2021年4月、ついに『進撃の巨人』が最終回を迎えます。足掛け11年以上連載が続いたそう。『進撃の巨人』はストーリーのテンポ感の良さや月刊誌で連載していたこともあって、11年という年月の長さに良い意味で違和感しか覚えません。
そこで今回ドル漫では「アズマビト家(ヒィズル国)」について画像付きで考察したいと思います。『進撃の巨人』のストーリー後半で登場した謎の家系であり、謎の東洋国家。果たしてアズマビト家は進撃終盤に関わってくるのか?
ヒィズル国とは?
まずはヒィズル国について解説。
ヒィズル国とは「東洋」に存在する国。一応、進撃の巨人の世界にも東洋という概念はある模様。このヒィズル国はかつて旧エルディア帝国の同盟国だった。巨人大戦の終結後、ヒィズル国も敗戦国として立場を追われた過去がある。
だからヒィズル国は「エルディア派(反マーレ派)」という立ち位置で描かれます。もちろん表立って反マーレを掲げてるわけでもないし、そういった行動をこれまで取ってきたわけではありませんが、ジーク・イェーガーの手引でパラディ島の唯一の協力国となる。
ちなみに、ヒィズル国の家紋はこちら。3本の刀が交差して三角形を形成したデザイン。さながら三つ巴を表現したデザインか。ユミルの三人娘も何となく彷彿?
ヒィズル国はパラディ島を軍事支援
ただし、ヒィズル国の本当の目的は「パラディ島に埋蔵する氷爆石」という資源。マーレ国もかねてからパラディ島に眠る莫大な化石燃料を狙っていましたが、ヒィズル国はマーレに先駆けて氷爆石の採掘に乗り出したい思惑があった。
現代社会においても、資源を制する国は外交を制する。とりわけ100年以上前の世界では資源を巡って血みどろの大戦が勃発し、日本も資源の乏しさを背景に戦争で無様に敗北した過去もあります。
一方、パラディ島はヒィズル国からの最新兵器やインフラ整備の手助けを受ける。
例えば、進撃の巨人終盤の展開ではアズマビト家が用意した「飛空艇」を使って始祖の巨人との戦いに備える描写などが描かれます。そのためヒィズル国は進撃の巨人の世界観では技術的な先進国として描かれてる模様。
キヨミ・アズマビトがヒィズル国を支配する?
このヒィズル国を支配する人物は一体誰なのか?
現在ヒィズル国の代表としてパラディ島と交渉するのが「キヨミ・アズマビト」。金の匂いに敏感な初老の女。進撃の巨人作中で「国家元首」と明言されたことはありませんが、「アズマビト家の頭首(親分・リーダー)」とされます。
キヨミ・アズマビトの口からは財閥という言葉が登場してるので、あくまで「経済界の重鎮や支配者」といったニュアンスで解釈するほうが自然かも。だからヒィズル国の政治体制は不明。独裁国家なのか民主主義国家なのかetc。
現実政治でも表のリーダー(総理大臣や大統領)は表立って動かず、裏では企業経営者やよく分からない権力者が動いてることも多い。キヨミはその類。ただ進撃の巨人終盤では「銭勘定に浅ましい女狐」と罵られるなど、アズマビト家はヒィズル国を裏切った連中扱いに。
ミカサの正体はアズマビト家の末裔だった?
このアズマビト家はミカサ・アッカーマンと関連が深い一族でした。
端的に言うと、ミカサ・アッカーマンの正体は「アズマビト家の末裔」でした。
前述のように、ヒィズル国は100年以上前はエルディア帝国の同盟国だった。ただフリッツ王がパラディ島に閉じこもった際、ヒィズル国の将軍家も同じくパラディ島に取り残される。この末裔こそがミカサ・アッカーマンだった。
このキヨミ・アズマビトはパラディ島と取引した理由には「ヒィズル国の将軍家の末裔」を探し出す目的もあった。そのためヒィズル国の政治を牛耳ってるのは「将軍家の一味」としたら、キヨミは財界の人間という立ち位置になりそう。
それでも「ミカサの血縁者」という表現を信じるなら、アズマビト家も将軍家の一つとは解釈できるのか。
ミカサは手首に「ヒィズル国の家紋」が実は刻み込まれてた。母親からも「一族が受け継がなきゃいけないもの」とミカサは言い聞かせられていた。ヒィズル国とパラディ島が交渉する際に、ミカサはそれを見せてキヨミに証明してみせる。
このミカサの手首の描写は進撃の巨人コミックス2巻に描かれております。かなり長い伏線でした。
ちなみに、ミカサ・アッカーマンは「アズマビト家とアッカーマン家」のハーフ。同じ名字と同じ黒髪のリヴァイ・アッカーマンと同じ血筋のイメージが何となくありましたが、リヴァイそのものはアズマビト家とは一切関係ありません。
名前のモデルは?
続いては「名前のモデル」の考察。パット見すぐ分かると思いますが、アズマビトやヒィズルの名前の由来は何なのか?
アズマビトの名前の由来は「東洋人」をそのままカタカナにしただけ。東はアズマ、人はビトとそれぞれ読みます。だから特定の日本の地域や歴史、アジア諸国のなにかがモチーフになった可能性は低そう。アズマビトに特に深い意味はなさそう。
一方、ヒィズル国の名前の由来は「日出ずる国」。読み方は「ひいずるくに」。かつて日本は中国大陸に遣隋使や遣唐使を派遣してるんですが、中国の歴史書に「日出ずる所…うんちゃら」と書かれてる。日本は昔から日出ずる国と呼ばれてる
だからヒィズルという名前の由来は「日本そのもの」を表している模様。
ちなみに、この頃に日本は倭から「日本」という国号に改めてる。ただし、日本は文字を持たない文明度の低い国だったので、何故日本という国号に変えたのかといった詳細な経緯は中国の歴史書には書かれてないので不明だそう。
進撃の巨人終盤にアズマビト家は必要?
ただアズマビト家やヒィズル国はストーリー終盤でさほど絡んでこないかなぁ。
パラディ島への武器供与という点だけで考えると、別にアズマビト家である必要性はそこまで感じない。確かにミカサとの血縁関係は伏線の一つとして回収されてますが、あくまで初期設定として描いてしまったので仕方なく終盤に登場させている感じか。
事実、ミカサ・アッカーマンそのものが進撃の巨人終盤であまり活躍しない。リヴァイ含めて、どうしてもエレンとジーク、始祖の巨人といったエルディア系(ユミルの民系)のキャラクターが中心に活躍するためアズマビト家は「端役の端役」といった雰囲気。
もちろんアズマビト家がストーリーで重要な働きをしてないわけではないですが、「異質な存在」として登場した割に存在感はない。ヒィズル国の将軍家が何故パラディ島に取り残された過去も、別にストーリー終盤のカギを握ることはなさそう。
コメント
ここまで分かりやすい漫画の考察は初めてでした
素晴らしい記事をありがとうございました
ユミルの民(ユダヤの民) ひいずる国のあずまびと家(日本) そして2000年
の時の流れ・・
DNAに刷り込まされる記憶の改ざん(歴史の改ざん)・・
ナチス的な収容所生活・・ 超大型巨人の核兵器的な破壊力
70年前に在った現実の世界観・・
只の漫画・アニメ・でくくれない思想性・・