集英社が誇る人気バトル漫画が『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ。1980年代から連載が開始し、早30年以上が経過する長編漫画。コミックス累計発行部数も1億部をゆうに突破。第一部から始まって、第八部が『ジョジョリオン』と呼ばれる物語でした。
ただこの度、2021年8月に『ジョジョリオン』がついに完結。
そこで今回ドル漫では「ジョジョリオンの最終回・最終話のネタバレ感想」を一部フルカラー画像付きでレビューしたいと思います。例えば前作の第7部『スティールボールラン』との関連性や意味不明な描写なども自分なりに考察してみた。
最終回までの内容あらすじまとめ
まずは『ジョジョリオン』の最終回までのあらすじ内容を簡単に解説します。
物語の舞台は宮城県の杜王町。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、町には「壁の目」と呼ばれる謎の隆起物が現れる。ヒロインの「広瀬康穂(ひろせ・やすほ)」は、その壁の目で後に身元不明の謎の青年の主人公と偶然出会う。
それが「東方定助(ひがしかた・じょうすけ)」と後に呼ばれるジョジョリオンの主人公。その後、広瀬康穂の幼馴染だった東方常秀を通じて、東方定助は代々フルーツ屋を営む東方家に引き取られる。ここでその名が与えられるんですが、東方家には次々と敵が襲来してくる。
敵の目的は一体何なのか?東方家には一体どんな謎が隠されているのか?
○ジョジョリオンの物語はロカカカを巡る戦い
結論から言うと、『ジョジョリオン』は謎の果実のロカカカを巡る戦いがストーリーのメインになります。
このロカカカは【等価交換】をもたらしてくれる禁断の果実。端的に言うと、正常な部分と負傷した部分を交換して治癒させてしまう。東方家の長男・常敏はロカカカを裏で栽培し、息子のつるぎを助けるため敵と結託するなど様々な思惑が交錯する。
ちなみに先にネタバレしておくと、主人公の東方定助の正体は「吉良吉影(きら・よしかげ)」と「空条仗世文(くうじょう・じょせふみ)」という二人の人間が肉体が半分ずつが融合した存在。二人の家系図などは後述します。
空条仗世文は幼い頃に吉良吉影の母親・ホリーに救われた過去がある。母親の病気を治すためロカカカが欲しい吉良吉影に手助け。結果的にロカカカを敵から奪うものの、反撃にあって吉良は瀕死。空条仗世文は死の間際に吉良にロカカカを食べさせて二人は融合した経緯がある。
ラスボス・明負悟の正体とは?【岩人間】
このロカカカを狙う敵が「岩人間」。見た目は完全に人間なんですが、中身は岩というまんまな存在。
本来の生物(ニューロン)は炭素を基本元素として進化したものの、岩人間はケイ素をベースにして生まれた性別。生物が息絶えたときのための保険や滑り止めとは、ジョジョリオン作中の表現。岩に擬態できるせいか推定寿命は240歳と長寿。
そして、岩人間の最大の特徴は95%がスタンド使いという点。かつての石仮面のような位置づけか。
この岩人間のボスが「明負悟(あけふ・さとる)」という謎の老人でした。
明負はTG大学病院の院長。追跡しようとしても一切近づけない。逆に付かず離れず近くまで接近することも。何故か明負悟の顔は確認することはできず、常にその背後を見せるだけ。一瞬で現れては消えてまた遠のく、という全く意味不明なラスボスでした。
ただ明負悟の正体は「ワンダーオブユー」というスタンド能力そのものだった。
これまでのジョジョシリーズのスタンドと違って、このワンダーオブユーは「見る人(非スタンド使い)」によっては人間に見えるという性質があった。それが「明負悟というガワ」だったに過ぎない。ジョジョマニアほど固定観念が強いのでややこしい描写だったと思います。
【透龍】ワンダーオブユーの能力は厄災
じゃあ、ワンダーオブユーの本体は一体誰なのか?
それが「透龍(とおる)」という青年。実は広瀬康穂の高校時代の元カレだったりしますが、数十年前から見た目が変わらない岩人間。明負悟はかつて実在した男だったんですが、透龍がそれになりすましただけ。つまり、この透龍こそが『ジョジョリオン』のラスボス。
ワンダーオブユーの能力は「厄災」。ハンターにも五大厄災というものがありますが、いわゆる呪い。スタンドである明負悟に対して【攻撃する意思】を持って追跡すると、その相手は死に直結する不運に見舞われる。簡単に言うと「超究極的なカウンター技」。
ワンダーオブユーは圧倒的な防御力もスピードもないものの、明負悟に攻撃を与える前に「何かしらのハプニング」が発生してことごとく撃沈してしまう。そもそも明負悟という人間に見えるため、スタンド本体が別(透龍)にいることを察知できない。
果たしてこんな透龍を最後に倒すことができるのか?
主人公・東方定助が覚醒するも…
『ジョジョリオン』の最終回までにいろんな展開はあるんですが、ラスボス・透龍(明負悟)を倒す以降の展開を簡単にレビューしていこうと思います。
最初は明負悟の正体がスタンド能力とは気付かなかった東方定助たちですが、広瀬康穂と共に戦うことで「スタンド本体が透龍」であることにようやく気付く。東方定助は病院内でスタンド能力「ワンダーオブユー」と対峙する一方…
…広瀬康穂は東方邸でスタンド本体の透龍と対峙し、二人は別々の場所で戦う。本来は戦力が分散されると不利に働くんですが、この状況が結果的にラスボス・透龍を倒すために有利に働きます。正確には広瀬康穂のスタンド能力「ペイズリー・パーク」が鍵を握る。
前述のように、東方定助は二人のスタンド使いが融合した青年。吉良吉影は「キラークイーン」という爆発するスタンド能力だったのに対して、空条仗世文は「ソフトアンドウェット」というシャボン玉の能力を持っていた。泡が割れると何かを奪えるというもの。
○ソフトアンドウェット ゴービヨンドで透龍にとどめを刺す
主人公・東方定助のスタンド能力は後者のソフトアンドウェットがベースだったんですが、吉良吉影の爆発する能力と融合していた。透龍との最後の戦いでそれが覚醒し、東方定助は特異なシャボン玉を生み出すことに成功。ジジョースターの血筋を示す星のアザから飛び出す。
その特異なシャボン玉の名前は「ソフトアンドウェット ゴービヨンド(go beyond)」。
このソフトアンドウェット ゴービヨンドは無限の細い線が【爆発的に回転】しているだけで、本来はこの世に存在しない。東方定助自身でもコントロールできないものの、スタンド能力「ワンダーオブユー」の理にも影響を受けない存在でもあった。
つまり、厄災を乗り越えることができる唯一の技。このソフトアンドウェット ゴービヨンドが広瀬康穂の「ペイズリー・パーク」と組み合わされる。スマホなどをハッキングしてたイメージが強いですが、能力の本髄は「行くべき方向を無意識的に導く」こと。
この【爆発的に回転するシャボン玉】はペイズリー・パークを通じてスマホ画面から飛び出て向かった先が、まさにスタンド本体の透龍だった。
東方花都の奇策で最後は透龍が…
この攻撃で左脇腹に致命傷を負ってしまう透龍。続けざまに東方定助はペイズリー・パークを通して二度目のシャボン玉を発射し、それが喉元に被弾した透龍は息も絶え絶え。
しかしロカカカの実を奪取した後だった透龍は、即座にそれを食べて治癒を図ろうと試みる。まだ成熟はしていなかったが、そのまま再び広瀬康穂の元に歩みを進めていく。正常な肉体の広瀬康穂に触れれば、自分の負傷した肉体を交換して治癒できる。
それが「等価交換」。
一方、そこに現れたのが東方家の母親「花都(かあと)」だった。スタンド名は「スペーストラッキング」。トランプのカードとカードの間の空間に物を挟んだり隠したりできる能力。ちなみに、矢印のスタンド能力は常敏の妻・密葉のアウェイキングスリーリーブスです。
そこで花都がトランプの中から隠し持っていたのが孫の「東方つるぎ」。東方家では長男が生まれると10歳になると石化してしまう呪いがかけられていた。そこで等価交換バッチコーイ状態の透龍に触れたらどうなるか?つるぎの石化する呪いが透龍に移る。
「つるぎの病はあんたが全部持っていけ」とは花都。スペーストラッキングでロカカカの実をすり潰したことで、透龍が復活する道が完全に途絶える。最後に「康穂!このクソ女をさっさと止めやがれぇ!」という捨てゼリフを吐いたまま透龍は死亡。
ジョジョリオンの呪いを解く物語は、ここにて完結を迎える。岩人間であっても、岩化する呪いにかかえると死亡する模様。
【家系図】スティールボールランとの関連性
ただ透龍を撃破してジョジョリオンは完結せず、その後の本当の最終話では話が少し遡ります。そこでは前作の第7部『スティールボールラン』とも関連する物語が描かれるため、東方家、ジョースター家の家系図とも絡めて考察していきます。
舞台は1941年の日本。
やはりロカカカという謎の果実を巡って、「ルーシー・スティール」と「ジョセフ・ジョースター」という二人が邂逅する。【ルーシー】はスピードワゴン財団から派遣された植物学と地形学の専門家。【ジョセフ】は父親がアメリカ人のハーフ。和名は仗世文。
そう、ルーシー・スティールとは『スティールボールラン』で登場したスティーブン・スティールの妻のこと。スティーブンとは1890年に同名のレースを主催したプロモーター。『ジョジョリオン』最終話で再登場した際には50年程が経過していた計算。
そのため見た目はやや老婆ですが、ルーシーは「とある事件」を調査しに第2次世界大戦中の日本にやってきた。
○ラヂオ・ガガ事件とは?
その事件とは「ラヂオ・ガガ事件」。杜王町に住んでいた青年のジョセフ・ジョースターにとって、その事件はあまりに有名だった。
ラジオ・ガガ事件とは、東方フルーツパーラーの一帯を走る道路で起きた。とあるカップルが休んでいると、オンナの方が「自分を呼ぶ声がする」と言ってガードレールのところで立ち止まったかと思ったら、「ガガガガ」と叫びながら服を抜き出す。
そこにトラックが近付いてきたかと思った瞬間、ヘッドライトに照らされたオンナは一瞬でその場から消える。しかし、オンナの足の指と少量の血液だけがそこには残っていた。まさに怪怪奇譚。そして、ジョセフとルーシーもラジオ・ガガ事件に巻き込まれる…という案の定な展開。
ここでロカカカの謎も更に解明されるんですが、どちらかというと「二人のその後」や更には二人の血筋が『ジョジョリオン』の物語と深く関係してきます。
○ジョニィ・ジョースターは日本で1901年に死亡済み
一方、ジョセフ・ジョースターの正体は『スティールボールラン』の主人公であるジョニィ・ジョースターの孫。ジョニィはスティールボールランが終わった後、ジャイロ・ツェペリの遺体をヨーロッパの母国に届けてあげた場面で完結していました。
でもその後、ジョニィは馬術指導のため来日していた。『スティールボールラン』の最終回では東方憲助(初代)が写っていましたが、実は外国産フルーツの輸入業で財を成す際、その手助けをしたのが何を隠そうジョニィ・ジョースターだった。
だから『SBR』と『ジョジョリオン』のストーリーはきれいなほど繋がっている。
東方憲助(初代)はほとんど活躍しなかったため存在意義が不明でしたが、この『ジョジョリオン』に繋がる重要人物だった。ジョニィは東方憲助の娘・理那(隣のブス)と婚約して二人の子供をもうけるも、理那は【皮膚が岩化】する病気におかされる。
そこでジョニィは理那を日本に帰国させ、自分は【聖なる遺体】を地下奥深くから持ち出して日本に向かった。聖なる遺体とはイエス・キリストの遺体にして、北米大陸の守り神。
聖なる遺体を使って理那の石化する呪いは無事取り除くことに成功するものの、今度は息子のジョージにその呪いが移ってしまう。まさに等価交換。そこで息子のジョージの命を助けるため、1901年に父親のジョニィは自らが犠牲になった。
ジョニィ・ジョースター家の子孫には吉良吉影もいましたが、この吉良吉影はジョースター家と東方家のハーフということになる。
○東方家とジョースター家の家系図
そこで東方家とジョースター家の家系図を改めてそれぞれチェックしたいと思います。
まずは東方家の家系図。
スティールボールランにも参加した初代東方憲助を頂点とし、その後、2代目3代目4代目と同じ名前を踏襲する子孫が続く。4代目は主人公・東方定助を引き取ったパパ。最後には死亡してしまうものの、この憲助には4名の子供がおり、孫のつるぎが石化の呪いを背負う。
前述のように、初代憲助の娘・理那はジョニィ・ジョースターに嫁いでいる。
そこでジョースター家の家系図をチェック。
ジョニィが自らの命と引換えに助けたジョージの息子が、先程のルーシー・スティールとラヂオ・ガガ事件に巻き込まれたジョセフにあたります。このジョセフは病状が悪化したルーシーをアメリカまで送り届けるものの、第二次世界大戦の影響でアメリカに残った。
そこでスージーQという女性と結婚し、その後にジョニィ・ジョースターは「ホーリー」という娘をもうける。このホーリーこそが『ジョジョリオン』に登場した吉良吉影の母親。父親の吉良吉輝は結局登場しなかったか。
空条仗世文もジョニィ・ジョースターの子孫だった?
そのため今作の主人公・東方定助が最後に「爆発的に回転するシャボン玉」を使っていましたが、これはジョニィ・ジョースターの能力である【無限の回転】が吉良吉影を通じて遺伝しれたからに違いない。まさに運命は流転する。
今後も「回転」というワードが鍵を握るに違いない。なぜなら、全ての希望は【回転】の中にあるのだから。
一方、吉良吉影と融合した空条仗世文の正体は一体何者なのか?ジョジョリオン作中では明確に言及されてはいないと思いますが、空条仗世文の左肩には「星マーク」のアザがありました。東方定助の左肩(首筋)の星マークも空条仗世文から来ているもの。
一方、ジョジョの世界では第6部『ストーンオーシャン』の空条徐倫に代表されるように、左肩の星マークはジョースター家の血統を示すものでした。
つまり今作『ジョジョリオン』の吉良吉影と同様、空条仗世文もジョースター家の血筋を引いていた可能性が高そう。ジョニィ・ジョースターが聖なる遺体を使って息子のジョージを助けた際、直後に海岸に身元不明の幼児が保護されている。この幼児こそが空条仗世文の先祖だった?
もし吉良吉影も空条仗世文もジョースター家の血筋を引いていたと仮定すると、ある結論が導き出せる。
東方定助≒ジョニィだった?
それが「ジョニィ・ジョースター≒東方定助」ということ。東方定助は【二人の人間】が【一人の人間】に融合したと思われていたものの、実は血統的には「ジョニィ・ジョースター」が二手に分かれた子孫が代々紡がれていくことで【一人の人間】に戻ったに過ぎなかった?
そのためジョジョリオン最終話で東方定助は「吉良吉影の運命でもなく空条仗世文の運命でもなく、自らの人生を切り開いていく」と話を締めくくっているんですが、これも「元々はジョニィ・ジョースターという一人の人間」だったと考えると不自然ではない。
ジョースター家の運命を二重三重で背負っていた東方定助にとって、最後は【東方家で育つという結末や未来】も非常に意味がある終わり方だったに違いない。
【巻末コメント】第9部はJOJOLANDSで確定?
続いては最終回の巻末コメント。少年ジャンプ系の作品だと雑誌巻末でいろんな漫画家がコメントを出すんですが、『ウルトラジャンプ』でも『岩元先輩ノ推薦』の椎橋寛や『兵器少女』の千田浩之など反応していましたが、わずかだったので割愛。
そこでジョジョリオンの作者・荒木飛呂彦の巻末コメントを読むと、どうやら次の第9部のタイトルを早くも発表しておりました。
具体的には「ジョジョリオン10年間ありがとうございました!少し休んで、【JOJOLANDS(仮)】でお会いしましょう」とのこと。
あくまで仮という表現が使われていますが、「少し休んで」という表現を見ると次の連載まで年単位の期間が空くとは考えにくそう。そのため第9部の内容や構想は大雑把には考えられているはずなので、次のタイトルもジョジョランズ(JOJOLANDS)でほぼ確定と言っていい?
だから作者・荒木飛呂彦のモチベーションがすごい。ヤル気は頑張っても湧き上がってこない。『SLAM DUNK』の井上雄彦にしろ、『HUNTERxHUNTER』の冨樫義博にしろ、才能があっても休載気味の漫画家は多い。いくら高性能なスポーツカーでもガソリンがなかったら走りませんから。
じゃあ第9部と思われるジョジョランズの内容を簡単に予想してみる。
○第9部JOJOLANDSもパラレルワールド?
細かい設定などはさすがに分かりませんが、おそらく引き続き【パラレルワールド】の世界観が踏襲されそう。これまでジョジョシリーズは連綿とストーリーが続いてきましたが、前作の第7部『スティールボールラン(以下SBR)』から世界観が変わってる。
今作『ジョジョリオン』だと東方定助であれば東方仗助。広瀬康穂であれば広瀬康一を彷彿とさせますが、性別や見た目も全く違う。吉良吉影にしても好戦的な変質者ではありませんでした。『SBR』であればDioも能力からして違っていた。
同姓同名やそれに近いキャラクターが再登場しているものの、ほぼ全て似ても似つかない。その一方、今作『ジョジョリオン』の東方定助も肉体が半分融合したという点で、ジョナサン・ジョースターの肉体を乗っ取って生き延びた最初のDIOと酷似していたりします。
そのため世界観は微妙に似てるようで完全にズレていることが分かるはず。
○第6部のプッチ神父が「全ての世界」をリセットした?
この原因はおそらく第6部の『ストーンオーシャン』のラスボス・プッチ神父が関係していそう。
プッチ神父は『ストーンオーシャン』の終盤で「メイドインヘブン」というスタンド能力を使用した(正確にはエンポリオの反撃にあって死亡してしまった)際に、そこから人類の運命が一度リセットされて【新しい未来】に変わってしまった模様。
メイドインヘブンを発動した際の解説では「別の宇宙の誕生(パラレルワールド)」と表現されていることなどから、その直後から始まる『SBR』以降の世界は『それまでのジョジョと異なるパラレルワールド】が生まれてしまったと素直に解釈するのが自然か。
一方、7部SBR→8部ジョジョリオンと設定や物語が完全に繋がっていることから、第9部の『ジョジョランズ』も同様に引き続き設定や世界観は踏襲されるはず。岩人間も敵側として立ちはだかるか。岸辺露伴、ポルナレフに似たキャラもどういうカタチで再登場する?
ジョジョリオン最終27巻 ネタバレ感想まとめ【総合評価評判】
以上、2021年8月に完結した『ジョジョリオン』最終回・最終話の考察レビューでした。
この第8部『ジョジョリオン』の連載は足掛け10年。7部SBRの連載は足掛け7年、それ以前のシリーズは3年4年で完結してることからジョジョシリーズでは最長。そう考えると、『ジョジョリオン』は異様なほど連載期間が長かった。
でも、その割に内容的には面白くなかった?
内容はしっかり濃かったと思いますが、全体的に派手さがない。味方が東方家のファミリーの冴えない面々が多い。『SBR』ほどスタイリッシュなキャラは少なく、大統領が絡むほど話に壮大さもない。月刊連載という点でテンポ感も冗長。
ラスボスの明負悟こと透龍も「正体不明の状態」が長かった。攻撃手法も究極のカウンター攻撃ということで、ボスキャラの視点が少ない。これまでのボスキャラと比べても、いかにも敵感は薄くて戦ってる感じがしない。ワンダーオブユーの能力もまどろっこしい。
だから個人的には「ようやく完結してくれたかな」といった感想です。正直、内容が面白いからジョジョリオンが10年も続いたわけではないと思います。
それでも「物語のつながり」を考えると、ジョジョ第9部にはつい期待してしまう。今回のレビューでもいろいろ考察してはいますが、正直分からない部分も多いので、SBRから始まっている「リセットされた新しい物語の謎」が明らかにされていく?
最終的にジョジョシリーズは第10部で完結を迎えると個人的に思っています。作者・荒木飛呂彦の年齢的にもそこが限界でしょう。次の第9部と第10部では「新しい世界観」の謎に迫る核心部分、最後の集大成に繋がる物語が第9部で描かれ始めるか。
コメント
解説がまどろっこしくて全然入ってこないと思ったら原作もまどろっこしかったのでしゃーないですね。
誤字多い
少年漫画の枠組みで読むからまどろっこしいと感じる
雑誌を移ったんだから新しい視点で読まないと
「聖者が正しい道を歩んでいでいたとしても、降りかかる不幸」を”厄災”としていて(それは人間が生きていく中で誰しもがぶち当たる「理不尽」とも言える)、それらは「人と人との出会い(重力)」によって退けられる、というこれ以上ないシンプル且つ力強いメッセージだと思うけど
ジョジョシリーズは少年バトル漫画における「個人の強さ、武力」からの脱却が見えるし、それは三部の承太郎で完成しているからこれ以上描く必要がないし、六部のラストで死亡した後に7・8部でも承太郎は描かれてないから、ある種の決別をしているとも言える
そしてその対立であるかのようにラスボスももはや個人ではなく「厄災」という、個人の能力を超越したものとして描かれる(だから透龍の死後もワンダーオブUは残っていた)