2017年10月10日に公示されたのが第48回衆議院議員総選挙。そこで今回は近畿ブロック・東海ブロックに限定した衆議院議員選挙の情勢をまとめたいと思います。
東海ブロックの情勢予想
○岐阜県の情勢
岐阜1区は自民・野田聖子が安定した戦いを展開。元民進の無所属・吉田里江は野党統一候補として奮闘するものの勢いや広がりに欠ける。岐阜2区は自民・棚橋泰文、岐阜3区は自民・武藤容治が安定した戦い。
岐阜4区は元民進の希望・今井雅人が自民・金子俊平と互角の戦いを展開。希望・今井は2009年の衆議院選挙以来固めてきた地盤を元に、希望や立憲民主の政権批判票を幅広く集める。一方、自民・金子俊平は父・金子一義の地盤を引き継ぐもののやや知名度不足が尾を引く。ただ終盤情勢では自民・金子が組織を活かして優勢に展開。希望・今井は共産の自民アシストも足を引っ張り苦しい展開。
岐阜5区は自民・古屋圭司が今回も安定した戦いを展開。
岐阜県も典型的な保守王国なので今回も自民全勝かと思いきや、岐阜4区の選挙情勢は意外にも面白いことになってる模様。ただそこは自民が自民。最終盤では巻き返しを図り、今回2017年の衆議院選挙でも全勝か。こんな保守王国で自民アシストする共産の気がしれません。
○静岡県の情勢
静岡1区は自民・上川陽子が安定した戦いを展開。野党分裂含みで候補今回も漁夫の利を得るカタチ。前回の衆議院選挙以上に、野党側にはろくな候補がいないことも奏功。静岡2区は自民・井林辰憲が優勢。やはり希望からの落下傘がヒドい。終盤情勢でも変わらず。
静岡3区は自民・宮沢博行と無所属・小山展弘が接戦。希望は元磐田市長の鈴木を擁立するが、無党派層で浸透しきれず。また希望・鈴木は連合といった組織票も無所属・小山に流れているのも痛い。
また政党支持率で並んでいる立憲民主の9割以上を小山が吸収しているため、希望・鈴木は苦しい戦い。ただ一方で野党票も分裂していることに変わりはないため、終盤情勢でも自民・宮沢が漁夫の利を得て優位に展開。
静岡4区は自民・望月義夫、静岡5区は希望・細野豪志が安定した戦いを展開。終盤情勢でも同様。
ただ静岡6区の希望・渡辺周は自民・勝俣孝明に今回も接戦に持ち込まれている。前回の衆議院選挙の結果は民主・渡辺が11万4千票、自民・勝俣は10万2千票と差はわずか。希望・渡辺は立憲民主の支持層からは半分程度しか取り込めてないことが不安要素。プライドを捨てて保守以外の層にも働きかけられるかがカギ。想像以上に党が失速したことも手伝って、終盤情勢でも接戦は続く。
静岡7区は自民・城内実、静岡8区は塩谷立が安定した戦い。終盤情勢でも同様。
情勢だけ見ると割りと野党側が健闘しているように思えますが、とにかく元民進系以外の希望の候補が酷すぎてまともに勝負になってない。希望の党にしろ無所属候補にしろ、どれもまともに自民と戦えてるのは全部元民進系。
希望の党のオリジナルメンバーであり、選挙対策を担当していた細野豪志は本当に政治センスやガバナンス能力が一切なかったことが分かります。今後は渡辺周などと一緒に、おとなしく地元の静岡県だけに留まって茶でもすすってて下さい。
○愛知県の情勢
愛知1区は自民・熊田裕通が有利に展開。元未来の党の希望・佐藤夕子と元民進の立憲民主・吉田統彦など、野党側の候補乱立によって漁夫の利を得るカタチ。終盤情勢でも自民・熊田が先行。愛知2区は希望・古川元久が安定した戦い。比例ブロックからの鞍替えの自民・田畑毅は苦しい戦い。
愛知3区は立憲民主・近藤昭一と自民・池田佳隆が接戦。希望・余語が野党票を食うものの、共産票が代わりに乗るため立憲民主・近藤はやや有利に展開を進めるか。終盤情勢では立憲民主・近藤が先行と報道。愛知4区は自民・工藤彰三と希望・牧義夫が接戦。立憲民主など他の支持層への浸透がカギ。ただ終盤情勢では自民・工藤が一歩抜け出し、希望・牧はやや苦しい。
愛知5区は立憲民主・赤松広隆が優勢。前回の結果は1万数千票差だったんですがが、今回は2万票前後の共産票が乗る情勢。自民・神田憲次が組織を活かして必死に立憲民主・赤松を追うものの、希望・野々部は完全に出遅れ。終盤情勢でも立憲民主・赤松が先行。愛知6区は自民・丹羽秀樹が今回も安定した戦い。元民進の希望・森本和義は野党分裂の煽りを受けて苦しい戦い。終盤情勢でも同様。
愛知7区は自民・鈴木淳司と無所属・山尾志桜里が一騎打ちの接戦。例のスキャンダルの直後ではあるが、無所属・山尾は希望や立憲民主の支持層を幅広く集める。ただし無所属・山尾は女性の支持が伸び悩んでおり、無所属故の選挙活動の制限などやはり不安要素を残す。
いい加減認めりゃいいのに…と思ってしまいますが、終盤情勢では自民・鈴木が先行。さえないオッサンではありますが、あんなスキャンダルを起こした直後の山尾に負けたらさすがに恥でしょう。山尾は山尾で落選した方が禊感が出るため、長い目で見たら有権者的には溜飲も下がりそう。
愛知8区は無所属・伴野豊と自民・伊藤忠彦が接戦を展開。伴野は無党派層などにも浸透するが、無所属であるが故の活動の制限がネック。また共産が邪魔をするなど、立憲民主といった支持層への取り込みが急務。
ただ終盤情勢では自民・伊藤が逆転し、リードしているとの報道。これまでの衆議院選挙ではほぼ自民・伊藤が勝利を収めており、相変わらず共産が邪魔してることも含めて、無所属・伴野はやはり苦しい展開。
愛知9区は自民・長坂康正と希望・岡本充功が今回も接戦を繰り広げる。前回の結果は1万4000票差。24000票を獲得した共産は今回も出馬するため、希望・岡本は無党派層や立憲民主への浸透が急務。終盤情勢では希望・岡本が先行との報道。立憲民主や無党派層の取り込みに成功したのかも。
愛知10区は自民・江崎鉄麿と希望・安井美沙子が横一線。ただ元民主の維新・杉本和巳が前回前々回と割りと得票(4万票以上)しているため、このような情勢に本当になっているかは不明。終盤情勢ではやはり自民・江崎が先行する展開。やはり希望・岡本は他政党の擁立が足を引っ張る。
愛知11区は古本伸一郎がトヨタの労組票のおかげで今回も安定した戦い。愛知12区は無所属・重徳和彦が優勢。立憲民主や希望の支持層など幅広い政権批判票を集め、共産の邪魔も意に介さず。終盤情勢でも引き続き、無所属・重徳がリードを保つ。
愛知13区は希望・大西健介と自民・大見正が今回も横一線の戦い。無党派層や立憲民主など他の支持層への浸透が課題。愛知14区は自民・今枝宗一郎が優勢。元民主・鈴木克昌の後継である希望・田中克典は準備不足と知名度不足で劣勢を強いられている。終盤情勢でも希望・田中は劣勢で苦しい。
愛知15区は自民・根本幸典と元民進の希望・関健一郎が接戦。前回の結果が自民・根本が9.7万、民主・関が6.4万、共産2.3万。この差を一気に埋められるのかはやや信じがたいですが、比例の情勢的には希望と立憲民主で自民の数を上回る勢い。そのため互角の勝負まで持ち込めていたとしても不思議ではありません。ただ終盤情勢ではやはり自民・根本が優勢。
愛知は他の選挙区より有利に進めてる場所も多いですが、前回の衆議院選挙並の議席数ぐらいで落ち着くような雰囲気。やはり共産がアンチ連合の姿勢を貫く限り、自民アシストは今後も続くのでしょう。
○三重県の情勢
三重1区は自民・田村憲久がやや優勢。元民進の無所属・松田直久が追う展開。共産が候補を引っ込めたものの、区割りの変更の影響は想像以上に大きかったのか無所属・松田は苦戦気味。松田は元々維新系。そのため連合の動きも鈍いのか。終盤情勢でも自民・田村が有利に戦いを進める。
三重2区は自民・川崎二郎と無所属・中川正春が横一線。どっちの御仁もめちゃめちゃ選挙に強かったんですが、区割りの変更でまさに互角の勝負を展開。自民・川崎は伊賀市を中心に、無所属・中川は四日市などを中心に多く票を集める。無所属・中川は無党派層への浸透しており、希望や立憲民主の野党票の更なる取り込みが課題。また共産の辞退もどっちの方向に転ぶのか。
ただ毎日新聞の中盤情勢では自民・川崎が一歩リードと報道されるなど、無所属・中川はやや苦しい展開を強いられる。かと思いきや、産経の終盤情勢では無所属・中川の名前が先に書かれるなど予断を許さない状態は投票日まで続く。
三重3区は無所属・岡田克也が区割り後も安定した戦いを展開。三重4区は自民・三ツ矢憲生が優勢。元民進の希望・藤田大助が懸命に追う展開は今回2017年の衆議院選挙でも同様。終盤情勢でも変わらず。
区割り変更で2017年の衆議院選挙の中で割りと注目されていた三重県ですが、情勢的には自民がやや有利といったところ。せいぜい五分五分ぐらいの情勢かと思いきや、もしかすると自民が勝ち越す可能性も残されています。
近畿ブロックの情勢予想
○滋賀県の情勢
滋賀1区は自民・大岡敏孝と無所属・嘉田由紀子が互角の勝負。川端達夫の後任候補として指名されたものの、色んな経緯があり嘉田は無所属からの出馬。ただ共産が自民アシストするなど、嘉田の情勢的にはやや不利な要素も目立つ。特に嘉田は希望や立憲民主の支持層を固めきれていないのもマイナス。終盤情勢では自民・大岡がリード。知名度は高いものの、何故か支持が伸びてない嘉田。
滋賀2区は自民・上野賢一郎が優勢に戦いを進める。希望・田島一成が懸命に追う。希望・田嶋は立憲民主といった野党支持層にどこまで浸透できるかがカギ。終盤情勢でも構図は変わらず。
滋賀3区は元民進の希望・小川泰江と自民・武村展英が互角の戦いを展開。やはり希望・小川は立憲民主など野党票全体をどこまで固めるかがカギだが、自民アシスト王の共産党が足を引っ張るため基本的に苦しい。終盤情勢では自民・武村が希望・小川を突き放す展開。前回の衆議院選挙では2万5000票ほど差があったため、希望の失速と共に引き離され気味らしい。
滋賀4区は自民・小寺と希望・徳永久志が互角の戦いを展開。元々は自民・武藤貴也の選挙区だったんですが、ヤツはアッーんなことで物議を醸したため自民党が新人を擁立。希望・徳永久志は参議院議員時代の知名度などを活かして戦う。ただ終盤情勢では自民・小寺が一歩抜け出して有利に進める。
前回の衆議院選挙の結果は、自民・武藤貴也が6万票、維新・岩永が4万票、民主・徳永が4万票。今回は維新・岩永が市長になったため不出馬。この第三極票・保守票の行方が勝敗のカギを握る。
滋賀県の情勢は接戦区も目立つものの、やや自民党が全体的に有利。共産党が空気を読まずに出馬してることも、自民党にとってはプラス。また希望が失速してることも手伝い、毎日新聞の中盤情勢では「自民が1区以外は先行」してると報道。
そして終盤情勢では「全区自民独占」と更に野党側は苦しい展開。そのため共産党には比例も含めて投票せずに、立憲民主支持層や無党派層などへの浸透がカギを握る。
○京都府の情勢
京都1区は自民・伊吹文明がやや優勢も、共産・穀田恵二は立憲民主支持層の6割に支持されるなど激しく追う。希望・嶋村は厳しい。前回の衆議院選挙では自民・伊吹が7.3万、共産・穀田が5.3万、維新・田坂が3.6万、無所属・平が1.7万。そのため共産・穀田は政権批判票全体や無党派の支持をどれだけ集められるかがカギになっている。終盤情勢でも自民・伊吹が引き続き優勢。
京都2区は無所属・前原誠司が今回も優勢に戦いを進める。希望の党設立に伴うゴタゴタで罵声を浴びたらしいですが、希望の9割、立憲民主の5割以上など無党派層にも幅広く浸透。地味に公明票も取り込むなど、まさに盤石の戦いを展開。終盤情勢でも同様。
京都3区は元民進の希望・泉健太と自民・木村弥生が接戦。元々は自民・宮崎謙介の地元だった選挙区。前回の衆議院選挙では自民・宮崎が5.9万、民主・泉が5.4万と肉薄。希望の支持層と無党派に食い込む泉は、立憲民主や維新など野党票を更に幅広く集めるかがカギか。維新・森夏枝は今回も厳しい。
毎日新聞の中盤情勢では、希望・泉が一歩抜け出したと報道。終盤情勢でも希望・泉がやはり優勢に戦いを進めるなど、立憲民主や無党派層など幅広く票を固めつつある模様。維新・森は維新支持層すら固めきれずに苦しい。
京都4区は自民・田中英之と元民進の希望・北神圭朗が接戦。希望・北神は希望や立憲民主の支持層を固めつつあるが、前回の衆議院選挙で3万票近く奪った共産支持層にも食い込めるかがカギ。ただし毎日新聞の中盤情勢では、自民・田中が一歩抜け出す。終盤情勢でも同様に、北神は希望支持層の大半を固めたが、支持の広がりに欠けて苦しい。京都5区は谷垣禎一の後継である自民・本田太郎が地盤を引き継ぎ、終盤以降も優勢に進める。
京都6区は自民・安藤裕と元民進の希望・山井和則が横一線。希望・山井は前回前々回と自民・安藤に8000票差9000票差と縮められつつあり、年々厳しい戦いを強いられている。また山井は希望への変節もあってか、立憲民主や無党派層での伸び悩みが気にかかる。中盤情勢・終盤情勢では自民・安藤がやや優勢。希望・山井は立憲民主や連合票を固めるのに必死。
全体的に京都府は自民党と互角に渡り合えてる選挙区は多い気がしますが、それでも自民がやや有利な情勢。共産はもし京都1区が本気で欲しいなら、他の政党や組織に全面支援してもらえるように、自ら積極的に他の選挙区は降ろさなきゃダメだ。それが大人の政治。
○大阪府の情勢
大阪1区は維新・井上英孝と自民・大西宏幸が今回も横一線。立憲民主や共産の候補は伸び悩むが、前回の衆議院選挙では4000票差しかなかったため、そういった支持層への切り崩しも有用。毎日新聞の中盤情勢では維新・井上が先行と報道されたり、産経新聞の終盤情勢では引き続き「競り合う」という表現が用いられるなど投票日まで混沌。どっちが当選してもおかしくない状況。
大阪2区は自民・左藤章が優勢。立憲民主・尾辻かな子は立憲民主支持層だけではなく共産票に食い込むなど、維新・椎木保はやや苦しい戦いを迫られている。ちなみに立憲民主・尾辻のポスターが笑えるので、この2区の有権者はチェックしてみて下さい。終盤情勢でも自民・左藤がリードを維持。
大阪3区は公明・佐藤茂樹が優勢。共産・渡部結は山本太郎などに演説してもらうなど票の上積みを目論むが、やはり共産支持層以外への広がりに欠けるため苦しい。終盤情勢にかけても同様。もし共産が小選挙区で勝ちたいなら無用なプライドを捨てて、どれだけ他の支持層に応援してもらえるかを考えるべき。
大阪4区は自民・中山泰秀と維新・美延映夫が互角の戦い。お互いは従来の支持層を固めるが、その他の支持層への浸透が課題。共産・清水忠史は共産支持層を固めるが、それ以外の広がりに欠けて苦しい。終盤情勢では自民・中山がやや先行する展開で、維新・美延は失速気味。
大阪5区は公明・國重徹が優勢。立憲民主と票が分散する共産は苦しい戦い。大阪6区は公明・伊佐進一が優勢。元自由党の立憲民主・村上史好は共産支持層にも浸透し追い上げを図るが、無党派層など広がりに欠けて今回も苦しい戦い。大阪7区は自民・渡嘉敷奈緒美が優勢。維新・奥下が追うが、無党派層など維新以外の支持層への浸透が課題。終盤情勢では自民・渡嘉敷が更に維新・奥下を引き離す。
大阪8区は自民・大塚高司がやや有利に戦いを進める。前回の衆議院選挙の結果は自民・大塚が6.7万票、維新・木下は6.2万票(他は共産社民次世代)と接戦。そのため維新・木下智彦は立憲民主・松井の出馬によって、中道やリベラル票が食われている可能性もある。終盤情勢では自民・大塚が維新・木下を突き放しにかかる展開。
ちなみに森友学園問題で話題になった場所が大阪8区であるが、自民も維新も総スルー状態である。なげかわしい。
大阪9区は自民・原田憲治と維新・足立康史が横一線の戦い。前回の衆議院選挙の結果が自民・原田が9.5万票、維新・足立が9.1万票とわずかな差。ただ維新は無党派に嫌われているためやや苦しい展開。
実際、毎日新聞の最終情勢では自民・原田がやや優勢と報道。社民候補も地味に1割程度を得票するなど、暴言王の足立は劣勢気味。終盤情勢でも自民・原田が更にリードを広げるなど、「永田町のポンコツを一掃する」という自身の発言がブーメランになるか乞うご期待。
大阪10区は立憲民主・辻元清美と自民・大隈和英と維新・松浪健太が今回も三つ巴の戦い。前回の結果は保守分裂に伴って、自民と維新が5万票台で留まっていたのに対し、民主・辻元だけが6万票台。
また共産党は出馬せず辻元清美の応援に入るため、今回も立憲民主・辻元清美が有利か。毎日新聞の中盤情勢では立憲民主・辻元が一歩リードと報道。終盤情勢にかけては、産経新聞の情勢でも立憲民主・辻元が抜け出すと報道。今後はそれぞれの支持層以外の層への浸透がカギを握る。
大阪11区は元民進の積極的無所属・平野博文と自民・佐藤ゆかりが接戦。後ろから維新・伊東信久が追う展開は今回2017年衆議院選挙でも同様の情勢。無所属・平野は立憲民主以外や無党派層へも浸透。また自民・佐藤ゆかりは地元の自民関係者とイザコザが起きたせいか、無所属・平野に自民支持層に食い込まれている。維新・伊東は無党派層など全体的に広がりに欠けるため、やや苦しい展開。
ただ終盤情勢では自民・佐藤が組織を固めて、ややリードしているとの報道。それでも三つ巴の戦いが続くことには変わりなく、いかに無党派層へ浸透するかがカギを握る。
大阪12区は自民・北川知克と維新・藤田文武が接戦。維新・藤田は無党派層など伸びしろに欠けるのが課題。前回出馬した希望・樽床伸二の4万票の行方もカギを握る。終盤情勢では自民・北川がややリードとの報道が目立ち、維新・藤田は苦しい展開。
大阪13区は自民・宗清皇一と維新・青野剛暁が接戦。ただ維新・青野の出馬が直前だったため、知名度不足が足を引っ張る。無所属・西野弘一は苦しい戦い。最終情勢では自民・宗清がややリードと報じられるなど、維新・青野はリードされつつある
大阪14区は維新・谷畑孝と自民・長尾敬が今回も横一線の戦い。前回の衆議院選挙では維新・谷畑が7.8万票に対して、自民・長尾は7.6万票。もし無党派やアンチ維新の左派層が自民に流れると、維新・谷畑は非常に苦しい戦いを強いられる。ただ終盤情勢では維新・谷畑がリード。後半での巻き返しが奏功か。前回衆議院選挙の次世代・三宅の1.2万票の取り込みに成功か。
大阪15区は維新・浦野靖人と自民・竹本直一が横一線の戦い。終盤情勢でも同様に接戦。自民・竹本の名前が先に表記されるなど、予断を許さない状態。ただ前回の衆議院選挙では自民・竹本が1万2000票差で勝利してるため、維新・浦野は厳しいか。
大阪16区は公明・北側一雄が先行し立憲民主・森山浩行が激しく追い上げる。前回の結果は公明・北側が6.6万票、民主・森山浩行が3.8万票、次世代・西村が2.6万票、共産が2.3万票。無党派層だけではなく、保守層への浸透もカギを握るため非常に面白い選挙区の一つである。ただ終盤情勢では公明・北側がリードを広げる展開か。
大阪17区は前回は7000票差だった、維新・馬場伸幸と自民・岡下昌平が今回も横一線の戦い。終盤情勢でも同様に激戦。特に維新・馬場は幹事長のため地元を離れることがマイナス要因。
大阪18区は維新・遠藤敬と自民・神谷昇が横一線の戦い。17区と同様に前回は7000~8000票差しかなかっため、今回2017年の衆議院選挙でも激しい接線が繰り広げられそう。どちらも無党派層やその他の支持層への浸透が課題。ただ終盤情勢では維新・遠藤がややリードする展開。
大阪19区は維新・丸山穂高が優勢。希望・長安豊が兵庫選挙区に国替えしたため、その票が維新に流れているのか大阪で唯一維新が優勢の選挙区。ただネットのやりすぎなのか、終盤情勢では維新・丸山は自民・谷川に追いつかれて横一線の戦いを強いられている。
読売新聞以外の序盤情勢では「維新は現有議席から積みます」という情勢も見られますが、基本的に維新が優勢な選挙区は1つだけ。維新が比例議席が近畿ブロック以外ではまともに取れないことを考えると、さすがに維新が議席を増やすことは考えられない。前回は5議席に留まったんですが、今回2017年の終盤情勢では更に当選数が下回る可能性。馬場あたりは落選しそう。
特に維新は無党派層への浸透が弱いため、もし投票率が上がると結果的に自民が今回の衆院選でも利することになりそう。そうすると大阪で比例復活枠を消費するため、2017年衆議院選挙の維新全体の議席数は10以下という可能性も十分出てくると予想されます。さすがの大阪人でも「維新に投票するのはイカレポンチ」という認識が広まりつつあるのか。
○兵庫県の情勢
兵庫1区は自民・盛山正仁と希望・井坂信彦が横一線の展開。希望・井坂は神戸市議時代からの独自の後援会や支援組織を頼りに希望の支持層を固め、無党派層や立憲民主の支持層への取り込みを図る。
ただ共産や維新など野党が乱立しているため、中盤情勢以降は自民・盛山が一歩抜け出す展開で、希望・井坂は苦しい戦いを強いられている。終盤情勢でも同様。ちなみに落下傘の維新・梅村は維新退潮も相まって終始厳しい。
兵庫2区は公明・赤羽一嘉が優勢。「公共一騎打ち」の構図ではあるが、共産・平松順子は支持に広がりが見られず厳しい戦い。終盤情勢でも同様。
ちなみに前回の衆議院選挙の結果は、公明・赤羽が7.8万、民主・向山が4.8万、共産・平松が3.1万。共産が民主票や野党票を取り込めれば接戦に持ち込めそうですが、さすがに好戦的に擁立する姿勢など、他野党からすると共産党に恩義がないため動きは鈍い。
兵庫3区は自民・関芳弘、兵庫4区は自民・藤井比早之、兵庫5区は自民・谷公一が優勢。希望や維新は苦しい戦い。終盤情勢でも同様。
兵庫6区は自民・大串正樹が優位に戦いを進めるが、元伊丹市議の立憲民主・桜井周が激しく追いかける。立憲民主・桜井は共産支持層にも食い込み、無党派層への浸透がカギを握る。元々は小池百合子が出馬していたが、希望の候補は準備不足・知名度不足も相まって伸び悩む。終盤情勢でも同様。
兵庫7区は自民・山田賢司、兵庫8区は公明・中野洋昌、兵庫9区は自民・西村康稔、兵庫10区は自民・渡海紀三朗、兵庫11区は自民・松本剛明、兵庫12区は自民・山口荘が優勢。希望や共産は広がりに欠けるため苦しい戦い。終盤情勢でも同様。
あまり知られていませんが地味にゴリゴリの保守王国なのが、この兵庫県。野党側に当選の可能性があるのは1区と6区ぐらい。個人的に公共対決は期待したものの、情勢を読む限りはやはり今の共産党には誰も期待していない模様。特に共産党に投票する見返りもないため、現場レベルで積極的に非共産層から支持されないのが痛い。
○奈良県の情勢
奈良1区は希望・馬淵澄夫と自民・小林茂樹が今回も接戦。前回の衆議院選挙の結果は民主・馬淵が7.9万票に対して、自民・小林が6.7万票とかつて程の勢いは馬淵にはない。しかも希望の党の失速も足を引っ張る。
今回2017年の衆議院選挙から奈良県の定数は一つ減らされ、この1区には生駒市を編入する区割りが行われた。そのため希望・馬淵は無党派層だけではなく、立憲民主といったリベラル層への浸透がカギを握る。維新・吉野は全体的に支持の広がりを欠く。
毎日新聞の中盤情勢では希望・馬淵が先行という報道がありますが、産経新聞の終盤情勢では引き続き「激しく競り合う」と表現(しかも自民・小林の名前が先に表記)されるなど情勢は不透明。当落線上にこそ絡めていないが、維新の出馬が勝負を混沌とさせているのかも。
奈良2区は自民・高市早苗が優勢。希望・松本は急遽公認された落下傘であるため、知名度不足と準備不足が足を引っ張る。
奈良3区は自民・田野瀬良太郎が安定した戦い。本来は2区で出馬予定だった希望・前川清成が参議院議員時代の知名度を活かして追うものの、3区の面積は奈良県の8割を占めるほど広大。そのため支持拡大には苦戦気味。終盤情勢でも同様。
私の地元の奈良県ですが、希望の選挙対策がヒドすぎる。いきなり奈良2区に謎の落下傘を投入したかと思いきや、ずっと2区で活動していた前川清成を3区に追い出す。他の選挙区でも同じ現象が見られていますが、よくこんな行き当たりばったりで選挙に勝つつもりだなぁーと。希望の細野豪志や中山成彬は悪い意味で「政治の天才」です。
○和歌山県の情勢
和歌山1区は希望・岸本周平と自民・門が接戦。前回の衆議院選挙の結果は民主・岸本が6.7万票に対して、自民・門は5.9万票とわずか。ただ希望・岸本は無党派層や自民支持層への浸透も見せるなど、独自の後援会や連合の組織力を活かして今回も比較的有利な展開を見せる。
強いて言えば、希望・岸本は党の失速が気がかり。立憲民主支持層などを取りこぼすと何が起きてもおかしくはない。ただ終盤情勢は希望・岸本がリードとの報道。民主時代から個人で勝ち抜いてきた岸本だけあって、希望の失速はほとんど関係なかった模様。無党派層への浸透も有利に進める要素。
和歌山2区は自民・石田真敏、和歌山3区は二階俊博が安定した戦い。3区に至っては共産党しか立っていないため、詳しく論評するに値しないほど。二階からしたら「無投票再選」のような感覚でしょう。終盤情勢でも同様。
野党側の目線に立つと、和歌山1区は絶対死守といったところです。鉄板区と呼べるほど岸本は強くもないので引き締めは必須。
2017年衆議院選挙 近畿ブロックと東海ブロックの情勢まとめ
以上、2017年第48回衆議院選挙の近畿ブロックと東海ブロックに関する情勢予想まとめでした。
他にも「2017年 第48回衆議院選挙の情勢予想まとめ(西日本編)」、「2017年 第48回衆議院選挙の情勢予想まとめ(東日本編)」、「2017年 第48回衆議院選挙の情勢予想まとめ(東京ブロック編)」、「2017年 第48回衆院選 比例+全議席数予想まとめ」なども今回の衆議院議員総選挙の情勢記事をまとめてるので、興味がある方はチェックしてみて下さい。新聞社のように細かくページを分割しすぎてないので、そこそこ参考になるはず。
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