つい先日、RPGゲーム「ドラゴンクエスト11」の感想を書こうと予約。でもまさかAmazonでお急ぎ便で買わなかったため発売日当日にゲームが届かずという事態。まさに無駄に一日を過ごしてしまった管理人・ドルジ露瓶尊です。
ただ暇だったので、ふと振り返ってみると自分は様々な漫画をレビューしてきたものの、超有名マンガの『ハンターハンター』の考察をしてなかったことに気付きました。
そこで今回ドル漫では「軍儀(ぐんぎ)」に関する考察を徹底的に展開してみたいと思います。
この軍議ではメルエムとコムギの間で頭脳戦が繰り広げられ、最終的にはメルエムとコムギの感動的なラストシーンに繋がる重要な働きをしたのも軍議。
だから、どうやら冨樫義博はとんでもない様々な伏線を軍儀にぶっこんでいたらしい。
そもそも軍儀(ぐんぎ)とはなんぞや?
まず「軍儀とはそもそも一体どんな遊びなのか?」から解説したいと思います。
軍儀(ぐんぎ)とは、東ゴルトー共和国発祥の将棋やチェスといった盤上で遊ぶ遊戯・競技のこと。将棋やチェスのように軍儀も同様に、限られたマス目の中で特定の働きをするコマを動かすことで相手の「王」を奪うゲーム。
軍儀の簡単な基本ルールは、盤上のマス目は9マス×9マス。そこに「帥」と呼ばれる王を筆頭とした、合計「将」「馬」「槍」「兵」のコマを使用。最終的に「王」を奪うという点では、他の一般的なゲームと共通してる部分は多い。
ただ普通の将棋やチェスと違って、軍議はコマの上にコマを乗せるという「三次元的」に展開することも可能。
それ故に、軍議は読み手の数は無限に存在。残念ながらそれ以上の軍儀の詳細なルールは『HUNTERxHUNTER』内では明らかにされていないものの、軍儀は碁あたりの盤上遊戯よりも難しいとされます。
それだけ天才プレイヤーにとっては、軍儀はかなりのめり込んでしまう遊戯でもある。
だからキメラアントの王・メルエムは記憶喪失になった後ですら、常に頭の片隅には軍儀のことがあった。もちろんメルエムは軍儀というより、対戦相手のコムギに対する想いがあったことは言うまでもありません。
孤孤狸固の一手からハンターハンターのその後の展開を予言
ということで今からようやく本題。この軍儀の一体どこにどんなすごい伏線が隠されていたのか?
まず、メルエムが軍儀の秘技「孤孤狸固(ここりこ)」を自ら編み出した場面(正確には既にコムギがかなり前に発案済み)。ここでメルエムは形勢逆転とばかりに次々と色んな手を打ってコムギを攻める。
でも、この場面以降に展開されるメルエムの指し手や読み筋が『HUNTERxHUNTER』のその後の展開を予言してた伏線そのものだったらしい。
例えば「孤孤狸固(ここりこ)」という技そのものは「王であるメルエムの孤立状態」を暗示してる。
実際、コムギと軍儀中はメルエムはネフェルピトーといった王直属護衛軍から半ば隔離されてている状態。そこにゴンたちの襲撃に遭い、その後はネテロとゼノによって王・メルエムは更に本格的に孤立させられる。
また、この孤孤狸固は当初メルエムは「離隠(はなれがくし)」と別名で呼んでた。この離隠も一人で潜入調査していたパームの存在を暗示している伏線とも考察されてる。軍議はまさにこういった伏線が散りばめられてる。
ここからはメルエムの軍儀で放ったセリフがどういった伏線だったのか一つ一つ考察したいと思います。
軍儀における大前提の伏線は勝利のVサイン
まずは「ヤツの初期配置は予想通り。こちらの師にやや寄せながらも鶴羽の陣は崩さない」というメルエムの軍儀中のセリフ。
初期配置とは、まさに軍儀のおける大前提。つまりは勝負における大前提と置き換えることも可能なので、この意味は結論から書くと「ハンター協会たちの勝利は予想通り決まってる・勝ちは崩れない」みたいな伏線だと推察されます。
何故なら、「鶴羽の陣」という軍儀オリジナルワードの意味が最初分かりませんでしたが、これと同じではないものの「鶴翼の陣」と呼ばれる有名な合戦の陣形が実際にあるらしい。この鶴翼の陣は画像からも分かるように「V字型の陣形」。
鶴羽の陣とは「勝利のVサイン」を意味した伏線である可能性が高そう。つまりこの時点でゴンたちの勝利、メルエムたちの負けを何より暗示してる。
また鶴翼の陣は広げた翼が敵兵士を包み込むように攻撃する陣形らしいんですが、メルエムとコムギがラスト抱擁するように亡くなりましたが、そういった負け方の暗示も込められた伏線だったのか。
「一手目で右翼に弓を据え」の伏線はゼノのドラゴンダイブ
続いてのメルエムの軍儀中のセリフが「一手目で右翼に弓を据え、槍三本の速攻を決める腹であろうが」。
これは一体何の伏線なのかというと、ゼノのドラゴンダイブ(龍の雨)が次々と弓矢のように降り注いだ場面。ゴンたちは最初ノブの念で移動したものの、実は最初に攻撃を仕掛けた(一手目)のはゼノでした。
だから「槍三本の速攻」とは、まさに「モラウ」と「ナックル・シュート・メレオロン」と「ゴン・キルア」のそれぞれの組を表しています。「速攻を決める腹であろうが(いやできない)」と、まさに軍儀での展開がそのままメルエム急襲作戦とリンクしております。
「右に寄せてできた左翼の空白」とはコムギの治療とモラウの隔離?
続いてメルエムの軍儀中のセリフが「右に寄せてできた左翼の空白に余の持ち駒が死角を作る」。
これはゼノのドラゴンダイブによって「右の塔」でコムギが負傷してしまったことで、メルエムやネテロ、ネフェルピトーたちが一気に集まってきてしまった。そこで生まれたスキが左翼(シャウアプフ)。
王直属護衛軍が並ぶ場合、シャウアプフはいつも左にいることが多かった(真ん中はネフェルピトー)。そのため左翼とはシャウアプフのことを意味してる可能性がある。このシャウアプフはメルエムがコムギと一緒にいたことにショックを受けましたが、まさに「空白というスキ」。
その後、左翼であるシャウアプフがどうなったかというとモラウのスモーキージェイルで閉じ込められてしまう。モラウの「白」い煙によって「死角」を作った。
いやメルエム側が攻める場合のセリフですから、ここで言う「死角」とはゴンたちにおける死角。「余の持ち駒」とはシャウアプフのこと。そうするとスモーキージェイルを発動させられたモラウ側の策が間違いだったことを暗示した伏線。
ただメルエムやネフェルピトーたちがいたのはそもそも「左塔」だった。ここは素直に「コムギの強制的な治療によってネフェルピトーの動きを止めた」ことを意味した伏線と考えるのが自然か。
「駒2枚失う」とはインザギとマエノレか、シャウアプフとモントゥトゥユピーか
そしてコムギとの軍儀中にメルエムはセリフを続けてる。「槍三本と左辺の攻防で余の方が駒2枚失う。その代償で出来た其方の左翼の死角…!玉砕覚悟でここから攻め寄ると思っているだろう」。
この駒2枚が何を意味してるのかは考察が分かれてます。イカルゴを救出するためにキルアが倒したモブキメラのインザギとマエノレか。はたまたメルエムの直属の部下であるシャウアプフとモントゥトゥユピーか。
タイミング的に前者の方が確率は高そうですが、だからといってメルエムが「玉砕覚悟で攻め寄る」ほど追い詰められるはずがない。
そうすると後者の確率もグーンと高くなる。「左翼の死角」はそのままネフェルピトーとコムギとゴンのことを示してるため、やはり確率的には前者か。とにかく様々なことを連想させる伏線であることに違いはない。
「盤中央からの攻防は無限」の伏線はネテロとの攻防
その後も軍儀ではメルエムが色んな発言を残してる。例えば「この配置…盤中央からの攻防は無限!正着はない。こちらの対応次第でいくらでも長引く一局」。
この軍儀の伏線はそのままメルエムとネテロの戦いを意味してる可能性が高そう。まさにネテロが無数の攻撃を繰り出し、メルエムが無数に相対する。『HUNTERxHUNTER』の作中の言葉を借りるなら、「無数の火花を生んだ」。
その後、軍儀ではメルエムが敗北を喫する。コムギが孤孤狸固の弱点を既に知っていたから。そこでメルエムは「貴様…離隠が死路であることを知っていたな?」とコムギを追及。死路とは負けフラグみたいな意味。
先程の伏線がネテロとの一戦だとしたら、このメルエムの軍儀中の発言もその延長線上にある伏線の可能性が高い。
そう仮定するとメルエムが敗北したネテロの「ミニチュアローズ(貧者の薔薇)」を意味してると推察されます。その後、コムギが「このコ(孤孤狸固)を殺すたのもワダすです」と発言してることからも、孤孤狸固を使ったメルエムの死も暗示した伏線。
○メルエムの復活も示唆する伏線も
でも、まだ軍儀中の伏線は終わらない。
その後もコムギは語り続け、「一度死んだ我が子が生き還ったような…」とメルエムの差し手に対して感慨深そうに語るんですが、この軍儀中のセリフはまさにミニチュアローズで死にかけたメルエムがシャウアプフたちの助けを借りて復活したメルエムを意味してる伏線。
そして続けるように放たれた「勝負には勝ちますたが、それ以降このコは公式戦や書物から姿を消しました」というコムギの発言は、メルエムがミニチュアローズの攻撃を受けたことで一時的に記憶を喪失した伏線を予知してる。
まさに軍儀中は伏線を思わせるセリフばかり。
ハンターハンター軍儀の伏線まとめ
以上、HUNTERxHUNTERにおける軍儀中で展開された伏線の数々でした。まだまだ隠されている軍儀の伏線や伏線そのものの説明不足もありそうですが、とりあえず「ドラクエ11」で遊びたいので今回はここらへんで切り上げておきます。
ちなみに「メルエム最強すぎて誰も勝てない説」も興味があればご覧ください。
コメント
いやいや結局君は天才じゃないってさらしてるだけでしょう☆
秀才おめでとう!
「右に寄せてできた左翼の空白に余の持ち駒が死角を作る」
「その代償で出来た其方の左翼の死角・・・!!!玉砕覚悟でここから攻め寄ると思っているだろう」
は、余の持ち駒=コムギのことだと思います。
そう読み取ると、コムギに対する優しさにより死角が出来、メルエムが怒りで玉砕覚悟で攻寄るとところを抑えて、ピトー(中将)を据えたとすればつながると思います。