少年ジャンプで最近まで連載されていたサッカー漫画が『シューダン』。
ただ少年ジャンプ6号において、いつの間にか最終回を迎えてました。もっと言えば打ち切り気味に完結。作者・横田卓馬は画力が高く、前作『背筋をピンと』は全10巻とそこそこ連載が続いたのに何故?
そこで今回ドル漫は『シューダン』が打ち切りを迎えた理由など全4巻まとめて徹底的に考察してみたいと思います。
サッカー漫画「シューダン」のあらすじ内容
まずは適当に『シューダン』のあらすじ内容から解説したいと思います。
『シューダン』の舞台はサッカー王国と呼ばれた静岡県の小学校。男子小学生の6割はどこかのサッカークラブに加入しているほど。
主人公たちは「浜西FC」と呼ばれる少年サッカーチームに所属する小学6年生たち。ただし実力的には平凡。習い事してサッカーを楽しんでるような、まさに月並みな選手たちが多かった。
しかしある日、浜西FCに七瀬晶という超絶的にサッカーが上手い女子生徒が加入してきた場面から、『シューダン』のストーリーが始まります。
シューダンの最終回・最終話の結末をネタバレ
ということでさっそく『シューダン』の結末をネタバレしたいと思います。
時間は進んで浜西FCの登場人物たちは高校生に進学。そこで全国高校サッカー選手権大会の静岡予選が始まる。弱小の北浜と県大会ベスト4常連の富士学。差は歴然かと思われたが勝負は拮抗。
何故なら北浜高校には、かつて敵として戦った主人公・桜田創始と鴨志田聖士郎が同じチームメイトとして活動していたから。
そして何やかんやがあって、桜田創始がゴールを決める。このまま一点を守って無事一回戦を突破するぜ!というクダリで『シューダン』は完結を迎えます。いわゆる「まだまだ俺たちの物語は続くぜ」という典型的な打ち切り臭が漂う終わり方。
シューダンのサッカー描写は上手くて面白かった
ということで何故『シューダン』は打ち切りになってしまったのか?私ドルジ露瓶尊がその理由を考察して記事を終わりたいと思います。
これまで少年ジャンプで連載されてきたサッカー漫画はことごとく打ち切りにされてきました。この『シューダン』は全4巻とそこそこ健闘したものの前述の通り、やはり最終回は打ち切り気味だったことは間違いない。
ただ一応、『シューダン』はこれまでの少年ジャンプのサッカー漫画と同じ轍を踏むまいと面白かった部分もなくはなかった。例えばサッカーの試合描写自体はすごく上手かった。レベルが比較的高くて面白かった。
またサッカーボールもちゃんと描写することで、「一体どういう内容の漫画であるか」も伝わったのが好印象。当たり前の話に思われがちですが、少年ジャンプで掲載されてきた打ち切りサッカー漫画はこの程度のことすら表現できていませんでした。
シューダンはキャラクター・登場人物が多すぎた
ただいかんせん『シューダン』は登場人物やキャラクターが初っ端から多すぎた。先程のあらすじ解説でも分かったと思いますが、序盤からとにかく色んな選手が登場。正直、覚えられない。
どうやら作者・横田卓馬は「チームとしての成長」に軸足を置いて描きたかったんだと思いますが、つまるところ内容が総花的。確かに試合描写自体は上手いものの、一体「誰が主人公なのか?」「メインの選手として描きたかったのか?」が伝わってこなかった。
ありきたりな表現を使うと「特定のキャラに感情移入」がしづらかった。
スポーツ漫画の出だしはメインキャラクターのみ描くべき
そこで数少ない少年ジャンプで成功したサッカー漫画の『キャプテン翼』の出だしはどんなふうに描かれていたのかチェックしてみましょう。ちなみに、今回のためだけに600円以上もする文庫版の電子コミックをわざわざ購入しました(´;ω;`)
『キャプテン翼』の主人公は言うまでもなく大空翼。40代以上の読者なら覚えてると思いますが、大空翼はボールの扱いが上手いだけじゃなくてキック力が強い。丘の上から蹴ったボールが遠く離れた小学校の運動場に届いたエピソードなどが初っ端から描かれる。
他にも走行するバスの下に蹴ったボールがすり抜けるなど、かなりぶっ飛んだエピソードが描かれてる。でも、このことで「大空翼」というキャラクターが読者の頭のなかに印象的に残る。
ちなみに若林源三も1話目では印象的なキャラクターとして描写され、『キャプテン翼』は大空翼と若林源三の「二人の物語」として始まっていた模様。日向小次郎あたりが印象的に残っていますが。
結果的に『キャプテン翼』は様々なキャラクターが登場したのかも知れませんが、漫画は主人公をまず覚えてようやく他のキャラクターも認識できる。そういう点で今回の『シューダン』が打ち切り気味に完結してしまった失敗点だとドル漫では考察してみる。
シューダン全4巻 ネタバレ感想・評価・評判・口コミレビュー
以上、横田卓馬のサッカー漫画『シューダン』に関するレビューでした。
確かにサッカー漫画にしろスポーツ漫画にしろ、どうしてもチーム競技はたくさんのキャラクターが必要。作者・横田卓馬はキャラデザは割と抱負だからこそ、良くも悪くも色んなキャラを描けてしまった。ただそこに囚われると打ち切りになってしまう。
所詮、漫画は「キャラクターありき」。どうやって特定のキャラクター(主人公)をメインに描くかが重要。そのキャラが読者に好かれないと意味がない。まさに『シューダン』がやろうとしたこととは逆行してる。
『シューダン』も途中からストーリー重視に走った部分も散見され、読者が付いていけなくなったと容易に考察されます。せめて「試合の中でドラマ」を描写しないとダメ。あだち充のような例外こそあれ、スポーツ漫画において試合外での展開は本当につまらないと思います。
コメント