ワノ国編の終盤で、ルフィが食べたゴムゴムの実の正体がヒトヒトの実モデル・ニカと判明しました。ただゴムゴムの実に、さらなる謎は隠されていないのか。
そこで今回はゴムゴムの実が「最初に生まれた悪魔の実」だった説を考察していこうと思います。つまり、原初の悪魔の実だった根拠や伏線を考えていきます。
ちなみにヒトヒトの実モデル・ニカと判明していますが、便宜上、この記事では「ゴムゴムの実」という表現を基本的に使います。よかったら今回のネタも是非パクってみてください。
ニカの意志が宿った悪魔の実が原初?
果たしてゴムゴムの実が最初に生まれた悪魔の実だった根拠はなんなのか。
この鍵となるのがゴムゴムの実がヒトヒトの実モデル・ニカと判明した際、新たに明らかになった「動物ゾオン系には意志が宿る」という五老星の発言に注目したい。
これまでモノに悪魔の実を食べさせると、能力が開花するだけではなく、生き物のような自我が芽生えて自発的に動く姿が描かれていました。これは海軍の天才科学者ベガパンクが最近確立した技術ですが、実は一番最初の悪魔の実でも【同様の現象】が起きたのではないか。
つまり、太陽の神ニカが自らの意志を宿した果物が「はじまりの悪魔の実」と考えるといろいろ辻褄が合う。世界でもっともふざけた能力とされるように、最初の果物に自らの意志を宿せる人物がいたとしたら、まさに空想のままに戦った解放の戦士ニカしかいない。
ゴムゴムの実は800年以上ものあいだ、世界政府は居場所すら掴めなかった。これもニカの意志が宿っていたと考えたら、ゴムゴムの実は自らの意志で逃げ続けたことになります。ルフィがゴムゴムの実を食べた経緯も、実はニカが自ら選択した必然だったに違いない。
おそらくゴムゴムの実と同様、麦わら帽子も世界政府から逃れるように代々継承されていたに違いない。つまり原初の悪魔のみと麦わら帽子はセットということ。
悪魔の実と血統因子の関係性
続いてカギを握る存在が血統因子。
血統因子とはベガパンクがかつて発見した生命の設計図。いわゆる遺伝子情報が刻まれた二重らせん構造を持つDNA。この血統因子を操作して生み出されたサイボーグ人間がヴィンスモークファミリーの子供たちでした。
このヴィンスモークファミリーの特徴が【グルグルの眉毛】。ヴィンスモーク・サンジもワノ国で戦う過程で血統因子の能力が発現し、グルグルの眉毛の向きが変わりました。それだけ血統因子とグルグルという模様には強い相関関係があることが分かります。
事実、悪魔の実の表面の模様がまさに【グルグル模様】でした。悪魔の実はカタチこそ多種多様にあれど、すべての悪魔の実の表面の模様は一貫してグルグルのデザインで共通してる。もしかするとグルグル模様は、血統因子の二重螺旋構造を表しているのか。
逆に、人工的に作られたSMILEの表面にはグルグル模様がありませんでした。悪魔の実と血統因子には深い繋がりがあることはほぼ確定的でしょう。
【神の実】悪魔の実の「模様」とギア5の「眉毛」が同じ
事実、SMILEはさまざまな動物の血統因子を集めて生み出されてました。これは裏返すと、本物の悪魔の実には人間の血統因子が必要なのではないか?
ただし、本物の悪魔の実を作る際に人間の血統因子が使われているとしたら、かなり大規模な人体実験を行う必要があります。しかしながらその場面を想像するとグロテスクそのものですから、この可能性は低いようにも思えます。
でもここで考えられる存在がまさに「太陽の神ニカ」。もし神ニカの血統因子が注入されて悪魔の実が作られていたとしたら、人間のように大量の犠牲は必要ないはず。
実際、ルフィがヒトヒトの実モデル・ニカが覚醒した状態の眉毛を見ると、サンジと同様にグルグル眉毛に変わっています。
さらに分かりやすい覚醒前後の描写を見ると、ルフィの眉毛が極太のグルグル眉毛から薄い直線的な眉毛に変化していることが分かります。
何故、悪魔の実の表面の模様にニカの眉毛が描かれているのか?これは全ての悪魔の実にニカの血統因子が含まれているからに他ならない。つまり、ゴムゴムの実ことヒトヒトの実モデル・ニカが始まりの悪魔の実だった可能性が非常に高いことが分かります。
もしすべての悪魔の実の中に神ニカの血統因子があるとしたら、まさに悪魔の実とは【神の実】だった。神と悪魔は相反する存在でありながら、実はもともとは一つの存在とも言われます。だから悪魔の実の中に「神(ニカ)」がいるのはむしろ自然な話でしょう。
悪魔の実の最大の成分は「笑い」だった?
だから悪魔の実と神ニカの血統因子には深い繋がりが見られます。
一方、SMILEは動物の血統因子を応用して作られた人工悪魔の実だったわけですが、成功率は10%と低くかった。またSMILEの副作用も大きく、失敗すると笑顔以外のあらゆる表情が奪われてしまう悲しい事例がワノ国・おこぼれ町では起きていました。
ただ太陽の神ニカも同様に、かつて奴隷たちを助けて人々を笑顔にした解放の戦士でした。例えばヒトヒトの実モデル・ニカが覚醒した直後のルフィを見ると、笑い声が「しししし」から「あっひゃっひゃ」などに変化していました。
だから、【本物】の悪魔の実(ヒトヒトの実モデル・ニカ)も【偽物】の悪魔の実(SMILE)も実は「人々を笑わせる」という点で同じ。ただこれは矛盾していないのか。
しかし、本物の悪魔の実の最大の成分が「笑い」だったと考えたら、別に不自然な話ではない。人工的に製造されるSMILEには「笑いが足りない」から副作用が起きてしまった。その笑いとは、まさに人々を笑顔にした太陽の神ニカそのもの。
また太陽の神ニカのモデルは、インド神話の猿神ハヌマーンでした。このハヌマーンは子供の頃に空腹から、上空の「赤い色の太陽」を【熟した果実】と勘違いして食べようとした逸話がある。猿の神が太陽と勘違いして果実を食べた。
そのためハヌマーンの逸話は太陽の神ニカが【悪魔の実(ゴムゴムの実)を初めて作った瞬間】をまさに象徴しているものだったとも言えそうです。
偽物のSMILEは「偽物の太陽」で栽培される
一方、SMILEはそもそもどうやって製造されていたのか。
改めておさらいすると、シーザー・クラウンが動物の血統因子から抽出した液体「SAD」を、ドフラミンゴの工場で果樹にそれを吸わせて、トンタッタ族に栽培させていました。
ただここで注目したい点は【エレガントサンフラワー】という発光する謎のヒマワリ。詳細はワンピース作中で多くは解説されていませんが、どうやら光と熱を発する植物であることは読み取れます。
ヒマワリは英語でサンフラワー(Sunflower)。サンは日本語で「太陽」を意味します。ヒマワリは直訳すると「太陽の花」といったニュアンスの名前になっていることから、英語圏では日本以上にそのままの意味で使われている模様です。
だから、「偽物の悪魔の実(SMILE)」はさながら【偽物の太陽光】を浴びてムクムクと育っていたことになります。
○本物の悪魔の実は「本物の太陽」で育つ?
つまりこれは裏返すと、『本物の悪魔の実』は【本物の太陽】で育っている可能性が高くなります。SMILEは疑似太陽だから失敗作だった。
しかし普通の太陽で悪魔の実が育つのであれば、普通の農作物とほとんど変わりません。設定的になんのひねりもありません。そのため当初自分は「太陽とは真逆の月の光」で悪魔の実が育つのではないかと想像していました。
事実、ワンピースではDの一族と月は関連深く描かれ続けてきました。ただ太陽の神ニカが登場して考察の視点はいっぺんしたのは周知の事実でしょう。つまり、ここでいう本物の太陽とは【太陽の神ニカ】を意味していると考えるのが自然でしょう。
ニカ自身が「自由な空想」で悪魔の実を量産した
ただ太陽の神ニカが「クリリンの太陽拳」のような能力を持っていたという情報はありません。ゴムゴムの実が始まりの悪魔の実だったと仮定しても、それ以外の他の悪魔の実をニカがどうやって作っていたのかという謎は残ったまま。
例えばヒトヒトの実モデル・ニカは覚醒すると、周囲の人間の目を飛び出させるなど、これまでの悪魔の実より波及効果は大きかった。つまり最初のゴムゴムの実は周囲の果物を、勝手にさまざまな悪魔の実に変えていった可能性などが考えられます。
ただ赤髪のシャンクスがCP9からゴムゴムの実を奪った後、フーシャ村に一年間ほど滞在していました。だからこの可能性の場合、フーシャ村で新たな悪魔の実が複数生まれていなければおかしい。
そもそもゴムゴムの実は世界政府から800年も逃れ続けてきた期間も考えると、今度は悪魔の実が量産されすぎるパターンも考えられます。
○「悪魔に対抗」するためにニカが生み出した武器が悪魔の実
だから800年以上前、太陽の神ニカ本人が悪魔の実を量産した張本人の可能性がもっとも高い気がします。
五老星の説明では「太陽の神ニカは自由を与える」とされました。その自由とは「悪魔の実の特殊能力」だったのではないか。その最初の悪魔の実として選ばれたのがゴムゴムの実。ニカ自らの体質をそのまま注入した。
その後は動物系以外にも、炎や雷や光といった気象現象の能力を果物に注入していったのではないか。
かつてトンタッタ族は空白の100年以前、奴隷として働かされ続けていました。太古の歴史も不明な部分は多いものの、「まさに悪魔」と表現されていました。つまり解放の戦士を名乗る太陽の神ニカはこの「悪魔に対抗するために悪魔の実を量産した」のではないか。
毒をもって毒を制すということわざがありますが、まさに悪魔をもって悪魔を制しようとした。その結果、生み出された武器が悪魔の実だった。
【もっとも凶悪】ヤミヤミの実は「終わり」の実
そして太陽という視点で考察を広げると、黒ひげ(マーシャル・D・ティーチ)の「とある発言」が思い出されるワンピース読者も多そうです。
それが「太陽か!闇か!勝者は一人だ」という発言。これはバナロ島の決闘で火拳のポートガス・D・エースに放ったセリフですが、実は太陽はルフィのヒトヒトの実モデル・ニカを指していた可能性が高いことが後々に分かります。
事実、このヤミヤミの実は悪魔の実の歴史上で【もっとも凶悪】とされました。【もっともふざけた】というヒトヒトの実モデル・ニカと対比させた表現としか思えません。ただ当初自然ロギア系にも攻撃が当たることがメリットでしたが、現在は覇気の存在ですっかりかたなし状態。
でも「もっとも凶悪」という設定はワンピース終盤でいきなり変わるとは考えにくい。つまり、自然ロギア系に攻撃が当たる以外の最強に凶悪な能力が新たに追加されるはず。それはおそらく太陽の神ニカと対比していくことで答えが自ずと見えてくるに違いない。
○ヤミヤミの実は「神の実」を殺せる唯一の実
例えば、ヤミヤミの実は「悪魔の力を引きずり込む」と黒ひげが自ら説明していました。エースとの戦いでは磁石のように能力者を単に引き付けるだけでしたが、悪魔の力とは前述のように「神ニカの血統因子」が強く関係していました。
つまり、ヤミヤミの実の真骨頂は「神を殺す能力」だったのではないか。悪魔の実の能力者狩りを行っていた黒ひげ海賊団ですが、太陽の神ニカが果物に【命を与える側】だとしたら、さしずめ黒ひげのヤミヤミの実は【命を奪う側】という対比関係で捉えることができます。
かつて悪魔と恐れられた時代の為政者たちを彷彿とさせる能力と考えたら、まさに歴史上「もっとも凶悪」という表現に合致する。まさに終わりをもたらす悪魔の実。ルフィのゴムゴムの実が【原初の実】だとしたら、黒ひげのヤミヤミの実はさしずめ【終焉の実】といったところか。
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