コミックス累計発行部数が5億部に迫る人気漫画が『ONE PIECE』。この『ワンピース』の最終地点がラフテルと呼ばれる最果ての地。そして、ラフテルに隠されている最後の宝が「ひとつなぎの大秘宝」。この別名が漫画タイトルと同じ「ONE PIECE」。
『ワンピース』の連載から25年以上が経過するものの、未だに多くが謎に包まれています。でも最近になって、珍獣島の考察屋-ezkという方が考察した「ひとつなぎの大秘宝=温泉説」がネットで流行していました。某お金もっちー先生も取り上げていました。
そこで今回ドル漫では「ひとつなぎの大秘宝=温泉説」について徹底的に考察していこうと思います。かなり長文の有料記事だったので僭越ながら内容を掻い摘みつつ、この温泉説に対する個人的な感想を述べたいと思います。
ラフテルは「有数の温泉地」だった?
では何故、ひとつなぎの大秘宝の正体が温泉だと言えるのか?
結論からまとめると、ラフテルは温泉が豊富だった国だったとのこと。例えば、元ロジャー海賊団だったクロッカスが回想している場面でも、ラフテルと思しき島の周辺に霧が立ち込めている様子が見て取れます。これが温泉の湯気だったという見立て。
他にもクローバー博士が主張していた巨大な王国の描写でも、その周辺には似たような霧に取り囲まれていました。巨大な王国はかつてDの一族、もしくはジョイボーイが統治していた国家の可能性が考えられるため、【湯気】という点で共通しているのは当たり前ということ。
事実、ゴールド・ロジャーや光月おでんがラフテルに到達したとされる描写の背後には「湯気」らしきものも確認できます。
尾田さんは【湯気や雲といった描写は自分で描く】とコミックス52巻のSBSでかねがね語っていたことから、この描写には明らかに意図が隠されているはず。
また尾田さん自身も現在活動休止中の『嵐』との対談で「健康ランドにいるとき」を最も幸せに感じる瞬間にあげていました。だから尾田さんにとって大勢で入浴する【温泉】や【スパ】に対して強い思い入れがあることも推認できます。
ゴールド・ロジャーは死に際に「この世の全てをそこに置いてきた」と語っていましたが、入浴する前には普通全てを脱ぎ去って置くもの。仮に最後の宝が温泉だった場合、そういったニュアンスが込められた発言だったとも考えられる。
ヴァースとBath、1126年と「いい風呂」
他にも最後の宝・ONE PIECEが温泉であることを裏付ける伏線があるとのこと。
それが空島編で登場した「ヴァース(大地)」。
空島には土の大地は存在せず、海雲や島雲しかありませんでした。そのためノックアップストリームで巻き上げられたジャヤの大地は「神聖なもの」として空島の住民に崇められていました。それ故に長らく血生臭い対立が起きていた。
ヴァースという名前の由来はハッキリと判明していなかった気がしますが、当該の考察ではお風呂を意味するBath(バス)がモデルと結論付けている模様です。確かにBathの由来は「混浴」というゲルマン古語とされるなど、Bathという名前は温泉との関連が深い。
○お風呂に関する数字の語呂合わせが多い?
また空島にジャヤの大地の半分が飛ばされた時期は「海円歴1126年」でした。画像では1127年と表記されていますが、これはモンブラン・クリケットが王様とジャヤの大地に再びやってきた時期。実際にジャヤの大陸の半分が吹き飛ばされたのは、この「一年前」になります。
そこで語呂合わせ的に解釈すると、1126という数字は「いい風呂」と読める。つまり、ヴァースとBath(風呂)には大きな関連性が見られるのではないかということ。
他にもお風呂繋がりの伏線にはガイモンの扉絵がコミックス63巻でありました。ガイモンがサーファンクルという謎の樽に入った少女とともにイチャコラしているシーンですが、この話数が620話。逆から語呂合わせ的に読むと、お風呂(026)になる。
ちなみに両名は『サイモンとガーファンクル』がモデルのはず。
樽は「樽風呂」を象徴しており、樽の表面には警告を意味する「CAUTION」という英語も刻まれている点も意外と見過ごせないか。何故、樽に注意を引き付けているかというと、まさにひとつなぎの大秘宝がお風呂や温泉を読者に匂わせるためか。
結局ロジャーは「最後の宝」を入手できていない
ただし、温泉説を裏付ける根拠としてやや弱い気がします。
何故なら、ひとつなぎの大秘宝の正体が温泉だったらロジャーは「既に入手している」はずだから。
もしラフテル到着時の背景に湯気が描写されていたとしたら、何故みんなが大笑いした時のロジャーたちは「服を着用したまま」だったのか?そもそも現実として、ロジャーたちは最後の宝を入手していないからこそ次世代に思いを託している。
だから「ラフテルの正体」が温泉地 or 源泉数が多い国だった可能性は読み取れるものの、温泉そのものが【最後の宝】かどうかというと微妙なところでしょう。
ましてや最後のお宝が「とんでもない温泉」であれば、不治の病のロジャーが根治していてもおかしくない気がします。何故なら、温泉の最大の効能が病気療養だから。まさにそんな温泉地を巡って、戦争(空白の100年)が勃発したと考えたらいろいろ辻褄も合います。
だから「ジョイボーイはとんでもない宝を残した」ともロジャーは語っていましたが、ラフテルにある湯に浸かってワイワイするだけでは【お宝感】はない。温泉がカタチあるご褒美とも、涙が出るほど笑えるモノというイメージとも合致しないでしょう。
温泉のような「ありふれた宝」の可能性も大だが…
一方、ビッグマムはONE PIECE1040話の負け際に、ひとつなぎの大秘宝が「この国にもあるんだろ」と推測していました。もちろんビッグマムの推測が正しいとは限らないものの、普通に考えたら「どこの国にもあるという前フリ」と解釈するのが自然。
だから、温泉のような身近にあふれるモノが【最後の宝】である可能性も十分あります。
ただし、最後の宝がありふれたモノが答えだとしても、今度は候補はごまんと存在することになるため、逆に温泉である必要性がなくなる。既にONE PIECEの正体はPEACE(平和)説も考察していますが、平穏な世界はそれこそ【どこにでも本来ありふれていた方がいい】もの。
平和だと確かに概念的すぎますが、それでも温泉に「カタチのあるモノ感」があるかというとやはり微妙だと思います。あとサンジが憧れる全ての魚が生息するオールブルーとも若干被るため、ただの温泉ではスペシャリティ感にも欠けそう。
ワンピースの最終回≒宴説を補完するもの?
しかしながら的外れな考察かというと、そういうわけではないと思います。
『名探偵コナン』の作者・青山剛昌との対談で「死ぬまで温泉の旅」と語るなど、尾田さんそのものが温泉やスパが大好きだけあって、珍獣島の考察屋-ezkさんが考察されたように「お風呂に繋がる伏線(ないし思い入れ)」が綿密に張られているのは事実のようにも思えます。
だから、【温泉】という演出は「ワンピースの最終回の内容」に関係してくるのかなと予想します。既にドル漫ではワンピースの最終回≒宴説を考察していますが、あくまで温泉というアイテムは【物語の締めくくり方】で使われる演出なのではないか。
事実、ワノ国編が終わった後に麦わらの一味が温泉に入っているんですが、この入浴シーンで「宴」という表現をルフィが使っています。つまり宴と温泉はセットのものだとしたら、【最後の戦い】を終えた後にそれらが描かれるのではないか。
未だに謎も多いビンクスの酒も敢えて絡めるとしたら、ビンクスの酒で作られた【酒風呂】がONE PIECEだった?少なくとも温泉に関連性があるとしたら、ひとつなぎの大秘宝よりもビンクスの酒の方が近いかも。
ちなみに、元ネタには空白の100年や尾田栄一郎の名前にゲダツが隠されてた説など、他にもいろいろ掘り下げた考察もあるので、もし興味があればご覧になってみてはいかがでしょうか。
コメント
ビッグマムのここにもある発言は、ロードポーネグリフのことだと思います。