『異世界おじさん』のネタバレ感想をレビュー。
作者は「殆ど死んでいる」。掲載サイトはコミックウォーカー。出版社は角川書店。ジャンルはギャグファンタジー漫画。AmazonのKindleや楽天koboなどで無料で試し読み・立ち読みができます。
ちなみに『異世界おっさん』や『異世界オジサン』ではありません。また作者名もあまりに意味不明ですが、今記事ではツッコミません。
割と話題になってる人気無料マンガらしいので、今回ドル漫では『異世界おじさん』の面白要素やおすすめポイントを徹底的に考察解説していこうと思います。『異世界おじさん』の購入の参考にしてください。
あらすじ登場人物
まずは『異世界おじさん』の内容あらすじや登場人物キャラクターを解説。
主人公はとある「叔父さん」。
このおじさんは17年前にトラックにひかれて昏睡状態だった。しかし、ふとしたキッカケで叔父さんは目覚める。そして物語は甥の「たかふみ」がおじさんを病院にお見舞いした場面から始まる。
ただ約20年以上に会話したおじさんは頭がおかしくなっていた。自らを異世界「グランバハマル」に迷い込んでいたと語り、突如として意味不明の言語を喋りだす。17年も昏睡状態だと、夢と現実がごっちゃになってる?
不景気の日本。ほぼ交流がなかった頭のおかしい血縁者(しかも職歴なしのアラフォージジイ)を養うハメになるかと思うと、まだ若者のたかふみは不安と恐怖で表情が歪む。そして、おじさんを行政の自立支援センターに通わせようとするが…
まさかのおじさんは本当に「魔法」が使えた。異世界に迷い込んでいたのは事実だった。
炎を操るだけではなく、モノを動かすサイコキネシス的な魔法も使える。異世界・グランバハマルは弱肉強食の世界だったのか、そこで17年も生き抜いてきたおじさんの魔法は非常に強力で多彩だった。
たかふみは「本物の魔法使い」を垣間見て、思わず行政の自立支援のパンフレットを破ってしまうほど驚愕。そして、魔法が使えるおじさんを利用してYoutubeで金儲けすることをひらめく。
そんな無意味に最強すぎる色んな意味で魔法使いのおじさんと、地味に腹黒いたかふみと奇妙なYoutuber生活が始まる…という内容。だから『異世界おじさん』の内容はほぼギャグ漫画テイストになっております。
おじさんの過去が悲惨すぎて面白いwww
続いては『異世界おじさん』の面白おすすめポイントを考察。
とにかくおじさんが悲壮感であふれてる。いくら事故だったとはいえ「17年間ほぼ職歴なし」という状況が既に悲壮感が漂いあふれてますが、実は異世界にいたときから叔父さんは冷遇されていた。
突然異世界に放り込まれたわけですから、おじさんは17年間ずっと「一人プレイ」だったらしい。最初は言葉も通じず、仲間も作れず、ひたすら一人で生き抜いてきた。この独白があまりに切なすぎて泣ける。
そう考えたら、おじさんの適応能力の高さがハンパない。
でも、おじさんも仲間を作れば良かった話。既に異世界の言葉を流暢に話せてる以上、結果的にはコミュニケーションは取れたはず。おじさんはただのコミュ障だった?でも、実はそうではない。
実は異世界・グランバハマルはモブキャラも美男美女ばかりで、おじさんは「オークの亜種」としてしか認識されてなかった。そして、「善良」な住民におじさんは何度も狩られようとした。
まさかの同じ人間が敵。そら人間不振にならざるを得ない。そら一人プレイで生き抜かなければいけない。
○おじさんの魔法がすごすぎてワロタwww
こんな逆境をバネにしたのか、前述のようにおじさんの魔法力がハンパなく鍛えられてる。もしかすると元々魔法使いの素質があったのかも知れない。
だからおじさんは魔法で「空を飛ぶこと」は当たり前。異空間を作ってドラえもんの四次元ポケット的なものも作れる。SEGA愛をこじらせて激怒すると雷雨と嵐を巻き起こすほど。天候まで操れると、おそらく世界の戦争も止められるレベル。
そして嫌な出来事が多すぎたせいか、おじさんは「記憶」を部分的に消失させることも可能。
この自分の記憶を他人に「VR風」に見せることだって可能。しかも、画面をスワイプして回転させることも可能。いや、どんだけ時代を先取ってくれてますねん(笑)
他にもおじさんは干ばつで苦しむ村のために「水の湧き出るツボ」を開発したことも。水を電気分解すれば水素と酸素ができるように、おじさんは逆バージョンを魔法でやってのけた。もはや、ただの異世界チートおじさん。
でもおじさんはやっぱり「悲壮な運命」の元に生まれてる。
干ばつで苦しんでいた村人は土着信仰系の宗教を信仰していたのか、この原理が不明な水があふれるツボを邪悪な悪魔とでも認識。そして、おじさんは最終的にまたしても吊るされて燃やされかけた。
さながら魔女裁判の餌食にあってしまうというオチ。
おじさんのSEGA愛が止まらない件
やはりおじさんは17年間も昏睡状態だっただけあって、日本の2000年以降の事情や知識がごっそりと抜けてる。
例えば、おじさんは「SEGA」のゲームが大好きだった。1990年代後半まではソニーのPlayStationやSEGAのセガサターンやドリームキャストの一騎打ちだった。自分もセガサターンを所有してたのは懐かしい思い出。
今でもソニーと任天堂の不毛なゲームハード論争が行われてますが、きっとおじさんも昏睡状態にならなければ…というほどSEGA愛が深い。まさにSEGAは世界を救う。でもご存知のようにSEGAは惨敗。
そのためSEGAが敗北した事実を記憶消失してみたり、当時の雑誌をネットオークションで集めて読み漁っては、昔好きだったSEGAのゲームソフトがぼろくそ叩かれていたレビューを読んで激怒したり。
とはいえ自分がSEGA派だったから痛切に実感してますが、当時から既にソニーに敗色濃厚でしたが…。だから、『異世界おじさん』は17年の空白のギャップ感を活かした笑いが重点的に描写されてる。
○おじさんの「世代間ギャップ」が面白い!
例えば、『笑っていいとも』が完結してしまったネタなどは笑えます。数年前に『こち亀』も完結しましたが、逆に「最近までやってたな!すげーな」と逆にびっくり。Youtube関連で言うと、まだ20年後もヒカキンが一線で活躍してたら驚きます。
他にもネットの慣習やノリ・文化にも疎い。ツンデレという概念も全く知らなかった。
だから語尾に割と使われてる「www」というネットスラングに対しても、おじさんは「なんでダブリューを沢山つけるんだ!?」と驚愕した場面も。ちなみに「w」は「笑(わら)」の頭文字から来てるネットスラング。
ただ自分は1990年代後半からインターネットを使ってましたが、割と当時から「www」は使ってた気がします。2000年に異世界に迷い込んだオッサンが完全に知らないはず断言できるかは疑問?
おじさんに好意を寄せるツンデレエルフがかわいい!!
こんな天涯孤独だったおじさんですが、異世界でも「女子」といい感じになったことも。厳密にはおじさん自身の恋愛センサーが疎くて気付かなかったものの、おじさんに好意を寄せるツンデレエルフがいた。
でも、このツンデレエルフが地味に可愛い。コミックスの表紙にも描かれており、どうやら作者的には可愛いツンデレエルフを今後も活かしていく?
このツンデレエルフは事あるごとに、窮地に陥るおじさんを助ける。普段から監視してなきゃ無理やろみたいなタイミングでいつも登場するため、もはやツンデレエルフがおじさんをストーカーしてる疑惑すらあるほど。
ある日、助けられたおじさんは貸しを作りたくないと、異世界で7つしかない貴重な宝石があしらわれた指輪をプレゼントする。おじさん的には指輪を「かさばらない小ぢんまりしたモノ」程度としか認識してない。
ただ状況的には「完全にプロポーズ」の場面。ツンデレエルフだから頑なに拒否してみるものの、おじさんが「いらないのか?」と尋ねると小声で「いる」とテレ顔で答える。ただのTHE ツンデレのお手本ですやん。
他にも、ツンデレエルフがおじさんから借りた使用済みのパーカーをこっそりと着用して楽しむ姿も可愛い。これぞ理想的な女子の可愛いあるべき姿やないですか。きっとパーカーもオジサン臭から女子特有の良い匂いに変わってるに違いない。
ちなみに、このあと何人か殺害しそうなシリアルキラー的な雰囲気も漂わせる「おじさんの渾身の笑顔」も実に可愛らしいので、是非コミックス単行本でご確認ください。
【口コミ評判】異世界おじさん 総合評価・ネタバレ感想レビューまとめ
以上、ドル漫の『異世界おじさん』のネタバレ感想でした。
結論をまとめると、『異世界おじさん』はまあまあ面白かったです。最近は異世界モノは流行ってるジャンルらしいですが、『異世界おじさん』は日常ギャグ漫画としても普通に読める。
ネットで無料公開されてる漫画とは思えないクオリティ。紙雑誌の週刊誌で毎週掲載されててもおかしくないか。良い意味でダラダラとあっさりと読み切れるので、単行本一巻程度のボリューム感だと物足りないほど。
まさに内容は主人公の叔父さんと同じ「30代40代の読者」がドンピシャにターゲットに絞られてる。今の10代読者はピンと来ないかも知れませんが、逆に年代さえ合えば割と買いの漫画ではないかと評価してみる。
もし気になれば公式サイトで無料でためし読みをおすすめします。2巻は2019年4月頃、3巻は2019年9月頃、4巻は2020年2月頃と今後の『異世界おじさん』は順調だと半年ペースぐらいの発行ペースで発売予定。
コメント
90年代後期はwじゃなくて藁だな