『ワンピース』もいよいよ最終回が近付いていますが、当然そこで問題になってくるのが最後の「ラスボス」になります。
中盤までは黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)や赤犬サカズキなどがラスボス最右翼と見られていましたが、世界会議(レヴェリー)編で突如として登場したのが「イム様」。五老星ですらひざまずく最強の権力者。
黒ひげの命も狙うなど、イム様が目下のラスボス最有力候補と言えます。ただワンピース考察界隈でずっと話題になっていたのが「ラスボスは1話目や1巻目から登場していたんじゃないのか?」という説。例えばヒグマや赤髪のシャンクスなども候補として上がります。
もちろんイム様がラスボスとなれば、この1話目に最初から登場してた説は破綻しています。
そこで今回ドル漫では「ワンピースのラスボスが1話目・1巻目から登場してた説」を徹底的に考察してみようと思います。『進撃の巨人』のように主人公が闇落ちしてラスボス化した例はあるものの、これまで1話や1巻に明らかに敵対するラスボスが登場していた漫画は存在しない。
タイトルの「I」はイム様?
まず結論から言うと、ワンピースの1話目の「内容そのもの」はほとんど関係ないと思います。さすがに登場人物も限られる上、現在はストーリーも100巻以上と長大になっている中、ラスボスが物語1巻の時点で登場してた可能性は低いと考えるのが自然か。
ただし、『ONE PIECE』というタイトルにラスボスが登場していた可能性はありそう。例えば、ルフィがギア5に覚醒する際、「ドンドットット♪」という心臓の鼓動音が流れるんですが、これはアニメ版ワンピースで最初から流れていた効果音・BGMの一つでした。
だから「ストーリーや物語以外の部分でラスボスを匂わせる何か」があったとしてもおかしくはない。
実際、『ONE PIECE BLUE DEEP』というファンブックで、タイトルの「ONE PIECEの文字には伏線や秘密が隠されている」と尾田さんが述べていたそう。もし漫画タイトルにラスボスが描かれていたとしたら、最初の1話目・1巻目に…という条件は満たすはず。
○イムと麦わら帽子
じゃあタイトルロゴのどこにラスボスが隠れているのかというと、麦わら帽子を被った【Iという文字】に隠されています。イムを英語にするとIMになる。IMは「I am」の略。つまり、Iはイム様そのものを意味しているのではないかということ。
もちろんイム様は麦わら帽子を被っているようには見えないんですが、何故か聖地マリージョアの地下に氷漬けされた麦わら帽子を守り続けていました。イム様と麦わら帽子を関連付けて考えることは可能。ちなみに、凍結された麦わら帽子は悪魔の実の能力者だと個人的には考えてます。
タイトルロゴに麦わら帽子が2個の謎
そもそも冷静に考えてみると、ワンピースのタイトルロゴに「麦わら帽子を被ったキャラクターが2名いる」のは不自然な話。麦わら帽子はルフィを象徴するアイテムですから、これだとルフィを2人分わざわざ描いたことになる。
例えば、『ドラゴンボール』のタイトルに神龍を2匹描くようなもの。だから、本来はワンピースのタイトルロゴに描くのは【麦わら帽子を被ったキャラクターは一人だけ】でいいはず。
事実、Netflix版のタイトルロゴを見ると麦わら帽子を被っているのは「Oの骸骨」だけでした。漫画版のタイトルロゴの「I」の部分は普通の文字になっています。ドクロは海賊の象徴。Oの麦わら帽子がルフィだとしたら、消去法的に「影のシルエット」のIはイム様になるのではないか。
Iの麦わら帽子はルフィではないとしたら、漫画版ワンピースのタイトルロゴの【Iはイム様だった】可能性が逆説的に考えられるということ。これこそが1話目からラスボス登場してた説を補完する考察になります。
またイム様は蝶を愛でる姿はどこか「女性」を匂わせていました。麦わら帽子は「男性用」と「女性用」の二種類が存在するのではないか。まさにジョイボーイと人魚姫のそれ。イム様は空白の100年の時代に人魚姫用の巨大麦わら帽子を奪った結果、ジョイボーイは敗北した?
旧約聖書でイム様は唯一の神を意味する?
仮にイムの意味が「英語のアイム(I’m)」と仮定したら、日本語に直訳すると「私は…」という意味になります。だから直訳した場合は歯切れが悪い印象も否めないんですが、実はキリスト教といった宗教と関係してくるワードだったりします。
例えば、モーセの十戒に書かれている冒頭の言葉に「I am the Lord thy God」というフレーズがあります。これを日本語に訳すと「主が唯一の神」といった意味になります。ちなみに、十戒とはモーセが神から与えられたとされる10の戒律。
他にも旧約聖書の出エジプト記に書かれた「I am that I am」なども、唯一神を象徴する言葉として有名です。聖書には「I am」という言葉が頻繁に使われるなど、主とは神を意味する。一度は「主は…」というフレーズを耳にしたことがあるはず。
だから、現実世界の宗教上において【Iとは神そのもの】を意味します。「主(神様)→創造主→I」といった具合。これを『ワンピース』の世界に置き換えると「天竜人(世界貴族)→創造主→イム様」といった関係性で言い表すことができる。
OP曲「ウィーアー(We are)」はイム(I am)との対比?
【I】とはまさに唯一神を意味する。
また「I」という単語が小説などで使われる際には、【語り手】という意味で使われることも多いんだそう。いわば第三者のナレーター的な感じで使われている。そう考えると、この「I」は果たして主人公のルフィに該当すると考えていいものか?
一方、「I am」と対比する言葉がワンピース初期から他にも隠されていました。
それがアニメ版ワンピースで一番最初に起用された主題歌の『ウィーアー!』。アニソン歌手・きただにひろしのデビュー作でもありますが、ウィーアーを英語に置き換えると【We are】になります。日本語に直訳すると「私達は」という意味になる。
つまり、イム様を表す【I am】と麦わらの一味を表す【We are】は真逆の関係性が成立している。唯我独尊のイム様は「個人の力」で戦い、麦わらの一味は「仲間の力」を結束させて戦う。それぞれのキャラの立ち位置を考えても説得力があるのではないか。
前述のように、アニメ版ワンピースでは初期から「解放のドラム(ドンドットット)」が効果音として使われていたことからも、アニメの主題歌の曲名にも重大な伏線が隠されていた可能性は充分考えられる。それこそがラスボス1話目に登場してた説の伏線だった?
ラスボスのイム様を倒して「MASTER-PIECE」になる
また【主】は英訳するとLordやGodになります。Lordを日本語訳すると「主君」などとも訳されますが、主君はMasterという英語に置き換えられる。
ワンピースのOneはイム様を匂わす唯一神を表してるとしたら、OneとMasterはある意味同じ言葉と言える。そこで両者を置き換えると、「マスターピース(Master Piece)」という言葉に変わります。これは日本語に訳すと「名作」「傑作」という意味になる。
つまり最後にラスボスのイムさまを倒すことで、ワンピースは【名作漫画】に昇華されるというオチになるのかも知れない。
新しい四皇を匂わせていた伏線として有名ですが、コミックス25巻の表紙に「謎の親方」が登場していることが謎めいている。この親方を英語に置き換えると、まさに「Master」になる。親方の位置関係を考えると、シャンクスとイム様が仲間であることを告げていたりもするのか?
ただし、太陽の神ニカの存在が明らかになった現在、タイトルロゴの「I」はニカを象徴する言葉だった可能性がおそらく高い気がします。ルフィの姿と重ね合わせられることも多く、太陽があるからこそ影が生まれる。
だから、【ルフィの中に潜んでいた太陽の神ニカを表現していた伏線】だったと考えるのが自然かも。それでも1話目にラスボスが登場してた説が事実であれば、少なくともタイトルロゴにイム様が描かれていた可能性しか考えられないのは確かかなと思います。
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