少年ジャンプで連載中の人気バトル漫画が『呪術廻戦』。コミックス累計発行部数は2022年9月時点で7000万部を超えます。『鬼滅の刃』と同様にアニメ化から人気に火が付いたんですが、TikTokで『呪術廻戦』の技を真似する人たちも多いです。
その代表格こそが「領域展開(りょういきてんかい)」と呼ばれる必殺技。
そこで今回ドル漫では「領域展開」について徹底的に考察していこうと思います。各キャラクターが披露する領域展開の一覧や派生技の「領域展延」や「簡易領域」などについても解説します。英語で領域展開はなんと呼ぶのか?
領域展開とは敵を封じ込める技
領域展開とはそもそも何ぞや?
領域展開とは「閉鎖した空間に敵を閉じ込める技」のこと。領域展開を発動させるには「手で印を結ぶ」ことが多いんですが、呪印を描くことでも発動させられます。
具体的には自分だけが支配できる空間を作って、そこに敵を閉じ込めてボコスカ攻撃する技。この領域内からは基本的に逃げ出すことは不可能。さながら「場を支配する技」と言い換えると分かりやすいか。領域内ではステータスなども単純に上昇します。
『呪術廻戦』作中の難しい表現を使うのであれば、領域展開とは「呪力を使って術式を付与した生得領域を術者周辺に構築する必殺技」とのこと。漫画的に言うと【最終奥義】の類いですが、領域展開もあくまで術式の一つに過ぎません。
ちなみに生得領域(しょうとくりょういき)とは「人間や呪霊が誰しも持つ心」のこと。領域展開では自らの心の範囲を無理やり外部に形成し、敵をその範疇に閉じ込めてしまう。
領域展開のメリットとデメリットまとめ
続いては領域展開の「メリットとデメリット」を解説します。
まず領域展開のメリットは「術者の攻撃が敵に絶対に当たる」こと。
自ら生み出した空間だけあって、あらゆる物理法則は発動した術者側に有利に働きます。そのため領域展開はまさに「必中必殺」の最終奥義。領域展開内に一度閉じ込められると、その時点で「勝負は決する」ことも少なくない。
一方、領域展開のデメリットは「チートすぎる能力に比例して膨大な呪力を必要」とすること。そのため領域展開を使用できるキャラは少なく、一日に何度も発動できるキャラは更に少ない。七海建人の表現を借りると、領域展開は「呪術の極地」とされます。
また敵も同じく領域展開を発動できる場合、お互いの生得領域が干渉するため「必中効果」が少なからず減衰されます。当然、相手の術者より弱ければ領域展開の押し合いに負けるため、必ずしも敵に勝てるという保証はなく呪力の多寡に左右されます。
あくまで領域内に閉じ込める性質に特化してるだけで、外部からの攻撃には弱いため「領域外から容易に侵入されやすい」点もデメリットと言えそう。
【シン・陰流】簡易領域は弱者の領域
では領域展開が使えない術者はどう対抗すればいいのか?
それが【簡易領域(かんいりょういき)】と呼ばれる必殺技。
効果範囲こそ狭いものの、この簡易領域内では必中必殺の攻撃も当たらなくなります。まさに領域展開の効果を一時的に無効化・中和できる技。正確には「道具」と表現した方が近そうですが、平安時代に「芦屋貞綱」が開発した技になります。
領域展開を使えないキャラの救済策として、作中では「弱者の領域」と表現されています。
簡易領域は「シン・陰流」の一子相伝の技になります。だから「簡易領域=シン・陰流」と考えていいはず。日本に実在する新陰流という流派がモチーフになっているんだと思いますが、この簡易領域を使えるキャラクターも多くありません。
簡易領域を使えるキャラクターは、1級呪術師の与幸吉、冥冥の弟・憂憂、東堂葵、3級呪術師の三輪霞などが使えます。日下部篤也もシン・陰流の使い手のため簡易領域はおそらく使えてるはず。
○落花の情は必中必殺のカウンター攻撃
他にも簡易領域と似たような技に【落花の情(らっかのじょう)】があります。
落花の情は周囲に領域を展開させずに「自らの肉体」に生得領域をまとわらせる点が特徴。敵の攻撃が触れると自動的に必中必殺のカウンターを繰り出す。さながら『ハンターハンター』のキルアの「疾風迅雷」を彷彿とさせます。
ただ画像を観る限り、落花の情も仕組み的にはあまり変わらなさそうので「あくまで簡易領域の延長線上の技」ではあるのか。ちなみに、落花の情は御三家に伝わる技とされており、画像の1級呪術師の禪院直毘人以外にも使えるキャラはいるはず。
領域展延とは?領域展開の違いとは?
続いては「領域展延(りょういきてんえん)」について解説します。領域展開と似たような技名ですが、いわゆる派生技だと思われます。じゃあ領域展開とはどこが違うのか?
領域展延とは呪力を「自分の肉体の一部分にまとわらせる技」とのこと。
領域展開と同様に呪力は周囲に展開させるものの、領域展延の場合はその範囲がめちゃくちゃ狭いのが特徴。だからこそ技の効果は絶大。領域展開が「相手を閉じ込める技」とすると、領域展延は「領域を干渉して壊す技」と考えると分かりやすいか。
画像は特級呪霊の漏瑚や花御が領域展延を発動させている場面ですが、無限の術式を持つ五条悟にも攻撃を与えられるとされます。前述の「落花の情」と仕組み的には近そうですが、厳密には微妙に異なる模様です。
領域展開を英語で言うと?
続いては「英語読み」を考察します。『呪術廻戦』はアニメ化されて久しいですが、どうやら海外でもリアルタイムに放送されています。インターネットやサブスクリプションのサービスの世界的な拡大もあって、最近は海外との情報格差は無くなってる模様。
まず「領域展開」は英語で【Domain Expansion(ドメイン エクスパンション)】と言います。これを日本語に直訳すると「領域の拡張・拡大」といった意味になります。だから、そのまんま英語に置き換えている感じっぽい。
ただ「領域展延」の英語名がどうなるか興味深い。展開も展延も基本的に同じ意味合い。一応、グーグル翻訳で展延を直訳すると【Extension(エクステンション)】でした。これだと海外でも「似たような言葉だけど少し違うニュアンス」が通じそう。
個別の領域展開の必殺技は後述しますが、例えば五条悟の領域展開の「無量空処」は【Infinite Void(インフィニトゥ ヴォイド)】と英語に訳されています。infiniteは[無限の]、voidは[虚]などと訳されるため、やはり直訳(無限の虚)に近い意味合い。
ちなみに『呪術廻戦』で登場する呪術師は「Jujutsu Sorcerer(ジュジュツ ソーサラー)」と英訳されています。Sorcererは日本語で魔術師などと訳されるため意味が重複してる気はしますが、「呪術」の部分を残すことで日本観がより出るという狙いか。
領域展開の必殺技一覧まとめ
最後は「領域展開の必殺技一覧」をまとめて終わります。各々のキャラクターごとに領域展開の技名などは異なります。特に難しい漢字や読み方も多いので是非参考にしてください。
○無量空処(むりょうくうしょ)…五条悟の領域展開
まずは「五条悟(ごじょうさとる)」の領域展開は【無量空処】。読み方は「むりょうくうしょ」。
無量空処とは域内の敵に対して「無限回の知覚と伝達をひたすら繰り返させる」ことで、実質的に一切の動きを封じてしまう。無量空処そのものに大きな攻撃力はなさそうですが、五条悟の領域内に入ると敵は死を待つのみの状態に陥る。
五条悟が最強 of 最強の呪術師だけあって、領域展開の押し合いで負けることはない。まさに勝確必至の領域展開。
不明…乙骨優太の領域展開
「乙骨優太(おっこつゆうた)」の領域展開は「不明」です。
死滅回游において石流龍と烏鷺享子との戦いにおいて領域展開を使用したものの、結果的に三者の領域展開が相殺されるカタチでお披露目されていません。それでも指輪部分が光っていることなどから、乙骨優太の領域展開に「リカが関連している」ことは想像に難くないでしょう。
だから、基本的にコピー能力がベースにあるのかもしれない。「ハマれば僕より強い」と言わしめた秤金次の領域展開はギャンブル要素が強かったですが、逆に言うと乙骨優太の領域展開は「安定して常に強い」と解釈することができそう。
また当該バトルシーンから「石流龍(いしごおりりゅう)」と「烏鷺享子(うろたかこ)」も領域展開が使えることが分かります。今後再び登場するかどうか不明ですが、他にも領域展開を潜在的に使用できるキャラクターは何気に多そう。
坐殺博徒(ざさつばくと)…秤金次の領域展開
続いては秤金次の領域展開を考察したいと思います。
「秤金次(はかりきんじ)」の領域展開は【坐殺博徒】。読み方は「ざさつばくと」。右手は親指と人差し指で輪っかを作り、左手はそれに添えるように掌印を結ぶことが発動条件。
簡単に言うと、「パチンコ台(CR機)」をモデルにした領域展開になります。三つの絵柄が合致すれば大当たりというギャンブル。まさに文字通り、「座っている博打打ちが殺す必殺技」というニュアンスで命名されている感じか。
秤金次が「保留玉」で攻撃すると予告演出が流れて、敵の両隣に「シャッター(扉)」が現れてバンっと勢いよく閉まる。保留玉の色は「緑」「赤」「金」と分かれており、それに応じて当たる確立が変わるのは実際のパチンコと同じ仕組み。大当たりの確立は239分の1。
そこまで低い確率とはぶっちゃけ思えませんが、未来予知できる術師でも当たりが出るかは読めない超絶ランダム。敵からすると身動きを封じるシャッター攻撃や秤金次の打撃そのものも避けつつ、さらに確変によるパワーアップに気を配りつつ戦わなければいけない。
○実質「無敵」の領域展開
そのため「大当たり」が出て初めて効果が発動されるため、秤金次の坐殺博徒は【必中の領域展開にして必中ではない】のが特徴。厳密には必中効果は無害ゆえに術式の発動が早い。また術式の開示が大前提のため、領域展開同士の押し合いにも強い。
じゃあ「大当たり」が出ると秤金次はどんな効果を得られるのか?
坐殺博徒の「大当たり」の効果は【4分11秒】の間、呪力を常にフルマックス状態で戦えること。回復効果をもたらす反転術式もフルオートのため、肉体がどんなダメージを受けても自動的に回復する。それが毒物であっても同様に、自動的に解毒してくれる優れもの。
脳みそに強烈な呪力を叩き込まれても、その呪力を鼻から放出してダメージを最小限に留めつつ、壊れた瞬間から脳みそを治癒するという芸当も可能。
つまり、秤金次の領域展開は「4分11秒の無敵化」。また領域展開の解除後は呪力が再び完全回復するため、大当たりが出続ける限りは何度でも領域展開を発動できるオマケ付き。大当たりの確率も239分の1程度ですから、意外と連チャンで発動できるっぽい。
ただし、秤金次の左手は鹿紫雲によって破壊されていることから、東堂葵のように領域展開はもう使えないのかも。
○嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)…伏黒恵の領域展開
「伏黒恵(ふしぐろめぐみ)」の領域展開は【嵌合暗翳庭】。読み方は「かんごうあんえいてい」。
嵌合暗翳庭は影(翳)で周囲を分断し、領域内では影の中から無数の式神を発現させることが可能。敵の攻撃も影に潜むこと避けることが可能。ただ伏黒恵は「不完全。不細工」と自認するだけあって、さらなる成長や変化は期待できそう。
○伏魔御厨子(ふくまみづし)…両面宿儺の領域展開
「両面宿儺(りょうめんすくな)」の領域展開は【伏魔御厨子】。読み方は「ふくまみづし」。
前述のように、領域展開は本来呪力の結界を作って、敵を空間的に分断する技。でも伏魔御厨子は結界そのもので空間を閉じないため、領域展開でありながら敵を閉じ込めることはできない。
ただ「逃げられる(あえて閉じ込めない)」という縛りを用いることで、効果範囲は半径200メートルに及ぶ。そして敵が死ぬまで強烈な斬撃を食らわせる。一度発動すればまさに絶命必至であり、領域展開の中でも最強クラスの領域展開と言えそう。
時胞月宮殿(じほうげつきゅうでん)…禪院直哉の領域展開
「禪院直哉(ぜんいんなおや)」の領域展開は【時胞月宮殿】。読み方は「じほうげつきゅうでん」。死後に呪霊と化した後に見せた領域展開。逆に人間時代には到達できなかった領域か。
時胞月宮殿は「術者に触れられると動きが1秒止まってしまう術式」になります。更に具体的に言うと、術者と【同じ動き方】をしないと動きを止められてしまう。
しかも、時胞月宮殿の領域内では「細胞レベルで術式対象が細かく規定」されてしまうため、まさに寸分違わぬトレース能力が求められる。ただ実質的には不可能と思われるためため、細胞レベルで体の内部から破壊されてしまう。
当然術者の禪院直哉を攻撃することは許されず、攻撃に派手さはないものの確実に敵を死に至らしめる領域展開と言えそう。『鬼滅の刃』のサイコロステーキ先輩から着想を得ているのかもとなんとなく思った。
ただ最終的に禪院直哉は、呪力ゼロの禪院真希を前に敗北。この時胞月宮殿に限らず、完全に呪力ゼロの相手では領域展開の必中効果は無効化される模様です。
○自閉円頓裹(じへいえんどんか)…真人の領域展開
「真人(まひと)」の領域展開は【自閉円頓裹】。読み方は「じへいえんどんか」。
自閉円頓裹は真人が生まれて間もない頃に発動させた領域展開。魂を手で触れることで自在に肉体を変化させる無為転変が、この領域展開内であれば触れることなく変化させることが可能。だから画像では巨大な掌がいくつも表現されてる。
ただ自閉円頓裹の使用後は呪力の回復に10日間かかるなど、他の領域展開と比べても呪力の消費は激しそう。
○蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)…漏瑚の領域展開
「漏瑚(じょうご)」の領域展開は【蓋棺鉄囲山】。読み方は「がいかんてっちせん」。
蓋棺鉄囲山は火山で取り囲んでマグマを噴射する技っぽい。最初に五条悟相手に使用してしまったためそこまで強い印象はないものの、漏瑚の炎やマグマは一撃で1級呪術師を粉砕するレベルでした。
そのマグマ攻撃が域内で無数発射されると考えたら、やはり漏瑚のそれも本来は勝確必至の領域展開だったに違いない。
○蕩蘊平線(たううんへいせん)…陀艮の領域展開
「陀艮(だごん)」の領域展開は【蕩蘊平線】。読み方は「たううんへいせん」。この領域展開は一度発動させると、周囲にはリゾートビーチのような砂浜が現れます。さながら避暑地。他の特級呪霊たちの避難場所としても使われており、「随分と穏やかな領域だね」とは夏油傑。
本来は手で印を結ぶことで発動できるものの、呪印をお腹に描くことで領域展開を発動させることも可能です。その際の呪印のモチーフは「宝袋(ほうたい)」とのこと。この呪印をジワァっと描かれる描写が、陀艮がオチッコを漏らしたと一瞬思ってたのは内緒。
また領域展開内では【死累累湧軍】と呼ばれる式神を際限なく出現させる術式も発動できます。名前の読み方は「しるるゆうぐん」。この凶暴な式神の魚は瞬間移動のように移動し敵を食らうため、禪院直毘人ばりのカウンター技を持たない限り避けることは不可能でした。
コメント
東堂さんも簡易領域を使えるぽいっス
ありがとうございます。
東堂葵も追記しておきました。