『ONE PIECE(以下ワンピース)』にはDr.ベガパンク、シーザー・クラウン、ヴィンスモーク・ジャッジといった科学者が多数登場しました。ただこういった有数の科学者はかつて「とある組織」に所属していたことが判明しています。
その名も【MADS(マッズ)】。
そこで今回ドル漫ではMADS所属にしていたキャラクター一覧をまとめてみたいと思います。ここに来て俄然注目を浴びている組織だけあって、今後MADSの元メンバーが新たに登場する可能性もありそう。
MADSとは?
まずはMADSについて判明している情報をまとめます。
MADSは兵器などを開発していた「無法な研究チーム」とされます。ただし、いつどこで誰が何の目的で結成されたかは不明。それでも世界一の頭脳を誇るベガパンクなどが所属していたことからも、まさに『世界最先端の研究組織』であったことは言うまでもないか。
MADSの読み方は「マッズ」。組織名の由来は不明ですが、マッドサイエンティストといった言葉があるように、英語の「Mad(狂った)」から素直に来ているか。
MADSはベガパンクが所属していたこともあって、悪魔の実の成り立ちにも関係する【血統因子】を発見したことでも知られます。しかし、何故か血統因子の発見を危険視した世界政府によって、MADSは組織ごと解散させられて政府に買収されて管理下に置かれます。
それだけに血統因子は空白の100年や古代兵器プルトンといった謎に繋がっている事実も読み取れますが、実際に組織が世界政府の管理下に置かれた詳細な時期などはやはり不明です。
○MADSを設立したのは闇金王のル・フェルド?
一方、MADSは「平和研究所」と称して、ビッグマムのお茶会にも参加していた闇金王の【ル・フェルド】が資金提供していた模様。海軍の追及から逃れやすいようにするため、かつてのMADSの研究施設は船でした。実際、科学大国・ジェルマ王国はセント・ジェルマン号と呼ばれる巨大な船でした。
ただMADSは「無法な研究チーム」と称されていましたが、表向きは「慈善事業」として後述するベガパンクなどの有望な科学者たちをル・フェルドが集めていた模様。闇金王という肩書を見る限り、ル・フェルドが相当な資金力があることが伺えます。
そのため直近のストーリーの流れも勘案すると、闇金王ル・フェルドはバギーが社長を表面上務める【クロスギルド】の設立にもおそらく関与しているか。扉絵シリーズは本編ストーリーにも強く絡んでくることから、いずれMADSの関係者が大きな注目を浴びるに違いない。
ベガパンク…MADSメンバー
まず最初のMADSの元メンバーは【Dr.ベガパンク】。
ベガパンクの年齢は現在「65歳」。MADS最年長。悪魔の実は脳ミソに莫大な情報をためこむ「ノミノミの実」の能力者。反面として脳ミソが巨大化し続けるため、身長は最大で巨人族並だったことも。頭頂部を切断している現在の身長は180~200cm前後か。
ベガパンクは自他共に認める世界一の天才科学者。現在は海軍の科学特殊班SSGの班長として数々の兵器を開発。溢れ出る膨大なアイデアを現実化させるため、自分の脳みそと人格を分け与えた6体の分身アンドロイド(人造人間)と共に日々開発に励んでいた。
ベガパンクは幼少期から天才だった。故郷の未来国バルジモアでは数々の発明品で人々を助けた。しかし、お金がないことを理由に開発できなかった発明品も多かった。そこで資金と人材の提供を誰かに持ちかけられて、いつぞやのタイミングでMADSに入ったと推察されます。
○ベガパンクがSSGを追いやられるまで
その後、血統因子を発見したベガパンクは海軍に捕縛されて、MADSが世界政府の管理下に置かれたのは前述の通り。その後、ベガパンクはパンクハザード研究所の所長として引き入れられて、同じく元MADSのシーザー・クラウンと共同研究に勤しんでいました。
しかし、ベガパンクはシーザーの暴挙に耐えかねて追放するが、逆恨みしたシーザーが暴走。4年前に研究所を複数爆発させて、パンクハザード島は有毒物質に汚染されて封鎖。シーザーは捕縛されて懸賞金を懸けられるものの、ベガパンクは新たにSSGのリーダーに就任する。
ただベガパンクは空白の100年の秘密に迫ってしまったことを理由に、現在はイム様たちによって今更ながら命が狙われる立場に追い込まれます。SSGが拠点を置くエッグヘッドで麦わらの一味と遭遇し、その後はルフィたちと行動を共にしています。
全体の時系列は不明ですが、ベガパンクは革命軍のモンキー・D・ドラゴンやオハラのクローバー博士、ルフィと同じ最悪の世代のジュエリー・ボニーなど幅広いキャラクターと顔見知りだったりします。特にドラゴンとは革命軍の結成前からの知り合いだった模様。
ヴィンスモーク・ジャッジ…MADSメンバー
続いてのMADS元メンバーは【ヴィンスモーク・ジャッジ】。ジャッジの年齢は現在「56歳」。ベガパンクとは9歳差。身長は272cm。異名は「怪鳥(ガルーダ)」。
ヴィンスモーク・ジャッジはジェルマ王国の国王。また麦わらの一味のコックであるサンジの実の父親。
ジェルマ王国はかつて北の海を武力で支配した軍事大国だったため、ジャッジの夢も再び北の海を力で支配すること。現在は「ジェルマ66」と呼ばれるクローン兵士で構成される科学戦闘部隊を率いる。お金で依頼されればいつでも派兵し、さまざまな戦争を裏で支援する戦争屋。
ジャッジの性格は完全な実力至上主義。実の息子であっても落ちこぼれと判断すれば、容赦なく捨ててしまうほど無慈悲。しかも自らの夢を実現させるため四皇(ビッグマム)と手を組むことを引き換えに、一度捨てたサンジを政略結婚に使うなど冷血漢。
○MADS時代の科学技術を応用してサンジたちを産ませる
そのためジャッジは王族でありながら、闇の世界でも知名度が高い。
また優秀な科学者でありながら、見た目通りに戦闘力も高い。かつて北の海の4人の王を討ち取ったことも。元々の異名は「からくり伯爵」だったことから、後述するクイーンの要素を最初は盛り込む予定だったか。ただし、悪魔の実の能力者ではありません。
一方、MADSに入った時期や過程などは不明ですが、ジャッジが裏社会でも知られた人物だったことから加入に至る経緯は想像に難くないか。MADSの解体後はベガパンクが発見した血統因子を持ち帰って、それを応用して改造人間の子供たちを20年以上前に産ませる。
つまり、サンジも実は改造人間だったりします。
他にもレイドスーツ(空中を飛んだり透明化したりといったレイドスーツにもMADS時代に培った科学力が応用されているのかも知れない。ホールケーキアイランド(WCI)から一度逃走を図るも、息子のニジ・サンジを救出するために舞い戻る。その際にシーザーと再会して…。
クイーン…MADSメンバー
続いてのMADS元メンバーは【クイーン】。
クイーンの年齢は現在「56歳」。ジャッジと同い年で、やはりベガパンクとは9歳差。身長は612cm。異名は「疫災のクイーン」だけあって、科学者としての得意分野は化学。ワノ国では非人道的な化学兵器をいくつも使用していました。
クイーンは百獣海賊団でも3名しかいない大幹部の一人。キングやジャックと同様に、百獣海賊団の初期メンバーとして元四皇のカイドウに仕えていました。そのためクイーンの懸賞金も13億2000万ベリーと元MADSでも群を抜いています。
ワノ国編では小紫(光月日和)に惚れ込んでいたことから、それなりに女好きっぽい。後述するシーザーもビッグマムから資金を騙し取って女遊びに興じるなど、元MADSには女にダラしない男が多い模様。
やはりMADSに加入した経緯などは不明ですが、クイーンの左腕は『コブラ』の主人公のように機械化されています。更に言うと、クイーンはMADS時代の科学技術を応用して全身に改造を施した絡繰人間(サイボーグ)になります。
○同じMADSのジャッジとはライバル関係だった
また悪魔の実は動物ゾオン系古代種の「リュウリュウの実モデル・ブラキオサウルス」なんですが、能力発動時であっても胴体部分だけを蛇のように切り離せるなどハチャメチャに改造されています。6メートルを超える身長も改造によって巨大化された可能性。
実際、ワンピース1070話の扉絵ではジャッジよりも少し大きい程度のため、クイーンの元々の身長は3メートル前後だったかと予想できます。
ジャッジとはライバル関係にあったことからジェルマ66の必殺技にも精通しており、ジャッジの息子・サンジを執拗に恨みを募らせていました。最終的にワノ国に訪れた海軍大将の緑牛アラマキに体内の水分を吸われて、クイーンはカラカラに干上がっていました。
その後の動向は不明ですが、素直に考えるとインペルダウンに収容されたままか。そのためクイーンが元MADSとして再登場する可能性は低そうにも思えます。
シーザー・クラウン…MADSメンバー
続いてのMADS元メンバーは【シーザー・クラウン】。
シーザーの年齢は現在「55歳」。ベガパンクの10歳年下。当初は40歳と表記されていたものの、MADSでは最年少(悪く言うと下っ端?)。身長は309cm。MADS時代はジャッジと身長差はなかったものの、現在は少し上回っています。
シーザーの特徴は頭に生えた2本の角(羊?)ですが、MADS時代から既に生えていた模様です。単なる飾りの一種なのか、シーザーが特別な種族なのかは不明。
シーザーの悪魔の実は自然ロギア系の「ガスガスの実」。全身ガス状に変身できる能力者。ただモクモクの実のスモーカーと違って、周囲の酸素を奪ったり、可燃ガスや毒ガスを作り出すなど汎用性がかなり高い能力でした。
この悪魔の実に相応しく、シーザーは「毒ガス」を作ることが大好きな科学者でした。パンクハザード島ではH2Sと呼ばれる毒ガス爆弾を製造し、ベガパンクに咎められると逆ギレして研究所ごと爆破させるなど、それだけガスに関しては高度な知識とプライドを持ってた。
シーザーのペットだったスマイリーも、元々は「ゲル状の有毒ガス(サラサラの実モデル・アホロートル)」でした。まさにガスを愛し、ガスに愛された科学者がシーザー。ベガパンクとの年齢差を考えると、シーザーもまた天才科学者と呼べるか。実際、ベガパンクに次ぐNo.2でした。
○シーザーの現在はどやねん?
シーザーもまたどういう経緯でMADSに加入したかなどは不明になります。ただベガパンクと共にパンクハザード研究所で働いていたことも踏まえると、MADSが政府の管理下に置かれた後の動向はシーザーも同じようにスライドしたものと思われます。
一方、シーザーは4年前にH2Sを爆破させた罪で世界政府に捕縛されます。しかし海軍の監獄船から脱走したシーザーは、3年前に再びパンクハザード島に戻ってくる。もぬけの殻となったことを逆手に取って、大量に集めた囚人や子供を使って人体実験を行っていた。
シーザーの懸賞金は3億ベリー。前述のクイーンと比べるとかなり低い印象も否めませんが、単なる科学者としては破格の懸賞金とは言えるか。
また王下七武海だったドンキホーテ・ドフラミンゴと人造悪魔の実・SMILEの原料となる【SAD】の開発を担っていた。他にも四皇だったビッグマムとは【人体の巨大化(巨人薬)】の開発を依頼されるなど、凶悪な海賊たちとの接点を増やしていく。
しかし、巨人薬の開発は「不可能な技術」だった。ただシーザーはドフラミンゴを後ろ盾にビッグマムから研究費の名目で多額の資金を騙し取っていた。パンクハザード島でローに心臓を奪われた後、ビッグマム暗殺計画に半ば強制的に協力させられる。
ルフィがシャーロット・カタクリを撃破した後、最悪の世代だったベッジが所持していた心臓を返還されるが、シーザーだけはその混乱に乗じてWCIから逃亡することができなかった。その後、息子を救出したジャッジと再会して…。再びMADSの仲間が再結集する流れに?
ミス・バッキン(バッキンガム・ステューシー)…MADS居候
続いてのMADSの元メンバーは【ミス・バッキン】。本名は「バッキンガム・ステューシー」。年齢76歳。ベガパンクよりも10歳以上も年上。声優CVは鈴木れい子。
バッキンはロックス海賊団の元メンバーでもあり、元四皇の白ひげ(エドワード・ニューゲート)の愛人とされます。そして、元王下七武海のエドワード・ウィーブルの母親として常に二人は行動を共にしていました。
ただしMADSの正規の研究者ではなく、バッキンは「居候」でした。どういう経緯でMADSに在籍することになったかは不明ですが、何かしらの【目的】をもって強引に住み込むようになった感じか。バッキンの厚かましい性格からも容易にそう想像されます。
またバッキンはあくまで「自称科学者」と紹介されていることから、実際どこまで頭脳明晰だったのかも不明です。
○MADS摘発時の「ステューシー」はどっち?
しかしバッキンはMADS時代に【クローンの人体実験】に利用されていました。その時に生まれたクローン人間がCP0(サイファーポールイージスゼロ)の【ステューシー】でした。名前からも分かるように、つまりミス・バッキンとステューシーは同一人物。
そう考えると、バッキンの若かりし頃はかなり美人だったらしい。例えばどちらも帽子を常に被るなど、ミス・バッキンとステューシーは行動様式が似通っているため、実はバッキンも何やかんやで性根では「良い奴」という可能性もあるか。
MADSが海軍の摘発にあった際の扉絵を見ると、一番右端に「謎の女性キャラクター」がいました。これは【ステューシー】だった可能性が十中八九高いものの、バッキン本体だったのか、クローン人間のステューシーだったかは定かではありません。
それでもCP0に潜伏していたステューシーは現在に至るまでベガパンクたちと懇意にしていたことから、おそらくクローン人間版ステューシーだったと推察できそう。
そういえばビッグマムのお茶会で闇金王ル・フェルドとステューシーが仲良く会話していました。ル・フェルドは前述のようにMADSに資金提供していた男。いくら居候だったとは言え、ステューシーの見た目からバッキンを想起しないはずがない。
だからこの時点でMADSの設定を尾田さんが考えていたかはいささか微妙ですが、MADSという組織を通じて繋がる人間関係は多い。今後ワンピース終盤の展開を読む上で、MADSに関係するキャラクターは覚えておいて損はしないでしょう。
○バッキンの目的はMADSが持つ「クローン技術」だった?
だから、ミス・バッキンがMADSに近付いた目的は「クローン技術」だったのではないか?
事実、バッキンは白ひげの血統因子を利用して【エドワード・ウィーブルというクローン人間】を作った可能性が高そう。ウィーブルは白ひげ並の強さを誇るものの、見た目や知能は全く似ていませんでした。そして、何よりウィーブルの体はツギハギだらけでした。
つまり、エドワード・ウィーブルの正体は【白ひげの未完成のクローン人間】だった。バッキンがMADSに居候していただけの自称科学者であれば、完全なクローン人間を再現できなかったとしても不思議ではないでしょう。
そこでバッキンが歩んできた人生の流れを簡単に予想します。
ロックス海賊団時代に白ひげが莫大な財宝を貯め込んでいることを知ったバッキンは、それを何とかして奪おうと画策する。38年前にロックス海賊団が解体した後にMADSに強引に潜り込んだバッキンは、自らが被検体となる代わりにクローン技術の全てを入手する。
そして、35年前に白ひげの血統因子を使って自らクローン人間を作るものの、結果的に未完成のウィーブルが誕生してしまった。こう考えると、一番辻褄が合うのかなと思いました。
コメント
ハットの女はステューシーじゃないの?どっから見てもw