2024年6月21日に配信が開始されたDLC版『エルデンリング Shadow of the Erdtree』の感想をレビューしていこうと思います。本編エルデンリングと比べてどうだったのか?
結論から言うと、DLC版エルデンリングは基本的に面白かったと思います。エルデンリングがちゃんとエルデンリングしてた印象。これぞエルデン of エルデン。だから個人的にプレイしてて感じた「いろいろな雑感」を箇条書き的にレビューしていきます。
ちなみに、レビュー時点では群を抜いて強すぎるラスボスはまだ倒せていません。それでもマップはほとんど踏破しているので問題はないかと思います。
マップは広かったのか?
Shadow of the Erdtreeのマップは「エルデンリング2と思えるほど広大だった」という前評判でしたが、個人的には過大評価という印象。確かに他のゲームだと本編1本分ぐらいのボリューム感だったのかも知れませんが、あのエルデンリング本編と比べるとボリューム感は見劣りします。
ダンジョンの数なども知れていますし、マップの面積もリムグレイブより少し広い程度。全てを探索するという意味では、そこまで時間もかからないと思います。DLCとしてはかなり豪華な内容であることは間違いありませんが、ボリューム感は言ってもDLCの範疇でしょう。
ただ敢えて言うのであれば、「奥深い」「濃い」といった表現が合うか。マップに空白地帯が少ないので、いろんな要素がコンパクトにバランス良く凝縮されている感じ。それ故に飽きさせないマップではあったか。間延びせずいろんな目的地を発見しやすい。
このクオリティのモノを2年そこらで制作してしまうフロムの開発陣が改めてヤバすぎる件。だから4400円という価格が高いか安いかで言うと、まさに妥当。新マップという点だけでも十分評価できると思います。
敵がとにかく強い
『エルデンリング Shadow of the Erdtree』の売りは、とにかく敵が強いこと。
影の地限定でプレイヤー本人や遺灰の強さを最大2倍まで強化できる「影の地の加護」という設定(アイテム類)が用意されてるんですが、これを使うことが前提の作りになっています。この加護を縛ってクリアできる配信者はかなり少ないでしょう。遺灰なしはマジで地獄。
ボスがとりわけ強いんですが、火力がとにかくエグい。全部即死レベル。ボスの攻撃を受けて倒れても、なかなか立ち上がってくれません。本編エルデンリングでほとんど使用してませんでしたが、盾などでガードして被ダメを抑えるのが必須となってきます。
影の地特有の強力な武器でもあればいいですが、基本的に本編エルデンリングを上回る武器はないと思ってください。
ちなみに自分は2周目プレイで挑んだこともあって、敵やボスがさらに強化されていたことも難易度を高めていた理由かも知れない。だから周回プレイの状況を反映させるか否か選択できるようにしてても良かったか。
○動きが早い上に好戦的
それでいて本編のボスと違って、とにかくゴリゴリに好戦的です。開始1秒で即死攻撃を放ってくることもしばしば。遺灰を使ってもターゲットがそちらに向かわず、ボスがこちらをガンガンお構いなしに攻めてくるので、難易度はエルデンリング本編と比べてもまさにレベチです。
マレニアの第一段階が分かりやすいですが、本編エルデンリングだと積極的に攻めてこないボスも少なくなかったと思います。わりとジリジリと様子見してくれるので、こちらは攻撃や回復の隙を伺いつつ戦えたのですが、DLC版ではそういう余裕が全くありません。
ボスの攻撃方法もかなり多彩です。連続攻撃も多く、それを避けるだけで手一杯。また本編エルデンリングと違って、攻撃スピードや次のモーションに移る速度も明らかに早い。無慈悲な攻撃の連続で、ボスの強さはまさに理不尽なレベル。
もちろん雑魚敵・モブ敵の火力も高いんですが、索敵能力も高いのか遠目からでもこちらの存在をすぐ認識して、かなり執拗に殺意高めに追尾して来ます。エルデンリング本編では諦めていた距離でも平然と追いかけてきます。生きた心地はしません。
バトル面での不満点
だから、加護でキャラクターの動き(俊敏性やスピード・反応速度)もアップさせてほしかったのが本音です。ボスとの動きの差が明らかに違いすぎる。聖杯瓶を飲む時間ですらも遅すぎてイラつきます。加護で火力や耐久力がいくらアップできると言っても、あまり意味がありません。
Steamのレビューを見ると「反射神経を要求しすぎるクソゲー」「高難易度と理不尽を履き違えているとしか思えないバランス調整でストレスしか溜まりません」という辛辣な意見もありました。戦いにスピード感を求められているのに、こちらは鈍さを強制的に押し付けられている状態。
これではストレスしか溜まらないのも納得。
○遺灰がアホすぎる
あと遺灰(特に写し身)がバカすぎる。ボスに攻めに行かずにボーっと突っ立ってることもしばしば。障害物が目の前にあった場合、そのまま構わず突進して動けなくなることも。最適解の行動を取れとは言わないが、明らかに無意味でムダな行動が多すぎる。
だからか遺灰がボスの囮役になってくれない。ボスのAIが単に凶悪に賢く設定されているのか、一直線でこちらをターゲットにして向かってきます。ボスをここまで強くするのであればもっと勝てる行動を取っててもらわないと、これでは遺灰を使う意味がない。
○バトルフィールドが狭い
他にもボスが縦横無尽に動き回るくせに、戦っているフィールドや空間がわりと狭い。端などにすぐ追い込まれるんですが、どうしても壁際や超近距離だとカメラワークがゴチャつきがち。RPG特有のクソカメラワークは90年代から全く進歩していないのは何故?
ボスそのものがめちゃんこ強いのはいいんですが、こちらを弱くしてもらっちゃ困ります。確かに面白さよりもストレスが勝つことも多い。
全体的に暗い
「影」をテーマにしているだけあって、画面が全体的に暗いです。それも別に構わないんですが、【ランタンの強化バージョン】のようなもっと全体を明るくできるアイテムがあれば良かったか。当方は視力が悪いもので、見通しの悪さはなかなか致命的だったりします。
ダークな雰囲気を味わうか味わないかはこちらで判断します。
新規アイテム専用タブ以外にも?
「最近入手したアイテム」専用のタブが新たに導入されました。DLC版を購入しなくても使えるっぽいですが、まずまず便利。エルデンリングはアイテム類が多すぎる上、拾った際に表示される画像だけでは一見してどんな種類のアイテムか分からないことも多かったから。
ただ他にも「お気に入り」専用タブもあれば便利だったか。特に武器や防具は基本的に使うモノは結局限られるため、いちいち大量の武具から選択し直すのが面倒すぎる。そもそもここまでいろんなアイテム要る?使う?選択肢が多くても逆にストレスが溜まります。
DLC版では新規の武具もわりと投入されているんですが、派手で有用なモノは多いものの、正直、抜きん出て強いのはなかったように思えます。この新しい武具で本編エルデンリングをクリアしてみてね、というサービス精神の延長線上でしかないか。
結局、本編エルデンリングの強強な武具を使うよね~って感じ。
結局、どんな武具が強いのか?
もっと言うと、エルデンリングは「どの武具が強くて弱いのか」が非常に分かりづらいです。
武具ごとに小数点以下レベルまでスペック差を細かく設定するのはいいんですが、結局どれが強いの?って話。これらの差を理解したところで、その考えた時間や労力の割に貰える果実は少ない印象です。
重量の数字はローリングのしやすさに関係しているので意味があると思うんですが、それ以外の数字はもっとざっくりしてていいと思う。防具は特にどこまでダメージを軽減できているかは感覚的に分かりづらい。
○素直に強い弱いが分かった方がいい
結局、武器であれば出血の有無や体勢の崩しやすさ(強靭削り)、モーションの連撃度合いや戦技の強さで変わってきます。耐性系やカット率も弱中強の三段階だけでざっくり大別して、見た目や付加価値(派生)重視で選択させた方が分かりやすい気はする。
武器種(カテゴリー)もいろいろ用意してくれているものの、同じ武器種でスペック差を細かく付ける必要がいちいちあるのか?攻撃力が5・10違ったから何なん?その程度の差しかないなら最初から全部で同じでええやんという。
例えば、強化した時により強くなるのであれば「成長度」とかでクラス分け(S・A・B・C…)したらいい。
要するに強い武器や防具であれば、ちゃんと強いこと or どう強いかを明示してほしい。
総合評価・評判まとめ
以上、DLC版エルデンリングをまとめると「敵の強さで評価が分かれてる」って感じです。
逆に言うと、作り込みや全体のクオリティは本編エルデンリングと全く遜色ありません。ボリューム感は過度な期待は禁物ですが、歯ごたえある敵の強さも相まって50時間以上は遊べるはず。ラスボスまでクリアできるかは別問題ですが。
だから本編エルデンリングがそうであったように、いずれボスの弱体化アップデートが入る予感も。せめて加護でモーション速度をアップさせてほしいところ。あと遺灰が明らかにアホすぎるのも改善してほしい。そのため2024年6月後半以降では評価がまた変わるかも。
それでも何やかんや言いましたが、『ELDEN RING 2』の発売もいずれ期待したいところです。エルデンリングの物語はマリカが諸悪の根源のようですから、まだまだ第二弾第三弾のDLCが来てもおかしくないか。不満感は覚えつつも、次の展開にも期待させるDLCではあったか。
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