『ハンターハンター』の必殺技が「念(ねん)」。
ハンターハンターの強さ議論でも、この念能力がたびたび話題になります。もはや念能力を基準に、キャラの強さが決まってると言ってもいいぐらい。もはや強い念能力さえあれば、フィジカルは不要なほど。
そこで今回ドル漫では「念能力」の系統などを改めて徹底的に考察していこうと思います。念能力診断を行う水見式の詳細も考察してます。
【解説】念能力とは?【設定まとめ】
まず「念能力」を簡単に解説。
念能力とは人間が体内に内在している生命エネルギー(オーラ)を操作する能力のこと。『ハンターハンター』では「念(ねん)」と一般的に省略され、念を扱える人間のことを「念能力者」と呼ばれます。
人間は誰しもオーラは持つんですが、それを見ることはできません。そのため普通の人間は常に「精孔」という穴からオーラが垂れ流しの状態にある。だから念の基本は「オーラを体内に留めておく技術」と大雑把に表現できそう。
ただほとんどの人間はオーラを使いこなせない(念能力は使えない)ものの、オーラは見えずとも優れた政治家や芸術家などは無意識的に念能力を使用していることも多い。またオーラは死後に強まることも多いため、「呪い」の類いも念能力の一種とされてる。
一方、『ハンターハンター』の世界では「バトル」において使用されるため、一人前のプロハンターとして認められるには念能力を完全に習得するのが必須条件とされます。ハンターライセンスを所持していても、念を体得してない人間はヒヨッコ以下。
【四大修行】念能力を身につける方法まとめ
続いては「念能力を体得するための修行」を考察。
この念能力を習得する方法は至ってシンプル。ひたすらオーラを感じる修行を繰り返すこと。オーラを認識するだけでも一般的には半年から数年ほどかかるそう。
一方、危険は伴うものの第三者から体内に無理やりオーラを送り込まれることで「強制的に念能力を開花させる」ことは可能。『ハンターハンター』では強制的に念能力を開眼させるパターンが多め。ゴンやキルアがまさに典型例。
そしてオーラを感じるようになった以降は、更に「4つの修行(四大行)」が存在します。念上級者も念初心者も、この四大行を日頃から行って自身を強化してる。ただ修行とは言いつつも、四大行はそのままバトルで使用されることも多い。
また四大行には更に応用バージョンの技もあるため、それらも解説しようと思います。
○纏(テン)…念修行
まず最初の四大行は「纏(テン)」。
纏はオーラを「体表周囲に留めておく修行」のこと。纏も訓読みでは「まと(う)」と読みます。念能力(四大行)の中でも基本中の基本。オーラを周囲に留めておくことで防御力を高められるため、敵と戦う上では必須能力。
更に大量のオーラを使って纏(テン)を行う状態を「堅(ケン)」と呼びます。どちらかというと戦闘中は纏よりも堅がメイン。
また纏の応用技術には「周(シュウ)」が存在します。自分の肉体だけではなく、武器やモノといった無機物にオーラを纏わせることが可能。武器の攻撃力や破壊力をシンプルに高めることができます。
他にもオーラを周囲に薄く広く伸ばした状態を「円(エン)」と呼びます。上級念能力者となると数百メートル先までオーラを広げることが可能。この円の中に入った自分の行動を察知することができる。ただしオーラの扱いが難しいのか、「円」には割とセンスがいる模様。
○練(レン)…念修行
続いての四大行は「練(レン)」。
練は「体外に一気にオーラを放出する修行」のこと。戦闘力そのものを大きく高めることが可能。上級の念能力者になれば、常に練の状態でバトルに臨む。正確には前述の「堅」の状態と言った方が正確か。練を行い続けることでオーラの総量もアップできる。
練の応用技術には「凝(ギョウ)」が存在します。体外に一気に放出したオーラを肉体の一部分に留めておく修行。主に目にオーラを凝縮させることで、本来見えない相手のオーラを見ることが可能になります。
他にも「硬(コウ)」は完全にオーラを一点にのみ集中させる修行になります。ゴンの念パンチがまさにそれ。
更に応用した修行には「流(リュウ)」が存在します。オーラを瞬間的に特定の部位に集中させる修行。例えば手にオーラを集中させると攻撃力は上がるものの、他の部位の防御力が極端に落ちる。それを防ぐために殴る瞬間だけ手にオーラを移動させる技。
そのため流は念上級者ほどオーラの移動速度が速くなる。
○絶(ゼツ)…念修行
「絶(ゼツ)」は逆に精孔から一切のオーラを断絶してしまう修行のこと。敵の追尾時に気配を断つ場合に役に立つ修行。前述の「硬(コウ)」を体得する場合、この「絶(ゼツ)」との併用が必須となります。
ただし肉体を守るオーラを完全に遮断してしまうため、場合によっては危険が伴うためバトル時には注意が必要。
また絶の応用技術には「隠(イン)」が存在します。オーラで具現化した武器を透明状態にして敵から見えなくする修行になります。前述の「凝(ギョウ)」を使用してもオーラを見抜けない場合も多いそう。
○発(ハツ)…念修行
そして最後は「発(ハツ)」。自身のオーラを様々な状態に変化させる技のこと。いわゆる「必殺技」の類いが発に該当します。ハンターハンターで念能力を指す場合、一般的に「発」を意味することが多いです。
この発には「制約と誓約」と呼ばれるものが存在します。自分で作ったルール(制約)を守る(誓約)ことで念能力の威力がパワーアップする。このルールの条件が厳しければ厳しいほど、発の効果がアップします。
ただし、あまりに制約を厳しい場合はルールを守れないだけではなく、大きな副作用に繋がって死に至る場合も少なくない。例えばゴンさんやクラピカのエンペラータイムなどが好例。だから制約と誓約だけで強くなるには限度があります。
念能力の相性を示す「六性図」
そこで念能力の集大成、バトル漫画の醍醐味とも言える「発」を考察していこうと思います。
「発」は主に6種類に大別されます。そのため念能力の必殺技は主に6パターンに分類されるんですが、ハンターハンターでは「六性図(ろくしょうず)」という図式で解説されることが多い。
そこで改めて六性図の画像を確認。
発は「強化系」「変化系」「具現化系」「特質系」「操作系」「放出系」の6パターンに分類されます。念能力者は一つの系統しか使えないわけではなく、多くは複数の系統が使えることが多い。事実、発には複数の念系統を組み合わせないと使えない技も多い。
一方、六性図では隣り合う念系統ほど習得しやすい。例えば、強化系だと放出系と操作系が習得しやすい。ただし、真逆に位置する念系統は習得しづらい。強化系だと特質系。本来の念系統が100%の強さを発揮できると仮定すると、隣り合う系統ほど20%ずつ能力が落ちる。
まさに「念能力の相性」を示した六角形の図が六性図になります。
【発】念系統6種類一覧まとめ【六角形相性】
続いては六性図に示した6種類の念能力の系統を考察。
○強化系…念能力系統
まずは「強化系」の念能力から解説。
強化系は自身の肉体をオーラで強化する発のこと。まさに文字通りの念能力。バトル漫画的にはそこまで面白い描写には発展しないものの、最も無難に強い念能力とされております。特にフィジカルが強いキャラクターほど、強化系との相性はバッチリ。
『ハンターハンター』では主人公・ゴンや元ハンター協会会長・ネテロが強化系念能力者に該当します。
○放出系…念能力系統
続いて「放出系」の念能力を考察。
放出系はオーラを遠くまで飛ばすことができる発のこと。オーラをレーザービームや鉄砲のように勢いよく敵に飛ばしてダメージを与える技と考えるといいと思います。
一般的に念能力者の手元からオーラが離れると、オーラの生命エネルギーは劣化して威力や効果が落ちてしまう。でも放出系能力者の場合、離れた状態でも生命エネルギーをずっと効果を維持し続けることが可能。
そのため遠隔操作を伴う発を使いたい場合、この放出系をベースに組み合わせて使われることも多い。ただし、六性図では放出系と具現化は相性が最悪のため、「時限爆弾」といった発が使用されることは基本的に少ないです。
『ハンターハンター』ではレオリオやレイザーなどが放出系に該当します。
○操作系…念能力系統
続いて「操作系」の念能力を考察。
操作系は物体や人間を操る発のこと。自身のオーラを特定の人間に送り込んで、それを意のままに操作することが可能。人間だけではなく物体の操作ももちろん可能。
六性図では放出系との相性が抜群のため、操作系能力者は離れた場所にいる人間を遠隔操作したり、あらかじめどう決められた動きを相手に強いることも得意。特に念(オーラ)は死後に強まる特性があるため、操作系は何気に厄介な念能力に発展します。
『ハンターハンター』では幻影旅団のシャルナークなどが操作系に該当します。
○具現化系…念能力系統
続いて「具現化系」の念能力を考察。
具現化系はオーラを色んな物体を具現化する発のこと。
例えばオーラを剣や刀、鎖といった「武器」に変化させることが可能。具現化させた武器は非念能力者でも視認できるデメリットはあるものの、元々がオーラのため「隠」で意図的に見えなくすることも可能。またいつでも「出し入れ可能」となるのもメリット。
具現化した武器は現実に存在する武器の強さを越えることはできませんが、六性図では変化系能力と相性が良い。そのため具現化した武器に「痺れる」「相手のオーラを封じる」といった付加要素を加えることも可能。
『ハンターハンター』ではゲンスルーや幻影旅団のコルトピなどが具現化系に該当します。
○変化系…念能力系統
続いて「変化系」の念能力を考察。
変化系はオーラの性質を様々に変形させる発のこと。先程の具現化系との能力は似てるものの、主にオーラの性質を変化させるのが特徴。オーラを電気状に変化させて相手を痺れさせたり、オーラを灼熱状に変化させて小型の太陽を作ることも可能。
また六性図では具現化系との相性が良いため、変化系でもオーラのカタチを変形させることも可能。ただし具現化と比べると再現度の精度は見劣りするため、基本的にはオーラの状態や性質を変えることがメインになります。
『ハンターハンター』ではゾルディック家のキルアや幻影旅団のフェイタンなどが変化系能力者に該当します。
○特質系…念能力系統
最後の「特質系」の念能力を考察。
特質系は以上の5系統のどれにも属さない特徴を持つ発のこと。特質系の念能力はまさに唯一無二であり、どういった特徴を持つ発かは一概に説明できない。ハンターハンターにおいて一番花形と言える必殺技。
例えば、クラピカの念能力である「エンペラータイム」は六性図の相性が関係なく、どの念系統も全て100%の力を引き出せることが可能。幻影旅団の団長クロロであれば、相手の念能力を盗むことが可能。メルエムも相手を食べることで、その相手の念能力を奪うことができました。
まさに常識では判断できない念能力が全て特質系に該当します。
ちなみに特質系は後天的に念能力が開花することが多いため、六性図の相性的には具現化系や操作系能力者が特質系に発展しやすい or 特質系のベースが具現化系や操作系の能力に近いと言われております。
【性格判断】水見式(みずみしき)という念能力診断
この6つの念能力の系統ですが、実は簡単に判断できる方法があります。この診断方法は簡素かつ確実のため、『ハンターハンター』では頻繁に使われることが多い判断方法。YouTuberでも色んな人がたまに企画としてやってたりします。
それが「水見式(みずみしき)」と呼ばれる診断方法。
水見式では、水をタプタプに入れたグラスを用意します。そして、その上に葉っぱを乗せるだけ。この水を入れたグラスの脇に両手をかざして、先程の「練」を軽く行ってオーラを送るだけ。
そうすると念能力の系統によってグラスの水が大量にあふれ出したり、念系統別に色んな現象が発生する。この現象の違いで自分がどういった系統の念能力が得意なのかすぐに判別できる。
また水見式はオーラの強弱でも判別しているため、どうやら念能力者の強さで起きる現象が激しくなります。
○水見式における念系統別の反応とヒソカの性格診断まとめ
じゃあ、それぞれの水見式における現象の特徴は何なのか?
「強化系」だとグラス内の水が増える。「操作系」だと葉っぱが動く。「変化系」だとグラス内の水の味が変わる。「具現化系」だとグラス内の水に何か不純物が生まれる。「放出系」だとグラス内の水の色が変色します。「特質系」はそれ以外の反応。
どうやら主に水見式では「水」に変化が多く見られる模様。
ちなみに、ヒソカの性格診断でも念の系統が判断できます。ただし、作者・冨樫義博のコメントを読む限り、そこまで診断の精度は高くはなさそうなのであくまで「ついで」と聞き流すのがベターか。
「強化系念能力者」は性格が意固地で単純。「放出系念能力者」の性格は大雑把で短気。「変化系念能力者」は性格がウソつきで気まぐれ。「操作系念能力者」の性格は理屈屋でマイペース。「具現化系念能力者」の性格は神経質で多感。
最後の「特質系念能力者」は個人主義でカリスマ性があるとのこと。そのため無意識的に為政者で念能力が開花するパターンは、主に特質系であると考察されます。
○特質系能力者の水見式を刮目せよ!
特に水見式の診断方法で見どころが「特質系念能力者」。
何故なら他の念系統とは違って、実は特質系念能力者の場合、どんな現象が起きるか全く分からないから。そのため『ハンターハンター』の中では非常に面白い前フリに繋がることも。
例えば、キメラアントの直属護衛軍・ネフェルピトーの場合、グラスに浮かべた葉っぱがボロボロと枯れてしまう。不吉な予感しかせず、その後のストーリーに波乱さだけを予感させました。
ちなみにネフェルピトーは実際強かったは強かったものの、肝心の念能力は水見式の不気味さとは相反して「治癒」するというものでした。完全に死亡しない限り、どういった瀕死な状態でも治癒できた。
○水見式で初めて水を腐らせた男・ツェリードニヒ
このネフェルピトーの水見式を軽く上回っているのが「ツェリードニヒ」という男。
カキン王子の一人で、念能力の天才とされている鬼畜王子。ツェリードニヒが水見式を試すと葉っぱが枯れるだけではなく、グラス内の水がゴボゴボと腐ってしまう。先程の水見式と比べると、ネフェルピトーが可愛く思えるほど。
一体、どんな念能力を持ってんねん!とつい期待が膨らむばかり。
しかもこう見えてツェリードニヒはフィジカルも鍛えられており、暗黒大陸編は嫌な予感しかしない。『ハンターハンター』の作者・冨樫義博曰く、幻影旅団やクラピカはほぼ全員死亡するらしく、この水見式を見る限りはそのカギを握っているのは間違いなくツェリードニヒか。
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