【マシリト】鳥嶋和彦とかいう有能すぎる漫画編集者まとめ

1990年代を代表する少年ジャンプの人気バトル漫画といえば、やはり『ドラゴンボール』。作者は鳥山明。かつて流行った漫画作品とはいうものの、未だに日曜朝にアニメが放送されてるんだからすごい。

ただ裏には有能な漫画編集者がいました。その名も鳥嶋和彦(とりしま・かずひこ)

(ちょっとだけ帰ってきたDr.スランプ4巻 集英社)

鳥山明作品では『Dr.スランプ』に登場したドクターマシリトのモチーフとなった人物として有名。ちなみに鳥嶋をアナグラムで入れ替えてマシリト。

マシリトは漫画作中では悪役キャラクターとして描かれていましたが、鳥嶋和彦も割りとリアルでもいろいろとヤバい漫画編集者だったらしい。

そこで今回ドル漫では鳥嶋和彦(マシリト)という人物像についてまとめてみました。これほどキャラクターが立った漫画編集者も世の中にはいないでしょう。

鳥嶋和彦の生年月日や来歴などプロフィールまとめ

まず簡単に鳥嶋和彦のプロフィールから解説したいと思います。

鳥嶋和彦の生年月日は1952年10月19日。YouTuberの瀬戸弘司と同じ誕生日。2017年現在、65歳になったばかり。

鳥嶋和彦の出身地は新潟県小千谷市。その後、一浪して慶應義塾大学へ入学。そして1976年、24歳の時に集英社に入社し、週刊少年ジャンプの編集部に配属される。『ドーベルマン刑事』や鳥山明作品、桂正和作品といった数々の人気作品に携わる。

鳥嶋和彦は漫画編集だけではなく、堀井雄二と一緒にRPGゲーム『ドラゴンクエスト』などの立ち上げにも関与。1993年にはゲーム漫画雑誌『Vジャンプ』を創刊編集長として立ち上げる。

その後、1996年に編集長として再び『週刊少年ジャンプ』に戻った鳥嶋和彦はゲーム関連の仕事の経験を活かして『遊☆戯☆王』を筆頭にゲーム化といったメディアミックスを推し進めて、成功を収める。未だに遊戯王のカードゲーム流行ってんねん、という。

そして2001年に編集長を辞めるまでに、鳥嶋和彦は『ONE PIECE』や『NARUTO』『BLEACH』など今日まで続く人気漫画を輩出。そういった多大な貢献から2004年には集英社の常勤取締役など様々な取締役に就任。

そして、2017年11月現在は集英社の子会社である白泉社の代表取締役社長の座に就く。ちなみに鳥嶋和彦は2020年の東京オリンピック・パラリンピックのマスコット審査会メンバーの一人らしい。

この鳥嶋和彦をモチーフとした漫画キャラクターは、実は『Dr.スランプ』のドクターマシリト以外にも割りといたらしい。

鳥嶋和彦をモチーフとした漫画キャラクターが多すぎw

例えば、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』のマトリフ。魔法使いポップのお師匠さん的な存在。割りと重要なキャラクター。

他にも『ラッキーマン』のトリシマン『幕張』の嶋鳥和彦などがいます。嶋鳥和彦は奈良重雄に耳たぶを甘噛されて爆死したハゲ。ちなみに『幕張』で担当編集者・瓶子の不倫をネタにした結果、作者・木多康昭は鳥嶋和彦にブチ切れられて現在もマガジン系に逃避行中らしい(笑)

『Vジャンプ』の読者コーナーでは総統マシリトとして登場するなど、全て分かりやすいアナグラム。ゲームの『桃太郎電鉄シリーズ』に登場する「天の邪鬼」も鳥嶋和彦がモチーフであり、またキングボンビーの中身もマシリトの性格をベースにしてるとか。

○怪鳥のような奇声を出すお公家様

(そしてボクは外道マンになる2巻 集英社)

最近の漫画であれば平松伸二のそしてボクは外道マンになる』では「魔死利戸(ましりと)」役として登場してます。完全なアナグラム。現在の髪型は天然パーマではなく、老人らしく白髪ストレート。ややもするとインテリヤクザ臭が漂うのは内緒。

この作品では鳥嶋和彦本人を扱ってるため、敢えて伏せ字する意味がないんですが、作者・平松伸二の積年の恨み辛みが垣間見えます。画像は白泉社の社長として「少年ジャンプを今こそ打倒するチャンスなんだからねエエエエ!」と吠えてる場面ですが、この平松伸二の温かい目よ(笑)

鳥嶋和彦の顔はまさにお公家さん風のルックスらしい。眉毛が薄く、顎も尖っており、いつも眠たいような目。だから鳥山明作品のマシリトも何の脚色もされておらず、そのまんまとのこと。そして鳥嶋和彦は怪鳥のようなけたたましい笑い声を発するのが特徴とか。

(そしてボクは外道マンになる2巻 集英社)

鳥嶋和彦の口癖は「ボツ」。とにかく自分が考える面白いポイントを付く原稿じゃなければ、鳥山明であろうが誰であろうがやり直しを命じる、見た目とは裏腹に鬼のような漫画編集者。漫画のキャラクターはデフォルメではなく、割りと忠実に再現されている模様。

マシリトのすごい功績や逸話まとめ

ただ、マシリトは何やかんやでスゴい漫画編集者らしい。鳥山明や桂正和など1990年代にかけて、少年ジャンプで活躍した人気漫画を数多く輩出しただけある。

(そしてボクは外道マンになる2巻 集英社)

例えば前述の『そしてボクは外道マンになる』のクダリだと、作者・平松伸二は『ドーベルマン刑事』というハードボイルドな作品を執筆してた。ただ当時としては長期連載だったため、やや人気が下降気味。

それに対してマシリトは「ラブコメを取り入れよう」と無茶ぶりを要求。当然平松伸二は難色を示すものの、実際に言われた通りにラブコメ要素を取り入れたことで人気が復活したらしい。

しかもマシリトは漫画がそもそも好きじゃなくて、当時はほとんど漫画を読まなかったとのこと。それを堂々と公言しちゃう精神が色々とアレですが、実際、週刊少年ジャンプの編集者に配属されたときもガッカリしたらしい。

そのくせ少年ジャンプの編集長時代には、『BLEACH』の作者・久保帯人に「君の漫画つまらないからドラゴンボールを読みなさい」と言ってたりした(久保帯人は意地でもアドバイスを無視したそう)のは内緒。

○鳥嶋和彦はファイナルなファンタジーの開発にも関与?

他にも『ファイナルファンタジー(FF)』の開発にも、マシリトは実は間接的に関与してたらしい。1990年代の少年ジャンプは絶大な人気を誇ってため、そこの「袋とじ」はものすごい宣伝効果があった。そこで『FF』の坂口博信が少年ジャンプに接触を図ろうとする中、編集長だったマシリトがズバズバと坂口博信にダメ出し。

坂口 『FFIII』のころ、広告代理店経由で会議室に呼び出されたんですね。
だだっ広い部屋にポツンと座っていたら、鳥嶋さんがひとりで入っていらして。
「はじめまして。これから僕が『FF』のダメなところを言っていくから」と、
初対面なのに延々ダメ出しを受けたんです。
だから、「このオヤジ何なんだ?」というところからのスタートだったんです。
そのおかげで『FFIV』は主人公のセシルが暗黒騎士から聖騎士になって……とか
それぞれのキャラクターがすごく立ったゲームになりました。これは本当に鳥嶋さんのアドバイスのおかげですね。
https://www.famitsu.com/news/201711/03145406.html

結果、生まれたのが『ファイナルファンタジー4』の主人公・セシルの設定。暗黒騎士から聖騎士に生まれ変わる設定は、マシリトの「もっと魅力的なキャラクターを作れ」というダメ出しから生まれた。他にもカインやリディアなど魅力的なキャラが多かったのも、マシリトの影が垣間見えます。

まあ平たくマシリトという漫画編集者を一言でまとめるなら、「他人や他の作品の欠点を見抜くのが得意」なんでしょうね(笑)