかありません。マーキュリーの見た目のモデルは自由公民権運動を主導した板垣退助と言われます。

○悪魔の実は「以津真天（いつまで）」

マーズ聖の悪魔の実は「以津真天（いつまで）」と呼ばれる動物ゾオン系の幻獣種。いわゆる鳥の能力者。

以津真天は「日本の妖怪」の一種。元々は13世紀の南北朝時代に語り継がれていた逸話を、江戸時代になって作者・鳥山石燕（とりやませきえん）がキャラ化。以津真天は死体に群がる習性があり、鳴き声が「いつまでも（ほったらかしにするのか）」だったことが由来だそう。

以津真天の見た目は、巨大なくちばしにノコギリのようなギザ歯が並び、下半身はヘビのような爬虫類を模し、ロック鳥やグリフィンのように巨大な翼と鋭いカギ爪を持つんだそう。ワンピースで登場した能力やキャラでいうと、鵺やハルピュイアに近い妖怪か。

トリトリの実は世界で5種しかないと言われていましたが、ここらへんの話はもうなかったことになっているのでしょう。

トップマン・ウォーキュリー聖…五老星（法務武神）

続いての五老星は「トップマン・ウォーキュリー聖」。声優CVは野田圭一。出身地は聖地マリージョア。身長や年齢などは不明ですが、五老星の中ではやや小さめですが、体型は『名探偵コナン』の目暮警部風。

ウォーキュリー聖は「法務武神」の称号が与えられている五老星。惑星では水星（Mercury）に該当します。少し分かりづらいですが、マン＋（ウォー）キュリーでマーキュリー。Warは日本語で戦争を意味するため、五老星でもしっかり強いに違いない。

ウォーキュリー聖の身体的特徴は、スキンヘッドと巨大な口ひげ。白ひげ（エドワード・ニューゲート）にも負けず劣らず立派。そして、おでこには特徴的なアザがあります。そのため見た目のモデルはソビエト連邦の書記長だったミハイル・ゴルバチョフと推察できます。

○悪魔の実は「封豨（ほうき）」

ウォーキュリー聖の悪魔の実は「封豨（ほうき）」の動物ゾオン系幻獣種。いわゆる猪の能力者。

封豨とは「中国の妖怪」の一種。豨という漢字はイノシシ（大きな豚）を表現するだけあって、文字通りの猪のバケモノ。封豨はとにかく強くて粗暴。特に鎧のように硬い皮膚や毛皮をまとっていることもあって、圧倒的な防御力を誇るそう。

ウォーキュリー聖の立派な口ひげは、さながら封豨の巨大な牙を模していた模様。

ルフィの悪魔の実（ヒトヒトの実モデル・ニカ）も幻獣種であったことから、ワンピース終盤以降は動物ゾオン系の悪魔の実が最強種という位置付けになっています。

シェパード・十・ピーター聖…五老星（農務武神）

続いての五老星は「シェパード・十・ピーター聖」。十は漢字の「じゅう」。声優CVは平野正人。出身地は聖地マリージョア。年齢は不明ですが、身長は五老星でもマーキュリーに次いで高いはずです。

ピーター聖は「農務武神」の称号が与えられる五老星。惑星では木星（Jupiter）に該当します。これも読み方は分かりづらいですが、じゅう＋ピーターでジュピター。露骨に分かりやすい惑星名はかなり複雑に分解している様子。それにしてもミドルネームの十ってどゆ意味？

ピーター聖の身体的特徴は、金髪ヘアーと金髪の口ひげ。こう見ていくと五老星の口ひげ率が半端ないですが、ピーター聖の胸元にはキズが見え隠れするなど歴戦の戦いっぷりが読み取れます。五老星の中ではダンディズムを匂わすキャラクター。

ピーター聖の見た目のモデルは奴隷解放宣言をしたアメリカの元大統領エイブラハム・リンカーンと言われます。

○悪魔の実は「サンドワーム」

ピーター聖の悪魔の実は「サンドワーム」の動物ゾオン系幻獣種。いわゆるイモムシの能力者。

サンドワーム（サンドウォーム）はファイナルファンタジーといったゲームなどに登場する架空のモンスター。とりわけ砂漠に潜って身を隠すなど、巨大な図体に反して姑息な攻撃手段を持つ。巨大な体を活かして、敵を飲み込むなど攻撃手段は多彩。

ピーター聖も同様にルフィを飲み込むなど、元ネタはやはりゲームか。動物ゾオン系幻獣種は超人パラミシア系のような付加能力を併せ持つのが魅力と言えそう。ゲームが元ネタであれば、ピーター聖は竜巻を起こすこともできるか。

他にも地中に自由自在に潜り込むなど、ピーター聖の農務武臣という役職も能力から来ている部分もあるか。

イーザンバロン・V・ナス寿郎聖…五老星（財務武神）

続いての五老星は「イーザンバロン・V・ナス寿郎聖」。Vはアルファベットの「ヴィー」。声優CVは緒方賢一。出身地はおそらく聖地マリージョア。年齢などは不明ですが、肌のシワシワっぷりから五老星では最長老なのかも知れない。

ナス寿郎聖は「財務武神」の称号が与えられている五老星。惑星では金星（Venus）に該当します。やはり名前の読ませ方が特徴的ですが、V+ナスでヴィーナス。

金星は英語だと女性的に聞こえるためどう対応してくるか気になってましたが、かなり無理やり感あるキャラ名に仕上がっています。

○まさかのワノ国出身？

寿郎（じゅろう）というワンピースでも珍しい和名キャラですが、ナス寿郎の出自は不明。20の王家の中にワノ国が入っているとは考えにくいため、ワノ国出身者とのハーフなのか。ここらへんは光月日和が800年前から逃亡してきた理由とも関係か。

ナス寿郎聖の身体的特徴は、スキンヘッドと丸メガネ。そして、五老星では唯一の白装束を羽織っているのが特徴。身長は平均的ですが、常に名刀と思しき武器を帯刀する。やはりワノ国出身者の雰囲気を漂わせるなど、五老星でもなかなか異質なキャラクターと言えそう。

ナス寿郎聖の見た目のモデルはインド独立の父であるマハトマ・ガンジー。

○悪魔の実は「馬骨（ばこつ）」

ナス寿郎聖の悪魔の実は「馬骨（ばこつ）」の動物ゾオン系幻獣種。いわゆる馬の能力者になります。

馬骨とは日本の妖怪の一種。江戸時代の『土佐お化け草紙』に掲載されている馬の妖怪。火事で焼け死んだ馬がバケモノ化したと言われています。それ故に馬の骨ということ。「どこの馬の骨とも知らない」という慣用句も、この馬骨が由来なんだそう。

ただ火から生まれたとも言える妖怪ですが、ナス寿郎聖の攻撃はヨミヨミの実やヒエヒエの実のように「相手を凍らせる能力」も併せ持ちます。だから他の五老星も同様に幻獣種だけあって、やはり色んな付加能力を持っているのかも知れない。

またピーター聖は人獣型だとケルベロスのような風体になっています。

ジェイガルシア・サターン…五老星（科学防衛武神）

五老星は「ジェイガルシア・サターン聖」。声優CVは園部啓一。出身地は聖地マリージョア。五老星で初めて名前が判明したキャラクターですが、年齢や身長などの詳細は不明。

サターン聖は「科学防衛武神」の称号が与えられる五老星。惑星の中では土星（Saturn）に該当します。五老星のキャラクター名に何故、太陽系の惑星が入っているのかという理由は後述します。

サターン聖は海軍大将の黄猿ボルサリーノと共にDr.ベガパンクの捕縛に動くなど、五老星であってもグイグイと前線に出てきます。科学防衛武神という称号通り、五老星の中でも戦闘力の高さが伺えます。

実際、サターン聖は顔の左半分に大きな傷を負っているなど、五老星でも激しい戦闘を繰り広げてきた痕跡が見とれます。杖を常に付いて移動しているものの、サターン聖はなかなかの武闘派と予想できそう。当然にして覇王色の覇気も使えるに違いない。

サターンの見た目のモデルは共産主義者のカール・マルクスと言われます。

○悪魔の実は「牛鬼（ぎゅうき）」

サターン聖の悪魔の実は「牛鬼（ぎゅうき）」の動物ゾオン系幻獣種。いわゆる蜘蛛の能力者。

牛鬼は日本の妖怪の一種になります。主に西日本で語り継がれる大蜘蛛のバケモノ。見た目は名前通り、頭が牛、胴体が鬼が特徴。鋭い巨大な角と爪を持つなど、性格はやはり獰猛そのもの。毒を吐くなど伝承通り、サターン聖も毒攻撃が得意でした。

サターン聖のガンギマリっぷりも、まさに牛鬼のそれ。

だから大方の予想通り、五老星の能力の大半は「妖怪」が元ネタでした。とりわけ鳥山石燕が作った作品を参考にしているっぽい印象。「まさか世界のてっぺんに地獄があるとは」というサボの言葉も納得の異形っぷり。

五老星の名前に「太陽系の天体」が入っている理由

続いては五老星のキャラクター名の謎を考察します。

大方の予想通り、五老星の名前に「太陽系の主な天体」が入っていました。具体的には火星（マーズ）・水星（マーキュリー）・木星（ジュピター）・金星（ビーナス）・土星（サターン）の5つの天体。先程のキャラの並び順も天体順に紹介しました。

また現実世界では「一週間の曜日」に太陽系の天体が使われています。これらの太陽系の天体と中国の五行という概念を組み合わせた概念を七曜と呼びます。火星・水星・木星・金星・木星・太陽（日）・太陰（月）の7種類の天体は現実世界とも親しみ深い概念。

ただ7種類の天体から五老星の分を除くと、「日」と「月」が残ります。

例えば、「太陽の神・ニカ」を指していると考えられそう。ニカはルフィやジョイボーイを指すことから、消去法的に月はイム様を指していると考えたほうが自然でしょう。

そのことからイム様の種族がミンク族説を提唱する人もいます。月（ルナ）をモチーフにしたルナーリア族も候補として挙げられますが、それ故にイム様は月の出身という可能性も考えられます。

イム様に近い五老星や神の騎士団ほど、宇宙に関する設定が多く盛り込まれているのがその特徴でしょう。

○尾田さんの旧ペンネーム「月火水木金土」に【日】だけない理由

一方、尾田さんは高校生時代に『月火水木金土（つきひみずきこんどう）』というペンネームで手塚賞で準入選しています。『ワンピース』という作品の着想は中学生時代にあったとされるため、まさか素人時代のペンネームすらも伏線に生かしてくるという尾田っちマジック。

しかも、ここには何故か太陽を意味する「日」だけが含まれていないのも意味深です。

そこで鍵を握るのが『月火水木金土』という旧ペンネームで受賞した作品。尾田さんが高校時代に同ペンネームで手塚賞を受賞した作品は『WANTED！』でした。このWANTEDは日本語で「指名手配」「指名手配中」などを意味します。

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つまり、尾田さんの旧ペンネームは「イム様+五老星≒敵」ということを暗に仄めかしていた。

だからこそ、太陽を象徴するルフィの日曜が含まれていない。その後、尾田さんは『ワンピース』の前身となる海賊漫画「ROMANCE DAWN」を描いているため、まさに最初からワンピースのラスボスの正体が仕組まれていたカタチ。

五老星のモデルは「自由」を求めた政治家？

続いては五老星のモデルを考察します。

拾い画像になりますが、前述のように五老星のモデルは「世界中の偉人」が多いです。

右から明治時代の政治家「板垣退助」、インドの政治指導者「マハトマ・ガンジー」、旧ソ連の国家元首「ミハイル・ゴルバチョフ」、ドイツの思想家「カール・マルクス」、アメリカの元大統領「エイブラハム・リンカーン」と身体的特徴がほぼ一致しています。

○民衆を抑圧する五老星のモデルがなぜ？

一方、五老星のモデルとなった偉人には「共通点」が存在します。それがみな「自由」を追い求めた政治家ということ。

板垣退助は自由民権運動を主導したリーダー。ガンジーはインド独立の父と呼ばれるなど、カースト制度の撤廃に動いた男でした。ゴルバチョフはソビエト連邦を解体し、民主主義のロシアを建国。リンカーンも奴隷解放宣言を打ち立てた最初のアメリカ大統領でした。

共産主義者のカール・マルクスだけは若干例外になるものの、世界を抑圧する五老星のモデルが「自由を愛した政治家ばかり」というのは実に意味深です。ワンピースで最も自由を愛する存在が主人公のモンキー・D・ルフィですから何か大きな意味がありそう。

五老星のモデルは五芒星

最後は「五老星という名前そのもの」のモデルを考察します。

五老星という名前のモデルは「五芒星（ごぼうせい）」になります。

五芒星とはいわゆる「星マーク」のこと。5つの角を結んでできあがる幾何学模様なんですが、これは黄金比で構成される美しいマークの一つとしても知られます。五光星や五稜星とも呼ばれますが、それゆえに昔からは魔術や悪魔崇拝に用いられてきた過去もあります。

例えば、フリーメイソンのエンブレムも「五芒星」をベースにしたデザインでした。

実際、フリーメイソンのロッジや施設には五芒星が刻印されています。『ワンピース』でも石工職人の光月家が登場したあたりからフリーメイソンとの関連を伺う考察が増えましたが、五老星が登場した時点でフリーメイソンと繋がりがあったことになります。

五芒星は英語で「five-pointed star」と呼びます。他にもpentagram（ペンタグラム）と呼ばれるんですが、五老星は英語で「five elders」という名称が使われているそう。何故、five starsではなかったのかというと、五芒星のイメージを読者に簡単に想起させることを防ぐためか。

○星は「夜を象徴する敵」の証拠だった？

冷静に考えてみると、何故「星」という文字が名前に付いていたのか？五老星は登場機会こそ少ないですが、キャラデザなどを見ても「星」を伺わせる要素は少ないように思えます。例えば、「五老聖」や「五天王」という名前でも良かったはず。

でも「五芒星」がモデルだったからこそ、五老星は「五老星」という名前でなくてはいけなかった。「ごぼうせい」と「ごろうせい」で呼び方もほぼ同じ。両者の文字面を並べても分かるように、いかに似通った言葉であるかが分かるはず。

五芒星は「五光星」「五稜星」と別名で呼ばれることもあるんですが、やはりどれも名前に「星」という文字が入っています。そのことからも尾田さんが五老星の名前はあくまで「星」と強調づけたい意図があることが分かります。

考えてみると、星はいつのタイミングで確認できるかというと「夜」。まさに夜空に輝くからこそ星。日中にはほとんど確認できない。つまり夜明けを目指すDの一族にとって、五老星という名前は「敵を強く暗示している名前」だったということ。

五芒星はサタニズムの象徴

一方、五芒星は「魔除けの呪符」として使用されてきた過去があります。

例えば、安倍晴明に代表されるように「陰陽道」では五芒星の紋が頻繁に使われていました。そのため陰陽師を扱った映画や漫画などで、五芒星のマークを見る機会は多いはずです。

そのため旧日本軍の陸軍の正帽には「弾除け」の願掛けとして五芒星が刺繍されていたこともありました。

ただ五芒星を逆さに反転させると、サタニズム（悪魔崇拝）の象徴としても使用されていることも多いです。昔からは魔術や悪魔崇拝に用いられてきたと先程も言いましたが、五芒星に良いイメージを持たない理由はこういった背景があります。

悪魔崇拝の象徴として用いられる際には、五芒星は「デビルスター」と呼ばれるんだそう。そして、『ワンピース』で悪魔と言えば悪魔の実。そのため五老星は「とんでもない悪魔の実の能力者集団」という可能性も十分考えられそうです。

またサタンは男女の両方の特性を持つことから、イム様の性別は女性説を裏付けるのかも知れない。

五老星は合体する？5人で一つ？

前述のように、五老星の名前のモデルは五芒星でした。

それを証明してくれるように、五老星は自らの肉体を五芒星の模様から神出鬼没に移動させることが可能。

どうやら全員が同様の五芒星模様を使った瞬間移動ができるっぽい。でも五老星ひとりひとりの能力は、各々が個性的な幻獣種でした。仮に誰かの幻獣種が瞬間移動できる付加能力を備えていたとしても、五老星全員が使用できるというのは不自然な話。

○三位一体ならぬ五位一体

だから五老星の正体は「人間ではない」という説も有力。例えばイム様が生み出したバケモノとも言われますが、全員が同じ神出鬼没な瞬間移動能力が使えたとしても不自然ではありません。実際、幻獣種を発動した際の五老星全員は「共通した似たような目」をしています。

そう考えると、五老星が最終的に一体に合体するなんてことも？三位一体ならぬ五位一体。もしくはイム様の肉体に戻るなんてパターンも考えられるか。

サタンは五老星？神はDの一族？

一方、『ワンピース』の世界では五老星といった天竜人は「神」と位置づけられています。しかしながら、前述のように五老星はサタニズムや悪魔崇拝を象徴する「五芒星」がモデルである可能性が高そうです。だから天竜人が神と仮定すると、五老星という名前は不自然極まりない。

ただサタンとは「神の敵対者」とされますが、実はキリスト教の世界だとサタンはもともと神に仕える御使いだったとされます。いわば神の右腕（片腕）的な存在だったんですが、その後、堕天使と成り下がって最後は地獄の悪魔と化す。

だから天竜人はかつて「神と敵対した裏切り者」だったとしたら、五老星も「もともとDの一族の仲間」だったのではないかなどと考察できます。後の天竜人を名乗る20の貴族たちは900年前にDを裏切って大戦が勃発し、そこから空白の100年の歴史が始まったのではないか。

つまり天竜人をサタンと位置づけると、Dの一族こそが元々は神だった。もし五芒星をモデルに命名したとしたら、五老星という名前は最初から「Dの一族と天竜人の関係性」をネタバレしていたことになるのかも知れません。

また『ヨハネ黙示録』12章か13章に赤い竜が登場します。これはエデンの園の蛇の化身にして、大魔王サタンの化身とされる邪竜。サタンを五老星と仮定すると、赤い竜はさしずめ赤髪のシャンクスと位置付けられる。何故、シャンクスは五老星に内通していたのか？

まさに「一心同体の敵」だったから。ヨハネ黙示録の赤い竜という視点で考えると、赤髪のシャンクスと黒ひげが仲間になる説なんかも読み解けたりします。