2023年8月31日にNetflixで6年越しに公開されたのが実写版『ONE PIECE(以下ワンピース)』。漫画やアニメの実写化は一般的に失敗することが多いと言われます。ジョジョやドラゴンボールなどが最たる例ですが、実際、興行的にも振るわないこともしばしば。
だから『ワンピース』もNetflixで実写化されるにあたって不安視されていました。
そこで今回ドル漫では「実写版ワンピース」の個人的感想をレビューしたいと思います。ネタバレ注意と言いたいところですが、一応、原作に沿っている内容なので今更注意喚起するほどでもないと思います。
実写版ワンピースがまあまあ面白い理由
結論から言うと、実写版ワンピースは「意外と面白かった」と思います。
自分も当初は全く期待してなかったんですが(よくあるマンガアニメの実写ドラマと同じくお寒い内容になると思ってた)、少なくとも「つまらない」とはあまり感じなかったです。実際に日本以外でも多くの国でランキング1位を獲得しています。
今回、Netflixが全面的にバックアップして実写版ワンピースを制作してるわけですが、俳優に外国人を起用している点が地味に大きかったと思います。これを言い換えると、日本人俳優にとらわれなかったことが良かった。
どうしても漫画原作のドラマや映画に出演する演者は「コスプレ感」が強くなりがち。
興行的にも成功しているものの『今日から俺は』とかが分かりやすいですが、パッと見がすごく安っぽいし、違和感も非常に強い。でも外国人の俳優であれば顔が濃いので、そこまで違和感を覚えないし、しっかり画になる。むしろシックリすら来る。
原作に地味に忠実ではない
あとサンジはグル眉ではなかったり、ウソップも鼻高ではない黒人だったり、ワンピース原作のキャラデザを思い切って忠実に再現しなかった判断も良かった。主人公のルフィも浅黒いメキシコ人を採用しているんですが、やはり海賊と言えばカリブ海。肌色こそ違うものの、雰囲気が合ってる。
特にコビー役の男の子が可愛すぎて、変な性癖が目覚めそうでした。
ノジコやくいな、ベン・ベックマンなど微妙な配役はあるもの、人種の幅を広げることで「漫画アニメの雰囲気感」を違和感なく再現できている。日本人に限るとジャニーズ(笑)ばかり採用されがちですが、Netflix版ワンピースが今後の漫画アニメ原作ドラマの雛形になりそうな予感。
ワンピースと言えば、「ドン」の効果音だと思うんですが、こういった演出も皆無だったりします。ただ和道一文字グニャリ事件が話題ですが、だったらゾロも別に三刀流である必要性はなかった気もしますが…。別にゾロが三刀流じゃないと物語が進まないわけでもないので。
ストーリーが簡略化されてテンポ感が良い
だから実写版ワンピースはストーリーも原作とは少し違っていたりします。バラティエにアーロンが乗り込んできたり、ミホークもガープに依頼されてルフィたちの捕縛に動いたり、各々のエピソードの繋がりを意識したストーリー構成に変えられています。
実際、当初の予定では全10話で構成されていたものの、結果的には全8話までストーリーが短縮・簡略化されているのでテンポよく観れた気がします。クリークと戦うシーンもカットされてたりします。逆にバギーはアーロン編まで話に絡むなど、良い感じに脚色されています。
エピソードの時間も64分だったり51分だったり、各々でバラバラ。いずれ日本のテレビで放送することを考えていると統一されがちですが、ここも「内容重視」の痕跡が読み取れます。日本のつまらないテレビ局に関与させていないメリットと言えそうです。
Netflix版ワンピースではどこまで描かれる?
以上、Netflixで公開された実写版ワンピースの個人的感想でした。
やはり制作費が1億3800万ドル(約200億円)もかけているだけあって、内容はそれなりに面白かったです。全世界で一位を獲得するなど興行的にも成功を収めただけあって、既にNetflixでは実写版ワンピースの続編の製作が始まっています。
第一シーズンの最後にスモーカー大佐が登場しているため、第二シーズンではアラバスタ王国を支配するクロコダイルを倒すあたりまで描かれると予想してみる。どうやら第6シーズンあたりの内容まで話が既に進んでいるようなので、新世界編以降もドラマ化されるのかも知れない。
コビーを筆頭に海軍の敵キャラ(?)に焦点が最初から強く当たっている理由も、「マリンフォード頂上戦争」の展開も意識したストーリー構成になっているのではないか?だからワンピース原作の最終回に加えて、実写版の結末にも期待感が膨らみます。
バトル描写はつまらない?
だから自然ロギア系の能力者も増えていくはずなので、今後はCGシーンをどう多用していくかが成功の鍵を握るか。チョッパーや巨人族もCGで制作しないと、人間では演じられないだろうし、実際の動物を使うのも無理がありそう。空島という舞台も現実世界で再現するのは難しい?
あとはストーリーのテンポ感は良かったものの、それぞれのバトル描写は意外と弱かったのは改善してほしい所。気付いたらバトルが終わってたというか、全体的にアッサリしすぎていたか。100億200億もかかってるドラマであれば、もう少し派手なバトルがあっても良さそうです。
第一シーズンは現実世界でガッチリした舞台を用意することに注力されていた印象ですが、能力バトルはやはりCGでしか描けない部分も多そうです。
ちなみに、尾田さんは脚本から何まで実写版ワンピースに深く関与しているため、第一シーズンの製作だけでここまで休載回数が増えていることを考えると、ワンピースの最終回も数年単位で更に遅れる可能性もありそう。ワンピースの考察で飯を食っている人にとっては朗報か。
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