【憲法改正】リベラル視点で9条改憲案を考察してみた

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つい先日10月22日に第48回衆議院選挙の投開票が行われました。既に「2017年衆議院選挙の比例情勢まとめ」や「2017年衆議院選挙の近畿情勢まとめ」といった情勢記事も選挙前に作りましたが、結果は予想通りに自民党が大勝。公明党が議席を6議席ほど減少させましたが、与党全体では議席全体の3分の2を確保。まさに大勝利と表現して良さそう。

そして現在、目下の話題となってるのが「憲法改正」。具体的には憲法9条の改正が行われるのではないかと言われています。選挙中は9条改憲以外も含めて大して議論が盛り上がりませんでしたが、安倍総理が選挙前に9条改憲を公約に掲げたことなど憲法改正のスケジュールが本格的に進むと見られています。そもそも2016年の参議院選挙で既に3分の2を確保済みだったため、憲法改正議論が一切進んでない時点で色々とお察しですが…。

ただ護憲派と呼ばれるリベラル派や左派左翼などは「9条の改憲は絶対反対」という考えを持っている方が多そう。確かに9条1項の「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」という平和主義を改正することに抵抗感を持つ国民も多そう。

そこで今回は安倍総理が主張する憲法9条改正案の是非論を筆頭に、敢えてリベラル側が憲法9条を改正するのであればどういった案が良いのかを考察してみました。この「ドル漫」はただの漫画ブログですが、お気になさらないで下さい。

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憲法9条の3項加憲は全く意味がない

まずは安倍総理が主張している憲法9条改正案について整理、批判したいと思います。

安倍総理は現行の9条1項2項をそのまま維持し、新たに「自衛隊の存在を明記した3項を加える」と主張しています。元々は安倍総理ではなく、元民進党も前原代表が主張していた内容ではあるものの(いわば清々しいパクリ)、「自衛隊が違憲」と主張する勢力を意識した上での改正案。

ただ結論から書くと、安倍総理の9条改憲案は全く意味がないと指摘せざるを得ません。

何故なら「自衛隊が違憲」という主張がそもそも一般的ではないから。多くの政治家、法律家、国民有権者は「自衛隊を合憲」と思っているはず。少なくとも日本政府自体が「合憲に近い存在」と認めているからこそ、今日に至るまで自衛隊が存在し続けられてる。

確かに2項では「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と書かれている。自衛隊の存在が違憲である可能性はゼロではないものの、そもそも「違憲と主張してる9条2項を残したまま」では違憲の可能性を完全に排除できるわけがないのは言うまでもない。わざわざこんなことのために何百億円という税金を使って国民投票する意味は、まさにゼロ。

自衛隊を違憲と主張してる共産党あたりは「9条に3項を加憲すると新しい内容が優先され、2項が死文化してしまう」と主張しているようですが、これはこれで理解しづらい。議論が噛み合ってるようには思えず、反論としては弱そう。

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新憲法9条には「非核三原則」などを盛り込むべし

やはり憲法9条改正の議論となると「軍拡」ばかりがクローズアップされがち。軍拡と表現するとやや大げさですが、どうしても「自衛隊の権利の拡張」ばかりが議論されてしまう。でも安倍総理が強行採決した安保法制(戦争法案)が典型ですが、既に現行9条下においても自衛隊の権利は拡張され続けてる。安倍政権以降、防衛費(軍事費)がずっと増加傾向。

ただ個人的に思うのは「逆」が議論されて当然良いはず。つまり憲法9条を改正するにあたって「自衛隊を制限・縮小」させるような中身に改正する案が出てきても良いはず。確かに既に「戦力不保持」を掲げてるため、これ以上の制限はしようがない。でも現行9条の条文は表現がアバウトであるが故に、なし崩し的に拡大解釈がされているのも事実でしょう。

だからこそ2項では「最低限度の軍事力そのものは持つ」と認めつつも、「日本政府は永続的に軍縮を実行する」や「集団的自衛権は保持しない」「侵略戦争の禁止」といった具体的なワードを用いることで、現実的な法改正や防衛費の増加の歯止めに繋げた方が良い気がする。ポンコツ防衛大臣・稲田朋美の事件も鑑みると、常に「自衛隊の行動は日本国民に対して情報開示を行う」と記載したっていい。

他にもリベラル層が好きそうなワードを盛り込むのであれば、その典型が「非核三原則」。これを憲法9条の中に「非核三原則を誠実に実行し、核兵器の所有製造を永久に認めない」とでも盛り込めば、日本の将来的な核武装を潰すことが可能。自称安保通の中でも、日本の核武装に関しては積極的な人は少ない。右派の改憲論者からしても、実は賛成しやすい内容。

「憲法9条をノーベル平和賞にしよう」という運動もあるようですが、現行の憲法9条を推薦するよりも「非核三原則」を盛り込んだ憲法9条に改正した方が、個人的にはノーベル平和賞を受賞しやすいのではないかと思います。佐藤栄作がかつてノーベル平和賞を受賞しましたが、やはり非核三原則絡みでした。核兵器禁止条約が国連で採択されましたが、日本政府は批准しませんでした。そういった日本政府に対する強烈な一撃にもなりうる。

つまり現行の憲法9条を変更したからと言って、中身や理念が毀損されるとは限らない。更に9条の理念をブラッシュアップさせることで、より国民に支持される内容に変更することも可能。そういったアプローチから逆に自民党などの積極的な改憲派を追い詰めることもでいる。

もし自分が野党であればこの9条改憲の発議を認める代わりに「安倍総理の退陣」を求めても面白いなーと思います。結果的に9条が改憲されるとしたら安倍総理も反対する理由がない。やはり安倍の元で初めて改憲が行われるのは、与野党含めて有り得ないでしょう。

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護憲的9条改憲まとめ

確かに9条の理念は素晴らしいので護憲は一定の需要があるのは事実でしょう。ただ現実として安倍総理が強硬に9条改正しようと試みる可能性が高い中、じゃあ何もしないでいいのか?と思うリベラル派も少なくないでしょう。

共産党も立憲民主党に随分近寄ってきたため、「9条以外の憲法改正」についてまでは口を出さなくなりました。今後立憲民主党を中心に他の野党勢力も結集していくものと予想されます。でも自民党や公明党が3分の2を維持し続ける状態は変わらない。

その中で立憲民主党なりが9条の改正議論に参加せざるを得なくなった場合、こういったリベラル的な9条改正案を叩き台にすることができれば、良くも悪くも議論が紛糾させて自民党などを牽制することもできそう。

もちろんリベラル派や護憲派の方が積極的に9条改正議論に参加する必要もないと思いますが、敢えて「軍縮」や「核兵器の規制」といったアプローチから議論に参加することで、憲法9条改正(改悪)に対して楔を打ち込むことはできる。0か100かの姿勢ではいざという時にジリ貧に陥ることも多いので、こういった色んな選択肢をリベラル派が持っておくことは決して損にはならないはず。

以上、リベラル的な側面で憲法9条改正案を考えてみた…という記事でした。

ちなみに個人的に真っ先に憲法改正するとしたら、憲法89条。ざっくり言えば、『私立学校』に対して国が助成するのは禁止するような内容。一応、憲法解釈の変更で現在は私学助成が行われてるものの、9条改正以上にグレーゾーン。国民に身近な話で言えば、明らかに教育面からの憲法改正の方が喫緊の課題でしょう。

朝鮮学校に対する補助金は相変わらず揉めていますが、憲法89条からは「教育」という文言を削除した方がベター。安倍総理や公明党が主張する教育負担の軽減とも相まって、共産党も含めて賛成しやすいはず。