『外れたみんなの頭のネジ』1巻から4巻のネタバレ感想をレビュー。作者は洋介犬。掲載サイトはGANMA。出版社はアース・スターエンターテイメント。ジャンルは少年コミックのホラー漫画。
『外れたみんなの頭のネジ』は無料配信されてますが、一応、AmazonのKindleや楽天koboなどで無料で試し読み・立ち読みができます。
この画像をネット広告などで頻繁に見かけたこともあると思いますが、今回ドル漫で取り上げるホラー漫画『外れたみんなの頭のネジ』で掲載されている内容。中身は読んだことはないけど、この漫画の評判や評価が気になってる人も多そう。
そこで『外れたみんなの頭のネジ』が面白いかつまらない漫画なのか徹底的に考察してみました。今回の感想レビューを購入時の参考にしてください。
外れたみんなの頭のネジ あらすじ内容解説
主人公は七尾ミサキ。どこにでもある街で暮らすどこにでもいるフツーの女子高生。しかし、ある日を境に周囲に違和感を感じ始めるようになる。
例えばいつも明るく挨拶してくれた近所のおばさんも、壁に向かって独り言を言い始める。近所の交番で働く好青年のお巡りさんも、奇声を発しながら人を撃つ真似ではしゃぐなど、明らかに街は異常と化す。
七尾ミサキに対しても脅迫文としか思えないラブレターが届いても、クラスメートたちは「結果的に嫌われてないから問題ない」と誰もが取り合ってくれない。
しかも七尾ミサキの前には、更に悪魔と思しき謎の生物・べへりんも現れる。べへりんに事情を説明しても「狂ってるのはお前の方じゃないのか?」とまで言われる始末。しかし「オレを信じさせることができたら、魔力でお前を救ってやれる」とべへりんは不敵な笑みを浮かべる。
そこで七尾ミサキは「狂った街の実情・体験」を必死に説明し、悪魔・べへりんの体内魔力を溜めようと動く。果たして七尾ミサキは狂った街の秘密を解き明かすことはできるのか?といった内容がベースにあります。
ただ『外れたみんなの頭のネジ』の物語の構成としては、基本的に一話完結のオムニバス形式になります。ホラー漫画ってこともありますが、ストーリー性などは気にしなくていいと思います。
「外れたみんなの頭のネジ」がそこまで恐怖感を感じない理由
『外れたみんなの頭のネジ』が面白いかつまらないか結論から評価すると、そこまで面白くはないと個人的には思います。少なくとも「ホラー漫画として」は正直全然怖くないと思います。
一応、画像のように何となく怖い描写は存在すると思います。アイデアや狙いも悪くないんですが、画力は全体的に平凡。そして展開の作り方が一番ネック。ホラー漫画としては、ちょっと意味不明な頭を抱えてしまう描写も多い。
○何故か唐突に入るギャグ要素がつまらない
例えば、つまらないと思われる最たる例が「ギャグ要素」。
画像のように、何故かちょいちょい笑いを入れてくる。状況を説明しておくと、べへりんが魔力の貯まり具合をパソコンの保存メディアで例えてる場面。たまに笑いを狙ってくるレベルならまだしも、割りと頻繁。正直ホラー漫画として必要か不要かで評価するなら、ほぼ間違いなく後者でしょう。
だから設定ありきと想像されるストーリーやエピソードも多く、『外れたみんなの頭のネジ』のオチにはいまいち意味不明な結末も多い。
例えば、雉野すずというクチの悪い生徒を取り上げた回。七尾ミサキに突っかかって問題を起こす。そこで母親と共に謝りに来た雉野だったんですが、母親に歯を全部抜かれて舌も切断されてしまう。母親曰く、「これ以上人様にご迷惑をおかけしないように元から断った」とニタリ。
このまま終わってればまだゾワッとしたまま終われると思うんですが、このオチは「それから雉野は画像のようなアクションをするようになった」という結末。え?どゆこと?。せっかく良い読後感のまま終われそうだったのに、余計なことしてムードが台無し。上述の件も含めて、下手に笑いに走った感も見て取れて変に冷める。
だから『外れたみんなの頭のネジ』は全体的にシロート臭い。最近流行りのYouTuberみたいな雰囲気。画像のように誤字脱字(×出張○主張)も散見されるなど全体的に完成度は低く、内容は完全に中高生向け。もちろん「完成度の高さ=需要が多い」という図式が成立するとも思わないですが、大人が満足できるようなホラー漫画ではありません。
『外れたみんなの頭のネジ』を「おすすめホラー漫画ランキング」に今後も選ぶことはなさそう。ちょっと内容的に正統派のホラー漫画という感じではありません。
「ヒトモドキ」の最後の結末をネタバレ
ただここで終わってもアレなんで、『外れたみんなの頭のネジ』の中で評判になってるエピソードを何話か紹介したいと思います。ネタバレ注意報発令。結末を知りたくない方はスルー推奨です。
まずは冒頭でも触れた「ヒトモドキ」。おそらく『外れたみんなの頭のネジ』の中で一番有名なエピソード。「この人間のようなもの(ヒトモドキ)」とは何なのか。「おフロにとじこめていた」とはどういう意味なのか。死んでいてもかまいませんという表現も実に物騒。
結論から書くと、七尾ミサキはヒトモドキを学校の倉庫内で発見される。ヒトモドキ曰く、どうやら「お前は鬼の子。人間じゃない」と風呂場にずっと閉じ込められていたとのこと。つまり単なる可哀想な被害者に過ぎない。
そこで哀れに思った七尾ミサキのクラスメート・戸田が引き取って、自分の家に連れて帰ることを提案。初めて人間の温かさに触れて涙するヒトモドキ。これでチャンチャンと万事解決かと思いきや、NO。
ただ一週間後、あれからどうなったか不思議に思った七尾ミサキは、戸田にヒトモドキの現在の様子を尋ねる。しかし返ってきた答えは「あんなのすぐにヒトモドキの家族に連絡して引き渡したよ。家族は家族と一緒にいるのが一番だよ」とニッコリ笑顔。えぇぇぇぇぇ!お前ヒトモドキの話を聞いてなかったんかい!?思わずマスオさんばりにびっくり。
結局、ヒトモドキは人間扱いされることはなく、再び監禁生活が…というオチ。戸田のドSプレイが半端ない。『外れたみんなの頭のネジ』最新4巻を読んでも再登場する兆しはないため、もうヒトモドキの命は…。
「おにくでりしゃす」の最後の結末をネタバレ
続いては「おにくでりしゃす」。クラスメートの岡村まこは太っちょJK。そのためアダ名は「おかあちゃん」。でもある日を境に急激に痩せた岡村。理由は「おにくでりしゃす」というYouTube動画を観たのがキッカケらしい。しかし動画の内容は「肉を食べたくなくなるグロ動画」だった。
牛なのかヤギなのか得体の知れない喋る動物を食べる少女など、YouTube動画であるにも関わらず再生時間は1時間近くある長編もの。食欲を奪うという、そのまんまのオチ。他にも肉だけではなく「ケーキデリシャス」という動画もあるとか。
同じ『外れたみんなの頭のネジ』2巻の冒頭ではハンバーグネタなど、作者・洋介犬は肉食に何か恨みでもあるんだろうか。ちなみにYouTubeで「おにくでりしゃす」を実際に調べると、割とガチで食欲を奪ってくれるような動画が出てきたので注意しましょう(笑)
外れたみんなの頭のネジ おすすめ総合評価・評判・口コミレビュー
以上、ドル漫による『外れたみんなの頭のネジ』の個人的な感想でした。
結論を一言でまとめると、純粋に怖いホラー漫画としてのクオリティーは高くないと思います。
ストーリーやエピソードにリアリティがなさすぎて、大人読者が読には割としんどい。一話完結のオムニバス形式ではあるものの、オチも尻切れトンボで意味不明な結末も多い。グロさの点でも画力は高くないので、どこをおすすめすればいいか分かりづらい。
ただ「あくまでこういう漫画」として割り切れば、それはそれでアリかも。
しっかり怖がらせようとしているのか、笑いを狙いにいってるのか分からない意味不明さも「洋介犬ワールド」と解釈すれば、それはそれで漫画として成立するのかも知れない。実際に4巻以上も発売できてる時点で、『外れたみんなの頭のネジ』はそれなりに人気の証拠。
だから無料アプリ「GANMA」で何話か実際に読んでみて、そこから『外れたみんなの頭のネジ』を買うか買わないか判断することをおすすめします。あくまで正統派のホラー漫画ではなく、中高生向けのラノベチックなホラー漫画として割り切れば問題ないか。
コメント
ヒトモドキの件ですが、4巻描き下ろしでせいらが通報する場面があります。
また、街が狂った原因に613発言がキーワードになっています。
そうした謎解きや付箋の回収が上手い事が魅力だと思われます。
もしかしたら、1話完結の話の仲にも重大なヒントが隠されているかもしれませんので、興味があるなら是非。