コミックス累計発行部数が5億部を超える人気漫画が『ワンピース』。1997年から連載が始まった長編漫画だけあって、伏線なども非常多く張られています。それ故に、ここまで「考察」という分野が成立する漫画も存在しません。
そこで今回ドル漫では「ロッキーポート事件」について徹底的に考察していこうと思います。新世界編以降で薄っすら匂わせ描写はあったんですが、ようやくロッキーポート事件の大枠が見えてきた模様。自らの予想も込めつつ解説します。
ロッキーポート事件とはローが首謀者の事件?
まずはロッキーポート事件で確定している情報をおさらいします。
ロッキーポート事件とは最悪の世代であり、またDの一族でもある【トラファルガー・D・ロー】が首謀した事件のこと。首謀とは「悪事を中心となって企むこと」を意味しているため、最近懸賞金30億ベリーに達したローが中心人物として何か仕出かした事件っぽい。
詳細な時期は不明ですが、ロッキーポート事件は「マリンフォード頂上戦争後から麦わらの一味が2年後に再びシャボンディ諸島に再集結する」までの、いわゆる【新世界編】が始まる前の空白の2年間のタイミングで起きたとされます。
じゃあ、ローが一体どんな事件をいつ起こしたのかというと、その詳細は不明なまま。それでもローで思い出される情報がありました。
それがパンクハザード島に乗り込んだ海軍たちが言っていた「王下七武海になる為に【海賊の心臓】を100個本部に届けた狂気の男」という発言。
ローは四皇だったカイドウやその手下だったドフラミンゴを打倒するための計画を入念に考えていましたから、その一環としてロッキーポート事件を引き起こした可能性が考えられます。
海軍大佐コビーがロッキーポート事件の英雄?
一方、ロッキーポート事件に関係する「重要人物」が他にもいました。
それが海軍大佐の【コビー】。ドレスローザ王国のキュロス曰く、コビーはロッキーポート事件で市民を守った英雄とのこと。新世界編以降、コビーの階級が一気に大佐まで格上げされていましたが、このロッキーポート事件の功績が寄与しているのでしょう。
正直、海軍大将だった赤犬サカズキに堂々と逆らったことを踏まえると昇進どころの話ではない気もしますが、それだけロッキーポート事件の貢献度が大きい裏返しか。実際、ロッキーポート事件とコビーの話は世界中に知れ渡っているレベル。
またキュロスは「豪傑かと思いきや好青年だな」とコビーを評価していることから、ロッキーポート事件では大規模な戦闘が勃発していた可能性が高いことも読み取れます。つまり、トラファルガー・ローがロッキーポート事件でコビーと壮大な戦いを繰り広げたのか?
ロッキーポートの場所は海賊島ハチノス?
ただロッキーポート事件の「関係者」は他にもいたことが発覚。
それが四皇の【黒ひげ マーシャル・D・ティーチ】。ローやルフィと同じく最悪の世代。
これはボア・ハンコックが住まう女ヶ島に侵入した際、黒ひげは「ロッキーポート事件じゃ世話になったな。お前のお陰で【王直】を倒し、海賊島のボスになれたぜ」とコビーに嬉しそうに、また懐かしそうに語っていました。
黒ひげは現在海賊島ハチノスを根城にしていることから、ロッキーポートの場所は「海賊島ハチノス」に位置していることも何となく予想できます。だから、ロッキーポートを支配していた男が王直(おうちょく)という海賊にもなるはず。
そのため「ハチノス事件」などと言い換えても問題なさそうです。
○黒ひげが元ロックス海賊団の王直を倒した?
そして、この王直はロックス海賊団の元メンバーでした。ここには白ひげ(エドワード・ニューゲート)やビッグマム(シャーロット・リンリン)や金獅子のシキ以外にも、正体不明の銀斧といったキャラもロックス海賊団に在籍していました。
また海賊島ハチノスはもともとロックス海賊団が根城にしていたことから、王直は船長だったロックス・D・ジーベックが亡き後、ずっとハチノスを譲り受けるカタチで支配していたのかも知れない。異名の由来は「王(ロックス)の直属の部下だった」から?
ただ海賊島ハチノスで後にロッキーポート事件と呼ばれる戦いが何かしらがキッカケで勃発してしまって、結果的に黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)に倒されてしまった模様。
黒ひげはロックスの息子である可能性が高いため、父親の仲間を討ち取ったことになます。そのためロッキーポート事件を通して、黒ひげの極悪非道ぶりにも拍車がかかったカタチ。
だからローが集めたとされる100個の海賊の心臓にしても「王直海賊団の心臓」だった可能性が考えられます。そのためロッキーポート事件は想像以上にストーリーの核心部分に繋がる要素が隠されています。
ロッキーポート事件の表と裏
そこでロッキーポート事件の「表と裏」を改めておさらいします。
ロッキーポート事件の構図をまとめるとこんな感じになります。
表の世界では【コビー】が「英雄」、【トラファルガー・ロー】は「首謀者」とそれぞれ評価されていました。その一方で、裏の世界では元ロックス海賊団の【王直】が海賊島ハチノスで「敗北」し、現四皇の【黒ひげ】が「勝者」として新たなボスとして君臨する。
また黒ひげはコビーに対して感謝の念を述べていたことから、ロッキーポート事件では「王直が唯一の敵」だったことが少なくとも考察できます。ローが七武海に入っている点からもコビーと衝突しておらず、むしろ二人は共闘していた可能性が考えられます。
つまり、「海賊島ハチノスで勃発した【コビー&ロー(&黒ひげ) VS 王直】の戦い」がロッキーポートの真相なのではないか?
表向きはコビーとローだけが活躍したことにされているものの、黒ひげも実は裏では大きく関与しており、最後だけ「美味しいところ」を持っていったのではないか?黒ひげは名よりも実を取った。
また黒ひげは元海軍大将の青雉クザンと繋がっている点も考慮すると、SWORDの隊員であるコビーとも裏では繋がっている可能性もワンチャンあるか。むしろ青雉クザンがコビーと黒ひげの橋渡し役になっている?
ロッキーポート事件と「ゴッドバレー事件」との関連性とは?
更にロックス海賊団という視点で考察を広げると、やはり「あの事件」を忘れることはできません。
それが【ゴッドバレー事件】。
かつてゴッドバレー島では天竜人がとある計画が進められていたものの、38年前に何故かロックス海賊団が乗り込んでくる。ただそこに偶然に居合わせた、後に海賊王となるゴールド・ロジャーと海軍中将のモンキー・D・ガープがタッグを組んでロックス海賊団を撃破した事件でした。
ちなみに、後にゴッドバレー島も消滅するものの、イム様の能力(古代兵器ウラヌス?)によるものだった模様。また幼少期の赤髪のシャンクスはゴッドバレー島から持ち帰った戦利品の宝箱に入っており、そこでロジャーに拾われていたことが『ONE PIECE FILM RED』で判明しています。
だからロッキーポート事件でも同様に、コビーとローも海賊島ハチノスに偶然居合わせて、元ロックス海賊団の王直に立ち向かったのではないか?
マリンフォード頂上戦争が終わった直後の2年前、ハートの海賊団は「黒ひげの奴らが暴れ出していて」と新世界の現状を語っていました。これについてローは「潰し合ってくれりゃいい」と高みの見物を決め込んでいたものの、ローは自ら黒ひげ vs 王直の戦いに乗り込んでいったパターンも?
○ガープとコビーは師匠と弟子、ロジャーとローは同じDの一族
こう考えていくと、ロッキーポート事件とゴッドバレー事件との共通点が意外と多いことが分かります。
そこで両事件の関係性を比較するとこんな感じになります。
敵はどちらも同じ「ロックス海賊団の仲間」だったのに対して、そこに何故か【偶然】に居合わせた「海軍」と「海賊」がタッグを組んで共闘した点でも共通しています。しかもガープとコビーは「師匠と弟子」の関係性でした。またロジャーとローも同じ「Dの一族」という種族でした。
これらは果たして【奇妙な偶然】として簡単に片付けられるものなのか?『FILM RED』でもシャンクスとウタの出生をリンクさせるなど、近年の尾田さんが好きな演出という点でもそこそこ信頼が置ける考察ではなかろうか。
どのみち、ローはワンピースという物語の上でも想像以上に重要人物であることが改めて分かります。
コメント
教えて下さい。
タイトルに書いてある、真相がヤバかったとは結局何のことですか?
ローが海軍によって首謀者にさせられたって線でもおかしくはないかと。
海軍内部で反乱が起きてローとコビーで解決したけれど、内部で反乱って汚点を隠すために主犯をローになすりつけたとかは?
ロッキーポート事件とローの海賊心臓100個事件は無関係である理由が
さすがに弱いと思います。
G5の海賊たちは「ロッキーポート事件」の名前を持ち出さなかっただけ、ですよね?
実際に「心臓100個事件=ロッキーポート事件」かはわかりませんが
もし仮に「心臓100個事件=ロッキーポート事件」だった場合
「ロッキーポート事件の~」という言うより
「心臓100個を~」と言われる方がインパクトが強いですし
ローに「関わり合いたくない」「気味が悪い」理由の説明をするなら
「事件の首謀者だから」という表現より、「心臓100個を持ち込んで来た」という表現の方が
サイコパス度が高く、気味の悪さが伝わりやすいです。
また、麦わらの一味が再びシャボンディ諸島に再集結するまでの2年の間
ローは新世界には行かず、ずっと偉大なる航路前半に留まり続けていたとする根拠は何でしょう?
麦わらの一味はバーソロミューくまに襲われた(もとい救出された)ため
バラバラになってしまったから、すぐに新世界には行けなかったわけですが
ローを含むその他の「最悪の世代」達はシャボンディ諸島に留まる理由も
そこから戻る理由もないのではと思います。
ローに関してはむしろ、新世界以前の国でチマチマ活動しても
王下七武海にはなれない気がします。
それにローと麦わら一味が再開したのも新世界でしたし
その時点ですでにローは新世界での活動を進めていましたよね。
2年もの間、新世界以前に残っていたとは考えにくいです。
さらに言うと「トラファルガー・ロー VS コビー大佐の戦い」も早計かと思います。
(というか「偶然起こった事件に便乗できて偶然にも七武海に」なんてバギーだけで十分ですよね)
ローは七武海になるために、計画的に事件を起こした可能性の方が高いはずです。
であるなら、海軍と正面切って戦っては、逆に七武海になりづらくなってしまいます。
「ロー と コビー大佐が一時的に協力し合って何者かと戦った」の方が
海軍にも取り入りやすいはず。 誰か…はわかりませんが。
ローは『トラファルガー・D・ロー』ではなく
『トラファルガー・D・ワーテル・ロー』