映画「FALL(フォール)」のネタバレ感想をレビューします。面白いのか、つまらないのか徹底評価。
面白かった点
とにかく怖い。
地上600メートル(電波塔頂上)の恐怖感をちゃんと体現できてる。高所恐怖症の人が観るのはなかなかしんどいはず。股間がずっとウズウズする(笑)また「高さ」に加えて、まともに寝返りも打てない「狭さ」も恐怖心に拍車をかけてくれる。
物理的に逃げられない恐怖、追い詰められていく恐怖。まさに『ゼロ・グラビティ』のような抗えない絶体絶命感が面白い。
周囲には人影の存在を感じるからこそ圧倒的な孤独感。生に手が届きそうで届かない絶望感。ここらへんが上手に表現されていて良かった。出落ち感満載の設定だが、まさにシンプルイズベスト。有名な役者を多く起用しているわけでもないが最後まで観れた。
つまらなかった点
オチが少し微妙。
最終的に主人公の女は救助されるものの、「地上600メートルのタワー頂上からどうやって救出されたのか」の描写が皆無に近い。登る過程を鮮明に描いておきながら、最後の救助シーンが曖昧なままというのは、作り手側の逃げというか消化不良感はどうしても若干残る。
作品に登場する電波塔の高さは、スカイツリーの高さ(634メートル)とあまり変わらない。この頂上まで登ることは人力だけで本当に可能なのか冷静に考えるといろいろあるが、「この高さからどうやって救出するのか?」というアイデアまで踏み込めると良かったか。
また彼氏とどうこうなど、導入部分が若干長い。基本的にテンポ良く観れたが、やや間延び感というかダレる部分もなくはなかったか。このアッサリした最後の結末を考えると、もっと全体の時間そのものは短くても良かったか。
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