【完結】ガンニバル 最終回 ネタバレ感想まとめ!ラスト結末は?面白い?おすすめ?タイトルの意味は?【最終13巻画像レビュー】

『ガンニバル』の作者は「二宮正明」。掲載誌は「週刊漫画ゴラク」。出版社は日本文芸社。連載期間は2018年から2021年。ジャンルはサスペンスホラー漫画。コミックス累計発行部数は2022年12月時点で210万部を突破。

最近だとプライムビデオやNetflixでされることが多いと思うんですが、珍しく「Disney+」で実写ドラマ化もされていることも話題に。主演は柳楽優弥、吉岡里帆と出演者も豪華だったりしました。

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(ガンニバル2巻 ©二宮正明/日本文芸社)

そこで今回ドル漫では『ガンニバル』の最終回・最終話のネタバレ感想を画像付きでレビューします。ドラマ版(第一部)ではコミック6巻分しか映像化されていないため、実写派の方はネタバレ注意。記事最後には面白い漫画だったのかどうかも考察します。

内容あらすじまとめ

まずは『ガンニバル』の内容あらすじを簡単に解説します。

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(ガンニバル1巻 ©二宮正明/日本文芸社)

主人公は警察官の【阿川大悟(あがわ・だいご)】。大悟が妻・有希と娘・ましろと共に、「供花村(くげむら)」に赴任したところから物語が始まる。大悟が赴任した理由は、前任の駐在員が突如として失踪したからだったが、駐在所には「逃ゲロ」という謎の言葉が刻まれていた。

一見すると何の変哲もない限界集落だったが、この供花村を支配していた【後藤家】が異質だった。

後藤家は人食い人種?

後藤家は身内に対する絆を重視するあまり、部外者である大悟に対して時折向ける敵意は凄まじいものがあった。大悟が赴任する直前、後藤家の当主だった【銀】という老婆がクマに噛み殺されてしまう。しかし、後藤家はそのクマを発見すると腹を掻っ捌いて、その肉を無心に貪った。

「コイツを喰うことでばあちゃんは、俺らの血と肉となって俺らの中で生き続ける」とは、次期当主候補の【恵介】だった。身内に対する愛情や執念は明らかに度を越していた。明らかに失踪の原因としか思えなかったが、大悟は前任の駐在員が残した言葉をふと思い出す。

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(ガンニバル1巻 ©二宮正明/日本文芸社)

この村の人間は人を喰ってる」。

大悟 vs 後藤家

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(ガンニバル1巻 ©二宮正明/日本文芸社)

実際、葬列で送り出されていた棺桶には「後藤銀の遺体」はなかった。これは故人を喰ってあの世に送り出す食葬ではないか、という疑念が頭によぎる大悟。つまり供花村の人間、後藤家は銀の遺体を既に喰っていたのではないか。警察官としての責務と勘が、大悟を突き動かす。

そして、大悟は独自で後藤家にたいする捜査を始める。しかし、鉄の結束を誇る後藤家は一筋縄ではいかなかった。猟銃を平然と向けるなどすさまじい抵抗を見せるが、それでも大悟は何とか一部を武力で鎮圧することに成功する。

ただ後藤家は「後藤の人間に手ぇ出したんぞ。あの人が黙っとらん」と意味深な捨てゼリフを吐く。事実、【あの人】は後藤家を象徴する中心人物として崇められていた。既に大悟も葬列で遭遇していた獣臭しかしない【白銀】という謎の大柄な男だった。

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(ガンニバル1巻 ©二宮正明/日本文芸社)

ついに「あの人」の魔の手が大悟に迫る。

後藤家が崇める「あの人」とは?

大悟はその後、病院で目を覚ます。

妻・有希と娘・ましろが暖かく迎えてくれるが、その周りに次期当主の後藤恵介たちの姿もあった。恵介は「後藤家でも乱暴な人間たちがやったこと」と素直に頭を下げるのであった。そして、大悟を襲撃した人物に自首させていた。

しかし、後藤恵介たちの口から「あの人」に関する情報は一つも出てこなかった。つまり、あの人の存在を隠すために別人の身代わりを用意していた。大悟は頭を殴られた衝撃で記憶を部分的に失うが、それでもあの獣臭さを忘れることはなかった。

大悟の後藤家に対する警戒心は、ますます強まるだけだった。その後も独自で捜査を進める大悟だったが、年に一度の「供花奉納祭」が始まる季節になった。この祭りを仕切るのが村唯一の神社・来乃神神社だった。

ガンニバルのタイトルの意味とは?

そこで神社で宮司(次期神主)を務める【神山宗近】に衝撃の事実を告げられる。

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(ガンニバル3巻 ©二宮正明/日本文芸社)

かつて供花奉納祭は「人間を奉納していた祭り」だったことを知らされる。そして、村からは次々と子供たちの姿が消えていく。果たして、後藤家とは一体何者なのか?供花村で何が起こったのか?大悟は全ての真相を追及することはできるのか?

だから『ガンニバル』というタイトルの意味は、人食い人種の【Cannibal】と警察官が使う【Gun】の造語と予想してみる。『羊たちの沈黙』に登場したハンニバル・レクターも「カンニバル」という言葉をもじった名前だったと思いますが、それに近いニュアンスか。

タイトル的に「カンニバル」と間違えやすいですが、意外と正解だったりします。果たして本当に後藤家は人間を食べているのか?

供花村を支配する後藤家とは?

だから『ガンニバル』の最終回は先にざっくり言うと、大悟たちがどうやって【後藤家】を倒すのか?という展開になります。そこで【後藤家】とは一体どんな集団だったのかについて解説していこうと思います。

後藤家はもともと各地を転々とした根無し草だった。どの土地でも蔑まれる対象として差別されてきたが、最終的に選んだ定住先が供花村だった。数百年前に起きた飢饉から後藤家は、口減らしのために来乃神神社に奉納された子供を喰うことで生き延び続けてきた。

そのため最初は供花村でも村八分されている側だったが、後藤家には「とある幸運」が舞い降りる。その幸運とは、後藤家が暮らしていた土地で「銅」が発掘されたこと。そこで私財をたらふく肥やした後藤家は村民から次々と買い取って、供花村全体を支配することに成功する。

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(ガンニバル9巻 ©二宮正明/日本文芸社)

裕福な後藤家と貧しい村民たちとの亀裂は深まっていくが、【後藤金次】の代で全ての均衡が壊れる。後藤銀の戸籍上の兄にして、後藤家の先々代当主。暴力的なほど欲望の塊である金次は酒池肉林の日々を過ごし、その対象に妹の銀もあった。

後藤銀の復讐劇が発端

実際に2人は血が繋がっていなかったものの、銀の母親はもともとは来乃神に奉納されるはずだった。ただ結果的に当時の後藤家当主によって救われたが、「神聖な宿命」を全うできなかったとして、村の人間は銀のことを心の底から忌み嫌っていた。

八つ当たりも甚だしかったが、それだけ供花村は狂気に満ちていた。まさに逃げ場がない銀だったが、それまでの人生は「自分の肉体」を男どもに食わせて生きてきた。しかし銀は「今度は己が喰う番や!」と供花村の乗っ取りを画策する。

そこで白羽の矢が立ったのが、来乃神神社の宮司【神山正宗】だった。政宗は前述の神山宗近の父親にあたる男だった。金次をして決して離さなかった銀の魅力に、当時青年でウブだった正宗が即座に取り込まれるのも時間がかからなかった。

ほどなくして銀は最終的に妊娠してしまう。この2人の子供こそが、後に【白銀】と呼ばれる「あの人」だった。そして銀は息子・白銀と共に、供花村に復讐することを誓う。政宗の協力も借りて内部抗争を起こし、銀を巡って多くの死者を出す。

しかし、ひたすら自らを弄んだ金次を打ち取ることに成功。

息子・白銀を利用して供花村を支配

そして、後藤銀は名実ともに供花村の頂点に君臨する。

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(ガンニバル11巻 ©二宮正明/日本文芸社)

しかし、銀は「秩序という名の呪い」を供花村に新たに植え付けるのであった。この新しい秩序の【象徴】として用意したのが「息子の白銀」だった。村民たちに白銀を「あの人」と崇拝させることで、村の秩序を保った。正確には銀そのものを絶対的な権力者に仕立て上げた。

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(ガンニバル3巻 ©二宮正明/日本文芸社)

これが何十年にも渡って、供花村の誰も、後藤家の人間ですら逆らえなかった【後藤銀】の真実であった。この銀が仕組んだ呪いは今日まで続いたのは周知の事実。現在の供花村は、まさに後藤銀の人生そのものであった。

後藤白銀≒あの人≒あらひと(現人神)

一方、後藤銀は妊娠が発覚した後、しばらく山に籠もって村民たちから逃げ回っていた。元々が貧しい村だったが故に食糧などはなかったため、銀は「村民の肉」を喰うことで飢えをしのいだ。また白銀は狂い病に罹っていた影響で、人肉を喰うことしかできなかった。

来乃神神社の伝承では、かつて狂い病に罹った人間は発症から一年から二年で確実に死亡していた。しかし狂い病を克服して、唯一生き延びた人間もいた。ただ、その男は2メートルを超える巨躯となり、狂気に暴れる回る姿から【現人神(あらひと)】と呼ばれた。

つまり、白銀が「あの人」と呼ばれる所以は、まさに「神」だったから。詳細な言及こそなかったと思いますが、最初は「あらひと」と呼ばれていたのが、「あのひと」と次第に訛って呼ばれるようになった感じか。

後藤銀は最後に誰に殺された?

ただ復讐の連鎖は続く。

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(ガンニバル11巻 ©二宮正明/日本文芸社)

実は、後藤銀を最後に殺したのは「後藤家以外の村民」だった。何故なら、供花村の階級社会が変わることはなかったから。表面上は収まったかのように思えた後藤家に対する怨嗟もまた、時を超えて継承されていたのであった。

ちなみに、白銀は狂い病の影響で今もなお、人肉を食べることしかできなかった。だから実は悲しいことに、最終的に銀にとどめを刺したは息子・白銀だった。村民たちは臭いで熊が襲ってきたと勘違いして、白銀が来る前に逃亡していた。

銀は手塩にかけて育ててきただけに狼狽するが、涙を流しながら自分を喰う息子・白銀を見て、何故か逆に喜びの笑顔を見せる。産むことも、死ぬことも同じ。喰うことも、死ぬことも同じ。何故なら、全てが愛のためだったと思ったから。

そして、銀は自らが生み出した殺し合いの連鎖につむがれて死んでいく。

最終決戦の結末は?

ここまでがかつて70年以上前に起きた【後藤銀】と【供花村】の過去。

再び現代に戻ると、供花村では祭り(【白銀】に捧げるため)に備えて子供たちが次々と失踪していた。大悟の追及もあって、いよいよ警察の摘発が進められた。それに抵抗する後藤家との壮絶なドンパチが始まる中、大悟の娘・ましろがついにさらわれてしまう。

自衛隊も最終的に大量に駆り出されるなど、供花村はまさに「最終決戦」の様相を呈していた。

ただ後藤家の復讐の連鎖から解放したのが、全ての罪に向き合い改心した後藤家の次期当主【恵介】だった。既に大悟と協力していた恵介は、ましろを喰おうとした白銀の後頭部に猟銃を発射する。白銀は絶命間際に、自らの肉体を貪る。

そして見計らったかのように、恵介は「この娘を喰わなんだことこそが、己が父の最期の意志。罪背負ってでも生き続ける姿。子供らに見せていこうや」として、後藤家全員で投降することを促す。これに反対する後藤家のモノはいなかった。

後藤岩男の暴走

しかし唯一許容しなかった男がいた。

それが【後藤岩男】。かつて後藤銀が逃げ隠れた山中で、偶然に出会った山賊の子供だった。かつて家畜のように人間を襲って喰らっていた。結果的に救われた恩義で、銀は後藤家に迎え入れた。そのため生粋の後藤家ではなかったため、その血筋の呪縛にも縛られていなかった。

後藤岩男とて、それは同じ。血と肉と本能だけで動く男だった。また白銀が「仮初めの神」だったことも既に知っていたため、白銀を神などと尊崇する気持ちは一ミリもなかった。それでも恵介とは幼馴染だった岩男は、混乱の元凶を作った主人公・大悟だけは許さなかった。

ただ大悟を踏み殺そうとした後藤岩男に対して、後藤家が抱える復讐の連鎖を絶ちたかった後藤啓介は発砲する。幼少期から「恵介を守ることだけ」を生きがいにしていた岩男はそれまでの痛みも相まって錯乱し、その敵意は恵介にも向かう。

生かすことが生きること

もはや次期当主の声すら全く無視される現状に諦める恵介だったが、主人公・阿川大悟に「まだ何も終わってねぇ。おまえにも帰りを待っている人がいるんだろうが」と叱責されると自らを奮い立たせるのであった。

恵介は「この俺が生きていいのか」と迷いながらも、大悟の娘・ましろを抱えてその場から必死に逃亡を図る。そして、その場に残った大悟は後藤岩男と対峙する。

ただ恵介が洞窟から外に出ると、そこに待ち構えていたのが「後藤家が虐げてきた村の連中」だった。更に言うと、後藤銀を殺した村民だった。とりわけ自分たちの子供が生贄にされていた積年の恨みも相まって、今まさに恵介を殺さんとした。

しかし、そこに県警が駆けつけて事なきを得る。

警察官・大悟が復讐の連鎖を止める

一方、後藤岩男と戦っていた大悟だったが、最後にとどめを刺したのが【神山正宗】だった。銀と懇ろの関係にあった神社の宮司。そして、白銀の実の父親だった。過去の因縁を断ち切るように、猟銃を岩男の顔面にめがけて放つ。ただ政宗の復讐は終わらなかった。

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(ガンニバル13巻 ©二宮正明/日本文芸社)

後藤家の本邸に火を放っていた。報復の連鎖を止めるためには、どちらか一方を根絶やしにするしかなかった。これもひとえに【大悟】が後藤家に立ち向かったからだった。アンチ後藤家の闘争本能を掻き立て、更には後藤家そのものを弱体化させたからだった。

それでも後藤家の「復讐の連鎖」を止めたのが大悟だった。暴徒と化した村民たちを逮捕していく。最後は法律というルールで後藤家の呪縛を抑え込んだ。その後、マスコミによって日本史上最悪の「供花村事件」として報道されることとなる。

人食いの呪縛はまだまだ続く?

その後、後藤邸では警察による現場検証が早くも始まっていた。燃え尽きた後藤邸を見て恵介は、「それでも考え続けていくしかない。生きていくしかない。俺達は多くの罪を犯してきた。あんまりにも多くの…その報いは受けないかん」と自らの罪に向き合おうとしていた。

その現場検証には、警察官の大悟の姿もあった。

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(ガンニバル13巻 ©二宮正明/日本文芸社)

「だけどよ…俺もおまえの立場なら同じことしてたはずだ。出てきたら子供…堂々と抱きしめてやれよ」と大悟は恵介を励ますのであった。恵介は悪態をつきながらも、その表情は吹っ切れた笑顔が浮かんでいた。ただ全ての問題が解決したわけではなかった。

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(ガンニバル13巻 ©二宮正明/日本文芸社)

何故なら、「人食いの呪縛」までは完全に断ち切れていなかったから。大悟の前任の駐在員が遺した言葉は「この村の人間は人を喰っている」だった。後藤家(白銀)を限定にした言葉ではなかった。果たして大悟は【供花村の本当の問題】を解決することができるのか?

…という場面で『ガンニバル』は完結します。

おすすめは圧巻の画力

そこで『ガンニバル』の面白い点を評価しようと思います。

『ガンニバル』のおすすめ要素は「圧倒的な画力」。最初から最後まで、キャラクターの表情から風景に至るあらゆる表現が、手加減なく緻密に描き込まれています。後藤銀の回想シーンではレイフ゜描写も多いため人は選ぶものの、そういった描写も手抜かりはなし。

作者の絵柄も雄々しくて迫力があるので、バイオレンスなホラーサスペンスというジャンルとも合致しているのが良き。血みどろの殺し合いや骨肉の争いをドロドロに描き切っている。やっぱり漫画は「絵」ありき。好みは分かれる絵柄ですが、これだけでも一冊600円700円の価値はある。

ただ強いて言うと、表情のアップが多すぎて誰が誰だか分かりづらい。また登場人物がムダに多すぎるため、その識別や理解に時間がかかるのも難。特に過去の回想シーンではキャラデザが微妙に変わっているため、キャラクターの見せ方という点では若干難あり。

だから絵そのものは躍動感があるものの、サスペンスホラーとして素直に楽しませてくれるかというとテンポ感の面ではやや見劣りする

最後の結末はモヤモヤする

一方、『ガンニバル』のつまらない点もあります。

それがモヤモヤする「最終回の結末」。娘・ましろが血を欲する伏線や、実際に人を喰らう狂い病自体はあったことは描かれていましたが、ここまで複雑な人間関係を読者に読み解かせておいて、こういうホラー漫画特有の理不尽なオチを持ってくるのは演出として正解だったのか?

ストーリーが重厚であるが故に、それまでの複雑な人間関係は全く関係なかったんかーい!と全部ちゃぶ台返しされたような気分だった。もし最初からこういうホラー的なオチにしたかったのであれば、ストーリーの構成やキャラの相関関係はもっとシンプルにして良かった。

やっぱり登場人物がムダに多すぎる。特に後藤家は過去と現在も絡んでくるので、どの後藤がどの後藤なのか迷うこともしばしば。「察して」レベルの解説ばかりで、読者側に覚える努力が変に求められる。読み返しが必須なのが面倒。

まだまだ狂い病の不運は続きまっせと言われても、その続きが気になることはなかった。せめて供花村以外の場所で再び事件や現象が勃発するならまだしも、物語の「区切り感」がなさすぎて読後感が良かったとはとても言えない。悪い意味で、ひたすらモヤモヤさせられた。

まさに竜頭蛇尾といった最終回でした。

ガンニバル 最終13巻 総合評価・評判まとめ

以上、『ガンニバル』全13巻のネタバレ感想でした。

結論をまとめると、まあまあ面白い漫画だったと思いますが、読むのになかなか体力がいると思います。やはりエログロ展開が多く、人を食べるシーンこそ知れてますが、内容はしっかりヘビー。それでいて作者・二宮正明の作画もしっかり魂がこもった筆致なので、その熱さにあてられる。

人間関係もしっかり複雑で、頭で理解するのに時間がパワーが読者側に求められる。それ故に読み応えはあるものの、最後のちゃぶ台返し的なオチは評価が分かれそう。せめて素直にスッキリ完結してくれていたら、もっと個人的には評価できたかも知れない。

それでもボリュームは全13巻しかないので、決して引き伸ばし自体があるわけではないものの、展開に勢いがあるかは微妙。悪く言うと、絵の迫力で誤魔化している感はある。最終的に県警に解決させるのであれば、わざわざ自衛隊を出動させたのは明らかにムダな描写。

○意外と展開はダレる

こういった変なムダな寸止めプレイも多くて、むしろ展開に冗長さを感じさせる。例えば、主人公・大悟の過去エピソードも正直不要。かわいい娘のために命がけで動くなんて当たり前の話。わざわざこういうエピソードを挟まなくても、読者には親子愛が十分に伝わる。

『ガンニバル』は、とにかくキャラクターがムダに多すぎる。もしこれだけのキャラクターを動かしたかったのであれば、もっとボリュームを使って丁寧に描写すべきだった。逆に13巻のボリュームで収めたかったのであれば、もっとキャラクターの数を絞るべきだった。

絵に熱い魂が込められている反面、悪く言うと肩に力が入りすぎていた印象。そのため設定やストーリーでも同様に色んな要素を詰め込みすぎていた感じがします。

だからちょっと変に頭を使って読まなければいけないというのか、意外とダレることが多いのはマイナス評価でしょう。サスペンスホラーであれば、もっとあっさり読みたいのが本音。そのためつまらないと言えば、つまらない漫画ではありました。

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