推理漫画『名探偵コナン』の主人公が「江戸川コナン」。正確には「工藤新一」を名乗る高校生探偵が主人公ですが、とある事件をキッカケに【黒の組織】によって幼児化させられている状態になります。
この黒の組織を率いるボスの正体は長らく判明していませんでしたが、黒幕の名前が【烏丸蓮耶】と95巻目にしてようやく判明しました。名前の読み方は「からすま・れんや」。工藤優作をして「日本で最も強大な人物」と表現するほど。
そこで今回ドル漫では名探偵コナンの「黒幕・烏丸蓮耶の正体」について徹底的に考察してみたいと思います。これまで「あの方」としか紹介されなかった烏丸蓮耶とは一体何者なのか?
烏丸蓮耶とは世界に誇る大富豪
そこで「黒の組織のボス」ということ以外で判明している情報をおさらいします。
烏丸蓮耶は「世界有数の大富豪」。この烏丸家の財力はあの鈴木財閥も上回っているとされます。
ちなみに、烏丸蓮耶の初登場シーンは30巻。少年サンデー連載時は2000年後半でした。しかも又聞きの伝聞情報で一度だけしか登場しなかったため、烏丸蓮耶をいまいち覚えてなかった読者がいるのも納得。
しかし、半世紀前に「99歳」で謎の死を遂げたことになっています。それでも現在は黒の組織のボスとして君臨していることから、どうやら烏丸蓮耶は現在もなお生存しているのは確定。工藤優作の「この世にいないはずの大富豪を敵に回す」という表現からも明らかか。
そのため烏丸蓮耶の年齢は「150歳前後」と漠然と予想されます。
実際、灰原哀こと宮野志保の父親だった宮野厚司に対し、30年前、研究資金のスポンサーをしていたのも烏丸グループでした。コミックス30巻当時は烏丸家は衰退したと言われていたものの、烏丸家は「日本の政財界」や「裏社会」に強い影響力を残しています。
烏丸蓮耶が所有の「黄昏の館」とは?
烏丸蓮耶がどれだけ大富豪だったか分かるエピソードが、まさに初めて登場した「黄昏の館」と呼ばれる豪邸でした。
烏丸蓮耶がかつて所有していた大豪邸「黄昏の館」に、毛利小五郎、千間降代、茂木遥史、大上祝善といった名探偵が集められるところからストーリーが始まりました。最近でこそ出番は全くありませんが、高校生探偵・白馬探も初めて登場した回。
この黄昏の館ではかつて「烏丸蓮耶を偲ぶ会」と称して、烏丸蓮耶が所有していた高価な美術品を競売する盛大なオークションパーティーが開催される。しかし、とある訪問者をキッカケに凄惨な奪い合いが始まり、黄昏の館は一気に地獄絵図と化した。
いかにも陰鬱な雰囲気が漂うのも納得。
○黄昏の館は総額1000億円?
その惨劇が黄昏の館で再び繰り返されるんですが、この中に怪盗キッドが扮装している探偵もいました。犯人名はネタバレしないものの、最後にキッドがヘリコプターから飛び降りると黄昏の館の壁がペリペリと剥がれ落ちて、燦然と輝く黄金の屋敷があった。
黄昏の館は黄金だけで建設されていた、まさに黄金の館だった。黄昏の館という名前も「空が金色に輝く夕暮れ時」という意味。『ONE PIECE』のDの一族との関連も少し感じますが、この黄昏の館の値段は総額1000億円はくだらないとされます。
烏丸蓮耶は「想像以上の大富豪」「変な金持ちもいたもんやなぁ~」というオチでしたが、黒幕の正体(黒の組織のボス)ということが判明した今、烏丸蓮耶は闇社会で違法なことしまくりんぐで莫大な資産を築いたと考察されます。
ただし、作中では「財産は母親から受け継いだもの」とは当初説明されています。
烏丸蓮耶はRUMすら把握できない秘密主義者
烏丸蓮耶は「シルエット姿のみ」しか描かれていませんが、いかにも烏丸蓮耶と思しき謎の老人が登場しています。しかし詳細は不明。現状だとシルエット姿が確定デザインと思われますが、特徴的なワシ鼻が酸素吸入器で隠されているのが意地悪です。
一方、烏丸蓮耶の性格は「石橋をたたきすぎて壊しちゃうタイプ」と評するのはベルモット談。慎重に事を進めるものの、裏切り者に対しては即座に処刑する冷酷さも併せ持つ。命令は常にメールのみで、烏丸蓮耶の存在を知るものは黒の組織でもごく限られます。
そのため烏丸蓮耶が表舞台に出ることは少ないため、上記の画像のキャラクターが烏丸蓮耶と確定づけるのは難しいか。
実際、2023年公開『黒鉄の魚影』によると、烏丸蓮耶は黒の組織のボスでありながら、最側近No.2のRUM(ラム)ですらその居場所を把握できていません。つまり、現在烏丸蓮耶は失踪中とのこと。まさに「徹底した秘密主義者」の側面が読み取れます。
烏丸蓮耶の正体は鈴木次郎吉?
また映画では「現在の容姿は完全に別人に変わっている」ことが判明済み。だから素直に考えるのであれば、烏丸蓮耶の見た目はもっと若い可能性が高そうですが、烏丸蓮耶の正体は「とある財閥の会長」だった可能性も取り沙汰されます。
それが【鈴木次郎吉】。鈴木園子の祖父にして、鈴木財閥の会長。やはり烏丸蓮耶のシルエット姿の時と同様、右肩に謎の鳥を従えております。全身シルエット姿ではあるものの、鈴木次郎吉の雰囲気が酷似しています。
実際、この謎のシルエット姿の爺さんが登場する直前まで、鈴木次郎吉と怪盗キッドとの一連のエピソードが描かれていました。これほど分かりやすい露骨な伏線もないでしょう。
しかし立派なアゴヒゲの有無などを見ると、少なくとも「次郎吉本人ですらない」ことが確定します。またキッドを捕まえたコナンを敵視していることから、治郎吉とは性格も目的も真逆のように見えます。逆にキッドをバックアップしている財閥だった?
もちろん烏丸蓮耶の見た目が変わっているため可能性はゼロではないものの、右肩に乗せている「鳥の羽」には鮮やかな模様が入っています。今も烏丸蓮耶がカラスを従えているかは不明ですが、カラスは全身真っ黒で模様がないため両者を同一視することはできないか。
烏丸蓮耶の伏線が「ASACA」と「RUM」
続いて烏丸蓮耶の正体を匂わせていた伏線を考察します。
黒の組織の黒幕の正体は、羽田浩司が残した暗号によって既に明らかにされていました。その暗号とは「ASACA」と「RUM」という言葉。当初は「マスカラ」とアナグラムを予想していたコナンたちですが、アナグラムという手法自体は間違ってなかった。
ASACAとRUMを上手く組み合わせると、【CARASUMA(からすま)】という言葉が浮かび上がります。『名探偵コナン』で登場した烏丸姓は「烏丸蓮耶」のみ。そのため黒の組織のあの方の正体は「烏丸蓮耶」と結論付けられる。
キャラ名が先だったのか、アナグラムのネタが先だったのかは知りませんが、黒幕の正体は20年近く前から考えられていた模様です。逆に烏丸蓮耶の登場回数が少なかったからこそ、このアナグラムを読み解けたコナン読者もいたそう。
「あの方」が使うメールアドレスが「七つの子」だった理由
他にも烏丸蓮耶が黒幕の正体だった伏線が隠されていました。
それが烏丸蓮耶(当時はあの方)が使用している「メールアドレス」。何故か懇意にされるベルモットが烏丸蓮耶にメールを送信する際、江戸川コナンはそのプッシュ音から「七つの子」の音階がボスのメールアドレスに使用されていることを突き止める。
七つの子とは「からす~なぜ鳴くの~♪からすは山に~♪」という歌詞で始まる有名な童謡(作詞:野口雨情)。言うまでもなく「カラス」と「烏丸」がかかってる。ちなみに、「カラスの勝手でしょ~♪」というフレーズは志村けんの替え歌ギャグになります。
凶悪な黒の組織のボスが古い子供向けの童謡を使った理由はずっと疑問でしたが、まさにそのまんまの伏線でした。さしずめ「烏丸~なぜ悪さするの~?蓮耶の勝手でしょ~♪(志村けんバージョン)」という所か。
考えてみると、童謡・七つの子が生まれたのは大正時代ぐらいまで遡ります。黒幕・烏丸蓮耶がもし150年以上生きていたと仮定すると、ガチの幼少期を懐かしんでチョイスしていたのかも知れない。
烏丸蓮耶は黒の組織の技術を使って若返っている?
続いては烏丸蓮耶の目的を考察します。
まずおさらいすると、烏丸蓮耶は半世紀前に99歳で死亡したとされますが、「何らかの方法」を使って現在まで生き延びている可能性が高い。50年前に99歳だった烏丸蓮耶が未だに生存している場合、現在の年齢は150歳近い計算になります。
しかし常識的に考えて、ただの人間が150年以上も生きられるはずがありません。
一方、冒頭でも触れたように『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナンは、高校生の工藤新一が黒ずくめの男たちが開発した「アポトキシン4869」を飲まされて幼児化してしまった姿でした。ここから導かれる答えはたった1つ。
○烏丸蓮耶の見た目は「若者」か?
つまり、黒幕・烏丸蓮耶はアポトキシン4869のような薬を飲んで「肉体を若返らせている」可能性が高いのではないか?更に言うと、黒の組織は肉体を烏丸蓮耶を若返らせる薬を開発するために存在し、その過程でアポトキシン4869も製造されていたのではないか?
黒幕・烏丸蓮耶がお気に入りのベルモットも、クリス・ヴィンヤードとシャロン・ヴィンヤードという親子女優を一人で演じ分けるなど、工藤有希子に「驚愕の若返り」を見せていました。変装の名人・工藤有希子ですら何十年も見分けられなかった理由は、実際にベルモットが若返ったから。
2023年公開『黒鉄の魚影』でも、烏丸蓮耶は何故か老若認証システムを壊そうと画策していました。この理由は、老若認証システムで実際には老人と判別されるのを回避するためだった?つまり逆に言うと、烏丸蓮耶は既に大きく若返っている?
名探偵コナンには「不老長寿」に関するテーマが出てくる
そこで最後に『名探偵コナン』のストーリーを改めて振り返ってみると、黒幕・烏丸蓮耶が若返ってる可能性を匂わせるエピソードがチラホラ存在しました。
例えば「人魚の棲む島」と噂される美國島に、コナンが服部平次たちと共に訪れた回がありました。
この美国島には人魚の肉を食べて長生きし、年齢は130歳という触れ込みの老婆がいた。この老婆は犯行トリックに使われるなど実際には存在しなかったんですが、この島に訪れた名簿の中に「黒ずくめの男たち」の関係者の名前が記載されていました。
例えば、灰原哀の姉【宮野明美】やウォッカの本名【魚塚三郎】がバッチリと記載されていました。他にも政財界の大物たちの名前が連なっており、工藤優作の「日本で最も強大な人物を敵に回そうとしている」とする発言とも符合します。
何故、黒ずくめの男たちは美國島を訪れたのか?まさに不老長寿のヒントを入手するためにやってきた。誰のために?まさに烏丸蓮耶を若返らせるために。
他にも烏丸蓮耶本人と思しき名前が名簿に記載されています。それが「大黒連太郎」。カラスは「黒」い鳥。「蓮」は「連」、「耶」は「郎」とそれぞれ漢字が酷似。烏丸蓮耶だけ偽名を使っていた理由は不明ですが、政財界人の一人として美国島に潜入した可能性も高そう。
コメント
気になったのでコメントさせて頂きました。灰原哀の姉・宮野志保となっていますが、宮野志保は哀ちゃん本名でお姉さんは宮野明美さんだと思われます。