【感想】大正処女御伽話が面白いのか考察してみたw【全巻まとめレビュー】

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ユヅの程良い積極性や距離感の取り方が絶妙

ユヅは「当時にあるべき女性像」が投影されているため、基本的に男より一歩引いて歩いてくれる「大和撫子感」をベースに描写されてる。でも一方で、そういった自分の確固たる信念や主張も持ち合わせている。

だからユヅは卑屈すぎないし、男に媚びすぎてもいない。まさに絶妙なキャラ設定が魅力。

パット見は「口リ巨乳」「低身長で男に尽くす可愛い女子」という萌え豚層に特化したいかにも浅ましい設定ではあるものの、ユヅは中身がしっかり好感を持てるので意外と女子ウケも良さそうな女性キャラクター。ということで、続いてはユヅのおすすめしたい積極的な一面をレビュー

(1巻 集英社)

先程のコンプレックスのクダリでは、志磨珠彦が自分の動かない腕を念頭に「君には悩みなんてないんだろうな…」とついポツリとつぶやいてしまう。それに対してユヅは「まあひどい!私にだってありますわ!二つも!」とグイッと顔を近づける。

だからといって頭ごなしに叱るわけでもなく、自らのコンプレックスを前述のように洗いざらい吐露する「素直さ」が良い。「二つ」という、どうでもいい強調も可愛らしい。

また怒る・叱るという動作の中に、ちょっとドキッとさせる動作を繋がってるのも男子的には良い。学園モノの漫画だと掃除をサボってる男子に対して、女子生徒が肩を軽くポンポンと叩きながら「もうっ」とホッペを膨らませるような感じか。

(1巻 集英社)

二人で初めて新年を迎えた際、当然志磨珠彦はドキドキムラムラ。ただ二人はまだ結婚をしていないので、ユヅは「そういうのは結婚するまでお預けですっ」と照れながらも拒否。そして更に続けてフォローするように云う。

でも必ず珠彦様に捧げますからね。側にいて色々な珠彦様を見たい。好きになりたい。そう思っております」。

ここまで素直に好きと言われてしまったら、思わず「ほれてまうやろー」という一発ギャグでもかましたくなります。セリフの熱量も熱すぎないから、お腹いっぱいになりすぎないのもおすすめ。ただユヅの気持ちは一方通行ではなく、それ以前に珠彦がユヅに対して優しい振る舞いをしていたこともちゃんと伏線になってるからこそ素直に読める。

(1巻 集英社)

他にも志磨珠彦が風邪を引いたときには、ユヅは自分のおデコをピタッと合わせる。このベタすぎる演出も、ユヅなら嫌味なく受け取れるのが良い。先程も書いたように「適度にリードしてくれる年下女子感」がユヅというヒロインに見事に凝縮されている気がします。

ただ強いて言えば、ユヅのキャラが生きてるのは主に序盤。ストーリー後半にかけるにつれて、アイドル歌手の新キャラクターが登場するなど最後はややもすると打ち切り気味に完結する。下手に「ストーリー物を描こうとしたツケ」とも言いましょうか、もう少しユヅというキャラをしゃぶり尽くして欲しかった気がします。