『ONE PIECE(以下ワンピース)』の作者は尾田栄一郎。
一見するとペンネームにも思えますが、この名前はれっきとした本名。当該作品を1997年に連載を開始して以降、尾田栄一郎は漫画界の前線を未だに走り続けています。
ただ尾田栄一郎も最初から尾田栄一郎だったわけではなく、素人の高校生時代には「とあるペンネーム」を使っていました。
尾田さんの旧ペンネームが「月火水木金土」。名前の読み方は「つきひみずきこんどう」。
いわゆる一週間の曜日を人名っぽい当て字にしてるんですが、実は『ワンピース』も終盤に近づく中、この旧ペンネームにはどうやらヤバすぎる伏線が隠されていました。
ワンピースのラスボスたちを意味していた
結論から言うと、月火水木金土という旧ペンネームはワンピースのラスボスの「イム様」と「五老星」を指していたと考えられます。
五老星のフルネームが判明したばかりですが、どれも「太陽系の天体」が名前に隠されていました。
詳細は五老星の考察記事を参考にしてもらうとして、火星・水星・木星・金星・土星の英語名がキャラクター名にそれぞれ命名されてる。
一週間で使われている曜日も「七曜」と呼ばれる太陽系の惑星や天体をモチーフにした概念が元となっています。五老星はこの内の五曜を占めているカタチ。
一方、月はそのまま「月(Moon)」を意味しているため、これはイム様を表している可能性が高い。
イム様は不老不死の体質もほぼ確定したため、不老不死の薬を持っていた『かぐや姫』あたりが想起されます。
そのためイム様の性別は女性という説も根強いんですが、月の古代都市にはミンク族を奴隷にしていた謎の高度文明がありました。
イム様はミンク族を従えていた貴族の子孫だった?
月火水木金土のペンネームで発表した作品が「WANTED」
だからイム様の立ち位置にはやや不明瞭な点は残るものの、月火水木金土はイム様と五老星を指し示している可能性がやはり高そうです。
さらにドル漫の根拠を裏付けるのが、尾田さんが同ペンネームで手塚賞を受賞した『作品名』が関係しています。
そのタイトルが『WANTED!』でした。
このWANTEDを日本語だと「指名手配」や「指名手配中」などと訳します。実際、この読み切り漫画の内容は西部劇をモチーフにしており、主人公は最強の賞金首のギルバスターでした。
つまり、旧ペンネームの月火水木金土は「イム様と五老星」を表し、読み切り作品のWANTEDは「敵であること」を表している。
だから正確には、月火水木金土というペンネームは作品名とセットで「ワンピースのラスボス」を暗示していたカタチ。
何故、太陽の「日」だけが含まれていなかったのか?
実際、月火水木金土という旧ペンネームには、何故か太陽を意味する「日」だけが入っていなかった。
『ワンピース』における太陽は「太陽の神・ニカ」を指す。ニカの正体も謎は多いものの、主人公のモンキー・D・ルフィが所有する悪魔の実(ヒトヒトの実)のモデルにもなっています。
つまり、日(太陽)とはモンキー・D・ルフィを意味している。
だからこそ、WANTED(指名手配)という読み切り作品を作った旧ペンネームには含めていなかった。ワンピースのラスボスの正体は、尾田さんが漫画家人生を歩み始めた段階から想定していたカタチ。
さすがに高校生時代にここまでの構想を描いていたとは正直思いませんが、結果的には初期のペンネームと作品名を上手に伏線として利用する設定や展開を作っていたはず。
恐るべし尾田っち。
○宇宙の真理を語る高校生時代の尾田さん
また尾田さんは『WANTED』のあとがきで「宇宙の真理について考えさせられた」と唐突に締めくくっていました。
当該作品を仕上げる3日前に尾田さんは交通事故に遭ったものの、ラスト一日で根性で仕上げて無事投稿。
しかし、後日、鼻の軟骨も折れていたことが発覚したエピソードを語っているんですが、それが何故宇宙の真理と関わるのか不明。
でもワンピースの展開に繋げる伏線として語っていたとしたら納得。
ただ月火水木金土というペンネームを命名している以上、少なくとも学生当時から尾田さんは「宇宙が好きだった」ことは確かでしょう。
五老星のフルネームを長らくひた隠しにした理由も、ワンピースの宇宙編を読者に予想させたくなかったからか。
だから、それだけ尾田さんのイデオロギーや考え方、趣味嗜好は一貫して変わっていない裏返しか。そのためワンピースの宇宙編が描かれることはほぼ間違いないのでしょう。