ドロピザの凌さんが漫画家になる件について【命名の由来】【りょう】

現在『ONE PIECE(以下ワンピース)』に関する考察は「一種のビジネス」として確立されています。

自分もちゃっかりその端っこにいるわけですが、特にYouTubeに関しては作者の尾田さんなども認めるほど隆盛を極めています。当初は考察ブログからまるまるパクったようなスクロール動画ばかりでしたが、後に某ジョンさんの成功で実写系チャンネルが一気に増えたと記憶しています。

その中でも最近は『ドロピザ』というワンピース考察チャンネルに勢いがあります。

そこでメインで考察されている「凌(りょう)」さんが【漫画家になる】という動画を少し前にアップロードされていました。そこでちょっといろいろ思った雑感を長々と述べたいと思います。敬称略が多いブログですが、凌さんと呼ばせてもらいます。

ちなみに、今後の漫画考察系の未来や展望なども記事後半で予想します。

ドロピザの由来は「集英社に落ちたトラウマ」

まず動画の内容をかいつまみつつ、個人的な雑感を後で述べたいと思います。

簡単にまとめると、慶応大学出身の凌さんは「集英社」の内定を取れなかった過去があるそう。本来は落ちるはずのない最終面接まで残ったものの、同じ大学の知人だけが集英社から内定をもらったそう。その後、その知人は『ワンピース』の担当編集者になっているんだとか。

この事実をとあるテレビ番組で知った凌さんは、ワンピースの考察動画をYouTubeでアップすることを決意。元々は妹さんが運営していた「ゆいまるちゃんねる」を強引に借りるカタチで、チャンネル名も『ドロピザ(drop the pizza)』に改名し、その方向性もガラッと変えてしまう。

結果的にその試みは成功を収めたのは周知の事実でしょう。

このチャンネル名の由来は、凌さんが「集英社に落ちた(drop)」ことから来ているそうです。ピザの由来はイタリア系だから?ネットの隠語だと「デブ」などを意味しますが…。まさに自身のトラウマを乗り越えるために、現在のワンピース考察チャンネルを運営されている模様です。

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https://www.shueisha.co.jp/2024saiyo/people/staff/01/

ちなみに、凌さんが言及している現在『ワンピース』の編集者となった大学の元同期は【岩崎湧治 いわさきゆうじ】という方っぽいです。実際、凌さんと同じ慶応大学出身。またサッカー経験者で仙台ユースの元メンバーだったなど、凌さんと経歴や属性が被る印象です。

この岩崎湧治という方は集英社に2019年に入社されているということで(1996年生まれ?)、どうやら凌さんの年齢も現在26歳ぐらいと予想できます。

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凌さんは本当にショックを受けたのか?

別に揚げ足を取りたいわけではないんですが、そこで凌さんの動画を見て思った「感想」を述べたいと思います。

結論から言うと、集英社に落ちた程度で本当にショックを受けたのか?という疑問があります。凌さんは集英社に内定をもらえなくて「世界から色が消えた」などと表現されてるんですが、その後、某有名なテレビ局にちゃっかり就職されています。

でも、もし本当に病んでたら何も手に付かない気がします。

自分の場合は大学受験に全部失敗して以来、何もする気力が湧かなくて、現在に至るまでアルバイト経験すらありません。つまり、高校卒業して以来ずっと無職です。カッコよく言えば、自分は一度も「人の下」で働いたことがありません。

何やかんやで運良く人並みの生活は送れていますが、もし本当に精神的なショックを受けたのであれば、普通はなかなか次のステップには進めないと思います。それ故に、凌さんの言葉が心に刺さることはありませんでした。普通に世渡り上手といった印象しかありません。

○ワンピースが完結していないのに死ぬの?

他にも「死んでもいいと思うぐらいに終わってた」とも仰ってるんですけど、それこそ【面白いはずのワンピースがまだ完結していないのに?】という話です。まだ『ワンピース』が完結してないから死ねないと言うのであれば理解できるんですが、一つ一つの言葉に矛盾を感じます。

「ワンピースを読んでて心が救われた」と一度も言っていない点も少し気になりました。

あと2022年11月に開催されたカタールワールドカップにも、凌さんは現地まで足を運んで試合を観戦されてらっしゃいます。強豪ドイツに日本が劇的勝利を収めた際には、「俺が死ぬ間際に思い出すのはこの景色だしこの先の人生でこれ以上の瞬間を望めない」とも語っていました。

Twitterでの熱量を見比べる限りは、絶対ワンピースよりもサッカーの方が好きですよね?という。もちろんそれ自体は別に悪くはないし、ワンピースの考察でお金を稼いでいるからと言って、ワンピースを必ずしも最優先すべきとも思いません。

ただワンピースも完結していない、サッカー日本代表がワールドカップでも優勝してない、それにも関わらず、集英社に内定がもらえなかった程度で本当に死にたいと思うような人なのか?言葉が軽いというか、簡単に「死ぬ」という言葉を使っている印象を受けます。

凌さんにとっての「失敗」とは?

また「漫画のために生きてきた」とも要所要所で仰っているんですが、だったら講談社や小学館、秋田書店など他の出版社も選択としてはあったはず。漫画の編集者になりたいなら集英社にこだわる必要はないわけですから、何故、無関係なテレビ局に就職しようと思ったのか?

他にも「学歴と経歴と職歴が全てみたいな社会で僕は失敗したわけですけど…」とも仰ってるんですけど、凌さんの人生は客観的に見て全然失敗していないわけです。いろいろ謙遜の言葉は使っているものの、個人的には「被害者ぶってる強者」というイメージを持ちます。

TOEIC満点という成績とかも「全く意味がなかった」とかも、そこまで言い切るのもどうなのかなと。もしかすると今後どこかで役に立つかも知れないし、既にどこかで役立っているかも知れない。最初から役に立つかどうか分かれば、誰も苦労なんてしない。

役に立ったか立たなかったかなんてのは、所詮結果論にすぎないですから。

誰が見ても明らかにハイスペック男子にも関わらず、ここまで華麗な経歴を否定されてしまうと、もはや世間に対する敵意や悪意すら感じてしまう。何故なら世の中の大半は凌さん並の学歴も経歴も持ってないわけですから、周囲の人間に対して【それ以下】の評価を抱いているはずなので。

だから、こういった【内面的な部分】が見抜かれて、本来落ちる可能性が低い集英社の最終面接で落とされたのではないか?「知識もヤル気もあったが伝わらなかっただけ」と敗因を分析されてたんですが、むしろいろいろ伝わったことが落ちた原因のような気もします。

最終面接で受かった知人(岩崎湧治)が【表の世界】でワンピースを盛り上げているから、自分は【裏の世界】で盛り上げたい、と凌さんはおっしゃっていたんですが、明らかに【岩崎に対する対抗心】からワンピースの考察を始めたようにしか自分の目には映りませんでした。

凌さんの判断が「基本的に正しい」と思う理由

じゃあ、今回の凌さんの「プロ漫画家になる」という判断は間違っているのか?

でも結論から言うと、凌さんの判断は【正しい】と思っています。

何故なら、漫画の「考察ビジネス」は寿命が短く、その漫画が完結したら需要が一気に萎んでしまうから。『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』でもいろいろ考察チャンネルが一時期は盛り上がりましたが、完結したらチャンネルの再生数が一気に落ち込んでいることからも明白でしょう。

『ワンピース』は2025年2026年頃に完結すると言われている以上、ワンピース考察ビジネスの寿命もあと3年4年程度ということ。だからワンピースの考察者として皆から注目されている段階で、今回のようなアピールをあらかじめしておくことは賢いやり方だと思いました。

正直、数年後の先を考えて動いているワンピース考察系の人がどれだけいるのか?ワンピースの代わりとなる漫画は登場する可能性は極めて低いでしょう。もはやここまで発行部数が多くて、伏線の数も尋常ではない有名漫画は皆無と断言しても良い。

またYouTubeで稼ぐこと自体が大変になっている点も大きい。YouTubeは規約がコロコロと変わることが多い。多くは外圧に対応するための場当たり的なルール変更が多く、クリエイター側のメリットとなる改変は今後も少ないと考えられます。

広告が剥がれないような内容、表現にしなければいけないので、どうしても画一的な動画が増えがち。ほぼ毎日定期的に更新しようとすると、ネタも希薄化されがち。最近のYouTubeは積極的に観たいと思える動画は少なくなっている印象。

最近、自分の場合はTikTokを日常的に見ています。

○漫画の考察は「潜在的なリスク」を常に抱える

言ってしまうと、考察ビジネスは「コンテンツ寄生ビジネス」に過ぎないわけです。特に【著作権】という大きな弱点を潜在的に常に抱えています。ワンピース考察がここまでブームになっている背景も、作者の尾田さんが異様なほど著作権に寛容だから許されているに過ぎません。

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自分もYouTubeにアップしたとある動画が一ヶ月で60万再生を超えたんですが、とある出版社に通報されて収益はゼロになりました。ちなみに、60万再生でもコメントがゼロという事実に自分でも驚きますが、コメント数はYouTubeのアルゴリズムに影響は与えない模様です。

この動画は漫画の考察系ではなかったんですけど、画像一枚でも文章一行でも通報されれば終わり。しかも、たった3回通報されただけで、それまで運営してきたチャンネルがまるまる削除される仕組みも「ビジネスリスク」としてはあまりにデカいと思います。

あと割りとみんな考察系の人は勘違いしていると思うんですが、「二次創作」や「模写」の画像を使ったとしても基本的にBANされるリスクは変わりません。つまり、第三者に描かせた絵であっても普通に削除されます。

例えば、水溜りボンドが「ドラえもんの最終回」と称する同人漫画を扱った動画は、かつて小学館から通報されて削除されています。先日も東海オンエアが『ぐりとぐら』という絵本を扱ったパロディー動画も出版社からの通報で削除されました。UUUMの影響力もないに等しい。

だから画像を直接引用しなかったとしても、漫画の考察系チャンネルは常に【BANリスク】が内在します。要は考察動画は資産にならない。中長期的に考えると微妙。もしかすると『ワンピース』にしても、完結後は「全部消してくれ」と集英社が主張してくる可能性もゼロではない。

そのため「著作権を持つ側」にステージを変えるという選択は、ある意味自然な流れ。まさに「先見の明がある」と言わざるを得ません。

○漫画業界は参入障壁があるからこそ…

あとYouTubeは参入障壁がとにかく低い点も微妙だと思います。

芸能人からシロートまで誰でも参入できる割に、求められる動画のクオリティーが高くなっていく。収益剥奪される基準は逆に下がっていく。もこうの動画でも黄色判定されてるぐらいだし、労力とリターンが見合わなくなりつつあるのが現状ではないか。

そのため、今のYouTubeは「<参入障壁>が低くくなる一方、【成功障壁】がすごく高くなっている」という状況だと思います。ゲーム配信者であればTwitchにどんどん主戦場を移しているし、YouTubeの未来がとにかく不透明とも言わざるを得ない。

それに対して、マンガ業界は良くも悪くも「参入障壁」が存在しています。第三者の編集者たちに認められて、ようやく誌面に掲載されます。逆に言うと、この参入障壁を嫌って最初から参戦しようとしない有能なクリエイターも少なくはないはず。

だからこそ付け入る隙があるのではないか。もちろんマンガ業界も過当競争は激しいですが、それでも第三者コンテンツに依存する考察ビジネス一辺倒よりかは未来があるのではないか。

実際、大金を稼いでいるYouTuberの大半も「チーム制」で動いています。現在のYouTubeは複数人で運用しないければ、動画を量産することは物理的・時間的に不可能。ネタを企画して、動画を撮影して編集する…という作業を毎日進めるのは一人では不可能。

どのみち大金を稼ぐためにチームを組まないといけないのであれば、最初からマンガ制作のチームを組めばいいのではないか?というのも納得です。そこから自らの漫画を使ったYouTubeの考察系チャンネルを自ら立ち上げればBANリスクはゼロに等しいですし。

凌さんはプロ漫画家に必ずなれるはず

じゃあ凌さんは漫画家デビューできるのか?

結論から言うと、凌さんは「プロ漫画家になれる」と思います。

大卒漫画家一覧まとめという記事も作っていますが、頭の良さは基本的にマイナスに働くことはないはず。Twitterなどで作画担当を募集されていましたが、既にめぼしい作画ができる人が集まっているからこそ、今回のような宣戦布告的な動画も先駆けてアップロードした気もします。

また個人的にも今回の凌さんの試みは是非「成功してほしい」とも思っています。

何故なら、凌さんが成功すれば他の漫画系考察者さんも追随する可能性が高いから。実際、動画の編集力の高い人たちもいますが、そういう人はきっとチームで作る漫画家にも向いているはず。マンガ業界が盛り上がる一つのキッカケともなりそう。

凌さんがどういう漫画を作る予定なのかは知りませんが、サッカーに精通しておられるようなので素直にサッカー漫画か。また加藤純一も好きなようなので「マーダーミステリー」のような推理漫画を作っても面白そうです。

もちろんワンピース考察系の方ですから、伏線メインの漫画を作ろうとしている可能性もありますが、おそらく最初からそれを狙うと失敗しそうな気もします。『進撃の巨人』とかもそうなんですけど、大前提として面白いから伏線要素が後々になって活きるだけ。結局、伏線は面白さの核ではない。

だから、どういった漫画が出来上がってくるのか普通に楽しみにしています。凌さんが作るレベルやクオリティが「一つの目安」になると思うので、他のワンピース考察系の人たちが彼に続くか続かないか判断する大きな材料や指標ともなりそうです。

自分が考えているプラン

最後は「自分が漫画家になる場合のプラン」を言って終わります。今回の記事とは関係ないのでいずれ消すかも知れませんが、何となく前々から考えていた予定があります。

まず「作画の人」を探す点では、自分も同じ考えだったりします。さすがに今更一から画力を高めて…というやり方は非効率すぎます。漫画家は素人目でも激務すぎるので、ワンピース考察界隈はオッチャンも多いですが、年齢的にも自分が描くという選択肢は考えにくいでしょう。

そう考えると、「作画の人」をどう集めるかが重要になってきます。知名度だけで勝手に集まってくるならいいんですが、そう簡単にはいかないと思います。それができるなら出版社も苦労しないでしょう。少なくとも凌さんと違って、自分の場合では難しい方法だとは思っています。

そこで「美大生や美大出身の若者」を何人か集めて、漫画家として育てていく方法を考えています。

最近の売れ筋漫画家を見ると『チェンソーマン』の藤本タツキ、『サカモトデイズ』の鈴木裕斗など美大出身の漫画家が多いです。何故なら、美大に入学するためにはデッサンなどの試験に合格する必要がある。つまり、最低限の画力が備わっている若者が多い。

既に商業誌にデビューしているプロ漫画家を見てても、画力は千差万別。何故、プロデビューできているか疑わしいレベルの画力の漫画家も多いです。ハッキリ言うと、絵が下手な漫画家も多い。逆に言うと、絵が下手でもプロデビュー自体は可能なんですが、画力が高くて損はない。

一方、美大の就職率は高いところで60%しかないそうです。つまり、こちらの提案に乗って来てくれる蓋然性が高い。ただ美大生でも下手は下手。そこで一年二年ほど掛けて徹底的に毎日絵を描かせて、漫画の描き方や表現方法や演出方法を教え込もうかと考えています。

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○CLAMPが参考になる?

具体的には「CLAMP」が参考になるのかなと思っています。彼女たちは4人組で構成されている漫画家グループ。アシスタントは一人もいない。グループだと一人が病気になったりしても、連載活動に影響が出にくい点もメリットが大きい。例えば逮捕者が出ても…(笑)

自分はそこにリーダー兼編集者的な役割で、全体をまとめる感じを何となく想定しています。キャラクターやストーリーはその何人かで会議しながら詰めていく感じ。全員が議論し合うことで共通の考えを共有できるため、細かい指示も省略できるので漫画制作の効率化も図られるはず。

またどれだけ面白い漫画でも批判はつきもの。でもグループで活動することで批判の矛先が全員が向くため、ストレスが分散・軽減される点も大きいです。だから自分が漫画を作る場合、「○○カンパニー」「」といった具合に個人名(ドルジや本名etc)は全く想定してません。

もしグループで漫画が作れるようになれば、更に別のグループを新たに作ってもいい。だから同時に複数の連載も並行することができそう。

YouTubeの動画外注料金の相場という記事も既に書いていますが、かつてココナラといったクラウドソーシングサイトで仕事を一時期発注してた経験(金額だと30万円程度)があります。

そこで感じたのは若いクリエイターの方が、こちらの指示を素直に言うことを聞いてくれたということ。逆に中年の人はいろいろ癖があることが多くて、意思疎通が難しいことも多かったのが印象的でした。たまたまの可能性もありますが、企業が若者を雇用したがる理由がよく分かりました。

そこらへんの経験からも、有能な20代前半ぐらいの若者を何人か集められたらいいなと考えています。いくら実力があっても中年以上となると、その人の人生を背負ってあげるプレッシャーがエグい。若者であれば失敗しても、次のチャンスはいくらでもあるので精神的に気楽。

給料は出すことなどは考えていませんが、それでも衣食住はちゃんと提供する必要があるので(他にもパソコンや画材道具など)、一応、ワンピースが完結するまでに若者4人前後を年単位で養っていける金額を貯めている感じです。

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