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【感想】僕たちがやりました 全9巻 ネタバレ考察まとめ【おすすめ面白い】

『僕たちがやりました』全9巻のネタバレ感想をレビュー。作者は金城宗幸(原作)、荒木光(漫画)。掲載誌はヤングマガジン。出版社は講談社。連載期間は2015年から2017年まで続いた青春マンガの青年コミック。略称は「僕やり」など。

2017年7月からフジテレビ系列で実写ドラマ化もされるので、今更ですが『僕たちがやりました』が面白い作品かつまらないのか簡単に考察したいと思います。ドラマ版でも内容は大して変わらないと思うので、原作の漫画版を読んだことがない人もテキトーに参考にしてください。

最終回のオチなどはネタバレしてませんが、ストーリーは大まかにネタバレしてるので嫌いな方はスルー推奨。

「僕たちがやりました」のあらすじ物語・ストーリー内容

主人公は増渕トビオ(以下トビオ)。凡下高校に通うどこにでもいる男子高校生。

(僕たちがやりました1巻)

トビオのモットーは「そこそこ楽しく生きる」。友達の伊佐美やマル、何故か高校を卒業しても凡下高校にやってくる大金持ちのパイセン(小坂)と一緒に、スポッチャ最高の日々をダラダラと満喫していた。

例えば道路一歩挟んだ向かいにある、矢波高校のド不良生徒たちの横暴な振る舞いを見てもスルー。何故なら草食動物は食われないように身を潜めるしかないから。あくまで非暴力超服従の精神で触らぬ神に祟りなし。

(僕たちがやりました1巻)

そしてある日、トビオの友達・マルが矢波高校の市橋たちにフルボッコ。そのままダンボール詰めされてトビオたちに発見される。一体誰の仕業かと考えあぐねる間もなく、背後から「ギャハハハ!お届け物でーす!!」とせせら笑う矢波高校の生徒たちの姿。

そこでトビオはブチ切れた。「そこそこ楽しく生きる」というモットーをついに捨て、矢波高校の生徒たちに逆襲することを伊佐美やパイセンたちと誓い合う。大金持ちのパイセンが金の力をフルに使ってプラスチック○弾をゴニョゴニョして作って、夜中に矢波高校へ忍び込んでアチコチに仕掛けた。

もちろん実際に危害を加える意図はなく、単にビビらせるだけ。当然爆発の威力は知れてる。あくまで矢波高の不良たちの慌てふためく姿を見て楽しむだけの他愛ない復讐劇…になるはずだった。翌日、授業中に次々と爆発させていくもののパイセンが仕掛けた場所が悪かった。

(僕たちがやりました1巻)

プロパンガスに引火し、想像以上の大爆発。矢波高の生徒たちにも火が燃え移る。結果、矢波高校の不良生徒たちが合計10人も死亡してしまう。まさに前代未聞のテロ。裁判になれば当然死刑。トビオが愛してやまなかった「平凡な日常」がガラガラと音を立てて崩れ落ちていく。

果たしてトビオはかつての日常を取り戻すことはできるのか?警察の手から逃れることはできるのか?といった内容になります。

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コイツラ全員クズッッッ!!!!

『僕たちがやりました』はとにかくキャラクターがもれなくクズ。ややもすると少し不快に感じる読者さんもいるかも知れませんが、そこを面白いと思えるかつまらないと思えるかが境界線になりそうです。

(僕たちがやりました1巻)

例えば矢波高校にボムを仕掛ける決行直前の場面。素性がバレないように動物の仮面をかぶるトビオやパイセンたちなんですが、そこで当時流行ったお笑い芸人のダンソンフィーザキーを踊り出す。

この高級ティッシュ並みに軽いノリは若者にありがちなクズっぷり。自分たちがやろうとしてることの重大さが分かってないんですが、あまりに清々しくて思わず笑ってしまう

ちなみに『僕たちがやりました』ではちょいちょいリアルのお笑いネタを挟んでくる。一過性のブームも多いので数年後読み直すと何のこっちゃ何のスポッチャか分からなくなる可能性もあるか。

(僕たちがやりました2巻)

東南アジアに逃げようとした場面では、明らかにブラマヨ小杉の笑顔をモチーフにしたようなパイセンの表情。「大丈夫やトビオ。向こうでの生活費は俺が出すやん」と小杉の声を頭のなかで再生させてみてください。

(僕たちがやりました1巻)

このパイセンは何でも金で解決しようとする。だから不良のカツアゲにも進んで金を出す。確かに一番効果的な不良撃退法ではあるかも知れないですが(笑)

(僕たちがやりました2巻)

一方、主人公・トビオは自分がやった重大さから罪悪感にさいなまれる。常に頭の隅に燃え盛る矢波高の生徒たちの光景が頭から離れない。だから共感できそうな部分はあるものの、最終的には警察の追っ手から逃亡しちゃう。

しかも伊佐美の元カノで初体験を済ませたり、美人の看護師さんを自分から口説いておいて最後はこっぴどく振ってみたり、このトビオも結構シンプルにクズ。もちろん現実逃避から快楽に溺れたと考えるのが自然ですが、何故トビオがこんなことをしたのかといった考察は最後らへんに後述。

特にトビオのクズっぷりを発揮したのが、不良・市橋に対するそれ。もちろんカツアゲなど犯罪行為を何度か繰り返すなど、市橋もかなりのクズでした。ただ予備校に熱心に通うなど、まさかの大学進学を目指してたらしい。しかも夢はパイロット。

(僕たちがやりました4巻)

お前は男子小学生か!というツッコミはさておき、ネタバレしておくと市橋は瀕死になりながらも一命を取り留める。ただ下半身不随で歩くこともままならない。まともに日常生活も送れない以上、当然パイロットを目指せるわけがない。

ましてや途中で市橋は祖母が亡くなったり、高校でもイジメられる側にスクールカーストを転げ落ちたり、まさに踏んだり蹴ったりで生きる希望ゼロ。そんな天涯孤独の市橋の唯一の生きる希望が、画像にも写ってる蓮子。

ちなみに市橋はトビオを犯人だと思って憎んでいたものの、真犯人が途中で現れて結果的にトビオと市橋が仲良くなる。トビオは良心の呵責もあってか自ら市橋に近づき、無意識的に何とか市橋に許してもらおうとしてる。この時点でかなりのクズ。

でもトビオと蓮子は両思いで、最終的に2人は付き合う。トビオは市橋の想いを知ってるだけではなく、途中で「お前と蓮子応援するわ」とすら言ってのけた。当然こんなヒドい仕打ちをした以上黙ってりゃいい話なんですが、トビオは市橋に正々堂々と「俺たち付き合った宣言」をしてしまう。結果的にこの宣言の直後に市橋は自ら命を…。これぞマウントフルボッコ。

(僕たちがやりました4巻)

このトビオも被害に合うこともある。例えば警察から逃亡してる場面では、ホームレスのヤングさん(おネエ系)から初めての処女を奪われそうになる。「ヤッたことないのに否定するのか?プリーズ・オープン・ザ・ゲート」と何故か英語だけは敬語。まさに『僕たちがやりました』はクズキャラばかり。

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マルが最凶にクズすぎて面白いwww

特にトビオの同級生のマルがクズ。心底クズすぎて、一周回って面白い。マルはキノコヘアーの髪型が特徴。いかにも見た目から弱いことが明らかなんですが、それ故に性根が歪みまくってる。

(僕たちがやりました2巻)

一番の被害者ではあるとは言え、矢波高校の被害者数を知った時のマルの表情がコチラ。アフレコするのであれば「ざまぁwww」ってところか。この表情が醜悪すぎて面白い。ネット風に言えば草生えるってヤツか。

(僕たちがやりました5巻)

矢波高の一件にしても、「お前らが勝手に復讐とか言って盛り上がって、その正義感が俺の人生をメチャクチャにした」と言い逃れ。このとぼけた表情がムカつく。

(僕たちがやりました3巻)

もう少しストーリーをネタバレしておくと、パイセンは自分がとどめを刺したことを知り、だトビオたちに口止め料として300万円ずつを渡す。この時点でパイセンもかなりのクズなんですが、マルに至ってはトビオの300万円をしれっと盗む

(僕たちがやりました5巻)

しかもトビオだけではなく、伊佐美の300万円も奪おうと画策する時のマルの表情がヤバすぎる。ちなみにマルが300万円を何に使ったかと言えば、全部FUZOKU。ひでぇwwwとしか言いようがなく、ここまで来たら笑うしかない。

(僕たちがやりました5巻)

挙句の果てに「もうやめよーよ。みっともない。俺を責めたってお金は返ってこないんだよ?」とシレッと言い放つ。そりゃそうだけど、お前が言うなよっていう。このトボケ顔が清々しくて面白い。果たして実写ドラマ版でこのクソ憎ったらしい表情を俳優さんが演じられるのか。

このドス黒いマルの影に隠れてますが、伊佐美も割りとクズ。やはりトビオと同様に良心の呵責にさいなまれて何度も自分を傷付けることもあるんですが、結果的に彼女・今宵が忘れられずに生きる選択を選ぶ。

でも罪悪感の余り、アソコがエレクトしなくなる。その結果、伊佐美がどういった行動に走ったかと言えば、被害者の矢波高の生徒たちの家に元友達と称して足繁く通っては、「真犯人が憎い」と被害者の両親に向かって咽び泣く。

被害者の両親は伊佐美の姿を見て同じように泣くんですが、それを見て伊佐美は「自分は善人」であることを確認して良心の呵責を封じ込める。結果、今宵とやりまくって最終的には2児のパパになってしまう。

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「僕たちがやりました」のラストの結末はどうなるの?

ラストは『僕たちがやりました』の結末。果たして最終回でトビオたちは一体どういった選択を選ぶのか?

(僕たちがやりました8巻)

結論から書くと何やかんやがありまして、とりあえず全員で自首を選択する。パイセンが今まで貯め込んだ一億2000万円を使って、盛大な自首を実際に決行。動画配信サイトも利用して自分たちが真犯人であると高らかに宣言。まさに「僕たちがやりました」を実行。

じゃあストーリーがそれで丸く収まったのかというと、ここで話終わらない。

(僕たちがやりました8巻)

さすがにガチの最終回まで詳細にネタバレしませんが、果たして、このパイセンの表情は一体何を意味しているのか?トビオの涙の意味とは?果たして罰が下ることで良心の呵責が消えたのでしょうか?

…ともったいぶって煽ってみた。ネタバレなんか気にせえへんという方は、もっと詳しい最終回を知りたいならテキトーにググってみてください。中には「良く分からんオチでつまらない」といった感想もあって、確かにスッキリとした読後感は得られないオチで面白くないという評価も分からなくはない。

ただ基本的には「良心の呵責はどうすれば消えるのか?」という単純なテーマとして捉えれば、自ずとこの漫画の読み方は定まってくると思います。更に言うなら、まさに「罪と罰」がテーマ。

例えばトビオが蓮子を最後まで選ばなかったのも、自分自身に対する罰。ただその程度の罰では一向にドロドロとした良心の呵責は消えなかった。人が何人も亡くなってる以上、罪と罰のバランスが合わない。「死には死で償うべきなのか」などテーマとしては意外と深いはず。

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「僕たちがやりました」の総合評価・評判・口コミレビュー

以上、『僕たちがやりました』全9巻のネタバレ感想でした。個人的な評価としては、まあまあ面白かったと思います。

キャラクター一人一人の心理描写が巧み。一見ふざけてるように見えても、展開はしっかりリアルに仕上がってる。頻繁にギャグを折り込みつつも雰囲気はシリアス。このバランスの良いギャップ感のお陰で割りと最後まで飽きずに読める。

やや写実的なタッチの絵柄は好みが分かれそうですが、それでも画力そのものは高い。キャラクターそれぞれの表情は毎回笑わせてもらえる。描き込みも適度でゴチャゴチャしてない。読み味としてはサラサラと滞りなく読める。

掲載誌がヤングマガジンだけあって工口シーンも多く、下手な引き伸ばしもないのでおすすめ。全9巻というボリューム感を考えても買って損はしないでしょう。

本当に『僕たちがやりました』の登場人物はクズばっかり。ただ最終回を読むと分かるようにクズではあるものの、常にどこかに良心の呵責を抱えてるキャラは多い。圧倒的な罪悪感と究極の罰の重さの間で恐怖しながら、自分たちがおかした罪に向き合えずにいる少年たちが描かれる。その弱さや様態に共感できる読者は少なくないか。

それでも最後だけはトビオたちを罰すればいいじゃん、っていう感想も分からなくはない。あまりネタバレしないように注意したいですが、前述のように結論としてはオチはスッキリとしません。

でも、それで良い。何故なら、『僕たちがやりました』のストーリーで終始描かれているテーマ性がまさにそこにあるから。

だってトビオは罰が与えられてないからこそ苦しむ。もし最終回でトビオが罰が当たれば、そこでトビオは救済されてしまう。パイセンが出所したことで、もはや罰せられる機会は未来永劫なくなった。つまりはトビオが救われる機会は未来永劫なくなったと言い換えてもいい。

結果的に『僕たちがやりました』という作品で作者が伝えたかったことは、そこ。罰を与えることは加害者も救うことになる。逆に言えば「逮捕されてない≠罪を許されてる」という裏返しでもある。こういったメッセージを加害者目線で遠回しに、かつ的確にラストまでネチネチと描いた作品ではなかろうか。

ちなみに安倍晋三、テメーのことを言ってんだぞ。