【漫画紹介】不能犯が救いゼロで面白いwあらすじ内容ネタバレ感想まとめ!おすすめ考察レビュー【宮月新×神崎裕也】

『不能犯』のネタバレ感想をレビュー。作者は宮月新(原作)と神崎裕也(作画)。出版社は集英社。掲載誌はグランドジャンプ。ジャンルは青年コミックのサスペンス漫画。AmazonのKindleや楽天koboなどでも試し読み・立ち読みできます。

この『不能犯』が2018年に主演・松坂桃李と沢尻エリカで実写映画化されることが決定。

そこで今回ドル漫んではマンガ版『不能犯』が面白いのかつまらないのか徹底的に考察レビューしてみました。個人的に漫画以外の作品にあまり興味はないので、おそらく映画版「不能犯」のネタバレ感想はレビューはしない予定。

先に結論から書いておくと、『不能犯』はオチが毎回救われなさすぎて逆に面白いwwwと思います。きっとムナクソ漫画が好きな方にはおすすめ。おそらく実写映画でもオチがヒドい内容になると思うので、漫画に興味が無い方も是非ご覧ください。

漫画 不能犯のあらすじ登場人物

主人公は宇相吹正(うそぶきただし)という殺し屋。

この宇相吹正の武器は「思い込み」。いわば瞬間催眠とも呼べるそれを使うことで、相手は「自分は死ぬかもしれない」と思わせることで精神的ダメージを与えるというもの。ただ思い込みが恐ろしいのは精神的ダメージだけにとどまらない。

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(不能犯3巻)

例えば「灯油」をぶっかけられたと思い込ませたオンナ(牧原)に対して、宇相吹正がジッポライターをポーンと放り投げる。当然着火したと思い込んだオンナは自らが火ダルマになった映像を想起する。

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(不能犯3巻)

でも実際には「水」をぶっかけられただけなので、当然オンナは炎に包まれていない。ただ自分は炎に包まれてると完全に思い込んでるため、オンナの皮膚は現実が後追いしてくるように最後は…。つまり宇相吹正は完全犯罪をやって退ける「不能犯」だった。

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(不能犯1巻)

主人公・宇相吹正は仕事で請け負ってるものの、むしろ自発的に動いてる節がある。そのため宇相吹正曰く、自らの行動原理を「人間は脆いと証明するため」と自己分析。宇相吹正は何か人間に強い恨みでも持っているのか、口癖も「愚かだね人間は」。

○宇相吹正 vs 刑事・多田

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(不能犯4巻)

この宇相吹と相対するのが、刑事の多田。

瞬間催眠(思い込み)が一切効かない数少ない人間。また最愛の上司・夜目が宇相吹正殺されたこともあって執念深く追いかける。ただ当然、宇相吹が実行した証拠はどこにも存在しない。

宇相吹正という「不能犯」相手に警察は蛮行を止めることはできるのか!?宇相吹正の目的は何なのか!?といった内容のマンガ。

ちなみに実写映画版では多田刑事役は性別が逆転し、「別に」でおなじみの沢尻エリカが務めてます。性別が女性の方が宇相吹との対比やギャップ感がより強調される、という判断からかも知れません。

誰も救われない結末ばかりで逆に面白いww

冒頭でも既に感想をサクッと言いましたが、『不能犯』は好みは分かれそうですが意外と面白いとドルジ露瓶尊は評価してみる。

本当に『不能犯』のストーリーは毎回モヤモヤさせられる。主人公・宇相吹正が復讐を達成しても見事にスッキリせず、苦笑いを浮かべてしまう。でも、だからこそ『不能犯』は何とも言えない面白さがあります。

○ある彫刻家の復讐劇を宇相吹正が手伝うとどうなる?

例えば、ある彫刻家・遠野栄太郎の話。鳴かず飛ばずのまま30歳を迎えようとしていた。ただ目の前で起きた交通事故がキッカケで創作意欲が湧き、次第に賞を取るようになる。つまり作品はグロ作品。

この彫刻家・遠野は宇相吹正と偶然出会う。「貴方が望むものを僕が与えてあげましょう」と宇相吹正は言い残したかと思ったら、遠野の目の前で次々と惨劇が頻発する。そして彫刻家・遠野は次々と作品を量産し、次々と賞を総なめにしていく。

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(不能犯3巻)

この彫刻家・遠野には恋人・春日がいて、当然お互い喜びを分かち合う仲だった。

でもある日、その恋人が中年男性と仲良く歩いている光景を町中で見てしまう。いずれ結婚を考えていた彫刻家の男は婚約指輪を涙ながらに握りしめる。まさに憎悪と嫉妬の表情。

そこで突然現れた宇相吹正が中年男性に催眠術を掛け、彫刻家の恋人に手をかけさせる。中年男性は周囲の人間を全てブロンズ像と思っていたため、負傷して倒れてきた恋人に圧死させられたと思い込み死亡。この光景を見た彫刻家・遠野は思わずニヤリ。復讐 is done。

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(不能犯3巻)

ただ死亡した中年男性は、彫刻家の恋人の実の父親だった。しかも彫刻家に賞を与えていた美術界のお偉いさん。また彫刻家の前で次々と頻発した事故も、恋人・春日が創作意欲を湧かせるために宇相吹正に依頼してた。

そして宇相吹正は一言。「愛する人の死を題材にすればさぞかし傑作が生まれることでしょうねぇ」とニヤリ。あくまで宇相吹正は依頼を忠実に実行しただけなんですが、まさに誰も救われないという結末。本当に誰得やねんと言いたくなりますw

実は依頼者もクズだったパターンが多い

まだ先程のエピソードに関しては愛する彼氏を想って、宇相吹正に殺害を依頼したパターン。依頼主はそこまで悪者ではなかったかも知れない。

でも『不能犯』で登場する依頼主はどこか問題児が多い。正直、自業自得、逆恨みとしか思えないことも。

例えば最初は依頼主だと思っていたら、実は復讐される側のターゲットが先に依頼していたため、実は依頼主ではなく殺されるターゲット側だったというパターンもザラにあります。

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(不能犯2巻)

画像の回がまさにそれ。最初に登場した依頼主のオンナは、まず宇相吹正に彼氏と彼氏の浮気相手を狙うように依頼したものの、実はターゲットの浮気相手の女性がかつて自分たちが交通事故であやめた子供の母親だったことが最終的に発覚。

そして基本的に宇相吹正が最期のトドメをさすことが多いものの、この回は依頼主だった母親が自ら手を下す。『不能犯』の中では珍しいパターンではありましたが、完全にただのホラー漫画(笑)

だから『不能犯』のプロットは実は緻密で、最初からクズだと分かるケースは意外と少なく、結末まで読んでようやく依頼主がクズだったと分かることが多い。その中でも面白かった回のネタバレ感想を一話だけピックアップしたいと思います。

難病の子供を抱えたサラリーマンと宝くじの話

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(不能犯3巻)

桜井という難病の子供を抱えたサラリーマンの回。

ある日、桜井は迫田という部下と共同で宝くじを購入するとたまたま2000万円が当たった。当然桜井は迫田に詰め寄って宝くじを渡してもらおうとするものの、迫田は「宝くじはハズレてた。万が一当たってたとしても、アンタに渡すワケないでしょうが」とニヤリ。

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(不能犯3巻)

そこまで明確に断言されたのでしぶしぶ桜井は引き下がるものの、その後に迫田が「明日は休みだからソッコー換金しに行って、夜はみんなで酒盛りだぁ」と汚い声で笑いながら電話してるのを聞いてしまった。さすがに怒り心頭の桜井はそこで宇相吹正に依頼し、強引に当選した宝くじを奪おうと画策。

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(不能犯3巻)

子を持つ親の立場で考えるなら、桜井の行動は当然といえば当然。なんとなく共感を覚えてしまいそうな読者も多そうですが、最終的に迫田は宇相吹正が持ってきた大量のスズメバチにさされて亡くなってしまう。

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(不能犯3巻)

もちろん本当のスズメバチを放つわけはなく、宇相吹正が持っていたのは可愛らしいモンシロチョウ。ただ迫田の顔は本気で思い込んでいたため、顔面が腫れ上がってしまう。恐怖感もあったか。じゃあ万々歳の結末が待っているかと言えば、もちろんNO。

○依頼者の父親が大のギャンブル狂だった

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(不能犯3巻)

何故なら桜井は大のギャンブル好きだった。

宇相吹正から依頼料として当選金をボッタクられて手術費用が足りなくなったことはあったにせよ、その補填を競馬で賄おうと考える。パチンコやカジノなどギャンブルは負けて当たり前。結果、当選金全てを注ぎ込んだ桜井はすっからかん。

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(不能犯3巻)

まさに茫然自失のまま帰宅した桜井に追い打ちをかけるように、妻から衝撃的な発言を耳にする。実は迫田は桜井のギャンブル好きを知っていたから、敢えて渡さなかっただけ。しかも、この日の夜に迫田は「直接2000万円を渡しに来よう」としていたことを知らされる。

だから先程の迫田の「今夜はみんなで酒盛りだぁ」という発言は、ようやく桜井の息子が助かる目処が付いたお祝いで楽しく酒盛りしようぜ、という安堵の笑いだった。それを桜井は盛大に勘違い。

更に桜井を追い詰めるように背後には母親の「助かる」という言葉を聞いた、病気の息子が嬉しそうにニコッと微笑みかけてくる。桜井は「オレは何てことをオオオオ」と後悔と苦痛で表情が歪む。

そして桜井が取った最終手段が自分自身に生命保険をかけて、宇相吹正に迫田と同じように…というオチ。なんということでしょう~♪清々しいぐらいのムナクソではありませんか~♪という某ナレーションが聞こえてきそうなぐらい誰得な胸糞ストーリー。

でもここまで割り切ってもらえると、ストーリー構成の巧みさも相まって『不能犯』は逆に面白い。何事も突き詰めすぎると価値が生まれるのか、もはや新しいマンガの新境地や可能性を切り開いてる節すら感じます。

不能犯のおすすめ総合評価・評判・口コミレビュー

以上、『不能犯』が面白いかつまらないかの考察レビューでした。

宇相吹正は主人公でありながら、まさに外道。それゆえ基本的にムナクソ展開しかないので読者の好みはハッキリ分かれそうではあるものの、ここまで潔い鬱展開だと中島みゆき的なスタンスとしては逆に面白いマンガではなかろうか。

またオチはいつも救いようがないものの、それは原作者・宮月新のプロットやストーリーの構成力の高さを何より証明してると思う。どうせ救われないんだろうなぁと思いつつも、ついつい読んでしまう展開の力強さもある。

だから『不能犯』は読んでても不思議と飽きは来ず、何故かダラダラと読んでしまう。出し惜しみがない展開は至って読み味は小気味良く、オムニバス形式のため一話あたりの読後感も充実。

内容はかなりダークではあるため好みは分かれるものの、『不能犯』は無意味にズズズーンと沈みたくなる読後感が楽しめる or 好きな方にはおすすめ。果たして実写映画版『不能犯』では主演・松坂桃李は、どこまでナチュラルなクズっぷりを演じきれるのか。

コメント

  1. 匿名 より:

    えーこれクッソつまらないですよ
    作画と原作わかれてるって思わなかったぐらい
    原作は作画に土下座するべきですよ

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