【漫画】島耕作の事件簿 ネタバレ感想レビュー【弘兼憲史・樹林伸】

『島耕作の事件簿』1巻のネタバレ感想をレビュー。作者は弘兼憲史と樹林伸。掲載誌はモーニング。出版社は講談社。ジャンルは青年コミックの推理漫画。AmazonのKindleや楽天koboなどで無料で試し読み・立ち読みができます。

この『島耕作の事件簿』はモーニング35周年の企画して掲載された、いわゆる島耕作シリーズのスピンオフ漫画。しかも原作原案はミステリーの大御所・樹林伸。割りと豪華なタッグ。厳密には『課長島耕作』のスピンオフのため時代背景が特殊なんですが、それについては後述。

そこで今回ドル漫では『島耕作の事件簿』が面白いのかつまらないか徹底的に考察してみたいと思います。今回の感想レビューを購入時の参考にしてください。

島耕作の事件簿 あらすじ内容・ストーリー

主人公は島耕作。前述のように役職は課長のため、時間軸は1990年11月10日の話になります。まさにバブル絶頂期の頃。都会のエリートサラリーマンたちは色んな意味でブイブイいわせてた時代。

島耕作もご多分にもれず。初芝電器産業で新設された部署の部下たちとの親睦会の後、島耕作はあるバーで飲んでいると、そこにとびっきりの美女が隣りに座って話しかけてきた。深酒も手伝って、島耕作は美女の家に泊まる流れに…。

その後の展開は敢えて説明するまでもないでしょう。ホンマうらやましい奴やでぇ~。

(島耕作の事件簿1巻 弘兼憲史・樹林伸/講談社)

ただ島耕作が翌朝気付くと、ベッドの上には昨夜の美女と思しき死体が横たわっていた。しかも首には島耕作のネクタイが…。

ちなみに画像の下の部分は想像して下さい。島耕作シリーズでは当然なにも隠されていません。昔幼いころ、叔父が持っていた『課長島耕作』を隠れて読みながら股間シコシコしてたのは内緒。

あまりの突然の事態に、島耕作の視界はグラリと揺れる。当然島耕作は犯行をおかしていないものの、警察を呼んだらそのまま逮捕されることは間違いない。安倍政権と同じく状況証拠的には真っ黒。さすがの島耕作も頭がパニック。

○突如、被害者の妹が部屋にやってくる

しかも最悪の事態が発生。

(島耕作の事件簿1巻 弘兼憲史・樹林伸/講談社)

まさかの美女の妹が現れる。お母さんに隠してたエ口本が見つかったとかいうレベルじゃない。ただ百戦錬磨の島耕作。さっきまでの狼狽っぷりはどこに消えたのか、いかに自分が犯人ではないかをとうとうと説明。

(島耕作の事件簿1巻 弘兼憲史・樹林伸/講談社)

そして私立探偵・木暮久作も巻き込み、島耕作は「真犯人」を見つけるため逃亡劇の火蓋を切られる。

猶予はたった3日。果たして島耕作は無実を証明することはできるのか?真犯人を見つけることはできるのか?島耕作人生で初めての「逃亡の夜明け」の先に待っているものとは?

そのため『島耕作の事件簿』の内容としては、割と本格的なミステリー漫画に仕上がっております。後述しますが最近のスピンオフ漫画にありがちな「おふざけ感」は皆無の内容となっております。

島耕作の探偵っぷりは意外と違和感なく読める

冒頭でも触れましたが、『島耕作の事件簿』のベースは「課長島耕作」。

「1980年代のバブル時代以降」の時間軸で描かれるため、当時の時代背景が割と忠実に再現されている模様。作者の年齢的にリアルタイムで遊んでいたんでしょうから、当時の記憶が鮮明に残っているんだと思います。

(島耕作の事件簿1巻 弘兼憲史・樹林伸/講談社)

そのためケータイ電話も相当大きめのヤツが登場。最近で例えるなら「しもしも」でお馴染みの平野ノラが愛用してるアイテムと説明すれば分かりやすいか。さすがの30代の自分ですら全く記憶がございません。

(島耕作の事件簿1巻 弘兼憲史・樹林伸/講談社)

他にも「ポケベル」というアイテムも登場。30代の筆者だとギリギリ使用していた世代。中学時代に所有してる友達が何人かいたような記憶。

○バブル時代に使用されたアイテムもトリックにしっかり活用

ただこういったバブル時代のアイテムを無意味に登場させてるわけではなく、しっかり事件を解くための重要なキーや山場の演出として使われていたりします。そのため事件の核心や背後関係にも「バブル時代の狂想曲」が密接に関連。

今回の感想記事では詳細なネタバレは割愛しますが、しっかり経済関連のネタがベースの『島耕作』の世界観を壊してないのが特筆すべきだと評価。だから、さも探偵のように事件の真相解明と犯人追究に懸命に動く島耕作の姿も、不思議と違和感なく読めたのは意外でした。

考えてみると、普段から「サラリーマン」として無理難題に直面しては見事に解決していく様は、まさに探偵のそれと通じるものがあるのかも知れない。そのため従来の「島耕作の世界観」と奇抜な「スピンオフ的な試み」が、樹林伸という原作者を媒介とすることで見事に「一つの漫画」として調和。

ドル漫では『島耕作の事件簿』の作品の完成度は高いとおすすめしてみる。

島耕作の事件簿 おすすめ総合評価・評判・口コミレビュー

以上、ドル漫による『島耕作の事件簿』のネタバレ感想レビューでした。

結論から評価すると、『島耕作の事件簿』は試み自体が面白いスピンオフ漫画でした。そのため記念作品的な色合いも濃いのかなーと思いきや、「意外なキャラクターが犯人」だった結末など実は王道なミステリー漫画としてまとめられてる点でおすすめ。

もちろん「めちゃくちゃ面白い」と評価するとハードルが上がってしまうのでそこまで褒めることはしませんが、意外と爆破シーンなどハードボイルドな展開もあったりして、島耕作シリーズを知らなくてもそれなりに楽しめると思います。

事件背後にある巨大組織や経済状況、時代背景などが緻密に描写されており、その中で見えない犯人に向かって事件解決に奮闘する姿は、島耕作の従来のオッサンファンなら更に満足できる内容のはず。

あの従来の世界観のまま追い詰められる島耕作の姿は、少なくともサラリーマンと違った一面が見れる意味でもファンにとっては面白い。また適度な工ロ描写も相まって、購入する価値はあり。

ただ強いて言えば、『島耕作の事件簿』はスピンオフならではの「悪ふざけ感」が一切ないこと。

設定が設定のためシリアスに比重が置かれるのは当然なんですが、例えば最近人気のカイジシリーズの『中間管理録トネガワ』や『一日外出録ハンチョウ』、金田一少年シリーズの『犯人たちの事件簿』などのような作風を期待すると失敗するでしょう。