人気バトル漫画『呪術廻戦』のコミックス累計発行部数は、連載開始から4年余りで7000万部を超えます。
この『呪術廻戦』1話目で登場したラスボスと思しき敵キャラクターが「両面宿儺(りょうめんすくな)」。どこかカッコよさも漂いますが、複数の目と口が描かれる姿は不気味そのもの。
そこで今回ドル漫では「両面宿儺のヤバい正体」について画像付きで徹底考察したいと思います。両面宿儺の必殺技や名言は?元々の人間時代は双子(結合双生児)だった?
両面宿儺とは呪いの王
まずは両面宿儺の正体についておさらい。
両面宿儺とは【呪いの王】と称される最強の呪霊になります。特級呪霊の真人にして「魂の格が違う」と言わしめる化け物。同名の鬼神が「日本書紀」にも登場するため、この昔話が素直にモチーフと考えていいはず。声優CVは「諏訪部順一」。
『呪術廻戦』の両面宿儺の正体は、元々は1000年前の平安時代に「実在した普通の人間(呪術師)」とのこと。ひょんなことがキッカケで呪霊化するものの、安倍晴明といった陰陽師が活躍する呪術師の全盛期の時代においても最後まで殺すことは叶わなかった。
まさに最強の呪霊。
それでも両面宿儺を名乗る男が死亡した後、合計20本(4本の腕分)の指は死蝋化して「特級呪物」として現代まで残り続ける。両面宿儺の呪いは死後に更に強化されたため、1000年もの間誰も死蝋化した指も消滅させることはできなかった。
最強の五条悟であっても以下同文。
両面宿儺は虎杖悠仁に受肉するも…
だから両面宿儺の正体は最強の呪霊にして「最凶の特級呪物」でもある。
一方、両面宿儺の死蝋化した指は、現代で主人公・虎杖悠仁に食われます。『呪術廻戦』序盤で強力な呪霊に襲われるものの、呪力を持ち得なかった虎杖は「両面宿儺の指」を取り込んで呪力を強制的に得る。何故なら、呪いは呪いでしか祓えないから。
両面宿儺は結果的に「虎杖の肉体」に受肉し、何百年ぶりかにこの世に復活を遂げる。「素晴らしい!鏖殺だ!」とテンションアゲアゲですが、両面宿儺が肉体の主導権を握ると虎杖悠仁の全身に呪印のような文様が浮かび上がります。
ただ何故か、両面宿儺は虎杖悠仁の「意識」を支配することができないでいた。
実は虎杖悠仁の正体は1000年前に両面宿儺と戦った羂索(けんじゃく)の血を引いていることから、両面宿儺を支配するために意図的に虎杖悠仁という器は作られたのか。いずれ宿儺の指を全て取り込んだとしても、虎杖悠仁の主導権は握れないと言われてます。
そのため両面宿儺の過去を紐解く上で、虎杖悠仁の正体も実は鍵を握ります。
両面宿儺のモデルは九尾(九喇嘛)?普段の生活は?
一方、虎杖悠仁に受肉する両面宿儺の「普段」はどうしているのか?
両面宿儺の普段は虎杖悠仁の体内に作り出した自らの「生得領域内」に閉じこもっている模様です。虎杖悠仁がピンチに陥った際などはこの領域内で二人が相まみえることはあるものの、両面宿儺は「いわば飼い殺し」の状態が続きます。
飼い殺し状態であっても「許可なく見上げるな。不愉快だ」など、両面宿儺の態度は傲慢そのもの。それでも封印された状態よりは快適な生活は送っているに違いない。虎杖悠仁の目を通じて他人の生き様をテレビ感覚で観ているのかも。
ちなみに、この場面で虎杖悠仁を生き返らせる代わりに、「契闊(けいかつ)と唱えると宿儺に1分間肉体を明け渡す」という条件をお互い結んでます。ただし、虎杖悠仁はこの約束自体を忘れさせられているため、今まで一度も発動はさせていません。いかにも伏線っぽい。
両面宿儺のモデルは『NARUTO』に登場した【九尾(九喇嘛)】と言われます。
九尾は主人公・ナルトの体内に閉じ込められていた尾獣の一つ。後に本当の名前が九喇嘛(くらま)と判明しますが、ナルトが九尾の人柱力だったように、虎杖悠仁も「両面宿儺の人柱力」と考えると分かりやすいか。
両面宿儺の「目的」は伏黒恵?十種影法術?
続いては「両面宿儺の目的」を考察します。
両面宿儺の唯一の目的は【伏黒恵(ふしぐろめぐみ)】にあります。夏油傑は「両面宿儺にとっての地雷」と表現するなど、伏黒恵は呪術廻戦における不確定要素という位置付けでした。
例えば、とある少年院に特級呪霊の呪胎が出現した際、両面宿儺は伏黒恵の能力を目の当たりにしていかにも反応する描写が描かれていました。いいぞ~!といかにもテンションアゲアゲですが、実際には「宝の持ち腐れ」と両面宿儺は後に評価します。
だから正確には伏黒恵の術式である「十種影法術(とくさのかげぼうじゅつ)」を狙っている模様。
十種影法術は御三家(ごさんけ)でも禪院家のみに伝わる一子相伝の必殺技。主には影を操る術式ですが、10の強力な式神を召喚させる能力になります。かつて六眼+無下限呪術を扱う五条家当主と互角に渡りあった技とされ、あの五条悟も一目を置く。
十種影法術の使い手(歴代禪院家)が唯一調伏できなかった魔虚羅(まこら)を両面宿儺は倒してるため、それ以上の何かを伏黒恵は召喚できる?実際、伏黒恵は「自らの死」を代償として更に強い奥の手を使えることを五条悟も暗に仄めかしていました。
裏梅(うらうめ)は菅原氏の裏切り者?
続いては「裏梅(うらうめ)の正体」を考察します。
裏梅とは両面宿儺の「謎の部下」になります。漏瑚を滅殺した直後、突如として現れた謎のオカッパ呪詛師。両面宿儺は1000年前から封印されていたため、裏梅の「お久しうございます」という発言を見る限り、二人は【人間時代の知り合い】だった可能性が高い。
両面宿儺が信頼する部下だけあって、裏梅は「氷擬呪法(ひこおりじゅほう)」と呼ばれる超絶的に強力な氷系の呪術を扱っていました。
一方、裏梅は「ニセ夏油傑(羂索)」の仲間としても活動しておりました。
本当の夏油傑が生存していた呪術廻戦0巻時に裏梅の姿は確認できないため、羂索に乗っ取られた以降に手を組んだ可能性。確かに漏瑚たちは「両面宿儺の完全復活」を目論んでいたため、宿儺の直属の部下だった可能性が高い裏梅が羂索に近付くのも自然な流れ。
裏梅の正体はやはり不明ですが、裏梅とは「日本の家紋」の一種になります。『呪術廻戦』でも登場する菅原道真の家紋は「梅」でした。つまり、裏梅の正体は「菅原家出身の貴族かつ裏切り者」だった可能性などが推測できそう。それ故に強いに違いない。
【堕天使】人間時代は「双子」だった?【結合双生児】
続いては両面宿儺の「人間時代は双子だった説」を考察します。
このカギを握るのが死滅回游に参戦している【来栖華(くるすはな)】という女性キャラクター。
来栖華はあらゆる術式を消滅させる無効化能力を持ち、自ら「天使」と名乗っている千年前の呪術師。獄門彊に封印された五条悟を救出するために必要なんですが、どうやら虎杖悠仁と同じく体内に「宿儺的なもの」に受肉されている模様。
その宿儺的なものがおそらく天使の能力を持っているため、来栖華そのものは元々普通の人間っぽい。この女に受肉する天使の目的が「堕天」と呼ばれる術師の滅殺でした。
そして、この堕天の正体が実は「両面宿儺」でした。天使と堕天使と来れば、両面宿儺と「それ」は元々セットで一つだったと考えられます。同じように受肉した人間の表面に現れる口が、まさに宿儺と本質的に同じという何よりの裏付けでしょう。
つまり、両面宿儺が人間だった時代はもともと【双子】だったのではないか?歴史家の宝賀寿男は両面宿儺を「双子の兄弟支配者だった説」を提唱していました。あくまでアマチュアの歴史研究家(本業は弁護士)のようですが、十分有り得る考察でしょう。
○宿儺の本来の姿は「結合双生児」だった?
考えてみると、日本書紀に登場する両面宿儺は「2つの顔と8本の手足(腕が6本)」を持った化け物でした。しかし、虎杖悠仁に受肉する宿儺は「顔は一つだけ」だったため、実は現在は1000年以上前の本来の姿ではないはず。
そこで1000年前の両面宿儺の姿を確認するとこちら。
かつて両面宿儺と対峙した藤氏直属の暗殺部隊隊長だった烏鷺享子(うろたかこ)の回想シーンからですが、宿儺の「顔右半分」の断面が不自然にもぎ取られたように見えます。このもがれた部分こそが「天使の顔」だったのではないか?
実際、本来の両面宿儺は「腕が6本」あるはずですが、画像の1000年前の両面宿儺は「腕が4本」しかありません。つまり、本来の両面宿儺から奪われた【右半分に生えていた顔】と【2本の腕】が現在来栖華に受肉する「天使」だった可能性が高そう。
だから双子は双子でも、両面宿儺はもともと【結合双生児】だった可能性が考えられます。両面(2つの顔)という言葉を素直に解釈する限り、まさに結合双生児しか考えにくい。
例えば堕天(悪の道に堕ちた)した兄弟を止めるため、天使はもともと結合した両面宿儺の体から分離した?術式無効化の技も、堕天した宿儺を消滅させるためだった?というか宿儺を封印したのが天使?逆に宿儺が伏黒恵を狙う目的も、この天使が関係しているのやも。
両面宿儺が最強すぎる件
続いては両面宿儺の強さを考察します。結論から言うと、両面宿儺は呪術廻戦で文句なく最強のキャラクターになります。
両面宿儺はとにかく身体能力がハンパない。虎杖悠仁の肉体に寄生してることも大きそうですが、パワー(膂力)とアジリティ(敏捷性)が最強クラス。伏黒恵を空中に放り投げて、即座に背後に回り込む両面宿儺の姿は、さながらドラゴンボール。
両面宿儺はまさに空間を自由自在に蹂躙する。
特級呪霊(漏瑚)であってもフルボッコ。背後のビルの破壊具合を見ても分かるように、漏瑚は為すすべなし。「おかげでオマエの痴 態もよく見える」とは両面宿儺。あまりの破壊力に漏瑚の回復も間に合わない。
両面宿儺の術式は「斬撃」とされるんですが、漏瑚の炎の術式も使える。開(フーガ)と呼ばれる技?だから他にもいろんな多種多様な術式も使えそう。まさに両面宿儺は呪術のチャンピョンでもある。この二人のバトルシーンも胸熱でした。
宿儺の領域展開「伏魔御厨子(ふくまみづし)」とは?
この両面宿儺の領域展開が「伏魔御厨子」。読み方は「ふくまみづし」であって、「ふくまみずし」ではありません。
この伏魔御厨子は「神社仏閣で見られる逗子(ずし)」を背後に展開させます。虎杖悠仁の体内に普段からいる際も、この伏魔御厨子の付近で両面宿儺は待機してることが多い。前述のように、裏梅と関係性が深そうな菅原道真公は「天満宮」と呼ばれる神社に祀られている。
そのため両面宿儺の正体は「菅原道真公そのもの」か「菅原道真公の血縁者」の可能性が領域展開からもやはり読み取れます。
○あえて結界で分断しない領域展開
伏魔御厨子の能力は「結界で空間を分断しない」ことが特徴。本来の領域展開は周囲と空間を分断することで、相手を逃げられない状況に閉じ込めて不可避の攻撃を浴びせる技でした。だから伏魔御厨子は相手が逃げようと思えば逃げられるデメリットがあります。
しかし、「逃げ道を与える」という縛りを敢えて設けることで、威力が更に底上げされる点が大きなメリット。
また伏魔御厨子の効果範囲は半径200メートルに及ぶため、両面宿儺から逃げおおせることは実質不可能。そもそも結界を用いずに生得領域を具現化することは「空に絵を描くに等しい神業」とされるため、両面宿儺の術者としての腕前は五条悟を超えるか。
そして、背後の厨子が消えるまで「解(かい)」と「捌(はち)」と呼ばれる斬撃を無限に浴びせる。解は通常の斬撃(非呪力者向け)、捌とは一太刀で確実に対象を卸す斬撃(呪力者向け)。つまり真相は不可避の速攻である(byネテロ)。
そもそも両面宿儺の一撃は特級呪霊ですら簡単に卸される威力でした。その斬撃を無制限に絶え間なく浴びせられて耐えられるモノは呪霊含めて皆無でしょう。
両面宿儺の性格がヤバすぎる
続いては両面宿儺の性格を考察。やはり呪いの王にして、呪術廻戦最強の敵キャラクターだけあって性格がいろいろヤバい。漏瑚にして「圧倒的邪悪」と言わしめるだけあってやらかし放題。
両面宿儺が基本的にバトルで負けることはないだけあって、あらゆる敵を見下してる。そのため不敵な笑みを浮かべながら、両面宿儺は「頑張れ頑張れ」と煽ることもしばしば。頑張ってる人間に対して「頑張れ」という言葉は最大限の挑発。
だから両面宿儺に「頼み事」をするなど論外。夏油傑の手下だった菜々子と美々子が宿儺の指1本を食わせる代わりに「ニセ夏油傑を倒して」とお願いするんですが、「たかだか指一二本で俺に指図できると思ったか?」と両面宿儺は一蹴。
とはいえ、自分で「指1本分ぐらいは聞いてやる」と持ちかけたのは両面宿儺ですから傍若無人そのもの。
○両面宿儺の表情が極悪すぎる
だから両面宿儺は表情も極悪そのもの。画像は虎杖悠仁が縛りを設けてなかったことから、主導権がすぐに奪われないことを悟った時。
吉野順平が真人の無為転変で人体改造された際、虎杖悠仁は両面宿儺に助けを求める。両面宿儺は伏黒恵のダメージを回復するなど反転術式を使えないわけないんですが、その頼みをキッパリ断った上で「愉快愉快。矜持も未来もおまえの全てを捧げて、俺に縋ろうと何も救えない」と爆笑。
この場面だけ見たら『鋼の錬金術師』のホムンクルス(フラスコの中の小人)。『呪術廻戦』の魂と肉体という概念や着想もそこらへんがベースか。
ただ『日本書紀』における両面宿儺は武振熊命に倒された逆賊と描写されてるわけですが、実は岐阜県の飛騨地方では毒龍を倒したヒーローとして語り継がれているんだそう。他にも寺院を開祖した豪族といった逸話もあるため、実際最後まで悪役として描かれるかというと?
両面宿儺の名言まとめ
続いては両面宿儺の名言を考察。ぶっちぎりで不遜な敵キャラですが、両面宿儺は王として頭脳もキレる。そのため言葉の節々にエッジが効いてることが多く、名言も少なくない。
○片膝で足りると思ったか【呪術廻戦13巻】
例えば、両面宿儺が指15本を入手した直後、特級呪霊・漏瑚たちに対して「頭が高い」とポツリと漏らす。両面宿儺が直接命令を下したわけではないんですが、思わず漏瑚は体が勝手に反応して体を伏せる。
ただ漏瑚は片膝を付く程度だったため、両面宿儺の斬撃に頭頂部だけがすっぱり切れ落ちてしまう。それに対して、両面宿儺は「片膝で足りると思ったか?実るほどなんとやら(頭を垂れる稲穂かな)だ。余程頭が軽いとみえる」と嫌味全開。
まさに呪いの王。
○痴れ者が【呪術廻戦4巻】
続いての両面宿儺の名言は「痴れ者が」。ちなみに、痴れ者(しれもの)とは「馬鹿者」や「愚か者」といった意味になります。
特級呪霊・真人が虎杖悠仁と戦った際、無為転変を発動しようとするんですが、それは同時に両面宿儺の魂に触れるのと同義。それに対して、両面宿儺は「共に腹の底から小僧を嗤った仲だ。一度は許すが二度はない。分を弁えろ。痴れ者が」と喝破。
だから両面宿儺は虎杖悠仁に「飼い殺し」にされてるものの、また虎杖を「つまらない」と見下すもののどこか協力姿勢を見せることもある。でも、これは虎杖の死が自身の死に直結するからなのでしょう。まさにナルトと九尾のような一心同体感。
最終的に虎杖悠仁が真人の領域展開内に入ってしまい、問答無用で両面宿儺の魂に触れてしまったため、「二度はないと」と発言の直後に真人は瞬殺されかかってしまう。両面宿儺は指を弾いただけで死にかける。いかに強いか。
○誇れオマエは強い【呪術廻戦14巻】
一方、両面宿儺は他者を素直に or 気まぐれに認めることもある。
その名言が漏瑚を倒した直後の「誇れオマエは強い」。
マグマを体現する特級呪霊すら両面宿儺は燃やし尽くすんですが、漏瑚は「我々は真の人間だ」と負け惜しみを語る。
それに対して、両面宿儺は「オマエは人間に成りたかったのか。下らんな。群れとしての人間、群れとしての呪い。寄り合いで自らの価値を計るから皆弱く矮小になっていく」と漏瑚が死して尚詰問する。
「オマエは焼き尽くすべきだったのだ。打算も計画もなく手当り次第、五条悟に行き着くまで未来も種もかなぐり捨ててな。理想を掴み取る【飢え】がオマエには足りていなかった」とする宿儺の分析に、ぐうの音も出ない漏瑚だった。
それでも両面宿儺は「千年前戦った中ではマシな方だった。誇れオマエは強い」と最後の手向けの言葉を送ってやる。確かに漏瑚は両面宿儺に何度攻撃されても立ち上がるなど、特級呪霊では文句なく最強でした。だから『HUNTERxHUNTER』のメルエムのような雰囲気も漂わせます。
コメント
宿儺は呪霊じゃなくて人間
両面宿儺は【1000年前】は確かに人間でしたが、【現在】は呪霊です。
宿儺自身も英集少年院に現れた特級呪霊の受胎に対して、
「我々は共に特級という等級に分類されるそうだ」などと語ってる。
ここでいう特級とは「特級呪霊」を指します。
宿儺の人間だった名残が「20本の死蝋の指」として今尚残っているわけです。
つまり、人間だった両面宿儺は何らかが原因で死亡してる状態になります。
もし未だに人間であれば虎杖悠仁に巣食ってる理屈も成立しません。