【漫画紹介】ふつつか者の兄ですが 全6巻 ネタバレ感想まとめ【日暮キノコ】【内容あらすじ&最終回】

『ふつつか者の兄ですが』全6巻のネタバレ感想をレビュー。作者は日暮キノコ。掲載誌はモーニング。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックの日常漫画。AmazonのKindleや楽天koboなどで無料で試し読み・立ち読みができます。

つい先日完結したらしいので、今回もドル漫が『ふつつか者の兄ですが』が面白いのかおすすめなのか全巻まとめて徹底的にレビューしてみました。ちなみに批判的な感想が大半を占めるので注意。また最後の結末などもネタバレしてるため嫌いな方はスルー推奨。

「ふつつか者の兄ですが」のあらすじ内容・ストーリー登場人物

主人公は田処志乃(たどころ・しの)

どこにでもいる少しだけヤンチャな女子高生。見た目も性格もチャラい一面を覗かせるが、一方でアルバイトには真面目に取り組むなど周囲の友達からは慕われていた。そして恋愛の兆しも見え始めていた。

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(ふつつか者の兄ですが1巻 講談社)

ただ会話が「自分の家族」のこととなると、一瞬だけ表情を曇らせる田処志乃。

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(ふつつか者の兄ですが1巻 講談社)

それもそのはず。田処志乃には兄・田処保(たもつ)がおり、4年ほど前から引きこもっていた

もちろん兄との会話は久しくなく、妹・志乃は周囲の友達にカミングアウトすることはできなかった。志乃も無意識的にできるだけ「あたしは一人っ子」と思い込もうとする悶々とした日々が続く。

そしてある日、バイトに励むぐらいならまず家事をやりなさいと叱る理不尽な父親に対して、その怒りは当然兄・保に向く。ただ「いかんともしがたい事情」は今すぐどうにかなるわけでもなく、思わず大量の涙がブワッとこぼれ落ちた。

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(ふつつか者の兄ですが1巻 講談社)

しかし兄・保は何を思ったのか、これまで引きこもっていた部屋から突如飛び出る。そして一言。「今日から部屋出ようかなぁ…なんて」と何故かはにかんですらいやがる始末。

果たして田処保は無事ヒキ生活を脱出することはできるのか?そもそも何故唐突にヒキコモリ生活をやめようと決意したのか?妹・志乃の青春は兄・保に脅かされるのか?といったストーリー内容になります。

どうやら作者・日暮キノコには実際に兄がおり、その兄をモチーフに作った漫画とのこと。

少しネタバレしておくと兄・保はボクサーを目指す点など、現実の兄とリンクさせている模様。『ふつつか者の兄ですが』のオマケの中書きでちょこちょこ情報が掲載されているので、実際にコミックスや単行本を購入してチェックしてみて下さい。

兄・保と妹・志乃の絡みが割りと少ない

個人的な感想と評価から述べると、一応『ふつつか者の兄ですが』はダラダラとは最後まで読めると思います。

兄・保が元ヒキコモリというハンディや負い目を背負いながらも必死に働き、また可愛い女性と出会って一夜のアバンチュールを送るなど、妹・志乃が交通事故にあったりなど多少の山あり谷ありが展開されます。

ただ前述のあらすじ内容を読む限りは、おそらく大体の人は「兄妹が二人して成長する物語」の漫画だと思うんです。でも中身の実態は違う。

大雑把に展開を説明しておくと、二人はそれぞれ個別に様々な人たちと出会って、それぞれ別の空間で成長していくようなストーリー構成になっている印象。

だから漫画の根幹的なテーマとはかけ離れており、『ふつつか者の兄ですが』で本来描くべきテーマであろう「兄と妹」に関する掘り下げは正直弱いというのが個人的な感想。漫画タイトルで「兄」という単語を使う以上、相反する妹なり家族の存在を描写しなければいけない。

○兄妹が手を取り合って成長したシーンが少なすぎる

それにも関わらず二人のキャラクターがあまり良い意味で混じり合っておらず、二人で何か展開を生み出した場面がつくづく少ない。もちろん兄と妹のそれぞれのお話はそれなりにダラダラとは読めますが、読者が最初に期待しそうな展開は基本的に少ない。

そのため結論としてまとめると、『ふつつか者の兄ですが』は「引きこもりの青年」と「恵まれない女子高生」が頑張って生き抜こうとするフワッとした青春ストーリーが、バラバラに描写されただけに留まっているマンガというが正直な感想。

後述する『ふつつか者の兄ですが』の最終回に関しても、妹との関係性は何となく絡めてはいるものの、それぞれが別々の人生を歩んだまま結末を迎えてる。じゃあ「兄と妹という関係性」は結局何だったの?という一言に尽きます。

ふつつか者の兄ですがの最終回ラストの結末のネタバレ

ということで前述通り、ここからは『ふつつか者の兄ですが』の最終回・最終話を簡単にネタバレしたいと思います。ネタバレが嫌いな方はスルー推奨。離脱するなら今の内です。

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(ふつつか者の兄ですが6巻 講談社)

ラストの結末を簡単にまとめると、主人公の兄・田処保はキックボクシングの初試合の後、熊谷幸というシングルマザーと紆余曲折がありながらも付き合って終わります。

一応ハッピーエンドで完結しているため後味が悪い結末ではないものの、『ふつつか者の兄ですが』の終わり方としては余韻が残るかというと…。

○人妻キャラが新キャラすぎて草

何故なら、この人妻キャラクターは最終6巻にいきなり登場。しかも、すぐ兄・保と別れてそのままフェードアウト。しかも別れ方も最悪であり、キックボクシングの試合が行われるまでずっと音信不通の状態が1年以上も続いてた。

すっかり読者的にはもう消えてしまったキャラだと思ってたので、正直この結末に唐突感は否めなかった。そして上記の画像の場面に「妹・志乃の姿」がない。普通であれば妹・志乃の姿がここにあって、「ふつつか者の兄ですが」と妹が話して完結する終わり方が理想。

その終わり方こそマンガタイトル的にはそうあるべき完結。でも兄と付き合うこととなったシングルマザーと妹・志乃は面識すら一切ないまま完結したので、最後の最後まで兄妹は本当にバラバラだった印象は否めない。

「兄と妹」という関係性においては、本当に何も残らなかったマンガ。

ふつつか者の兄ですが 全7巻 おすすめ総合評価・評判・口コミレビュー

以上、ドル漫による『ふつつか者の兄ですが』全6巻のネタバレ感想まとめでした。

それぞれたまに感動できるウルッと来る場面もあるにはあるものの、『ふつつか者の兄ですが』の設定でしか描けない物語が描写できているかは微妙。「現実の兄妹関係」に引っ張られすぎた感はあって、もう少しオリジナル感を意識しても良かったかも知れない。

日暮キノコは個人的に嫌いな漫画家さんではないものの、面白いかおすすめかで評価すると「普通」かな。

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