『刑事ゆがみ』1巻から3巻のネタバレ感想をレビュー。
作者は井浦秀夫。掲載誌はビッグコミックオリジナル。出版社は小学館。ジャンルは青年コミックのおすすめミステリー刑事漫画。『刑事ゆがみ』はAmazonのKindleや楽天koboなどでも試し読み・立ち読みができます。
最近、この『刑事ゆがみ』がフジテレビ系列で実写ドラマ化されたらしい。そこで今回ドル漫では原作漫画が面白いのかつまらないのか徹底的に考察してみました。結論から書くとマンガ版『刑事ゆがみ』は意外と面白かったので購入する時の参考にしてください。
刑事ゆがみのあらすじ内容・ストーリー解説
舞台は、うきよ警察署の刑事課強行犯係。
殺人事件といった凶悪犯罪から、傷害事件や暴行事件など幅広い捜査を行っている係。他にも刑事課強行犯係は、女性や子供に対する性的犯罪なども担当しているらしい。そのため日々様々な事件が舞い込む。
『刑事ゆがみ』の主人公は弓神適当(ゆがみ・ゆきまさ)。
このうきよ警察署強行犯係に配属されている巡査部長。巡査部長と聞くとなんだか偉い立場の役職に聞こえますが、階級としては下から三番目。あの『こち亀』の大真面目の大原部長と階級的には同じ。
ただ弓神の性格はチャランポラン。
事件の過程で女子大生の電話番号を大量に手に入れた時は思わずニマニマ。完全な変態オヤジ炸裂。同じ警察官の同僚や上司に対しても、セクハラまがいや下ネタもザラ。名は体を表すとはよく言ったもので、まさに「適当」な言動も目立つ。とても「まともな刑事」とは思えない。
でも弓神の事件に対する嗅覚や勘はすさまじく鋭かった。推理力にも長けており、冷徹な考察力でささいな証言の矛盾も見抜いてしまう。
そして一度疑惑を抱くと最後まで捜査を続ける執念深さは周囲からはややもすると疎ましがられるが、弓神はこれまで数々の難事件を解決してきた。だから普段の言動がいい加減であっても、なんとか刑事という職業を続けることができてるのはそういう理由。
だから『刑事ゆがみ』のストーリーは主人公・弓神適当が数々の難事件を解決する内容。漫画タイトルの意味は、そのまんま「刑事の弓神」のことを指してるカタチ。他にも「歪んだ日本社会」や「歪んだ事件・犯人像」といった意味も込められているはず。
○弓神役は浅野忠信
ちなみに、弓神の実写ドラマ版のキャストは、浅野忠信が担当しているとのこと。久しぶりに浅野忠信を見たんですが、思いの外ハゲ散らかしていた笑いました。おそらく役作りは関係ないはず(笑)
ちなみにフジテレビ系列の実写ドラマ版『刑事ゆがみ』の内容ですが、マンガ版は現時点で全3巻しか発売されてない。そのためドラマ化するほどネタのストックがないので、ドラマ版はおそらく完全オリジナルのストーリーが描かれているはず。
刑事ゆがみのキャラクター登場人物
続いては『刑事ゆがみ』の登場人物を紹介しておくと、主なキャラクターは他にも2人ほどいます。
○羽生虎夫…神木隆之介
例えば羽生虎夫(はにゅう・とらお)。
羽生も弓神と同様に強行犯係。階級は巡査長ということで、『こち亀』で例えるなら両津勘吉と同じランク。まさに弓神と羽生の関係性は、大原部長と両津勘吉に似た関係性と言えましょう。
羽生の性格は熱血漢。性犯罪にあったとされる女性被害者に対して、「被害者に寄り添うのが刑事の仕事」とお目々キラキラ。また涙もろい一面も見せるなど、むしろ性格が純真(ピュア)と表現した方が正しいか。
そのためややもすると弓神の性格とは相反するものの、それでもお互いがお互いを振り回すカタチで事件解決に向かう。その様は意外と歯車が合うピッタリコンビと言えましょう。
ただ羽生はDTなのか、やや女性の色気には弱い。そのため羽生の名前の由来は「ハニートラップ」あたりから来ているものと推察されます。
ちなみに実写ドラマ版『刑事ゆがみ』の羽生のキャストは、神木隆之介が担当しているらしい。この間まで子役だった気がしますが月日の流れは早いもんです。
○菅能理香…稲森いずみ
続いてのキャラクターは菅能理香(かんの・りか)。
同じく、うきよ警察署の刑事課強行犯係に所属している女刑事。ただ役職は係長ということで、弓神と羽生の上司。ただ年齢は比較的若いこともあってか、弓神には割りとナメられがち。そしてセクハラまがいの言動に対して、思わず「弓神ーー!」とブチギレることも多い。
名は体を表す(官能)ということで、菅能理香のバディーはまさにむちむちポーク。弓神曰く、菅能は独特のフェロモンが出すぎとのこと。実際、菅能理香が痴漢のおとり捜査をした時にはホイホイと犯人が寄ってくる。
画像の場面でも作者の悪意ある表現で、顔は一切映されず肉体だけという演出がまさにキャラクターを象徴しているようです。だから菅能理香は弓神のことが大嫌いなのかと思いきや、実はNO。
普段こそ弓神に対して辛く当たっているものの、いざという時には「あなたが必要なのよ」と照れながら本音を漏らすなど実は菅能理香は全幅の信頼を置いている。
何故なら、菅能理香はかつて弓神が上司だった時代があり、その時に今とは違って弓神の仕事に対する真面目ぶりをまざまざと見ていたから。そして現在もなお時折発揮される事件に対する推理力や独特の勘を信用してる。
つまり弓神も何故こんなにチャランポランになったのかというと過去の事件が関係してるんですが、そネタバレは割愛しておきます。ちなみに、この菅能理香の実写ドラマ版のキャストは稲森いずみ。ぶっちゃけ色気もクソもなくね?と思ったのは内緒。
○実写版「刑事ゆがみ」のオリジナルキャラクター
実写ドラマ版『刑事ゆがみ』には山本美月が登場してるんですが、正直こっちの配役が良かった気がする。
年下上司と年上部下という関係性でもバッチリ。そして山本美月はムチムチバディ。ジーパンを履けばパツンパツンで太ももが思わず心配になるほど。まさに言うことなしのキャスティングだった。
ちなみに山本美月のキャストは氷川和美という、原作漫画にはないオリジナルキャラクターとのこと。
このキャラはトラウマが原因で喋ることができない腕利きハッカーらしい。いろいろと設定がてんこ盛りな感があって微妙ですが、是非山本美月にワテの股間をハッキングして欲しいものです(*´Д`)ハァハァ
意外と上質なミステリーっぷりがおすすめ
ということで、結論から評価すると『刑事ゆがみ』はそこそこ面白いと思います。意外と上質なミステリー漫画として楽しませてもらえます。
画像を見ても分かるように、作者・井浦秀夫の絵柄は古臭くて独特。ややもすると受け付けない読者も多そうですが、それでも肝心の中身はしっかり仕上がってる。ストーリー構成やトリック、犯人といったキャラクター作りやドラマ作り。割りと全てにおいて見応えがある。
さすがに「上質」と表現するといささかハードルが上がってしまいそうですが、『刑事ゆがみ』を一度読み始めると最後までしっかり読み切ってしまう漫画としての力強い安定感みたいなもんがあります。絵柄に関しても決してカッコいいキャラ、可愛いキャラは登場しないものの、意外と慣れてしまうとクセのあるキャラに愛着も湧く。
ストーリーの展開もシンプル。ありがちな人気ミステリー漫画や警察漫画のように下手に展開を引き伸ばすことはなく、しっかり話を完結してくれる。一巻で読み切れるサイズ感やボリューム感もgood。
○「犯人当て」をしないのが面白い
またストーリーの構成も「犯人当て」がメインではなく、どうやって「犯人を追い詰めていくか」に焦点が当たってる。同じフジテレビ系列で放送されているからということではないですが、言ってしまえば『刑事ゆがみ』は「古畑任三郎」のような展開が多い。
だから良い意味で頭を使わせられることが少ない。読み物として純粋に楽しめる。
『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』然り、人気のミステリー漫画はややもすると読んでいて「犯人が分からずモヤモヤ」させられることもしばしば。そういったイヤな頭の使い方をしなくて済むので、漫画そのものは読みやすい。
そう考えると「犯人探し」こそ、実はミステリー漫画にとって邪道なのかも知れない。『刑事ゆがみ』を読んで少しそんな思いも頭に浮かびました。
刑事ゆがみ おすすめ総合評価・評判・口コミレビュー
以上、ドル漫による『刑事ゆがみ』の考察レビューでした。
結論から個人的な感想をまとめると、『刑事ゆがみ』はまあまあ面白かったと思います。独特の表紙や絵柄だけで判断して「読まない選択」を選んだとしたらもったいないとすら言ってもいいか。
実は何を隠そう自分も表紙で忌避してた口だったんですが、だからこそ『刑事ゆがみ』はとりあえず1巻だけでも読んでみることをおすすめします。ストーリーの内容やプロットはしっかり仕上がってるため、もし1巻で気に入れば2巻3巻以降も購入したくなるはず。
例えるなら『刑事ゆがみ』は小説とマンガの中間ぐらいのミステリー漫画と考えれば分かりやすい。今回の感想レビューでは画像をあまり引用してないのも、そういったことが理由と思ってくれると納得してもらるはず。
本当に「読み物」として成立してる古き良き漫画といった評価を下したいと思います。
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