【ネタバレ感想】でぶせん 内容あらすじ&最終回 徹底解説まとめ【おすすめ面白漫画】

『でぶせん』全9巻のネタバレ感想をレビュー。作者は安童夕馬(原作)、朝基まさし(作画)。掲載誌はヤングマガジン。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックの学園漫画。AmazonのKindleでもダウンロード・試し読み可能。

『でぶせん』は2014年から連載が始まった『サイコメトラーEIJI』のスピンオフ漫画。2016年に完結したんですが、同年にhuluで『でぶせん』の実写ドラマも開始。

そこで今回ドル漫では原作漫画『でぶせん』のどこが面白いかつまらないか徹底的に考察してみたいと思います。実写ドラマ版は観てないもののキャスト一覧もまとめてます。ちなみに最終回結末もネタバレしてるので注意。

【でぶせん】あらすじ内容ストーリー解説まとめ

まずは『でぶせん』のあらすじ内容を解説。

主人公は福島満(ふくしま・みつる)。『サイコメトラーEIJI』に登場した有名サブキャラクター。とにかくデブスの23歳の男。ルックスがとにかく底辺。体のサイズに至っては、ドラえもん真っ青の完全な二頭身キャラ。

だから、福島満はこれまでイジメられなかった時代がなかったぐらい悲惨な人生を歩んでる。もはや親からも縁を切られ、仕事も底辺の仕事ばかりでド貧乏。まさに生きる希望ゼロの男が福島満。

でも、福島満の唯一の楽しみが「女装」。福島満は女装して心まで女性になりきって、町を闊歩。そこで得られる充足感は何よりも得がたいものだった。

ただコスプレ衣装の出費は莫大。そして、ある日、福島満は訪問販売員の仕事を解雇されてしまう。これまで買い込んだコスプレ衣装の借金はかさみ、ついに人生に諦めが付いた福島満は愛しの女装グッズと共に富士の樹海へ向かう。

○富士の樹海で「福島満子」の遺体に出会ったことで運命が変わる

(でぶせん1巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

そこで福島満が死に場所を追い求めて樹海を歩き回っていると、自分と瓜二つの「女性の亡骸」を発見。しかも、この女性の免許証を見ると、自分と名前が一文字違いの「福島満子(ふくしま・みつこ)」。もはや完全なドッペルゲンガー。

福島満子の財布には大量の札束。持ち物も高級バックなど、どうやら生前の福島光子お金持ちだったらしい。遺体の指にはキレイな指輪。福島満は思わず女装心がくすぐられ、その指輪をハメてみる。

(でぶせん1巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

そうすると福島満子の霊が福島満に憑依。「じゃあ自分が福島満子として生きていけばいいんじゃね?」という思考に支配された福島満は、福島満子の自宅に無意識的に足を運ぶこととなる。

○【タイトルの意味】「デブな先生」だから「でぶせん」

じゃあ、今は亡き福島満子は一体何を目論んでいるのか?

答えはシンプル。自分が志半ばで倒れてしまって続けられなかった「仕事」を福島満にやらせようとしている。では福島満子が生前やっていたのは一体どんな仕事なのか?

(でぶせん1巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

生前の故・福島満子の仕事が不良ばかりが集まる「ド底辺高校の教師」だった。その校名もそのまんま「帝辺高等学校」。そして、福島満は「2年寅組」という幼稚園を彷彿させる担任教師として働くハメになる。

ただ、生徒たちのルックスが想像以上に強烈。きょうびの893さんでも、もう少しマトモな格好してまっせ。右の生徒は角が生えてるし、画像に載ってませんが舌先が二股に分かれてる生徒とかも。

もはや一体どこの珍獣アニマルパークだよ。

果たして、元イジメられっ子の福島満は「福島満子」として教師という仕事をこなせるのか!?誰にもバレずに隠し通すことはできるのか!?そもそも無事命を守ることができるのか!?

『でぶせん』はこんな一風変わった内容の学園漫画になります。だから、漫画タイトルの意味も「でぶのセンセー(先生)」の略語になります。決して「デブな異性が大好きな人」といった意味はありません。

【キャラ解説】でぶせんが担当する最凶高校生たちがヤバいwww

ということで、続いては『でぶせん』の登場人物を解説。やはり注目すべきは不良高校生のキャラクターたち。内容がギャグ寄りだけあって、明らかに常軌を逸した凶悪さで笑います。

(でぶせん2巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

まず義志沢月人(よしざわ・げつと)。一見するとチャラい学生ですが、ケンカがめっぽう強い。弱い者いじめが許せずにイジメっ子をフルボッコしちゃう。上下関係が激しい体育系の部活が義志沢のターゲットになりやすい。

結果、義志沢のあまりに度が過ぎた行動に一触即発。「人間凶器」たちをフルボッコにしてきた「人間凶器」そのもの。ただ福島満子曰く、「ただ暴れたい理由を探してるだけなのでは?」。

しかも義志沢月人の父親は土建会社を経営してるので、一年前に工事現場からダイナマイトを持ち出して学校に持ち込もうとした過去も。もはやテロ(笑)

(でぶせん2巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

神夜晶(かみや・あきら)という女子生徒は、何故か左腕がでっかいナイフを常に仕込んでる。フック船長でもギリギリ鋭利じゃないものを仕込んでるぞ。『でぶせん』の作中では「百鬼丸」扱い。

しかも、神夜は超絶的なカッティングセンスを持ってるので、動く人間の髪型をキレイに剃り込むことも可能。どこの中国雑技団やねん。

○もはや刑務所に入ってないのが不思議レベルの登場人物たちが草

(でぶせん1巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

緋熊五郎(ひぐま・ごろう)の異名は「人喰いくまモン」。「いっぺん味見してみっか」というセリフが笑えない。謎の額の傷は一体どこで負傷したか不明ですが、まさかのリアルクマと戦ったのか。

さながら『ワンピース』の黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)に左目を傷付けられた赤髪シャンクスを彷彿…とさせるかは不明。

(でぶせん4巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

ラストのキャラクターは黄龍力生(きりゅう・りきお)。名前からしてヤバそうですが、見た目はもっとヤバイ。どの方向性に向かおうとしてんねん。

更に言動はヤバイ。トゲが刺さった同級生に対して「俺がトゲを抜いてやっから」と出したナイフの殺傷力が余りある。さっきからナイフ所持率の高さよ。

しかも黄龍力生の両親が極悪893というウワサもあって、もはやここまで来ると、「はじめてのおつかい」が可愛く見えるレベル。逆に制服を着用してちゃんと学校へ登校してるだけでも拍手喝采しても良いでしょう。

実写版「でぶせん」のキャスト・キャラクター一覧まとめ

『でぶせん』の登場人物を解説したので、次はHuluの実写ドラマ版のキャストをついでに紹介してみようと思います。こんなデブスの福島満子を一体誰が演じられるのか?

(Hulu)

福島満子こと福島満を演じたキャストが「森田甘路(もりた・かんろ)」。ナイロン100℃という劇団に所属してる俳優さん。最近は割と色んなドラマにもちょくちょく出演してるらしい。

確かに見た目はそっくり。世の中探せば、絶対こんなオバちゃんいそう。ただし、森田甘路の身長はこれでも175cmあるらしく、実際の雰囲気は似てるかは微妙。とはいえ、福島満ばりの二頭身の男を探す方が不可能かw

(Hulu)

一方、2年寅組の凶悪な生徒たちのキャストがこちら。

義志沢月人のキャストは横浜流星。神夜晶のキャストは池上紗理依。黄龍力生のキャストは大野拓朗。緋熊五郎のキャストは東史友亮。小山大器のキャストは渕野右登。他にもキャストはいますが割愛。

割と有名な俳優は横浜流星と大野拓朗ぐらいか。

(Hulu)

そして、実は『でぶせん』の最終回のカギを握る女教師・朝比奈景子のキャストは大澤玲美。最後の結末については黒斑にネタバレしてるので、もし興味のない方は注意してください。

他にも面白いキャストには、校長先生役の芸人のぴろき、教頭先生・柳田三太夫役はスマイリーキクチなどが務めているらしい。実写ドラマ版は観てないため詳細な感想は控えますが、原作漫画版並に個性的なキャストも多いか。

不良生徒たちを「結果的」に更生させていくストーリーが面白いw

ただ、こういった不良キャラクターも最初から悪者だったわけではありません。暗黒面に堕ちるには堕ちるだけの辛い背景や家庭環境がある。これを生前の福島満子はどうにかして助けてあげたかった。

(でぶせん6巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

だから、『でぶせん』の内容としては福島満はこんな凶悪な不良生徒たちにボコられるわけではなく、むしろいわく付きの不良生徒たちの悩みを次々と救っていく展開がメインの漫画になります。

でも全く心配ない。幽霊となった福島満子が福島満の代わりに生徒たちの悩みを次々と解決してくれる。

(でぶせん1巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

例えば、人喰いくまモンこと緋熊五郎が神夜晶に刺されそうになった瞬間、その間に立って身を挺して守ろうとする福島満子。でも、福島満の中では別にくまモンを守る意図は全くなかった。

(でぶせん1巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

何故なら、福島満がずっと大事にしていた「警察手帳入りのお守り」がくまモンの前に落ちてしまったから、それを必死に守ろうとしただけ。この偶然を引き起こしたのが、例の指輪パワー。

他にも警察手帳入りのお守りを守るために義志沢月人を火災から守ろうとしたことも。こういった偶然を指輪パワーがことごとく演出してくれるため、福島満は教師という仕事で失敗をしない。

(でぶせん1巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

結果、福島満子はどんどんと生徒たちの信頼を集めていくという展開がメイン。さながらすれ違いコント的な展開に笑える。だから『でぶせん』はギャグ要素がてんこ盛りではあるものの、中身は意外にも「王道な学園漫画」にも仕上がってる。

【面白い】福島満子の「指輪パワー」が最強すぎて草

ただ福島満子の「指輪パワー」が想像以上にエグい。

例えば、福島満が家の中にいると突然ポルターガイスト現象が発生。そのまま大事なコスプレグッズを持って逃げるように外出したら、それがピザ配達のバイクに引っかかって奪われる。

そこで必死に自転車をこいで追いかける福島満。

(でぶせん7巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

結果、勢い余ってETみたいに自転車でスーンと飛び立つ。横からは電車がやって来てるんですが、それでも構わず自分のコスプレグッズを追いかける様が華麗すぎる。

(でぶせん3巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

また、ある時は父親から虐待されている神夜晶を救うために、福島満は窓から肉団子状態で華麗に登場したことも。どこのアクション俳優やねん。

(でぶせん5巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

場合によっては福島満に対して直接憑依して、自ら生徒たちに語りかけたり、悪者を実力行使でフルボッコすることも。完全に目が逝っちゃってるのはご愛嬌。

もちろん福島満は何が起こったか全く覚えてないので、さながら『名探偵コナン』における江戸川コナンと毛利小五郎の上位互換版か。

(でぶせん7巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

もはや福島満子はただ突っ立ってるだけで周りから良いように解釈してもらえる。「自分ほどのデブスの豚でもこんなに楽しそうに笑えるのに」など色々とヒドすぎますが、このとんでもないキセキを刮目せよといった展開が笑えます。

【でぶせん最終回】犯人の「正体」は誰だ?【ネタバレ注意】

ここからはネタバレ注意。『でぶせん』の最終回や結末についてレビューしようと思います。

『でぶせん』のストーリーは生徒とのやり取りがメインに描写されるものの、また別の話の軸としては「福島満子を狙う謎の犯人」とのやり取りも存在。

実は、故・福島満子の死因は他殺だった。しかも、その犯人が同じ高校内にいた。果たしてその犯人の正体は誰なのか!?という展開もストーリーのメインになっております。

結論から書くと、犯人の「正体」は女教師・朝比奈景子になります。

前述のキャストでも紹介した福島満子と同僚の可愛い女性。朝比奈の過去もツッコミどころ満載。何故福島満子に殺意を抱いているかなど実際に読んで笑ってください。

(でぶせん9巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

最後は福島満子と和解。ただ朝比奈は罪を償うこともなく、一身上の都合による退職でフェードアウト。ややモヤッとする終わり方ではあるか。

(でぶせん9巻 安童夕馬・朝基まさし/講談社)

そして、福島満子はFA移籍で別の高校に引き抜かれてしまう。

何故なら、帝辺高校は学費滞納で累積赤字がすごかった。一方、福島満子の実績を知った資金力がある高校が赤字を負担する代わりに…という双方の思惑が合致。おそらく実写ドラマ版『でぶせん』の結末も似たような最終話になってそう。

その後、福島満子は寅組の生徒たちに胴上げをされ、涙ながらに別れを告げられる。でも最後の結末は再び別の高校で福島満子に一波乱二波乱待ち構えてる?…という終わり方。

○【最終話】最終回はやや打ち切り気味な結末だった

だから、『でぶせん』の最終回は打ち切りっちゃ打ち切り気味な雰囲気も。

もしかするとまだまだ連載が続いていたのかなと思わせる根拠が「武良(むら)」という生徒。『でぶせん』ではメインキャラクターのように登場してるものの、最後の最後まで唯一悩みが解決されない。

しかも、その割に福島満子が移籍した高校の始業式に武良も参加してる。また犯人・朝比奈景子も同じ高校に赴任しており、実は再び殺意をメラメラと燃やす展開が描写。だから、最終回後もしっかり結末を向かえてない。

『でぶせん』の最終回を読む限り、まだまだ続編がありそうな臭い(伏線)がしなくもないゆえに、やや中途半端に終わった打ち切り臭は否めない。もちろん最終回ではありがちの「余韻のある読後感」を残すための定番の演出とも評価できる。

ただ、やはり伏線めいたものが最終回でも回収されておらず、犯人の朝比奈が逃げおおせたことも含めてモヤッとする最終話だったかも知れない。

【評判口コミ】でぶせん 全7巻 ネタバレ感想評価まとめ

以上、漫画『でぶせん』全7巻のネタバレ感想でした。

結論をまとめると、個人的に『でぶせん』はまあまあ面白い漫画でした。キャラクターはそれぞれ濃く、「すれ違いコント」ばりの奇想天外な展開は笑えて、不良たちが結果的に更生していく様は「王道学園漫画的な要素」も満載でサクサクっと読めます。

『サイコメトラーエイジ』時代から知っていた不憫すぎるキャラ・福島満が、もちろん展開は究極のご都合主義そのものですが、見事に難問や難題を解決して評価される姿は小気味が良い。

福島満子の亡霊的なオカルトパワー、女装デブス男が女教師をやれてしまっている非日常性、不憫な日陰人生を歩んできた主人公の人生逆転への期待感、そして何よりの異次元の笑いで全てが許されてしまう空気感が醸成されている。

もちろん「先生」とは学校の教師に限らない。医者や政治家も「せんせい」と呼ばれる職種。作者の安童夕馬と朝基まさしは『クニミツの政』という政治漫画も描いてたぐらいですから、いずれそんな展開も?

○良くも悪くも、主人公・福島満というキャラクターの限界

ただ一方で、「福島満」というキャラクターの限界も感じた漫画でもあります。

『でぶせん』を面白いと思った自分ですら、福島満はひいき目に見ても気持ち悪いキャラ。特に女性読者の99%は福島満を嫌いなはず。またギャグに比重が置かれてるせいで、どうしても下品な行動も相変わらず目立つ。

例えば、強烈なゲップや股間のビッグマグナムを屹立させるなど、見た目通りの気持ち悪いキャラが見た目通りのキモい行動を取る。実写ドラマではどうなってるか気になりますが、正直お腹いっぱいにはなる。

もちろん『サイコメトラーEIJI』時代からそういうサブキャラだったんですが、主人公となると「愛着が湧かないルックスや言動」はマンガとしては致命的かな。福島満の読者から好かれる要素はもっと描くべきだった。

あとは福島満が一切成長しないのも残念だった。前述のように亡霊・福島満子の力を借りることで教師として評価されていくものの、あくまで福島満子の力にタダ乗りしてるだけ。福島満自身は人間的に社会人的に成長を見せない。

落ちこぼれ生徒たちが成長していく姿は心地良いものの、この「落ちこぼれ」の中には福島満だって含まれてるはず。福島満の中身が一向に最後まで成長しないというのは、ひたすら虚しい。

結局、福島満だけは良くも悪くも何も変わっていないので、意外と残る読後感は少ないか。もし『でぶせん』の続編があるなら、そういったアプローチから描いてもいいのかも知れない。